勝手に最遊記

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Comouflage



「ホント・・・もう、野宿は嫌だぁ・・。」桃花はため息混じりに同調する。


――――――――――続けて3日。
町も村もなく、野宿続きだった。
しかも、山だの森だのでジープにも乗れず歩き詰め。
体力のない桃花は遅れまいと必死だった。
疲労困憊でゆっくり休める場所もなく、自分の汗やら埃やらで汚れていく体が恨めしかった。

「お風呂入りたい・・・。」心からの声である。


「しっかし・・ココ、寺か?」
山と山の間の開けた場所に在るソレは、まさに“ボロ寺”と呼ぶのに相応しい。
朽ちかけた屋根、薄汚れた壁・・そして不自然な程の強固な門構え。

「門、だけは立派だけどよ?」首を捻る悟浄に、

「・・・妖怪対策なんだろ。さっさと行くぞ。」
三蔵が歩き出そうとして、振り返った。


「・・・お前は入れんな。」指を指されたのは・・・「はぁ?あたしが・・・なんで?」桃花がポカンとする。

「あぁ!・・・なるほど。」八戒が手を叩く。

「そっか・・桃花・・・。」悟空が頷く。

「えぇっ?何?なんなの?」訳が分からない桃花。

はぁ~っと悟浄がため息を付きながら、「桃花チャン・・・女の子だからさ。」

「だから、何??」何を今さら?そりゃ性別は女だけど?って言うか、女扱いはされてないけどね!!


三蔵が素っ気なく、「女人禁制だ。」と言った。


「にょっ・・女人禁制・・・。」その意味するところを理解して、桃花は青ざめる。

つまり、ソレって・・・・。

「お前は野宿だな。」平然と、三蔵が宣告した。

「いいいい嫌だぁ~~っ!!ぜっっっっったい嫌っ!!なんで?なんで女が入っちゃダメなのよっ!?」

「女は不浄なモノだと決まってるからな。仏道じゃ当然だろ。」

「三蔵!・・アンタ、鬼っ?か弱い婦女子を一人で野宿させる気っ!?」

「誰がか弱いんだ、誰が・・・。」

またもや喧嘩が勃発しそうな二人の間を、八戒が割って入る。

「三蔵。冗談はソコまでにして下さいね。しかし、桃花をどうしたものか・・・。」

「んー。三蔵サマのご威光で何とかなんねぇの?」悟浄が心配げに桃花の顔を見る。

「・・・ならんな。大体、この女を同行させている理由を説明できるか?なんの役にも立てねぇんだぞ。」

三蔵の遠慮のない言葉に、桃花がガックリと肩を落とす。

その桃花の肩をポンッと叩き、「桃花~。俺も一緒に野宿してやるからさ?落ち込むなよ。」

「悟空ちゃん・・・。」優しい悟空の言葉に眼がウルウルする桃花。
「嬉しいけど、ダメだよ。いつ刺客が来るかも分かんないんだよ?ちゃんと休息取らないと。ねっ?」

「そうですよ、三蔵。桃花を一人で野宿させたら襲って下さいと言わんばかりじゃないですか。」
桃花の言葉尻を利用して、三蔵を説得にかかる八戒。

「・・・チッ。なら、どうするんだ。」

「そうですねぇ~。」八戒はジッと桃花を見ていたが、パッと破顔した。

「悟浄、悟空。荷物を貸して下さいね。」
そう言って、ジープの上で荷物を解く。
色々取り出しては吟味し、また仕舞い・・・その繰り返し。

「「「「??」」」」三蔵達には八戒の行動が判らない。



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