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師走の19日、歌舞伎座に行って来ました。時間の取れる時に一気に昼夜通しで見てしまうパターンが定着しています。
例によりまして三階の上のほうで高見の見物。昼の部では偶然隣り合わせたおばあさんが歌舞伎観劇歴43年と言う大ベテランでして、いろいろと教えていただきましたァ~。
昼の部
一、八重桐廓噺(やえぎりくるわばなし) 嫗山姥
荻野屋八重桐 菊之助
白菊 萬次郎
太田十郎 亀 蔵
沢瀉姫 松 也
腰元お歌 市 蔵
煙草屋源七 実は坂田蔵人時行 團 蔵
みどころ
以前は傾城、今は傾城の恋文の代筆をして歩く八重桐(菊之助)は、大納言岩倉兼冬の館の前で、姿を消した夫の坂田蔵人時行(團蔵)と自分しか知らないはずの聞き慣れた歌を耳にします。館に入った八重桐は、兼冬の娘の沢瀉姫を囲む人々の中に、煙草売りに身をやつした時行を発見。乞われるままに、自分を棄てた時行への複雑な想いを込めて、その境遇を立て板に水のごとく語り始めます。別名「しゃべり」と呼ばれる女方のひとり語りが眼目の一幕。後に坂田金時を身ごもることにもなる強き女八重桐役に、菊之助が初めて挑みます。
《鑑賞記》
腰元お歌の市蔵のお役は立ち役が務めるものだそうですが、思わず吹き出してしまうような美女(どんなのかは見てのお楽しみ)でございました。結局、最後までこちらに気を取られることが多かったようでして、新たな市蔵のキャラを発見と言うところでしょうか。なんだかなァ。さて、ヒロインの八重桐は、坂田金時の母親なんですね。知らなかったのは私だけでしょうか・・・・・・・・?
菊之助が初役とは思えない出来でございました。
二、忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの) 将門
傾城如月 実は滝夜叉姫 時 蔵大宅太郎光圀 松 緑
みどころ 朝廷に反旗を翻し、滅んでいった平将門。その古御所に蝦蟇の妖術を使う妖怪が出没すると聞き、大宅太郎光圀(松緑)が征伐にやって来ます。現れたのは、島原の傾城如月と名乗る妖艶な美女(時蔵)。光圀に気づかれ、実は平将門の遺児滝夜叉姫と本性を顕すと、大蝦蟇を従えて光圀に抵抗します。薄暗い廃墟に、豪奢な遊女と大蝦蟇。妖しい耽美の世界が展開します。
《鑑賞記》
薄暗い廃墟がおどろおどろしさをいやがうえにも盛り立てる始まりです。
平将門の遺児滝夜叉姫と見破られた後の凄みには少し欠けるかなと言う印象でしたが、現れ出でたる蝦蟇ちゃんが可愛い作りだったりして、おかしかったなァ。
光圀(松緑)のひげは、描くのではなく、付け髭にしたら良かったのでしょうけど、汗で取れちゃうか・・・。
隣のおばあさんは、成駒屋(中村歌衛門)の芸を再現できる方が出るまで生きていたいとか、言ってましたよ。それは、福助だろうってね。
三、芝浜革財布(しばはまのかわざいふ)
政五郎 菊五郎
女房おたつ 魁 春
金貸おかね 東 蔵
錺屋金太 権十郎
桶屋吉五郎 亀 蔵
大工勘太郎 團 蔵
左官梅吉 彦三郎
大家長兵衛 田之助
みどころ 大酒飲みで怠け癖のある魚屋の政五郎(菊五郎)は、芝浜海岸で大金入りの革財布を拾います。早速、左官の梅吉(彦三郎)ら仲間を集めて大酒盛り。が、一晩寝て目覚めると、女房のおたつ(魁春)は、夢でも見たのだろうと取り合わず、借金の返済催促に来たおかね(東蔵)も無駄足に。反省した政五郎は、一念発起して断酒。まじめに働き出して三年の月日が流れます。政五郎を思いやるおたつと、その事情を知った大家の長兵衛(田之助)による英断が、夫婦に幸をもたらすという、三遊亭円朝の人情噺の舞台化。当たり役の菊五郎の政五郎が、笑って泣かせます。
《鑑賞記》
人情噺には定評のある菊五郎だけに、落語の噺を知らなくても主人公夫婦がとても良く分かるようにまとまっていたと感じました。女房おたつの魁春が、この方のお人柄もそうですが、控えめでいて芯はしっかりした女房でしたよ。
まじめにコツコツ働くことの大切さを今の世の中のある種の階層の方にもご覧いただきましょう。
四、勢獅子(きおいじし)
鳶頭鶴吉 梅 玉
鳶頭亀吉 松 緑
鳶の者 松 江
同 亀三郎
同 松 也
芸者お京 雀右衛門
みどころ ここは赤坂の日枝神社。山王祭に顔を見せた芸者お京(雀右衛門)と鳶頭鶴吉(梅玉)や亀吉(松緑)たちが、ほろ酔い加減で賑やかに踊ります。さまざまな江戸っ子の風俗が楽しい、晴れやかな常磐津舞踊です。
《鑑賞記》獅子頭に松緑が入っての熱演。後ろの部分には松江で、二人の意気もぴったりとあって、いろいろな動きを表していました。時間にしたら短いとは言っても、中腰で重い獅子頭を操作する演技ですから、相当タフでないと25日間はきついでしょうね。
夜の部
一、神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)
頓兵衛 富十郎
新田義峯 友右衛門
うてな 松 也
六蔵 團 蔵
お舟 菊之助
みどころ
六郷川の矢口の渡し。渡し守の頓兵衛(富十郎)は、先の足利と新田の争いで、褒美の金欲しさに足利方の手先となり、新田義興の溺死に加担した強欲者です。この家に、義興の弟の義峯(友右衛門)が、愛妻の傾城うてなを伴って訪れます。頓兵衛の娘で、父とは似ても似つかぬ気立てのいいお舟(菊之助)は、気品ある義峯にひと目惚れ。連れの女性は妹と聞き、積極的に義峯に迫ります。しかし義峯を新田の落人と知った頓兵衛は、再び金目当てに、床下から義峯を狙います。手応えを感じた頓兵衛が刀の先を見ると、そこには苦しむ娘の姿が。お舟は自ら義峯の身替わりとなり、彼らを逃がしたのです。平賀源内が福内鬼外のペンネームで書いた浄瑠璃で、『義経千本桜』の「すし屋」の趣向を採り入れるなど、見せ場に富む作品。菊之助のお舟は初役、富十郎の頓兵衛は三十六年ぶりという、見逃せない一幕です。
《鑑賞記》
江戸時代の発明王、平賀源内が節分の豆まきをもじったような福内鬼外と言うペンネームで、こんな浄瑠璃を書いていたんですね。
興味津々ではありましたが、おやつに食べた、たい焼きがお腹にもたれてきて終わりのほうまで意識が薄れてしまいました。じゃんねん、残念、不覚でごじゃりまする。
二、江戸女草紙 出刃打お玉(でばうちおたま)
お玉 菊五郎
おろく 時 蔵
どんでんの新助 友右衛門
おかね 萬次郎
三井平之助 権十郎
僧宗円 亀三郎
おふさ 松 也
茶屋女お金 歌 江
居酒屋甚五郎 市 蔵
桔梗屋伊兵衛 右之助
近江屋与兵衛 家 橘
森藤十郎 團 蔵
広円和尚 田之助
増田正蔵 梅 玉
みどころ かつて出刃打ちという曲芸で評判を取ったお玉(菊五郎)は、今は谷中の岡場所で、隠れ遊びに通う老僧侶の広円和尚(田之助)などを相手に、客を取る日々を送っています。ある日、敵討ちを前に緊張の面持ちで訪れた武士の増田正蔵(梅玉)に心打たれたお玉は、正蔵の仇討ちを、出刃打ちの技で手助けし、ひっそりとその場を去ります。その二十八年後、おろく(時蔵)の営む出合い茶屋で、ふたりは再会を果たしますが......。池波正太郎が、故・尾上梅幸の求めに応じて書いた、気っぷのいい、男勝りの女の話。梅幸の長男の菊五郎にとっても、適役となるでしょう。
《鑑賞記》
広円和尚(田之助)がお玉を相手に按摩をしながら、お饅頭をぱくついてましたァ。
本物だ。たい焼きで眠くなって、一休みしてしまいましたから、ここから目をパッチリさせて見てましたよ。
それにしても、増田正蔵(梅玉)が23歳とはお若い作りで、客席からも笑い声が・・・。死ぬから金は要らないのだと言って大金をお玉に渡して・・・・。
その財布の小判を一枚、二枚、三枚、信じられなァ~い、と言うギャグに大笑いです。これは正月の国立劇場も期待できるぞぉ~。
で、正蔵の敵討ちの場に駆けつけて、得意技の出刃包丁投げで手助けすることで敵討ちを果たせたのですが・・・。
10分の休憩で一気に28年後の白髪で皺くちゃなお玉に変身。
しかし、お玉の働いている店に来合わせた正蔵は、お玉のことなど、こんな婆あは知らぬと平手打ち。だれのおかげで、敵討ちを果たし、大名の家臣にまでなって今の暮らしが出来ているのか恩を忘れてあだで返したことに怒ります。店からの帰りに正蔵めがけて出刃包丁が飛んでくると左目に命中。
歳はとっても得意技は衰えていません。家来がお玉に切りかかろうとするのですが、身から出た錆びだと言って、お玉を切らせません。
ふむふむ、お玉もなぜ切らなかったのか、心に感ずるものがあったのでしょう。人と人とのつながりを大切にしたいものだと思いました。
三、新歌舞伎十八番の内 紅葉狩(もみじがり) 更科姫
実は戸隠山の鬼女 海老蔵
山神 尾上右近
侍女野菊 市川ぼたん
腰元岩橋 亀 蔵
従者左源太 亀三郎
従者右源太 市 蔵
局田毎 門之助
平維茂 松 緑
みどころ 紅葉が美しい戸隠山。平維茂(松緑)が、従者を伴いやって来ると、ひと足先に酒宴を催している一行の姿が目に留まります。その主である更科姫(海老蔵)直々に誘いを受けた維茂は、酒宴にまじわるうちに、まどろんでしまいます。寝込む維茂のもとに山神が現れ、更科姫は実は人食い鬼であると警告して去ります。目覚めた維茂は、鬼女の正体を顕した更科姫に立ち向かい、松の大木の上まで追いつめます。静かな女性の舞いから荒れ狂う鬼女へ。大役に挑む海老蔵、受けて立つ松緑ともに、初役でつとめます。
戸隠伝説とは、 こちら 。
《鑑賞記》
本年最後の歌舞伎になるし、注目の一幕でした。またしても、今度は、腰元岩橋(亀蔵)に化かされてしまいました。こんなキャラもあったんですかァ。緊張感を和らげてくれるだけに、次への緊張感がさらに高まりました。
成田屋ご子息の女形は、トレーニングジムで鍛えたお体では肩が落ちずに難しかろうとは思いますが、それはそれで、目の使い方を細目にして更科姫の部分を演じておりました。表情からは十分に女形です。
鬼女の正体を現すところからが荒事で鍛えた成田屋のあの目玉ぎょろりの睨みが利いてきます。山神の尾上右近は声がきついようでしたが、踊りは良かったです。
さあ、鬼女に変身してからは最後の見せ場でして、成田屋の連発!
まだ見ていない方は、楽日が26日ですので、お見逃し無く。
ところで、成田屋ご息女、海老蔵の妹さんが舞踊を披露する場面があったりしてファンサービスも満点でした。
中村勘三郎さん、1周忌で納骨式(動画付き) 2013年11月28日
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平成26年新春浅草歌舞伎発表 2013年10月24日
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