ruca's xxx

ruca's xxx

恩田陸



★ストーリー★
夜を徹して80キロを歩き通すという、高校生活最後の
一大イベント「歩行祭」。
生徒たちは、親しい友人とたわいもない話をしたり、
打ち明け話をしたり、片想いの相手や
将来の夢を語り合ったりして夜を過ごす。
貴子にとっても特別の夜になるはずだった。
高校三年間誰にも話さず__親友にさえも、
胸の奥底に秘めていたことをすっきりと
清算してしまいたかった。

どうということもない話のように思えた。
でも、一気読みしてしまった。
なんともいえない、不思議な「空気感」があった。
少年少女たちの、特有の「痛み」と「爽やかさ」の
ある世界にどっぷりとつかり、
こそばゆいような、照れくさいような気分で読み進めた。

彼ら、彼女らの息づかいがすぐそこで感じられた。

「本の雑誌」が2004年のベスト1に選んだ作品。

納得。
そして、おすすめの一冊。



『Q&A』幻冬舎刊

★ストーリー★
2002年2月11日午後2時過ぎ、
都内郊外の大型スーパーマーケット「M」に
おいて、重大死傷事件発生。
死者、69名、負傷者116名。
原因は未だ特定されていない。

そもそも、事故なのか?事件なのか?
火災が発生した、それとも生物テロだったのか…

全てのミステリーは、「Q&A」という、
会話のみで語られていく。

★感想★
昨年の「このミス」にもランキングされた作品。
よく出来ていたと思う。
「章」という形をとらず、白ページを挟むのみで、
次々とQ&Aが繰り返されていく。
途中まで、それが誰と誰なのか、わからないまま
読者は想像を広げていく。
会話の中にのみ、その人物の特性が見えかくれするからだ。

便宜上、「事故」と言ってしまうが、
その事故の恐ろしさ以上に、
ひとびとの悪意や憎しみや恐れ、蔑み、
羞恥心……そういうマイナスの感情が
綯い交ぜになって、わたしの心に侵食してくるような、
そんな気分にさせられた。

それは、「不安」だ。
形のないもの、わけのわからないものに
対する不安__相手がわからないから、
対処のしようがない。
そのことを無意識に感づいている自分がいる。

この事故が、その後周りに与えたものは
なんだったのか。
教訓、なんてものではない。
人間は、愚かで矮小な生き物だと思い知らされただけなのかも。

思った以上に、ヘビーな作品だった。
ミステリファンにもホラーファンにもおすすめ。


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: