ATTAR


Farid Al Din Attar
ファリッド・アル・ディン・アッタール



ニーシャプール(イラン)に生まれる。

ハキーム・サナイと並び、

代表的なペルシャの神秘主義詩人の一人。

アル・ハッラージュ・マンスールに影響を受けてスーフィーの道に入る。

アッタールの詩作はルーミーにも影響を与えたとされる。

「アッタールは我が魂、サナーイーは我が両目、

我はサナーイーとアッタールの後を追う」

とルーミーは言ったそうです。

アッタールの主著「鳥の言葉」はとても有名。

また、スーフィー達の伝記「聖者の思い出」などを著作。

1220年没。


attar




海を呑み干せど

我らの唇いまだ

浜よりも渇きおり

途方に暮れし我ら

満たされんと

海を探しさまよう

我ら忘れおり

浜のごとき唇の

この我が身こそ海なりき



抜粋 AROLES D'ISRAM[Nacer Khemir]




汝、道に迷った粒子たちよ、来たれ。

汝の中心に近づけ。

汝が見た「永遠の鏡」となれ。

広大な暗黒にさまよっていた輝きよ。

汝の太陽に帰りきたれ。



アッタール「鳥の言葉」








アッタールは「鳥の言葉」の著作の中でこう述べている。

(概要)



bird
霊感の象徴であるヤツガシラは、鳥達を集め

伝説の鳥、「シモルグ」を探すよう呼びかける。

鳥達は探究を始める。

物質界に執着している鳥達は、旅を断念する口実を見つける。

事物の外面的形態にとらわれていたナイチンゲールは

薔薇の花から離れられない。

かもは水から離れられない。

鷹は獲物を捕らえることから離れられない。

諸物の内面的な側面に覚醒し、

物質性を超えて事物を見ることの出来る機能のみが、

完成に向けて旅を行うことを決意する。

探究の最後に鳥達は

シモルグは常に自分達と共にいた事、

旅の間、ずっと内部から彼らを案内していたことを知る。

探究のゴールは「自己」である。





参考文献 イスラームの神秘階梯





アッタールはペルシャの神秘主義詩人[12-13世紀]の人です。
それでは、以下に・・・

senninsou

 愛の蟻

ある時、ソロモン王は誰一人いない場所で蟻に出会われた。
無数の蟻が挨拶の言葉を述べに来る中で、
一匹の蟻だけが王に気をとめず、
目の前の巨大な砂山から砂を一粒ずつ運び続けていた。
ソロモン王はその蟻にこう声をかけられた。

「小さき者よ
ノアほどに命をながらえ
ヨブほどに我慢強くとも
お前がその高い山を消し去ることはできまいに!」

「偉大なる王よ」
蟻は答えて言った。
「私の小さな体よりも
この激しい思いをこそご覧ください
山の向こうには私の愛する御方がいます
だから、何があろうとも、私は山を切り崩さねばならないのです
お会いしたいという一心のうちに私が命を落としたとしたら
その時こそ


王よ
どうかこのかよわい蟻から愛の力をお学び下さい
めしいた者から視覚の秘義を学ぶように」







抜粋:アッタール「神の本」
   イスラムの言葉 * ナセル・ケミール(編)
          邦訳 いとうせいこう


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: