勝手に最遊記

勝手に最遊記

A Rose Prison ―15―



『―――――!?』三蔵が足を止めた。

「・・どうかしましたか、三蔵?」
八戒が怪訝に伺う。

「――先に行ってろ。」八戒に背を向けたまま、薔薇の藪へと体を押し入れる。

「・・・判りました。」八戒は再び走り出した。

――三蔵がああ言う態度を取る時には、何を言っても無駄だと知っているから――

三蔵は何か異変を感じたのだろう。しかし、・・確証がないから何も話さない。

『・・・判り辛い、人ですね・・・。』思わず苦笑した。


「貴方達は・・・薔薇の為に、その血を捧げればいいのよ・・・。」
沁紗の声が響く。

「てめっ・・何処に居やがるっ!?」
悟空を抱えながら、悟浄が喚く。

「居るわよ?・・ホラ、貴方の目の前に・・・。」
「なっ・・!?」

花弁の中心に、聚楓の上半身が見える・・・・。
―――その上辺りの花びらが、徐々に変形する―――――

「マ・・マジかよっ・・・?」悟浄が驚愕した。

真っ赤な花びらが――人型へと変形し、前に突き出てくる・・そして、眼を開いた

「・・・これなら良く判るかしら?」
真っ赤な花びらで出来たソレは、沁紗の姿と声で、笑った。


「あぁ、ご主人様・・・。」
沁紗が、愛おしそうに聚楓へと腕を絡める。

聚楓の顔と体は紙のように白く、意識がない。

「お前っ・・ソイツの命も吸い取ってるんだろっ!」
ふらつく体を如意棒で支えながら、悟空が怒鳴った。

「・・コレはご主人様が望まれた事。薔薇と一つになることによって、
永遠の命を得られたのよ。」

にっこり笑いながら、
「貴方達の血で、もっと私とご主人様は輝けるわ。」と言った。

「生憎、花の肥料になる気なんざ、一つもねーよっ!!」
悟浄が錫杖を振るった瞬間、悟空が同時に飛ぶ。

「・・・本当に、仕様のない人達ね・・。」
うっすら笑みを浮かべつつ、沁紗が花弁を揺らした。

バァフゥッ・・黄色い花粉が撒き散らされる。

「「!!?」」
もろに花粉を被った悟空と悟浄が・・体の動きを止め・・次の瞬間、

「ぐっ・・・!?」「・・・あっ!?」
悟浄と悟空が倒れた。

「三蔵様に使ったのより、強力よ。お味はいかが?」
さわさわと花びらを揺らした。


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: