放浪の達人ブログ

倍返し

   【倍返し】

日本では年間を通じて色々な行事がある。
正月、節分、ひな祭りなど、日本独自の伝承的行事をはじめ
クリスマスのように海外から伝わったお祝い事もあるのだが、
その他にバレンタインデーというモテない男子には過酷なイベントもある。
自分のモテ度をリアルに直視せざるを得ない審判の日なのだ。

あのバレンタインデーの起源はローマ帝国時代にまで遡るが、
日本での普及は約50年ほど前から始まったそうである。
チョコレート業界の売り上げ促進のためのキャンペーンが功を奏し、
今ではバレンタイン=チョコという戦略は見事に成功している。
それどころか「義理チョコ」「友チョコ」「逆チョコ」「自分チョコ」など
どんどんチョコを売る戦略を画策して利益を生み出す商法は見事である。

それに応えるかたちとして登場したのがホワイトデーであり、
調査によると男性のかなり多くはそのホワイトデーに反対しているらしい。
そりゃそうだわな、本命の女性からチョコもらったお返しならいいけどさ、
勝手にチョコを配ってきた女子どもから「お返し」を暗に要求されるとか
要求はされないけれども「お返ししなきゃマズいよなあ」みたいな感じで、
しかも流行語じゃねえけど「倍返し」みたいなルールを商業界が勝手に作って
まんまと一般大衆の消費をひねり出す商法に「分かっちゃいるけど乗せられてる」
そんなある種の虚脱感を感じながらもお返しの贈り物を買ってるんじゃなかろうか。

実は俺にもそんな経験があるのだ。
子供時代に好きでもない女子からバレンタインチョコを貰って
義理堅い俺はしぶしぶお返しをしたら勘違いされただとか、
お返しした相手がお菓子の総金額を計算してる場面を偶然見ちゃったとか、
複数の女子からチョコを貰ったので全員にお返しするのは面倒だし
お金もないんでお返ししなかったらガッカリされたとか。
ええか、そもそも贈り物ってのは無償の愛の表現じゃねえのか?
打算的考えがあったらそれは贈り物なんかじゃねえ。

ここでこの紙面を借りて読者の方にお知らせしておくが、
編集部宛てに俺へのバレンタインチョコは送ってくれなくていいからな。
毎年バレンタインデーになると編集部は俺へのチョコの贈り物の処理に
貴重なマンパワーを奪われ、ド狭い編集室に積まれたチョコの段ボールのため
更に狭くなってしまい業務に支障が出ていて迷惑しているのだ。
だからチョコの代わりに現金にしてくれるとありがたいのである。
(編集部注:そんな事実は全く一切ございません(笑))

でもまあ、バレンタインデーだとかホワイトデーだとか、
それも自由で平和な国ならではのイベントじゃねえか。
サウジアラビアではバレンタインデーを祝う者には最高刑で死刑らしいぜ。
モテない男性諸君、俺と共にこの非情な2つのイベントを
冷笑半分、涙半分でポーカーフェイスでやり過ごそうではないか。


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