勝手に最遊記Ⅱ

勝手に最遊記Ⅱ

Pain―Trap






大丈夫。




笑顔で言えたはず。






背中から、突き刺さるような視線を感じる。きっと、あの物騒な目つきで睨んでいるんだろう。



一歩    一歩     宿から出て、東へと向かう。





真っ直ぐ、前を向いたまま。眩しい朝日に眼を細めながら・・・・・一歩、また一歩。





村を出て、荒野を歩き出す。吹きさすぶ風が、体にぶつかっては通り抜けて行く。歩いて歩いて歩いて・・・・・・【ポタッ



             ポタッ



                  ポタッ




・・・・・・・みるみる涙が溢れてきた・・・・・・・・「・・・・っ・・・ぅっ・・・」


嗚咽を抑え、蹲った。





「・・・・っ、め・・だっ・・」   泣いちゃ、ダメ  


                  自分の為に、涙を流す事なんて――――――――・・・・




あたしには、許されない事だから。






涙を飲み込み、空を仰いだ。






涙で曇った視界に映る、蒼い空。






「・・・・・・罪人なんだよ・・・・?」その顔には、微笑さえ浮かべて。





『罪を、背負って』                           立ち上がった桃花。





『地獄へと下ろう。』                          後ろは振り向くなと、叱咤して。





「・・・・ばいばい・・・・・。」                      四人の顔を、思い浮かべた。





大事な、人達。






――――――――――――砂埃が、桃花の姿を掻き消すように・・・・・吹き荒れていた。











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