さちくま。の部屋

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☆自律神経☆




 ☆交感神経
交感神経とは、動きたいときに体を動きやすい状態にする神経です。
例えば、犬に吠えられたときの猫。逃げるにしても戦うにしても、体が瞬時に動かなければなりません。そのためには血圧を上げ、心拍数を増やして体の隅々までエネルギーを送り、いつでも跳躍できる状態になっていなければならない。
そんなときに無意識のうちに活躍してそういった体の準備をしてくれるのが交感神経です。
私たち人間がヒヤッとしたときや、仕事の向かうときも同様です。

 ☆副交感神経
副交感神経とは、交感神経とは逆に休みたいときに体を休みやすくなるように働く神経のことです。
例えば、りんごを食べるとき。食べ始めるとさらさらした唾液がたくさん出始めます。更に食道や胃、腸の筋肉が活発になって消化液もたくさん分泌され、消化吸収が進みます。
心臓の拍動はゆっくりになって、内臓に優先的に血液が分配され、眠くなって行きます。
これら一連の、安らぎへとむかう各部所の働きが、副交感神経によるものなのです。

 ☆自律神経とは、体内の自然をつかさどる神経のこと
自律神経とは、自分の意思とは無関係なところで生命を維持して行く神経のことで、これには上記に述べた交感神経と副交感神経の2種類があります。
私たち人間は、この2つの神経のバランスがとれてはじめて、体内の自然が健康に保てます。その状態を例えて言えば、やじろべえ。日々、左右に揺れつつも元に戻ります。
しかし、何かのきっかけで主軸が中心に戻れなくなることがあります。この状態を「失調症」というのです。

 ☆自分の体を大切にしていますか? 
自律神経のバランスを崩すのは、こんなとき・・・

1.運動不足・・・持っている筋肉を十分使わないのは、自然な状態ではありません。
2.朝食抜き・・・食事のリズムが狂うと、肉体にストレスを与えます。過食も、同様です。
3.夜更かし・・・最も自然のリズムからズレた生活です。
4.引越し・・・・生活の環境ががらりと変わることは、大きなストレス。時間とともに落ち着けば、問題なし。
5.冷暖房・・・・快適と思える温度帯でも、自然の外気温との差でかえってストレスを与える場合もあります。
6.仕事量の増加・・・毎日の生活に負荷が大きくなります。昇進も同様で、人によっては大きなストレスになることもあります。
7.病気やケガ・・・からだがダメージを受けたあとも、バランスを崩しやすいので要注意です。
8.女性ホルモン・・・この働きに女性は心身ともにストレスを受けますが、一定周期を自己観察できるとラクになれます。


 ☆自律神経失調症の誤解に要注意
○「自律」と「自立」とは違う 
音が同じことから、「自律神経が・・・」というと、あたかも「しっかりしていない」という印象を自他ともに持ちかねません。同音異義語として認識しましょう。

○検査では見つかりにくい
症状の分布が多彩で移ろいやすく、一般的な検査では証明しにくい。そのため周囲にも理解されにくいのが特徴です。

○うつ病や更年期障害、思春期の精神症との違い
これらの病気は抗うつ剤やホルモン剤などでの対処が考えられます。これらの可能性を除外してなお症状が残る場合を、失調症ということが多いようです。
但し、これらのほか、大きな病気を含め、すべての病気は自律神経失調症を伴いやすいため、判断は専門医にゆだねるのが賢明です。

○日常生活は前向きに
うつ病ではなく、失調症としての症状も重くなければ、普通に動いたほうがいい。治るまで家でじっとするというのは誤りです。


 ☆バランスは、こうしてとろう
○規則正しい生活をする
食事・食生活の見なおしは、運動の次に重要事項。1日3回の快食や食べ物の内容ももう一度見直してみませんか。
睡眠・動物は、暗くなったら活動を停止するのが自然のリズム。就寝の理想は9時。遅くとも12時までには床に就きたいものです。

○日々、運動を心がける
持っている筋肉はしっかり使いましょう。今までの生活に毎日20分の速足運動を取り入れるだけでも違います。

○自律訓練法を専門家に習う
セルフコントロール法として脚光を浴びていますが、習得に1~2ヶ月かかるため、症状の軽い人向き。専門家の指導を受けるのが好ましいですが、効果は個人差が大きい。

○音楽や香りで五感に働きかける
音楽療法やアロマセラピーも効果あり。個人によって感性が異なるので一概には言えませんが、自分が心地よいと感じられるものがよいでしょう。

○マッサージや鍼灸などで肉体に働きかける
マッサージや鍼灸のほかに指圧、整体、ストレッチなども含めた理学療法は、自律神経に快適な刺激を与えてくれます。

○カウンセリングを受ける
専門家を訪ね、心理療法を受けるのもひとつ。普段の生活では配偶者などの口の固い、心を割って話せる人とのおしゃべりも効果があります。喜怒哀楽も押さえ込まないで上手に発散しましょう。

○医者に薬をもらう
専門家の指導で飲む薬は心身ともに安らぎます。飲まなくても持っているだけで安心という場合も。


 ☆ 勝手に自己診断せず、気軽に病院へ ☆

ストレスが時間とともに軽減されず、自律神経のバランスが正しく戻らず体調を乱すことは現代の生活ではよくあることです。
とても個人差のあることなので、自律神経についてはテレビ番組や本でも、ぜひ勉強していただきたいです。
大切なのは勝手に決め付けてしまわないこと。本物の病気が隠れていることがあるからです。周囲の勝手な判断もいけません。
何かしらの症状が続いたら、まずは総合病院の内科で受診し、その検査で「大病なし」とされ、それでも、といったときに心療内科を訪ねてはいかがでしょうか。
本人のことを考えるなら、一緒に行って「この場合はどうしてあげたらよいか」聞くことも大切。病気だと重く考えずに、気軽に受診することをおすすめします。

    「にじのひろば 6月号~自律神経を知ろう~」より


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