勝手に最遊記

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Promise ―16―


よしよしと、抱き締めながら背中をさすってやる。

「・・だっ・・だって・・。おねっ・・おねーちゃんがっ・・。」
嗚咽混じりに、必死に訴えようとする悟空に苦笑し、
「だいじょーぶ。だいじょーぶ。・・ね?あたしが居なくなっても・・金蝉達が居るじゃない。」
「でもっ・・でもっ・・!」
一生懸命に、しがみついてくる悟空。彼を安心させたい・・から。

「・・また、逢えるよ。」
「・・・ホント?」
涙と鼻水でグチャグチャになった悟空の顔。

「ん。あたし、守れない約束はしない主義だし。」
ゴシゴシと顔を拭いてやる。

悟空は覚えていないだろう。天界での記憶は封印されているという。
それに・・『あたし自身も』

天蓬によれば、“存在する事のない世界”の記憶は残らない。・・そう、言われた。
『残っていたとしても・・夢の欠片、ぐらいなものです。』
夢の欠片の記憶。三蔵達にそっくりな金蝉達の事も、小さな悟空の事も、ナタクの事も。
自分は元の世界に戻ったら、覚えていないのだろう。

「いつ、逢えるの?」素直な悟空。
「んー・・結構、先だけど・・また、仲良くしようね?」
「うん!また遊ぼうなっ!!」
満開の笑顔を見せてくれる悟空。

悟空ちゃん、大好きだよ。  覚えていなくても。   また逢えるから。

仲良く手を繋いで、部屋へ戻る。

永い、別れの時が、すぐ其処まで近づいているのを感じながら―――――――――


―それから2日―

あまりにも頻繁に頭痛を起こし、倒れる桃花は・・部屋から出ることを禁じられていた。

「・・・退屈なんですケド。」
「我慢しろ。お前について回るほど、俺は暇じゃねぇ。」
そりゃね・・と、桃花は項垂れた。
頭痛は今や、一時間事に起きていた。いつ、倒れてもおかしくない。
金蝉にしてみれば、外に出られて何かあったら・・と、懸念の思いで一杯なのだ。

桃花を気遣ってか、天蓬や捲簾も暇を見付けては顔を出してくれる。
悟空に至っては、片時も傍を離れようとはしない。

『・・口で言うほど、退屈はしてないんだけど・・・。』
ただ、余りにも窮屈で。

悟空に絵本を読んでやりながら、秘かにため息をつく。

その様子を、金蝉が見ていた。



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