勝手に最遊記

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HAPPY BIRTHDAY!―5



激しい衝撃音と共に、霧散する妖怪達。
「よっしゃあああ!イケイケ八戒ちゃんっ!!」背後から桃花の応援(?)を受け、苦笑しつつ妖怪と対峙する八戒。



―――――――呆気に取られた妖怪達を後目に萌珠を逃がし、町へ進入しようとする妖怪を阻む羽目になった八戒(と桃花。)

「桃花も萌珠さんと一緒に・・・「うらああぁっ!!」萌珠を追い掛けようとした、妖怪の背中に蹴りを喰らわした桃花。
「なんか言った?!八戒ちゃんっ!!」その形相の凄まじさに、「な・・何でもなありません。」
逃げて下さい―――――なんて(とても)言えなかった八戒なのであった。


「・・・よっしっ!あらかた片づいたんじゃない?」数十人いた妖怪達は、八戒の気孔によって消滅していた。
「そうですね。もう暗くなりそうですから、早く山を下りましょう。」
お腹すいたねぇ~・・等と呑気に喋りながら、踵を返して、山を下り始めた八戒と桃花。






『―――――――っ!?』






「どうしたの?八戒ちゃん?」桃花の腕を取り、急に立ち止まった八戒。


「ねぇ?はっか・・・」いきなり桃花を抱き込み、山道の脇へと飛ぶ――――【ダアンッ――――――

今まで居た場所へ、黒光りした斧が突き刺さった。



「・・・・・アレだけじゃぁ、無かったようですねぇ・・。」スゥっと八戒が翡翠の眼を細めた。
「この妖怪達っ・・・!」思わず前に出そうになる桃花の肩を、八戒が強く抱き留めた。


「よくも俺らの仲間を殺ってくれたな!」「お前ら片付けて、町中の人間を皆殺しだっ!!」
殺気立った妖怪達の数は、その数・3倍――――――恐らく、先程倒した妖怪達は先攻部隊。


逃げ道を塞ぐようにして、取り囲んだ妖怪達は剣や斧などの武器を持ち、油断無く八戒と桃花を見据えている。

「去年の誕生日も、こんな感じだったよね?八戒ちゃん。」場に不釣り合いな笑顔を浮かべ、
「あたしの事は気にしないでイイから。好きなように戦ってね?」軽く言い放った桃花。


「そんな事・・・」――――出来る訳、無いでしょうが。


桃花にしてみれば、自分にはバングルがあるから―――――死ぬような事は無いと思っている。
しかし、怪我をしない保証はないのだ。バングルは、桃花を殺そうとする敵に対して絶大な効果を発揮するが、
殺気さえ持っていなければ―――――つまり、生きているだけで良いというので有れば・・・・

手をもがれようが、足をもぎ取られようが・・・・バングルは沈黙したままだろう。


この人数を相手にしていれば、必ず隙が生まれる―――――――その隙を突かれて、桃花が怪我を負うことは火を見るより明らかだ。



「・・・・桃花。」


「なに?八戒ちゃ・・・・・・【ドスッ――――――・・・・・・「・・・・・・ぇ?」




桃花の鳩尾(みぞおち)に、八戒の拳がめり込む―――――――「すいません・・・」




痛みに遠のく意識・・・・・・『な、んで・・?八戒ちゃん・・・・・』優しく抱かれた体が、土の上に横たえられるのを感じた。



「・・・はっ・・・・」 霞んだ視界の中で、落ちてきた三つのカフス。




そして――――――――・・・・・妖怪達に向かっていく八戒の後ろ姿が――――――・・・歪んで、消えた。




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