勝手に最遊記

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Gag Story Change ―5―


三蔵が抱えている焼き鳥の山・・悟空が驚くのも無理はない。

「いや・・良く分かんないんだけど?」三蔵も困惑している。

「ソレは・・【ぐうぅぅ】言いかけた悟空の言葉を、お腹の音が遮った。

「悟空ちゃん・・・。」マジマジと見る。
『中身は八戒ちゃんだよねぇ?』

「あははは。悟空の気持ちが良く判りました。この体、すぐお腹が減るんです。」
悟空が顔を赤らめながら、焼き鳥を見て、
「食べても良いですか?」遠慮がちに三蔵に聞いた。

悟空がハグハグと(ソレでも上品に)焼き鳥を食べている間、一緒にベンチに
座っていた三蔵が、自分の身体の変化に気付いた。

『・・口寂しい。』モゴモゴと唇を動かす。
お腹が減っている訳ではないのだが、どうにも何か口に入れたい。
見ると、別の屋台で飴を売っている。
『飴なら買えるかも。』
そう思って、屋台に近づいていくと、おばちゃんが威勢良く話し掛けてきた。

「あらー男前のお坊さんだねぇ!いくつ買ってく?オマケしとくよっ!」
うーんとかがみ込みながら、飴を眺め、
「コレ一つでイイ。悪いね、おばちゃん。」上目遣いにおばちゃんを見た途端、

バババババババババババババッッッッとおばちゃんが飴を山ほど袋に詰め、
「~持っていきなっ!!」三蔵に差し出した。

「!?いや、俺・・一つ分しか・・。」口ごもる三蔵に袋を押しつけ、
「アタシがイイって言ってんだよっ!・・男前に大サービスだっ。」
三蔵は袋を受け取り、「・・・さんきゅーな、おばちゃんv」ニッコリ微笑んだ。

三蔵が立ち去った後、
「アタシも後、30・・いや、20歳若ければね~。」と、のたまった。


「三蔵?・・また山ほどの飴を・・?」焼き鳥を平らげた悟空が、目を丸くする。
「・・うん。理由が判ってきたような気がする・・。」
三蔵が悟空に飴を渡し、
「のどが渇かないか?」と、訊ねた。
「え・・そうですね。あれだけ焼き鳥を食べましたから・・渇きましたけど?」
「ヨシッ!待ってろ。」三蔵がニッと笑い、ドリンクを売っている屋台へと行く。

「・・・・?」『現金は余り持ってないんじゃ・・?』悟空が様子を見ていると、
二言三言、屋台の人と声を交わした三蔵が、一リットルは入っているジュースを
抱えながら帰ってきた。

「そっそんなにっ・・!?」驚く悟空に
「・・・使える・・・この体・・・使えるわぁ~っ!!」
オーッホッホッホッホッホッ―――――――・・・三蔵が高笑いをした。


             ――ゾクリ――

背中に悪寒を感じて、桃花が顔をしかめた。

『・・・なんだ?あのバカ女め、余計な事してねぇだろうな・・。』
そう思いつつ、新聞から顔を上げた。

眼鏡はしていない。いや、しようとしたら、しなくても良いことに気付いた。
その代わり・・遠くがよく見えない。
『俺は遠視だが、コイツは近視か・・。』思わず苦笑した。

まさか遠視と近視の違いを体感するなんて、思いも寄らなかった。

『しかしな・・俺の体は無事なんだろうか?』
悟空――八戒が付いているとは言え、中身は桃花である。

『俺も行くか・・。』桃花が立ち上がった。


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