勝手に最遊記

勝手に最遊記

Family ―6―


「気にすんな。エロ河童にはお仕置きが必要だ。・・オイ、大丈夫か?」

額に手を当てて眉を寄せている。「ん・・頭が痛くて・・。」

「さっさと横になれ。八戒が薬をもらって来たからな。
後でメシ喰って飲め。」

「うん・・。三蔵、ごめんね。」
「謝るぐらいなら寝てろ。」そう言って部屋から立ち去ろうとしたが
法衣が引っ張られる。

「何だ?」
「・・・・・持たせてて・・ゴメン。」
そのまま目を瞑ってしまった桃花を見て、三蔵はため息をついた。

『寝付くまでココに居ろって事か?面倒くせぇ・・。』

三蔵は黙ってイスに腰をかけた。

窓からは西日が少し射し込んでいる。
遠くで子供が遊んでいる声がしているが、部屋の中は静寂に包まれていた。

桃花の顔を見ると、
少し落ち着いたのか、苦しげな顔はしていない。


暫くすると、規則正しい寝息が聞こえてきたが、
三蔵はそれでも座っていた。


――――――――――――――――――――――――――――――――――ピシャッ。

足下にはねた水音に、悟空は我に返った。

「アレッ?ココ・・どこだ?」

そこは沼地であった。周りには鬱蒼(うっそう)とした木々が生い茂り、
霧が立ちこめている。

「俺、どうしてこんな所に・・。」見れば抱えていた荷物もない。
ヤベッ!!無くした?三蔵に叱られる~と悟空がアタフタしていると、
背後に気配を感じた。

「誰だっ!?」振り向きざま、如意棒を出現させる。

霧が濃くて良くは見えないが、その人物は沼地に立っている。

悟空は油断無く、如意棒を構え
「お前、一体誰なんだ!?」と、威嚇した。

    霧が徐々に晴れ、その人物の姿を現す。

「・・・?」女の人?

年は30歳前後であろうか。長いであろうその髪を、キッチリ結い上げ
ほっそりした体を、ロングの茶色いチャイナドレスが包んでいる。
一見して、良家の奥方という雰囲気だ。

『妖気も感じられないけど・・?』悟空が戸惑う。

「私が・・分からないの?」か細い声が聞こえる。

さっき町中で聞こえた声だ!
「俺は、お前なんか知らない。・・誰なんだ?」

女が儚げにつぶやいた。

「私よ・・・貴方の母親よ。」


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