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怪奇蒐集者 房総奇譚 牛抱せん夏のご紹介です。今回は千葉県に舞台にした怪談を披露しています。怪奇蒐集者 房総奇譚 牛抱せん夏 [DVD]【収録エピソード】祖父の行方(袖ヶ浦市)体験者の自宅そばの林が、一時心霊スポットと呼ばれていました。体験者の祖父に認知症状がみられるようになり、家族で世話をしていました。ある日床屋のおじさんからおじいさんが家に来ていると電話がありました。しかし当のおじいさんは自室で寝ており、床屋の勘違いかと思いました。その翌日……おじいさんと林がどのように繋がっていたのか、何とも不思議なお話でした。九十九里のビーチ(九十九里浜)九十九里浜でサーフィンをしていた男性が体験したお話です。助けを求めるボートを見つけ近づいてみると、ボートが動かなくなったとのこと。男性が押してみるとボートは簡単に動きました。不思議に思って周りを見てみると、ボートの側面にくっついていたモノとは……数分の話ながらキレの良い怪談でした。気づいた時(市原市)女性がパートに向かう途中、登校時間を過ぎているのに道路の縁石に腰かけている子どもを見かけました。頻繁に見かけるので心配になり、声をかけてみると……これも直球の怪談でした。隣の家(市川市)体験者が幼い頃は隣家と親しくしていたのですが、成長するにつれて行き来が無くなりました。ある日久しぶりに隣家の娘さんが帰って来たのですが、様子がおかしくなっていました。以降も隣家には不幸が続き……家族の間で何かあったんだろうなという含みがあって不気味なお話でした。早く起きて(千葉市花見川区)不動産会社に就職した男性が、会社が用意した部屋に入居しました。深夜横になっていると、自分を起こす声が聞こえてきました。その声は恋人だったり母親だったり、身近な人の声が代わるがわるしていました。いったいあれは何だったのかと思っていると、その翌日電話が入り……起こったことに関連があるのか無いのか、不思議なお話でした。おせんころがし(勝浦市~鴨川市)おせんころがしという崖があり、以前は交通の難所でした。そこではおせんという娘にまつわる悲劇が民話として語られていました。また、そこでは陰惨な殺人事件も起こりました。ある日、そのおせんころがしで怪談番組を収録することになったのですが……やはり因縁のある土地というものはあるのですね。今回は千葉県に的を絞って怪談が語られています。割と具体的な場所まで語られているのがハラハラしました。牛抱さんの語りも聴きごたえのある一作です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024.02.25
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ワールドツアー上映「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ を観てきました。※本記事はネタバレを含みます。【粋なオリジナル演出が見どころ】本作は刀鍛冶の里編の最終話と柱稽古編の第1話を合わせたものです。柱稽古編の冒頭にオリジナル演出があるのですが、それがとても見ごたえがありました。鬼にさらわれた女性を救出すべく、不死川と伊黒が鬼のアジトに潜入します。次々に襲い来る鬼たちを斬りまくる2人の戦闘シーンは見ものです。原作ではやや戦闘シーンの少なかった両名の強さがバッチリと味わえます。また、細かいセリフの端々にまで2人の性格が出ていて面白かったです。そして鬼のリーダーを追って2人がたどり着いた先は、なんと無限城!これは気になります。原作では、炭治郎たちは全員無限城は初見でした。それがアニメ版では無限城を見た者がいることになります。この演出が物語にどう繋がっているのか?これは続きが楽しみですね。【丁寧な仕事が美しい】アニメ版鬼滅の刃全体に言えることですが、音楽やカメラワークが秀逸だと思います。時に音楽が止んで雨音だけになったり、周囲を一周するようにカメラが動いたりと、見せ方がきれいでした。ストーリーの評価が高い作品ですが、こうした細かい演出を見るのも楽しいですね。最初はどうせテレビでやるしな~と思っていたのですが、観に行って良かったです。すでに内容を知っているのにここまで楽しめる作品も珍しいと思います。映像や音楽の美しさだけでなく、原作をどのように膨らませてくれるかも楽しみですね。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024.02.18
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今までご紹介していた大江戸妖怪かわら版全体の感想です。第1巻の記事はこちら。【書籍全巻セット】【中古】大江戸妖怪かわら版[文庫版] <1~7巻完結> 香月日輪【美しい風景描写】本作の魅力はまず、その美しい風景描写だと思います。「どこもかしこも見事な紅葉で、上を見上げれば、さまざまに色づいた葉が青空に映え、足元は、その散った葉で見渡す限り埋め尽くされている。子どもたちはその上を転げ回り、腕いっぱいに落ち葉を拾っては放り投げ、撒き散らす。大人たちはその様子に、深まりゆく秋を感じるのだった」―6巻より情景がすんなり浮かんでくるうえに文章がくどくなく、繊細で美しいと思います。【大江戸うまいもの探訪】香月先生はおいしそうな料理の描写にも定評があるそうで、妖怪アパートの幽雅な日常でもおいしそうな料理がたくさん出てくるそうです。「今日の昼定食は、鰻(うなぎ)と浅蜊(あさり)と葱(ねぎ)の旨煮。まだ暑さの残るこの時期の、夏バテ予防にピッタリの一品だった。小鉢には、練り天と菜っ葉の和え物。薩摩芋の味噌汁。茄子の漬け物」―5巻より読んでいるだけでもおいしそうです。昔ながらの日本の食材や旬のものを使った、素朴でありながら手の込んだ料理が良いですね。【きちんとした大人のいる世界】このシリーズの素敵な所は、きちんとした大人たちがいることだと思います。雀に対してあれこれと口出しはしないが、決して見放すことはありません。雀が自分で考え、決断するのを待ってくれているのです。大人代表は鬼火の旦那ですが、大首の親方やポーなど、見守ってくれる大人がたくさんいるのがほほえましいですね。印象深かったのは雀の長屋に住んでいるお内儀たちです。何かと世話を焼いてくれるのですが、それは雀が自分自身できちんと生きているからであって、ただ甘えてくるだけの者は一顧だにしないという描写があります。無条件で人の面倒を見るほど余裕があるわけでも懐が深いわけでもない。でも懸命に生きている者には惜しまず手を貸してくれる。そんな江戸っ子気質が温かいですね。吾輩が好きなのは、雀が行きつけのめし処「うさ屋」のおやじが氷箱(冷蔵庫)を仕入れたシーンです。氷箱は箱に氷の精を入れるのですが定期的に交換せねばならず、その手間賃が結構かかるとのこと。強い力を持つ鬼火の旦那ならば交換しないで済むようにすることもできます。ですが旦那は「やってやろうか」とも言わないし、うさ屋のおやじも「やってくれ」とは言いません。個人個人がこうした分別のある行動をしているからこそ、世間の秩序が保たれているように思います。ともすれば自分さえ良ければいいとなりがちな我々は大いに見習うべきなのではないかと思いました。【子どもにも大人にも読んでほしい物語】本シリーズは児童書の対象年齢の中でも最後のカテゴリーに入るそうです。子どもを卒業して大人になっていくにあたって、学んでおいて欲しいことが詰まった作品であると思います。また大人になってから読み返すと、日々の慌ただしさの中で忘れてしまったことを思い出させてくれる作品でもあると思います。個人的には2巻の「遠きにありて思う」が好きです。辛いことや悲しいことが自分の糧になるとよく言われます。ですがその最中にそう思うことは中々ないと思います。すでに取返しのつかない、終わってしまったことだからこそ冷静に振り返ることができるものなのかなと感じました。また3巻の「なんの憂いもない世界など、どこにもありはしないのだヨ」が名言だと思います。一見理想郷のように見える大江戸であっても犯罪はある。格差もある。理不尽もある。全くの別世界ではなく我々の世界とリンクしている部分があるからこそ、物語が読み手の中に入ってくるのかなと思いました。そして憂いのある世界だからこそ、人は自分や大切な人のために努力できるのではないかと感じました。本作は日常シーンが多い小説ですが、こうした平凡な日常こそが愛おしいと思います。作中の言葉を借りれば、泣き、笑い、酒を呑んで美味いものを喰って、恋をして子どもをつくって……そして死んでゆく。どこにでもある当たり前な生き方や人情あふれる心意気。我々人間が便利さと忙しさで忘れてしまったものを思い出させてくれる妖怪たちと、そんな優しい世界で「生き直す」少年の物語。良い作品を読むことができました。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024.02.11
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怪奇蒐集者 秒殺怪談 スズサクのご紹介です。日本一髪の長い男性芸人からイメージを一新。前回とは違ったイメージのスズサクさんが登場です。前回の記事はこちら。【送料無料】怪奇蒐集者 秒殺怪談 スズサク/スズサク[DVD]【返品種別A】【収録エピソード】カメラスズサクさんがマッチングアプリで知り合った女性から怪談を蒐めていた時の話です。体験者の女性はカメラにはまってしまい、中古のフィルムカメラを買いました。現像した写真の中に撮った覚えのない写真が入っていました。それからというもの怪奇現象が起こり……十分怖い怪異なのですが、スズサクさんのマッチングアプリの方が気になりました。合掌した老婆スズサクさんに怪談を提供している男性から聴いた話です。その男性の父親に霊感があって、提供される怪談は主に父親の体験談なのだそうです。怪談をメモしたノートに「合掌した老婆」という話がありました。気になって父親に内容を詳しく聞いてもらいました。当時付き合っていた女性と一緒に寝ていると、窓の向こうから合掌した老婆が近づいて来ました。老婆が合掌した手を開くと、掌に胎児が乗っており「この子をよろしくお願いします」と言ってきました。直観的にそれがこの彼女だと気づき、運命の女性と知り合ったと思っていたのですが……キャッチーな題名と違って切ないお話でした。とある女性の体験談スズサクさんが飲みに行っていた店の女性店員さんの体験談です。彼女は霊感があり、心霊に興味を持っていました。そんな彼女が体験したお話が2話紹介されています。霊感のある人ならではというか、不思議なお話でした。病院職員の体験談医療事務をしている人が体験した話です。新人の男性がどうやらいじめられていることに気づきました。ある日を境にその男性が出社しなくなり、自殺していたことを知りました。月日は流れ、仕事中にふと顔を上げるとその男性が出社してきて……霊なのにはっきりと姿が見えるというのが珍しいですね。ドッペルゲンガー体験者の男性が街で偶然学生時代の後輩に会いました。後日その後輩に連絡して飲みに行くことになりました。居酒屋で落ち合って先日会った時のことを話すと、後輩は「先輩とは高校出てから今まで会ってないですよ」と言う。では先日偶然会った後輩は何者なのか……スズサクさんが怪談を蒐めていると、似たような話がいくつか蒐まっていることに気づきました。世の中に同じ人が3人いると言いますが、ドッペルゲンガーと呼ばれる何者かが存在するのかもしれないというお話です。前世の話スズサクさんは幼い時、繰り返し同じ夢を見ていました。同じような体験が無いか聴いてみると、同じような体験をした人が何人かいました。ひょっとしてそれは前世の記憶なのではないか、というお話です。怪談というよりも仮説のお話ですね。色々なタイプの怪談が味わえる、バラエティ豊かな一作でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024.02.04
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