慶文堂 ひま人日記

慶文堂 ひま人日記

7 近代社会への進展~1帝国主義時代の世界

単元の概観
 朝鮮社会は、内部から芽生えはじめた近代的な要素を十分に発展させないまま開港した。これ以後列強の侵略が相次いで、 清日戦争、露日戦争を挑発した日帝の植民地支配下に入ることになった。

 しかし、わが民族は帝国主義列強の侵略に対抗して衛正斥邪運動、東学農民運動、抗日義兵戦争などを展開し、一方では甲申政変、甲午改革、独立協会活動、愛国啓蒙運動などをとおして 近代国家の建設のために努力した。

 開港以後経済面では列強の経済的侵奪に対抗して近代的経済建設のための努力がつづけられ、社会面では両班中心の身分制度が廃止され、近代意識も普遍化していった。また、科学技術と文明施設が受容され、教育運動と国学運動、文芸活動と宗教活動が近代的、民族主義的性格を帯びて展開していった。



1 近代社会への進展
概要
 19世紀中葉に至って、朝鮮の伝統社会はそのまま維持することができない状況におかれていた。内部には腐敗、無能な両班支配体制に反対する民衆勢力が成長しており、外部には日本と西欧列強の侵略勢力が押し寄せていた。

 このようなときに権力を握った興宣大院君は専制王権を強化し、通商修好を拒否して当面する危機を克服しようとしたが、彼が退いた後ついに門戸が開放された。

 しかし、門戸の開放は列強の侵略をともなうことになったので、朝鮮は結局これら列強の侵略競争の舞台になった。

◇研究課題◇
1 帝国主義の成立の背景は何か。
2 興宣大院君が権力をにぎった頃の国内外情勢はどうだったか。
3 興宣大院君の対内外政策はどのような方向に展開したか。
4 開港は歴史的にどのような意義を持っているか。


1 帝国主義時代の世界

帝国主義時代
 19世紀末から20世紀のはじめにかけて帝国主義時代か展開し、この時期に帝国主義諸列強は後進地域や弱小国家を支配するためにあらそって侵略を行なった。

 イギリスではじまった産業革命は19世紀中葉を前後してヨーロッパの主要国家とアメリカなどに拡大して、19世紀後半には資本主義が高度に発達するようになった。独占資本主義、金融資本主義に到達した先進資本主義諸国家は、国内に蓄積された剰余資本の投資市場を確保するために新しい植民地を必要とするようになった。また、イタリアの統一とドイツの統一で高まった民族主義は、以後排他的で侵略的な性格の民族主義に変質した。

 このように資本主義の顕著な発展と強烈な民族主義を基礎に、ヨーロッパ列強をはじめとする強大国は、1870年代から後進地域を侵略して植民地にした。ここに帝国主義時代が展開した。

 代表的な帝国主義諸国家はイギリス、フランス、ドイツ、ロシア、アメリカ、日本などで、これら帝国主義列強間の対立によって第1次世界大戦か起こった。(1914年)。



帝国主義列強の侵略
 帝国主義列強の侵略対象になった地域はアフリカ、アジア、太平洋などであった。帝国主義時代のアフリカの大部分はヨーロッパ列強の植民地に転落し、一部国家を除いたアジアの大部分の地域も帝国主義列強の植民地または半植民地になった。

 アフリカでイギリスは縦断政策を実施し、南側のケープ植民地と北側のエジプトを植民地とし、連結しようと努力した。フランスは横断政策を実施し、アルジェリアとマダガスカル島を連結して植民地を拡大しようと試みた。このほかドイツ、イタリア、ベルギーなどもアフリカの植民地化競争に飛ひ込んだ。



[図表:帝国主義列強の侵略]

 したがって20世紀はじめにはリベリアとエチオピアを除いたすべてのアフリカ地域がヨーロッパ列強に占領されてしまった。

 アジアでイギリスはインドとその周辺一帯を植民地として支配し、フランスはインドシナ半島を占領した。また、オランダはインドネシアを、アメリカはフィリピンを植民地として支配した。18世紀まで強力な国家だった中国も19世紀末には西洋列強と日本の侵略で半植民地状態に転落してしまった。西アジアー帯でもオスマン帝国が弱体化していくなかで帝国主義列強の勢力が浸透した。

 列強の領土分割は太平洋にまでおよび、20世紀はじめまでに太平洋の大多数の島はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどによって分割占領された。


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