カウントダウン


壊れたのは貴方と私の関係だけじゃなくて
私の安泰も
私の安らぎも
私の温もりも

消えてしまったのは貴方の実体で
何時まで経っても消えないのは
貴方の面影
私の脳髄に焼き付いて離れないのは
貴方の温もりと
貴方の冷たさ
貴方の愛情
貴方への想い

如何して私は貴方を救うことが出来なかった
如何して私は貴方を苦しめることしか出来なかった
私の存在する意味は
そもそも無かったのかもしれない
実態の無い私は
貴方を守るには儚く脆く
自我を押し付けていた
今更だけど
何度も繰り返すよ
「御免なさい」

今でも未だ貴方の名前を繰り返し呼んでいる
届かない私の声は
貴方の元に逝くには余りにか細く
途切れ途切れで
_傍に居たかった_

もう何もかも赦されない

もう私自身を抑えきれない

灰になる私の心は
風に乗って貴方の元に逝くには遠すぎて
当然の報いを受けることを
私は引き止めることの出来なかった罰だと飲み込ませた


紫陽花は枯れた
蝉の命も終わる
雪洞を掲げて貴方の道しるべに
私が先に逝って待っているから
消えていったのはあの日の光
消えていったのは蛍の命
余りに冷たい蛍の光

紫陽花は枯れた
私の愛情は醜く散った
貴方に届く前に
貴方の足音は遠くなった
私は気付いていた
全ての終わりに


終焉が始まるよ
カウントダウンが始まるよ
ほら目の前でちかちかして
カウントダウンが迫っているよ
何時からカウントが始まっただろう


そう
貴方が私を見捨てた日から
貴方が私を愛さなくなってから

私の過去は錯乱している
私の現在は混沌としている
私の未来は途切れている

ほら
目の前で踊っているアレは
私を導く先導者
終焉が始まる前に
私は逝かなければいけません
私には見届けることは出来ません

貴方たちを傷つけることは
出来ません

御免なさい

愛してた
皆みんな大好きだった

だから
終焉が始まる前に逝くよ

私のことは蜉蝣だと想って
すぐに忘れてください
短い命を
自ら絶つ私

私の目の前でくるくる踊るのは誰?


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