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私
:俺は 村上春樹の小説
は「 アフターダーク
」しか読んでいない。
村上春樹
に関心をもったのは、このブログの 06年頃の チャンドラーの知的街道
からのつながりだね。
村上氏は「 これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本を三冊あげよ 」と言われたら、 次の三冊 だという。
フィツジェラルドの「グレート・ギャツビー」
ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」
チャンドラーの「ロング・グットバイ」
さらに「 一冊に絞れ 」となると「 グレート・ギャツビー 」だという。
そこで、「 グレート・ギャツビー 」の彼の訳のものを買ったが、すでに別の翻訳家のもので読んでいるので、翻訳の違いの知的興味からだね。
A氏 :その翻訳の違いは 君のブログ にあるね。
私
:「 ロング・グットバイ
」は彼の翻訳書が出る前に図書館から借りてよんでいるが、その後出た彼の訳のものは購入した。
しかし、「 アフターダーク
」後、村上作品とはいつしか疎遠になった。
それが、今度、「 1Q84
」という 上下2冊の大作の発行
となり、 発売1ヶ月で200万部の売上
だという。
A氏
:書店でも山積みだね。
今朝の朝日新聞の be紙
では、この村上氏の作品を扱っているね。
beモニターのアンケート
では、 村上作品を読んだことがない人が55パーセント
だね。
読んだことがあるという人に、「 村上春樹は好きですか
」と聞くと 約半数は「ノー」
だね。
私 :俺のブログでも「 アフターダーク」 の感想で、次のような アマゾンコム の読者感想を引用している。
「 今まで同氏の作品を読むごとに 難解な表現 や、 象徴的な言葉 が出てくるのが多く、とまどって考えさせられることもあったが、この作品は音楽を聴くように滞りなく流れていく 」
A氏
:村上氏の表現には、何か難解なものや抽象的な言葉が多いのかね。
軍国主義イデオロギーが示した抽象的で精神的にわけのわからない表現
に拒否反応を示している 俺たち世代
には、合わないことになるね。
私
:「 アフターダーク
」はその点で異色らしいね。
だから、俺には抵抗感はなかったがね。
しかし、 村上氏のオーソドックスな作品の愛読者
にとっては、「 アフターダーク
」は意外な作品だったらしく、あまり好評でなかったようだね。
村上氏の表現には、 何か難解なものや抽象的な言葉が多いという証拠
に、日経ビジネス7月27日号の書評欄で似たような批評があったね。
同誌の「 余暇を過ごすならこの1冊
」欄で「 1Q84
」について、 インターネットイニシアティブ社長
の 鈴木幸一
氏が読書感想を書いているが、その題名が「 洒脱な表現への違和感
」とあるね。
例に挙げているのが2つある。
「 アリストテレス と プラントン は、たとえて言うなら メル・トービン と ビングクロスビー くらい違う」
「そのすさまじい変容ぶりは、 大いなる無名性 から 息を呑む深淵への驚くべき跳躍 だった」
前者は、 メル・トービン
と クロスビー
を知らないと意味がまったく分からない。
そう言えば、「 アフターダーク
」でも、 レストラン(ファミレス)
と書かないで「 デニーズ
」とか「 すかいらーく
」とかなるし、 セブンイレブン
も登場する。
店のバック音楽も パーシー・フェイス楽団の「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」
などと表現される。
後者は、 まったく理解できない抽象的な表現
だね。
アマゾンの読者評 も割れているが、 上の例を連想 すると、アマゾンのあまり評価しないという側の読者の意見を読むと何か俺は納得するね。
最初、あまり騒ぐので買おうかなと思ったが、ちょっとペンデングとなったね。
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