勝手に最遊記

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Jealousy ―10―



「ああ、だって桃花はすぐ顔に出ますよね?
サクラの正体が分かるまで、自然にしてた方が良いと思いまして・・。」

「それにしたって・・。」あたし情けなさ過ぎ・・。

「彼女の目的が桃花にあるって言うのは、すぐに判りましたしね。
なるべく近づけないようにって、計らっていたんですよ?そのうち尻尾を出すと思って。
それなのに桃花が“やきもち”妬いて、出て行っちゃったから・・。」

「だあああっ!!もーいいからっ!!」
桃花が八戒の口を閉ざそうと、ベッドから身を乗り出したが
まだ力の入らない体のせいで、狭いシングルベッドから落っこちてしまった。

「・・・痛い~っ・・。」
「しょうがないお姉さんですね~。」八戒がクスクスと笑う。

「なんか・・八戒ちゃん、怒ってる?」ベッドから落ちた桃花が、うらめしそうに床から八戒を見る。

「そうですねぇ~。」よいしょっと桃花を抱えながら、
「やきもちを妬かなければ、危ない目に合わなかったのに、と思ってます。」

笑顔で言っているが、本当に心配してくれていたのだと感じる。

「・・・ゴメンナサイ。」「ハイ、良くできました♪」
「っっって、あたしの方が3つも年上なんだよっ!?」憤慨する桃花を見て、
「年下の女の子にやきもち妬く人がですか?」・・・ソレは言わないでぇ~っ!

桃花がまた赤面していると、「やきもちって、誰が妬いたんだって?」

へっ・・・嫌ぁ~な予感・・・っていうか・・・そっとドアを見ると、

「よっ、桃花、起きたんだ。」・・・悟浄君っ!
「・・・・早く入れ。」っって、三蔵!!

桃花を抱き上げたままの八戒に、
「なんで抱っこしてんの?」悟浄が当然の疑問を抱く。

「ああ、忘れてました。」あははと笑って、八戒がベッドへ桃花を下ろす。
「桃花がベッドから落っこちたもんですから。」

「お前は体の自由が利かなくても、寝相が悪いのか?」呆れた三蔵の言葉に、
「寝相じゃないって!八戒ちゃんと話ししてて・・ちょっと・・。」口ごもる桃花の代わりに、
「エキサイトして、落っこちたんです。」八戒が満面の笑みで言った。
「フーン?」悟浄が良く分からんゾ?って顔をする。
「やきもちがナントカって、ナニ?」

「・・・ソレは・・関係ない話で・・・あ、三蔵って、いつからサクラが怪しいって分かったの!?」

「・・・初めて見たときからだ。」相変わらずの不機嫌顔で言う。

「初めっから!?」「マジでっ?」思わず身を乗り出す、桃花と悟浄。

「体から出ているオーラが・・気というか、不自然だった。大体、あの目を見てれば分かるがな。」

サクラの蒼い目・・。感情がなかったことを桃花は思い出した。

「てっきり妖怪に襲われたショックで、感情のない目になってるんだと思ってたから・・判らなかった。」
そう呟き、
「・・・にしてもさ、三蔵ってホントに“三蔵法師”だったんだね。」感心したかのように、桃花は言った。

「あぁ?」何を今さら?という顔で三蔵が睨む。
「桃花は何だと思ってたんですか?」
「鬼畜生臭坊主!!」・・・ハッ!うっかり本当のことを・・・スパ――ンッ!
「いいいい痛い~~っ!!」頭を押さえる桃花。

「ケッ。・・・これで頭の中がスッキリすんだろ。」ハリセンをポンポン叩きながらしまう三蔵。

「あああのねぇ~~っ・・」くぅ~体の自由が・・アレッ。「動く・・。」手をグーパーと握ってみる。

「薬の効果が切れたんですか?」
「・・うんっ!なんか、大丈夫みたい!」肩をグルグル回す桃花。
「良かったなー桃花!三蔵サマのハリセン効果ってか?」悟浄がおどけて言う。
「なんなら・・もう、2・3発、叩いてやろうか?」三蔵が再びハリセンを取り出す。

「もう、イイって!」首を横にブンブン振る。『マジでやりかねないもん・・この男。』

「ただーいま~っ!・・桃花っ!大丈夫なのか?」悟空が紙袋を抱えて帰ってきた。

「うん!心配かけて、ごめんね。」
「いいって・・。俺、肉まん買ってきたんだ。桃花、食うだろ?ホラ。」悟空が肉まんを桃花に差し出す。

「・・・ありがとう。」湯気の立った肉まん。・・・悟空ちゃんの心みたいだ。

桃花が肉まんを食べ始めたのを見て、安心した悟空が
「桃花の様子が変だったからさ。気になってたんだ。」

「・・・?」(肉まんのせいで喋られない)

「ナニ?様子が変だったって?」
「サクラが居る時。桃花、様子が変でさー肉まんも食わなかったんだよな。」

「●☆▼◎・・・グッ!!」(肉まんが喉に詰まる)

「大丈夫ですか?」トントンと背中をさする八戒。(顔が笑っている)

「・・・判りやすい女だな。」と、三蔵がマルボロを出しながら
「コイツはサクラに嫉妬してただけだ。」と、言った。


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