「黄金」その4



 黄金を探しに山中奥深く入っていった三人でした。老山師ハワード、ドブス、カーティンですね。

 「人の行けそうな所には黄金はない。もう掘り尽されている。誰も足を踏み入れたこともない山中に入らなければ駄目だ。一週間ぐらい山中を踏破しなければならない。」とハワードは言います。

 この老人は何か企んでいるのではないか。そんな思いが映画を見ていて胸中を何度かよぎりました。サスペンスが盛り上がっていきました。

 怠け者の二人が一週間の山歩きなどできるものではありません。衣服はぼろぼろで汗まみれになってしまいます。

 くたびれて座り込んでしまった所にある石が金色を含んでいて、遂に黄金を発見したと二人は大喜びします。

「見てくれ、金だらけだ。大鉱脈だ。」

 老人は「馬鹿の黄金(fool's gold)だ。」と即座に否定します。

 黄鉄鉱なのです。真鍮(しんちゅう)様の淡黄色をしていてよく間違えます。

 古来、黄金探しは人類の夢を掻き立てます。そして黄金探しをする人を相手の商売も多岐に渡っています。

 詐欺のような真実のような、表裏一体な、真贋誰も知らぬ、演じている本人もわからない部分があるのかもしれません。

 「一流大学に合格すれば人生安泰」。「それには私どもの予備校に入学するに限ります。」

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 大金脈かバカの黄金か。私には良くわかりません。(続く)



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