勝手に最遊記

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Family



「おおおーっ!久々の町だ~!!」悟浄が嬌声を上げた。
「俺・・・腹減ってもうダメ・・。」悟空が死にそうな顔でつぶやく。
晴掩の村を去って2日。結局、野宿続きで食事もろくに食べていなかった。

町の賑わいぶりを見て、
「フン・・。ここならたっぷり補給が出来るだろう。」
マルボロが切れて、いつにも増して機嫌の悪い三蔵が言った。

「そうですね。ジープ?どうしたんですか?」
キュー・・と八戒に訴えかけるように鳴いたジープが、桃花の肩に止まる。

「桃花?」
町に着いたというのに、俯いたまま。

「まっまだ怒ってんのか!?」悟浄が怯えた表情(かお)をする。

それもそのはず・・桃花の顔に落書きして楽しんだ結果、
自分の顔の有様に気付いた桃花から受けた逆襲は、
何と三蔵の銃を奪い取り(三蔵がわざと取らせた)
滅茶苦茶に発砲しながら,悟空と悟浄を追いかけ回すという・・・過酷な仕返しだった。
銃の扱いなど慣れていない桃花の発砲は、心底悟空と悟浄を怯えさせたのであった・・。

           「・・だっ」
桃花が顔を上げる。           体が振り子のように揺れる。

         「だいじょう・・ぶっ・・。」

その場に倒れ込む桃花の体を、かろうじて八戒が受け止める。


「桃花っ?」桃花の意識は混濁としている。
「・・なん・・でも・・。だいじょう・・。」

譫言(うわごと)のように自分は大丈夫だと繰り返し言う。
額に手を当てると八戒は驚いた。
『・・高熱?いつのまに・・。』
熱は高いのに、顔は青ざめ震えている。

「悟空!荷物を頼む。悟浄、あそこに見える宿に行って部屋取ってこい!」
瞬時に状況を判断した三蔵が、的確に指示を出す。

「八戒。医者、探して連れてこい。コイツは俺が運ぶ。」

「・・分かりました。宜しくお願いします。」
苦い思いを隠すように八戒は走った。


『・・・早く気づくべきだった・・。』


「さん・・ぞぅ?ごめ・・ん。」苦しい息づかいの中から、
自分に詫びる桃花に
「煩せぇ。黙ってろ。」三蔵は桃花を抱えて歩き出した。


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