小人

小人

ユダヤジョーク



列車の客室にて、ラビがローマカトリックの神父と偶然同室となる。しばらくして、神父が身を乗り出して言う、「済みませんが、ラビ、貴兄らはポークを食べないというのは本当ですかな」「ええ、神父さん、本当です」とラビ。「それで、同業のよしみで教えて頂きたいのですが、ここだけの話、貴男は食べた事がおありですかな」と神父。「実を言いますと、ずいぶん昔に、ハイ、ベーコンを食べました」と白状するラビ。「で、お口に合いましたかな」と神父。「ええ、ぶっちゃけた話、旨かったです」とラビ。

しばらくして、ラビが身を乗り出す、「すいませんが、神父さん、神父は女性と如何なる性的交渉も持ってはならんというのは本当ですか」「はい、ラビ」と神父、「その通りです。禁じられております」「で、同業のよしみで教えて欲しいんですが、貴男は女にハマった事がおありですかな」とラビ。「実は、あいにく」と神父、「未だございません」「ウーム、残念ですなー」とラビ、「ポークより旨いですぞ!」

(掲載秘話)

モーゼがイスラエルの民と紅海に辿り着く。ファラオとその軍隊が逃がすまじと追って来る。モーゼは彼の広報オフィスに電話する、「エイブ、船はどうなってんだ、このアホ! 船はどこなんだよ!!」と絶叫する彼。エイブが言う、「船? 船の事なんか聞いてないぜ」「海を渡るのに船が要るだろうが、このバカタレ!」と叫ぶモーゼ。「オレにどうしろってんだ。海を二つに分けて、そこを歩いて渡れとでも言うのかっ!!」「ヘイ、モーゼベイビー、そうこなくっちゃ!」とエイブ。「もしソレやったら、聖書に丸々2ページ割いてやるぜ」

(アイアム、ソリー)

ある日の午後、サラミサンドイッチ屋のソリー・サパースタインの店の電話が鳴る。「ソリーですが」と受話器を取ってソリー。「もしもし」と相手。「ソリーかい」「ええ」とソリー、「ソリーです」「声がソリーと違うようだが」と相手。「でも」とソリー、「私ですよ、ソリー・サパースタインです!」「ホントにソリーかい」と電話の声。「ホントにホント」と鏡を覗き、「私ですよ、ソリーです」

「ウーム」と声、「ソリーに話があるんだ。ソリー・サパースタインを出してくれ」「あのね!」と叫ぶソリー。「オレだってば、このトンマ! ソリーだよ!」
「ホントなんだね」と声。「ホントにソリーなんだね」「そうだと言ってるだろ!」とソリー、「ソリーその人だよ!」「じゃ、聞いてくれソリー」と相手、「モウシェだがね、100ドル貸してくれないか」「分かった」とソリー、「ソリーが来たら伝えとく」
 ●ソリー=Solly =ソロモンの愛称

(誰か代わってやれ)

モーゼが紅海に向かって立っている。遥か彼方には逃がすまじと追って来るファラオ軍の土煙。突然、ものすごい轟音と共に海が分かれ、脱出路が出現する。モーゼは眼前の水浸しの通路と左右にそびえ立つ海水の断崖を見やる。「神よ、教え給え」と、天を仰いでぼやく彼、「なんでいつも決まって私が先頭に立たねばならんのですか!」

(御法度ポーク)

チビ助のフィーニー・フィンケルスタインがチキンチョッパーのサンドイッチ屋に立っている。「ローストビーフサンドいくら」と彼。「2ドルだよ」とカウンター越しにチキンチョッパー。「チーズサンドいくら」とユダヤ人の坊や。「1ドルだよ」とチキン。「ハムサンドは?」とフィーニー。しかしチキンチョッパーが答えるより早く、頭上で大きな雷鳴が轟く。フィーニー・フィンケルスタインはひざまづき、天を仰いで大声で祈る、「分かりました、分かりましたよ! ただ聞いてただけ!」

(智恵のありか)

ある日、青年ハーシェルがハイミーに告げる、「父さん、オレいつもギンギンに興奮してるんだ」ハイミーはラビの所へ行くように言う。「ラビ」とハーシェル、「真夜中でさえ勃起するんです」「もっと熱心に祈りなさい」と助言するラビ。ハーシェルは家に戻り、数日後にハイミーの元にやって来る。「父さん」と彼、「まだ治まらないんだ」「もう一度ラビの所へ行きなさい」とハイミー。

ラビは不在で、ラビの妻がハーシェルの悩みを聞く。「僕、ギンギンで困ってるんです」とハーシェル。「アラ、それって簡単よ」とラビの妻。彼女はベッドルームに彼を誘い、セックスする。ハーシェルが帰宅すると、ハイミーが聞く、「どうだった?」「スゴカッタ!」とハーシェル。「智恵はラビの頭の中よりも、奥さんの股間にあったよ」

(ご遠慮なく)

ローマはバチカンの鐘がゆっくりと沈鬱なメッセージを打ち鳴らす、“ポープ・ザ・ポーラック危篤” 聖ペテロ広場には敬虔なカトリック教徒が集まり、ポーランド人法王の為に祈っている。キャツァス枢機卿が特別の儀式を始める。「聞いて下さい」と群衆に告げるキャツァス、「あなた方ヒツジ達の中に、神の忠実なるポーラック・・・つまり、その・・・ポープの為に、命の一部を捧げて下さる人はいませんか。我らがポープ・ザ・ポーラックへ皆さんの命の一かけらが与えられんことを、神の御前にお祈り致しましょう」

ミセス・クロレックスが歩み出て、両腕を振り上げて叫ぶ、「私は人生の一週間をポーラックポープに捧げます!」会衆の中から押し殺した歓声があがる。次にファンブル神父が歩み出る。「私は人生の2日間をポープ・ザ・ポーラックに捧げましょう!」群衆から賛同の溜息が漏れる。

丁度その時、モウシェ・フィンケルスタインとユダヤ人旅行者の一行がやって来て、直ぐさまモウシェが手を振って叫びだす、「私は20年・・・!」「エッ?!」と口を挟む友人ハイミー。「気でも狂ったか。そんなにたくさん。それにオマエ、ユダヤ教徒じゃないか!」モウシェはハイミーをしり目に続ける、「・・・20年、義母の命を捧げまーす!」

(思い出のフォトグラフ)

マイアミで魅力的なブロンド嬢スージーとのお楽しみ休暇の後、バーニー・バーンスタインはニューヨークの仕事に戻って来る。バーニーが会社に戻って数日経ったとき、弁護士のフェイギン・フィンケルスタインが彼の元を訪れる。

「私は」と始めるフェイギン、「依頼主スージー・ラモーさんの代理としてこちらに参りました」そして彼はブリーフケースを開け、バーニーとスージーが組んず解れつの一戦を交えている生写真の束を取り出す。

「さて、バーンスタインさん」と微笑む若きフェイギン、「ご感想は?」バーニーは恐ろしげに、しかし次第に驚嘆して次から次に写真を見る。とうとう彼は結論に達する。「じゃ」と、二枚の写真を指さしてバーニー曰く、「コレとコレを2枚づつ貰おう」

(正体)

メンデル・クラビッツがカクテルパーティーで魅力的な若い女に出会い、すぐに気さくに話し始める。話題は人間性について・・・。

「キミ、百万ドルで見ず知らずの男と寝るかい?」とメンデル。「ええ」とキッパリ女、「寝ると思うわ」「あっ、そう」とメンデル。「じゃ25ドルでボクと寝るかい?」「何ですって!」と女は叫び、「私を何だと思ってんの!」「それはもうハッキリしてるだろ」とメンデル。「今は値段交渉してるだけさ」

(関門その1)

85歳のフィンケルスタイン爺さんが精子バンクに精子を保存しに行く。受け付け嬢は信じられない。「本当にお望みなんですね」と彼女。「そうじゃよ」とフィンケルスタイン爺さん。「ワシから世界に何かを寄与する事が、ワシの責務のような気がしてのう」

彼女は彼にビンを渡し、廊下の先の部屋を指さす。ところが30分しても戻らないので、心臓発作を起こしたのではないかと心配になる。しかし、丁度そのとき爺さんが部屋を出て彼女の元にやって来る。「聞いてくれ」と彼、「片手でやって、次に両手でやって、それから持ち上げてシンクに打ちつけ、そして熱い湯をかけ、それから冷たい水をかけたんじゃが、それでもまだアカンのじゃ・・・、ビンの蓋」

(一体いくらだ)

ゴールドバーグとフィンケルスタインの仕立屋に、メンデル・クラビッツが軽やかに入って来る。「おはよう!」と彼。「私がこの店に来たのは値切るのが性に合わないからなんだ」「これはこれは、正にうってつけの店にお越し下さいました」とハイミー・ゴールドバーグ。「左様でございますとも」と相槌を打つモウシェ。「ウチは厳格なる定価販売の店でございますからね」「素晴らしい」とメンデル、「あのウインドーにあるチェックのスーツが欲しいんだが、お幾らかな」「申しましたように」と、モウシェ・ザ・フィンク、「値引き駆け引きナシの値段でございます。従いまして、あのスーツに300ドルとは申しません。250でもまだまだ」

「左様」とハイミー、「最大限勉強させて頂いて、2百と30ドルでございます」「なるほど」とメンデル、「君らは私好みのビジネスマンだ、だからこそこの店に来た。あのスーツを150、いや175とさえ言うつもりはないぞ。ここはズバリ、200でどうだ!」 「お買い上げ有り難う御座います」とハイミー、「それでは、2百と10ドルということで・・」「結構」とメンデル、「頂こう」

7-2(百ドルに囲まれて)

ハービー・ハーシフィールドとポール・パールマンはエルサレムで小さな仕立屋を営んでいる。商売はサッパリで、あまりに景気が悪いので店を売ろうかと考えている。そんなある日、ハービーが新聞を持って飛び込んで来て、相棒のポールにイスラエル政府の広告を見せる。アラブ人の死体一体につき政府が100ドルの懸賞金を出すという。相棒二人は店をたたみ、キャンプ用具と銃を買い、いざ砂漠へと出発する。

誰にも会わぬまま砂漠での一週間が過ぎたある朝のこと、ハービーが目を覚ますと、鼻づらに銃口が突きつけられている。ゆっくりと振り返れば、何千人もの完全武装のアラブ兵達が彼らを完全に包囲している。ハービーは横でイビキをかいている相棒を小突く。「ポール」と囁く彼、「ポール、起きろ。オレ達、金持ちだ!」

(苦肉の趣味)

ハイミー・ゴールドバーグとモウシェ・フィンケルスタインがゴルフの後、ロッカールームで着替えている。モウシェが女性用の下着を着け始め、ハイミーはビックリ仰天。「オマエ! いつから女物の下着はくようになったんだ!」と彼。「実は」と頭を振りつつモウシェ、「車のフロントシートにあったのを、女房のルーシーに見つかってな、・・・それからだ」

(百ドルで食べられて)

アラブ人狩りで一財産作った後、エルサレムの仕立屋ポールとハービーは、アフリカのサファリへ猛獣狩りに行くことにする。キャンプを張った夜のこと、夕食を取りながら、先にライオンを仕留めるのは自分だとポールが豪語する。ハービーは納得しない。彼らは何時間も言い争い、遂にポールが自分が先に仕留める方に100ドル賭ける。

「今すぐやるぞ!」とポール。彼はキャンプファイアーから立ち上がると、象狩り用の銃を手に大股でジャングルへと分け入って行く。一時間後、ハービーがキャンプベッドで寝ていると、ライオンがテントの中にヒョイと顔を出す。「ポールって野郎知ってるか」とライオン。「知ってる」とハービー。「じゃ」とライオン、「おまえに100ドル借りができた」

(ハイ、おしまい)

由緒ある大金持ちのフィンケルスタイン爺さんは16歳の少女と結婚するが、性的に機能できない。絶望の余り、かかりつけの医者に診てもらいに行くと、医者は彼に大量のホルモン注射をする。「いいですか」と医者、「立たせたいときはいつも“ビー”と言ってください。そして寝かせるには“ビービー”と言うんですよ」「大したもんじゃのう!」とフィンク。「ええ、しかしご忠告しておきますが」と続ける医者、「これは死ぬまでに3回しか使えませんからね」

家に帰る途中、フィンク爺さんは一回だけ試してみようと決意。“ビー”っと言うと即座に勃起を見る。大喜びで“ビービー”と言うと、ソレはまた大人しくなるのだった。とその時、トヨタの小型車が彼の乗ったリムジンを追い越して“ビー”とやり、対向車が“ビービー”っとやり返す。

あと一回しかないと知って爺さん、運転手を急かす。爺さん、全速力で家に駆け込んで叫ぶ、「ハニー、何も聞かずに裸になってベッドに飛び込むんじゃ!」少女は言葉に従い、フィンケルスタイン爺さんが急いで後に続く。ベッドに入ると、すかさず“ビー”っと彼。すると、寝返り打って若妻曰く、「その“ビービー”って、一体なーに」

(バーゲンオンリー)

ある日のこと、通りでハイミー・ゴールドバーグがモウシェ・フィンケルスタインと出会って言う、「フィンケルスタイン、スゴイ掘り出し物があるぞ! 象だ! 生きてる象がそっくり一頭、たったの100ドル!」フィンケルスタインが言う、「気でも狂ったか。象なんかどうすんだ」「見事な象なんだぞ」と続けるハイミー、「灰色でな、背丈3メートル、鼻もちゃんと付いてる」「でもエサが何もないじゃないか」と叫ぶフィンケルスタイン。「オレは三部屋のアパートに住んでんだぜ。象を入れる場所なんか無い」

しかしハイミーは続ける。「見事な牙が2本、多分60センチはあるな。堂々たる獣だ。最近じゃもうあんなのは手に入らんぞ」「ハイミー!」と、殆ど悲鳴を上げんばかりのフィンケルスタイン、「オレは階段を5階まで上がった三部屋のアパートに住んでんだぜ。どこで象を飼えってんだよ!」「オマエには負けたよフィンケルスタイン」とハイミー。「じゃ、こうしよう。二頭目をそっくり一頭、50ドルポッキリで追加しようじゃないか!」ニタリとしてフィンケルスタイン曰く、「そーこなくっちゃ!」

(無個性ジャパン)

ルーシー・フィンケルスタインは夫のモウシェと上手くいっておらず、もう長い間セックスをしていない。ルーシーはある日スーパーで買い物中にムラムラと欲情し始める。支払いを済ませると、ハンサムな高校生が買い物を車まで運んでやろうと申し出る。ルーシーは喜んで申し出を受ける。駐車場を歩いている時、彼女は彼ににじり寄り、耳元にセクシーに囁く、「私ね、イッチープッシーなんだ!」「それじゃ、奥さん」と男の子、「教えて頂かないと・・・。日本車はどれも同じに見えちゃって」

(さあ、世界中から来ている聴衆がオチの断片を時間をかけてつなぎ合わせ、笑いがさざ波のように広がってゆく)
 ●(イッチー=ムズムズする)+(プッシー=女性器)=(・・・)

(馬の耳に診断)

ルーシー・フィンケルスタインはやっとのことで健康診断に行くように夫モウシェにを説得する。「あなた、ひどい有り様ですな」と医者のボーンズ。 「酒は飲みますか」「もちろんです」とモウシェ、「コニャック1ビン飲まねば毎日が始まりません」 「それと、その咳からすると」と続けるボーンズ、「タバコもお吸いですな」「当たり」とモウシェ、「日に三箱吸います」「いいですかフィンケルスタインさん」とボーンズ、「あなたは健康体ではありません。今すぐ喫煙と飲酒を止める事ですな。これは命令ですぞ! では、お帰りの前に、アドバイス料30ドル頂きます」「どうも、先生」とモウシェ、「しかし、アドバイスは結構です」

(伝説の葬儀屋)

ハービーの父親は、伝説の人モウシェ・フィンケルスタインの下で葬儀屋ビジネスを学ばせようと、ハービーをニューヨークへ修行に出す。数カ月後、ハービーが戻り、父親が何を学んだかと訊ねる。

ハービー:とても勉強になったよ父さん。実に面白かったね。スゴイ事件があってね、それがとっても勉強になったんだ。

父:どんな事件だい。

ハ:実は、ある日ニューヨーク最高のホテルから電話があってね。男と女が眠ってる間に死んだと言うんだ。素っ裸でね。

父:ナントまー! で、ミスター・フィンケルスタインはどうした。

ハ:でね、僕らは一番いいスーツでキメて、リムジーンで乗り付けたんだ。極めて静かに、しかし威厳を持ってその部屋に着いた。

父:ワーオ! それからどうした。

ハ:それからミスター・フィンケルスタインが、先端に金の金具の付いたステッキでドアを押し開け、僕らはそっと中に入った。実際そこには裸のカップルが仰向けに寝ていた。そこで即座にミスター・フィンケルスタインは問題を見て取った。つまり男がビンビンに勃起してた訳だね。

父:で、どうした!

ハ:で、いつもの事ながら、ミスター・フィンケルスタイン少しも騒がず、金の金具の付いたステッキで、実にカッコ良く、バシッ!とチン◯をしたたか打ち据えた!

父:で、どうなった!

ハ:それからだよ父さん、地獄が始まったのは。つまりね、僕ら、部屋をまちがえてたんだ!

(卓上の赤い中国)

ユダヤ人女性のグループが自分たちの知的レベルを上げようと決意する。夫や子供達や婿殿の話はもう止めて、政治や社会問題のみを語ろうというのである・・・イラン、エルサルバドル、アフガニスタン、バクダン。すると一人が言う、「じゃ、レッドチャイナは?」「大好き、大好きー!」とベッキー、「特に、白のテーブルクロスに合うのよネー!」

 ●チャイナ=陶器

(どうします?)

イスラエルの首相が秘密裏に特別閣議を召集する。長引く中東紛争は国家を疲弊させており、インフレは猛威を振るい、国民は意気消沈し、将来は極めて悲観的であると首相が報告する。彼は提議を募る。一人の閣僚が提言する。イスラエルはアメリカに宣戦布告してはどうかというのである。「そうすれば」と彼、「敗戦後、アメリカはドイツや日本にしてきた事を我々にしてくれるでしょう。我々は偉大な繁栄国家となるのです!」首相は厳粛な表情を崩さずに言った、「ごもっともです。しかし、もし我々が勝った場合・・・」

(苦手な人達)

ハイミーとベッキーはスキー休暇でスイスに行く。初日、ハイミーが高山地帯へ丸一日滑りに行くと妻に告げる。「心配するな、ベッキー」と彼、「遅くとも5時か6時までには戻るから」ベッキーは一日中心配して待ち、7時になってもハイミーが戻らないので捜索隊を出してくれと懇願する。

ようやくガイドとセントバーナード犬と軍の山岳部隊の加わる赤十字のフルレスキュー隊が出発する。彼らは高高度のスロープへ登り、進行しつつ呼びかける、「ゴールドバーグさーん、ゴールドバーグさーん! 赤十字でーす。どこですかー」しかし返事がない。彼らは高地の谷合いへと登って行く、「ゴールドバーグさーん、赤十字でーす!」依然として返事ナシ。いよいよもうすぐ氷河という所で、再び彼らは呼びかける、「ゴールドバーグさーん、赤十字でーす!」すると、弱々しい返事が帰って来た、----「寄付なら、もうしましたけど・・・」

(インド人もあんぐり)

ニューヨークのユダヤ人、フレディー・フェインスタインは、アメリカの服がどれもこれも値段が高く定価販売なのにウンザリしている。ある友人の話では、インドでは値切るのが当たり前だという。そこでフレディーは次の飛行機にとび乗る。

2日後、土砂降りの雨の中、MGロードを歩いている彼の姿があった。彼のニューヨーク・スニーカーはグショグショに濡れ、フレディーは新しい靴を買おうと靴屋に飛び込む。自分の値切りの腕を試したくてウズウズしているフレディーは、店員のラジブが靴に100ルピーを要求するや即座に言う、「50だ!」「ムリですよ」とラジブ。「50でなきゃ買わない」とキッパリ言うフレディー。

そこでラジブは店長に相談、店長がオーナーに相談し、それから戻ってきて言う、「オーケー、50です」「いや!」と叫ぶフレディー。「20ルピーだ!」再びラジブは店長に伺いを立て、店長がオーナーに相談する。「オーケー、20です」と数分後に戻って来てラジブ。「いや! 5ルピーだ!」とフレディー。「お客さん」と苛立ってラジブ、「靴は差し上げますから出てって下さい!」「いやだ!」と叫ぶフレディー。「いやだって」と驚くラジブ、「靴が欲しくないんですか」「いやっ!」とフレディー、「二足くれ!」

(危惧種)

リッツィーグリッツ・レストランに入ったモウシェ・フィンケルスタインは、シャンパンをガブガブ飲みながらご馳走をたらふく食べ、ハバナ産の葉巻で食事を締めくくる。最後にウエイターが銀のトレイに請求書を載せて持ってくる。お代はしめて99ドル99セント。モウシェは百ドル札で支払う。

5分ほどして、彼はウエイターを呼びつけ、おつりを要求する。ウエイターは顔色一つ変えず立ち去り、しばらくして銀のトレイを持って戻って来る。そこには1セント硬貨と一箱のコンドームがのっている。ギョッとしてモウシェが説明を求める。ウエイター、ツンと威儀を正して曰く、「当レストランのポリシーと致しまして、お客様のような方には子孫繁栄をご遠慮頂く事になっております!」

(熊に追われたら) 

ヘンリーとモリスはニューヨークの仕立屋の共同経営者だ。ある夏のこと、ヘンリーが初のハンティング旅行に行く。後に彼が戻ると、モリスはあれこれ聞きたくてウズウズしている。「それでな」とヘンリー、「オレはガイドと一緒に森に入ったんだ、でもオレの事だ、5分もしない内にはぐれちまって、しょうがないから森を歩き回ったんだ。自分がどこにいるかも分からずにな。とその時だ、突然、見たこともないようなデカイ熊とハチ合わせしちまってよ。オレは向きを変えて一目散に逃げだした。しかし熊の方が足が速い。

ヤツの息がオレの首にかかるのが分かった丁度その時、ヤツが滑ってコケた。オレは走り続けた。しかし熊の野郎がまた追いついて来た。もう少しでオレに覆い被さろうかという正にその時、またもヤツが滑ってコケた。それからオレは開けた所に出た。熊は直ぐ後ろに迫ってる。他のハンター達が見えたのでオレは助けを求めて叫んだ。丁度そのとき、またまた熊が滑ってコケてな。それでガイドが野郎を撃ち殺すことが出来たんだ」「ナントまー!」とモリス。「スゴイ冒険談じゃないか。オマエ、凄い勇気のあるヤツだな。オレだったらズボンに糞チビってるぜ!」「頭使いな、モリス」と、つっけんどんにヘンリー。「熊の野郎、何に滑ってたと思ってんだよ」

(二代目=失敗コピー)

ソロモン・アインスタインは“アインスタイン・ネイルズ”という釘の製造会社を経営している。ビジネスは上々で、マイアミで冬の休暇を取ることにし、不在中を息子のマッツォに一任する。よく晴れたある朝のこと、ソリーが朝食を取りながらマイアミトリビューンを読んでいると、十字架に釘付けになったイエスの載る一面抜きのカラー広告に出くわす。その下にはこう書いてあった----

“釘はやっぱりアインスタインでした!”

ソリーは即座に電話に飛びつき、マッツォに電話する。「この、バカモン!」と絶叫するソロモン。「二度とあんな広告出すんじゃない!」マッツォは理解した旨をソリーに告げ、次回はもっと上手くやるから安心するようにと確約する。

2日後、ソリーが豪華なホテルのバルコニーで新聞を読んでくつろいでいる。彼はページをめくり、悲鳴を上げ、タバコをのみ込む。そこには、フルカラーのイエスが十字架の下に無惨にも崩れ落ち、その下にはこうあった----

“釘はやっぱりアインスタインでなくっちゃ!”

(ナイスフォロー)

老婦人ミセス・バットヘッドとミセス・クーチのご両人、休日に出会い、マイアミビーチの自分達のホテルでポーチに座っている。「オーマイガー!」と叫ぶミセス・バットヘッド。「あの男ご覧なさいな。アナタ、あんなデッカイ曲がりっ鼻見たことある? それに大きな口もひん曲がってるわ。それに見てよ、オマケに斜視じゃないの!」「悪いけど彼ね」とミセス・クーチ、「息子なの」「でも・・・」と、ミセス・バットヘッド、「彼にはトッテモお似合い」

(赤いメモリー)

フィンケルスタイン爺さんとフェイギンバウム婆さんが老人ホームのポーチに座っている。昔話に花が咲き、フィンクが婆さんに聞く、「あんた、顔が赤くなった事あるかね」「ええ、ありますとも」と婆さん。「人生で四回あるわね。最初は、夫の前で裸になった時。二回目は愛人の前で裸になった時。三回目は、お金をもらって裸になった時。そして四回目は、お金を払って裸になった時ね。あなたはどうなの」我らがフィンクはしばし黙り、そして言う、「ワシは顔を赤らめたことが二度ある。一回目は二回目がヤレなんだ時。そして二回目は、一回目がヤレなんだ時じゃ」

(花とチョコレートと)

プロテスタントの牧師が床屋に散髪に行く。床屋が仕事を終え、牧師が言う、「おいくらですか」床屋が答える、「いいんです、牧師さん。聖職者にお代は頂きません」牧師は大いに喜び、翌日、牧師から床屋の女房に花束が届く。

次の週、カトリックの神父が散髪にやって来る。散髪が済んだ彼が言う、「おいくらですかな」「いいんです、神父さん」と床屋。「聖職者はただです」翌日、床屋の女房に大きなチョコレートボックスが届く。その2日後、ユダヤ教のラビが散髪し、後に同じ事を告げられる。「それはどうもご親切に」と言ってラビは店を去り、30分後、8人のラビが来店する。

(不可解)

山上で神がモーゼに語っている。モーゼは信じられないという風に頭を振っている。天を仰いでモーゼが言う、「神よ、ハッキリさせておきたいのです。つまり貴方がおっしゃるのは、我々は選ばれし民である、だからして・・・何の先っぽを切れですって?」

●割礼=ユダヤ教の男児の性器先端の包皮を切除する儀式。神との契約のしるしで、生後八日目に行う。

(イーグルハンド)

おやっさんフィンケルスタインとその友人、お爺ちゃんファンケンバーガーが夕食を食べながら一杯やっている。「あのな」とフィンク、「ワシが30の頃は勃起力ビンビンでな、全然曲がらんかったんじゃぞ、両手使うてもな」感心して頷くファンク。「ワシが40になった時」と続けるフィンク、「ほんのチョットだけ曲がったんじゃが、それでもエライ苦労したもんじゃ。50の時はもうちょっと曲がったかな。そんで今、ワシャ60じゃが、楽々と半分に曲がるんじゃ」なじみの二人はチビチビと呑み続ける。「全くビックリするよ、ファンク」と続けるフィンク、「いったい、どこまで強うなるんじゃろ・・・・ワシの手」

(可不可相殺)

ある日、二人の旧友ルービンとクロップマンが通りで出会う。「調子どうだい」とルービン。「まずまずだ」とクロップマン、「家が火事になって全財産焼けちまってな」「えー!」とルービン、「ヒドイ話じゃないか」「いや、そうでもないんだ」とクロップマン、「保険で資産が倍に焼け太りしたからな」「ナント、スゴイじゃないか」と叫ぶルービン。「そうでもないんだ」とクロップマン、「女房が火事で焼け死んでな」「そりゃヒドイ」とルービン。「そうでもない」とクロップマン、「つまりオレは再婚して、新しい女房は前の女房よりずっといいんだ」

「スゴイじゃないか」とルービン。「そうでもないんだ」とクロップマン、「その女房が隣のハンサム野郎の所に行っちゃ、ちょくちょく泊ってくるんだ」「ヒドイもんだな」とルービン。「そうでもない」とクロップマン、「というのは、隣にはスゴイ美人の奥さんがいて、ウチに泊まりに来るんだ」「ということは、お前は万事上手く行ってるってわけだな」とルービン。「可もなし不可もなしさ」とクロップマン、「まずまずだ」

 (デートプラン)

ニューヨークからやって来た二人の中年婦人、イェティーとバーサは、パームスプリングスのホロウイッツホテルにて休暇の真っ最中。ある朝、一緒に遅い朝食を楽しんでいるときイェティーが聞く、「あなた、今夜どうすんの」「あー」とバーサ、「アタシ、あのハーマン・ホーンスタインとデートなの」「何ですって!」とコーヒーをこぼすイェティー、「彼とデートですって。彼、ヘンタイなのよ! 完全にケダモノなんだから! 部屋に連れてって、ベッドに投げ飛ばして、ドレス引きちぎって無理矢理セックスすんのよ。あなた、どうすんのよ!」 「じゃ・・・」とバーサ、「古いドレス着てく」

(ダブルチャンス)

出張中のハイミー・ゴールドバーグは公共ビル内で有料トイレを使うハメになる。やれやれとホッと一息吐き、ふと見るとトイレットペーパーが無い。隣の仕切から靴が見えるので彼は声を掛ける、「すいません、そっちにトイレットペーパーある?」

「いや」と返事が返ってくる、「こっちもナシ」しばし黙るハイミー。「それじゃ」と彼、「新聞か雑誌持ってない?」「悪いけど」と返事、「持ってない」ハイミーまたも黙り込み・・・、「じゃ、10ドル、5ドル二枚にくずしてくんない?」

(リサイクル徹底)

ショッピングから帰宅したベッキー・ゴールドバーグは慄然とする。ハイミーが若く美しい女の子とベッドにいたからである。家を飛び出そうとするベッキーをハイミーが引留める。「出ていく前に」と彼、「どうしてこういう事になったか聞いてくれ。僕は疲れて衰弱した感じのこのコを見て、家に連れて帰ってサンドイッチを作ってやった。

すり減ったサンダル履いてたんで、君が流行遅れで履こうとしない靴をやった。彼女が寒がったんで、僕が君の誕生日にプレゼントしたセーターをやった。色が合わないとか言って着なかったよね。ジーンズもボロボロだったんで君のをやった。君が数ポンド太る前ピッタリだったやつだ。で、彼女がいよいよ帰ろうかというとき、立ち止って聞いたんだ、『奥さんが使わなくなったもの、他にもうないの』って・・・」

(自慢の代償)

ニューヨークのパーティーにて三人のユダヤ人の母親が会する。「ウチみたいな孝行息子はいないわ」と最初の母親。「毎年冬には新しい毛皮のコートを買ってくれるんだから」「そんなのなんでもないわ」と勝ち誇って二番目の母親。「ウチの息子は毎年街一番の旅行会社に連れてってくれて、自由に選んでいいからって、夏の休暇を手配してくれるのよ」「まるでお話になんないわね」と笑う三番目。 「ウチの息子なんか、世界一診療費の高い精神科医にかかってて、話す事といったら私の事バッカリ!」

(セブン)

ハイミー・ゴールドバーグと友人モウシェが競馬の合間にクラブハウスで一杯やっている。「数年前、奇妙な事があってね」とハイミー。「第7の月の7番目の日で、その日が息子ハーシェルの7才の誕生日だったという訳だ。僕らは7号アパートに住んでて、7時7分に競馬場に着いた」「じゃ、きっと第7レースの7番の馬に大金を賭けたんだね」とモウシェ。「ああ、モチロン」とハイミー。「で、当然1着だろうね」とモウシェ。「いいや」とハイミーため息、「・・・7着」

(所有権)

ラビのナスバウムはシカゴで開催中のラビの集会に出席している。集会が終り、ホテルをチェックアウトした彼は、はるばる駅までやって来るが、その時やっと傘を忘れてきた事に気付く。ホテルに戻ってみると、彼のいた部屋には既に新婚カップルが入っていると判明する。彼がドアをノックしようとすると、男の声が聞えてくる・・・、

「この可愛いくちびるは誰のものかな」「アナタのよ、アナタのもの」と、はにかんだ女の声。「じゃ、この可愛いオッパイ誰んだ」と男。「アナタのったらアナタの」と嬉々として女。「じゃ、じゃ、この可愛いお尻は誰のかなー」と彼。「あーん、ダーリン、アナタのよん!」と喘ぐ女。「オイッ!」と、カギ穴から怒鳴るラビのナスバウム、「傘の所にきたら覚えとけ------ワシのだ!」

(従順の哀れ)

小用を足しているメンデル・クラビッツは目の前の落書きに気付く。「上を見ろ」と大きな矢印が上を指している。メンデルは無視できずに上を見る。やや上に「もっと上」と書いてあり、メンデル更に見上げれば、天井近くにもまた「もっと上」と書いてある。今やメンデルは真上を見上げている格好。すると天井にまたもや薄い文字で落書きがあり、「急いで下見ろ! 靴にションベンかかってる!」

(ぼやき得)

ハイミー・ゴールドバーグが友人のモウシェにぼやいている。「ウチの女房はいつもカネくれカネくれってうるさいんだ」と嘆く彼。「先週なんか200ドルくれと言うんだぜ。おとといは150ドル。そして今朝なんか100ドルさ」「ヒドイね」とモウシェ。「そんな金どうしようってんだい」「さあね」とハイミー、「ボクは一銭もやらないけどね」

(おばあちゃん大好き)

フェイギンバウムおばあちゃんが嫁に行った娘に電話して様子を訊ねる。「ヒドイもんよ」と不満をもらす娘、「頭が割れそうに痛くて、背中と脚がズキズキ疼くの。家の中は片付かないし、子供達には気が変になりそう」「いいかい」とおばあちゃん、「心配いらないよ。ちょっと横になりなさい。私が行って何かお昼を作ってあげようね。家も掃除して、子供達を外に連れ出してあげるよ。おまえはその間にシグムンドに美味しい晩御飯をつくればいい」

「シグムンド?」と女性、「シグムンドって誰よ」「シッギーよ」と、おばあちゃん、「あんたのご亭主」「私の夫はシグムンドじゃないわよ」と女性。「アラま」と、おばあちゃん、「電話番号まちがえたんだわ」「エ゛ー!」と女性、「じゃ、来てくんないのー!」

(遺志に報いて)

ミセス・ラパポートは新車のキャデラックを3ドルで広告に出す。ゴールドスタインが広告に応募し、真っ先に聞く、「この車のどこがいけないんですか」「何も」と彼女。「もし要らないのなら私の時間を無駄にしないでちょうだい」「ゴールドスタインはカギをもらい、ガレージに行く。車をバックで出して家の前に駐め、3ドル数えて所有者に渡す。「さあ、お金は払いましたよ」と彼、「どういう事か教えて下さい」「つい先日主人が亡くなりましてね」と彼女、「で、遺言に書いてありましたの、キャデラックを売却し、売却金を秘書に遺贈することってね」

(マブダチ)

ギンズバーグは海外出張から家に戻り、妻が浮気していた事に気付く。怒り心頭の彼は妻を問いつめる。「あのクソ野郎のゴールドバーグか!」「ちがうわ」「あのゲス野郎のレベンスキーか!」「いいえ」「あのブタ野郎、モリー・レビーか!」「ちがうったら」遂にギンズバーグは爆発する、「オレの友達のどこがいけねーんだ。オマエには役不足だってのかっ!!」

(妻の夜明け)

60年の長きに亘り、ルーシー・フィンケルスタインは締まり屋の夫モウシェと供に暮らしてきた。ある晴れた日、モウシェが天に召され、ルーシーは彼を荼毘にふす。遺灰をプラスチックの骨壷に入れて家に持ち帰った彼女は、骨壷を抱えて家の中を歩き回り、故人モウシェに語りかける・・・、

「モウシェ、冷蔵庫よ。アンタはずっと家事にはお金を渡してくれなかったわね。さあご覧なさい。シャンペンとキャビアで一杯よ。それにモウシェ、私のクローゼットご覧なさいな。結婚してる間ずっと、2年に一度新しいドレスを買う以外は許してくれなかったわね。さあ、見てちょうだい、絹のドレスと毛皮のコートで一杯よ。オマケに宝石箱はダイアで埋ってるわ。そしてモウシェ、アンタはずっと、私には全く仕事をさせてくれなかったけど、今日ね、私、会長を引き継いだのよ」

最後に、彼女は寝室で小さなプラスチックの骨壷を開け、壷を振って窓辺に灰を空ける。「それからモウシェ」と彼女、「覚えてる、尺八吹いてくれって、いつも私にウルサク言ってたわね。それじゃ、吹いてあげる、・・・フッ!」

(次善策)

御年85歳のフィンケルスタイン爺さんと82歳のラビノビッツ爺さん、ベンチに座ってフロリダのビーチを眺めている。ラビノビッツ爺さんが前の晩デートに誘った地元の女のコの事をフィンケルスタイン爺さんに語っている。「何をしたんじゃ」とフィンク。「モーテルに行ってな」とラビノビッツ、「ベッドに入って、そしてワシ、“忘れじの日々”を歌うたんじゃ」

「イカシタ夜だったようじゃのう」とフィンク。「今夜そのコをワシに譲らんか」「いいとも」とラビノビッツ爺さん、「どうぞどうぞ」翌日、彼らはビーチで再会する。「夕べはどうじゃった」とラビノビッツ。「スゴカッタぞ」とフィンク。「で、何をした」とラビノビッツ爺さん。「えーとー」とフィンケルスタイン爺さん、「モーテルの部屋に着いてベッドに入った。そしたらワシ、歌を思い出せんでな。しょうがない、セックスした」

(純情社長)

警察がマルコビッツの死亡を捜査している。ドレス製造業者の彼は、会社の窓から飛び降りたのだった。刑事は彼の若き美人秘書、グロリアの尋問を決定する。「お話伺えますかな」とグロリアに聞く刑事。「えっとー、マルコビッツさんの所で勤め始めて一ヶ月して・・・」と始める彼女、「週40ドルの昇給がありました。二ヶ月目の末に、綺麗な黒いネックレスを頂きました。三ヶ月目の末には、新車のサンダーバードと、それは見事なペルシャ子羊のコートを頂きましたの。

それから彼は自分とセックスする気はあるか、また、幾らでさせるかと聞いてきたんです。私、言いましたの、とても親切にして頂いてるので、10ドルポッキリで結構ですわ。会社の他の人たちからは20ドル頂いてますけどねって。と、その時ですの、社長が窓から飛び降りたんです!」

(天国みやげ)

ユダヤ人二人が天国の門にやってきて、聖ペテロに中に入ってもいいかと聞く。「問題外だね!」と聖ペテロ、「君らの類はここに入れる訳にはいかん。消えなさい!」それから彼はイエスの元に行き、誇らしげに事の次第を報告する。イエスは怒り狂う。「ペテロ!」と叫ぶ彼、「そんな事しちゃダメじゃないか! 急ぐんだ、連れ戻してきなさい」そこで聖ペテロは駆け出すが、しばらくしてハアハア息を切らして戻って来る。「消え失せました」と喘ぐ彼。「誰が」とイエス。「ユダヤ人かね」「いえ」と叫ぶ聖ペテロ、「天国の門が無くなってます!」

(歴史は繰り返す)

モウシェ・フィンケルスタインが食事を終えて代金を払い、テーブルから立ち上がろうとする。「ところで御主人」と不安気にウエイター、「歴史は繰り返すって信じますか」「勿論、信じるね」とモウシェ、「幾つかそういう事例も知ってるよ」「じゃ、御主人」と、揉み手しながらウエイター、「昨日お見えになった紳士はチップを5ドル下すったんですが・・・」「それはスゴイね」と、帽子に手を伸ばしながらモウシェ曰く、「彼はおそらく、明日また来るだろう」

(同類項)

妻のベッキーと口論したハイミー・ゴールドバーグは一杯やりに家を出る。その夜遅く、彼は地元のオールナイトの食堂によろめき入って、ヌードルスープの丼に覆いかぶさるようにうなだれている。隣のテーブルに中国人が座っているのに気付いたハイミーは、まだムシャクシャが治まらず、ヌードルの丼を手に取ると、それを中国人の頭上からバシャッとかける。「真珠湾のお返しだ」とハイミー。

「でもワタシ中国人。日本人ちがうよ!」と叫ぶ中国人。「中国人、日本人、ベトナム人」とハイミー、「オレにゃみんな同じだ!」ハイミーが勘定を払いに行くと、件の中国人がサラミソーセージでいきなりハイミーの頭を殴る。「これね」と、お辞儀しながら中国人、「タイタニック号沈めたお返しね」「だけど」とハイミー叫ぶ、「タイタニックは氷山(アイスバーグ)で沈んだんだぞ!」「だからナニ」と中国人。「アイスバーグ、ゴールドバーグ、グリーンバーグ。ワタシにゃみんな同じね!」

 ●~バーグ=ユダヤ人に多い名前

(生き地獄)

KGBの捜査官がゴーリキーパークのベンチでヘブライ語の文法書を読んでいるユダヤ人に出くわす。「オイ、ユダ公」と彼、「何でわざわざそんなもん読んでるんだ。分かってるだろ、絶対イスラエルへは帰さないからな」「いえね」とユダヤ人、「万一天国でヘブライ語を話してたらいけませんからね」「じゃ、地獄へ行ったらどうするんだ」「あー」と溜息のユダヤ人、「もうロシア語なら知ってます」

 ●KGB=旧ソ連邦国家保安委員会

(妙なる響き)

ラビノビッチがカフェに座り、お茶とプラウダを注文する。「お茶は持ってまいりますが」とウエイター、「プラウダはお持ちできません。ソビエト体制は崩壊し、もうプラウダは発行されておりません」

 ・・・プラウダとはソビエト連邦の共産党機関紙

「分かった」と、ラビノビッチ、「お茶だけくれたまえ」

翌日、同じカフェにラビノビッチがやって来て、お茶とプラウダを注文する。ウエイターは同じように答える。3日目、またしてもラビノビッチがお茶とプラウダを注文。今度ばかりはウエイターもこう言う、「お客様、貴男はインテリとお見受けします。この3日間プラウダをご所望ですが、私が言うのはこれが三度目ですよ。ソビエト体制は崩壊し、最早プラウダは発行されておりません!」「いや、分かっとる、分かっとる」とラビノビッチ。「でも、ただソレが聞きたくてな」



© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: