「赤の発見 青の発見」 



 世界に誇る日本の頭脳。

 夢の対談がついに実現

 200X年ノーベル賞受賞を確実視される二人が、
世界的発見に至る経過、創造力を発揮させる必須条件、
科学、技術、そして日本のあるべき姿を初めて語りあった!

 と、本の帯にあるこの本。

「GANESIAは大雪を予感させる吹雪の中、JR熊野駅の待合室で生と死について考えていた。」

 というのは、イアン・フレミングの「ゴールド・フインガー」の冒頭部分の文体模写です。(ちょっと息抜き)

 知人の親族の葬儀に参列するため、南紀1号に乗り込んだ私は多忙で読めないでいた本を、津市と熊野市との往復の間に読了できました。

 読後感を一口で言えば、「超天才西沢潤一が天才中村修二の発明と発見をあますことなく分析・解説した本」であるということです。

 この本のプロローグで、解説者松尾義之氏(この解説がわかりやすくてよい)も述べていますように、二人の天才は発明・発見に至る「余白部分が大きい。」

 常人には理解しがたい部分がたぶんにある。

 発想の飛躍といいますか、(今までの研究ではありえないことを実証してしまう)から、凡人学者は反発し、こき下ろし、引きずり下ろそうとするのです。

 多数決でいったらこのお二人は負けます。凡人研究者のほうが圧倒的に多いのですから。

研究費の申請でも「アメリカでやっている」と書けば通りやすい。これが40年前から言われている笑い話ですが今も横行しているのです。由々しき事態ですね。

 世界の誰もやっていない研究・うまくいくかどうかわからない研究には資金は出ないわが国。

 なぜかといえば審査する側に問題があるから。

 西沢氏が中村氏の研究を評して、「何の苦労もなしに突然、『気相』の方面から青色発光ダイオードをつくった。」

 「従来の研究者は『液相』の方面から実験・研究を積み上げてきていたのに。」

 という箇所が中村氏の大発明を言いえて妙でした。

 ゴルフになぞらえますと、ドライバーだ、アプローチだ、

 バンカーショットだ、寄せのテクニックだ、と長年やってい

たらタイガー・ウッズが出てきて、遠くまで飛ぶ球をドカンと打ち込んで、

高い球を上空からストンとグリーンのピンそばに急降下爆撃のようにねじ込んだようなものなのでしょう。

 登山家が長年攻略しようとして果たせず、涙を呑んでいた難

攻不落の魔の山を、裏側から白面の青年が登頂したみたいなも

のです。

西沢博士はこう表現しています。

 「これは決して悪い意味ではなく、中村氏は知能犯ではなくいわば『暴力犯』のようなものです。まわりができるわけないだろう、という中でも、『とにかくやってみる』というタイプですね。」と。

 外国の研究者がすぐに成果を認めたのに、日本の大学からは中村氏に対して教授に就任へのオファーが一件もなかったのです。

 まあ、ノーベル賞をもらった白川博士も筑波大学を定年退職して、お呼びがなかったのです。しかも、白川博士は受賞前は、日本で何の賞ももらったことがなかったのです。

 学士院賞とかは毎年ふんだんに出ますが、あれは村の功労者しかくれないようですね。

 独創的な研究に成功した人は村の秩序を乱す人なのでしょうか。

 じゃあ、お前は何をするのかと問われれば、「母校の教授にひっぱる運動をします。」と答えます。(偉そうに聞こえたらご寛恕くださいね)

 知る人ぞ知る、早大理工学部は戦後最大の根本的学科変革を行ないつつあります。

 あらゆる学科・講座が再編成されつつあるのです。ポストも増えます。

 明治通り沿いの隣の戸山小学校(だったかな)も、統合により廃校になるので、買収することが決定済みです。(新校舎がまたできる。)

 寄付をよろしく。私が募金委員であることをお忘れなく。

 私が学会に参加申し込みをしたら、プレスということで快く資料をくださいね。

 早稲田大学理工学部教授の道が開けますよ。

 現に一人推薦済みで、大学側では調査しています。



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