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宗教学概論  ・ノート

宗教学概論ノート


せっかくノートをパソコンで作っているのだから、
どうせだから、公開します・・・。



「宗教学」の種類

  ※宗教学とは?
    ・世界の諸宗教を真に科学的に研究する学問。
    ・「宗教とは何か?」を問い、それに答えようとする学問。
    ・客観的、価値中立的立場に立って、諸宗教の現象面を比較考察し、
     それによって、宗教についての事実を明らかにし、
     宗教についての正確な知識の体系を築きあげようとする学問。
    ・創始者は マックス・ミュラー  (1749~1832)、
      「たった一つの宗教しか知らない者は、
       一つの宗教をも知らないのだ」
         ↑
      (反対的意見)
         ↓
     神学者・ハルナックの講演(1901)より
      「キリスト教を知らない者は宗教について何も知らないが
       キリスト教を知る者はすべての宗教を知っている」


宗教学には大きく分けて二つの基本的な方向ないし姿勢があります。
   ※もちろん、次のように分けられて、主流は「記述的・客観的研究」だけれど、
    「神学」と「宗教哲学」には密接な関係があるし、
    「宗教哲学」もまた、「記述的・客観的研究」の科学的な研究と
    密接な繋がりがあります。

 ヨヒアム・ワッハの二分法によると、

 ┌ 「規範的」研究 ・・・宗教の「あるべき姿」を問う研究。
 |   |  「主観的」 研究ともよばれる(岸本英夫による分類)。
 |   |
 |   |  以下の二つにわけられる。
 |   |
 |   ├ 「神学的研究」  (宗教学とは本来微妙に違うもの)
 |   |   特定の宗教を信仰する立場での研究・学問
 |   |   その信仰の正当性などをにぎり、思想的に深めようとする研究
 ┤   |    =キリスト教学、仏教の宗学など
 |   └ 「宗教哲学的研究」
 |       宗教の一般的本質や規範を規定し、
 |       宗教のあるべき姿を明らかにしようとする学問。
 |         宗教が必ずしも肯定的に取り扱われるとは限らないし、
 |         研究者自身の「宗教とはこうあるべき」主観が入りがち。
 |
 |
 |
 └ 「記述的」研究 ・・・宗教が「いかにあるか」「いかにあったか」を問う研究。
     |  「客観的」 研究ともよばれる(岸本英夫による分類)。
     |  いわゆる「宗教学」 「宗教科学的研究」はこちら。
     |
     | これは更に二つに分けられる(ワッハによる)
     |
     ├ 「歴史的研究」 ・・・通時的研究ともよばれる
     |   文献の研究をよりどころにする
     |     宗教史学、比較宗教学、宗教現象学、宗教類学 等など
     |
     └ 「体系的研究」 ・・・共時的研究ともよばれる
         観察調査研究をよりどころにする
           宗教心理学、宗教社会学、宗教民族(人類)学
           宗教民俗学、宗教地理学 等など



宗教学の専門分野 (途中)

神学

宗教哲学

宗教史学 比較宗教学 宗教現象学
   歴史的・比較的方法を用いて宗教を研究すること。

宗教心理学
   宗教の直接の担い手である個々の人間に焦点を当てて、
   その心の奥底において営まれる宗教的営みの実体を解明しようとする学問。

       クラーク学派の研究成果
   1899年 スターバック『宗教心理学』
   1902年 ウィリアム・ジェイムス『宗教経験の諸相』

   初期の研究においては宗教意識、「回心」などの研究が中心
   やがて深層心理学の立場から精神分析による「無意識の領域」に焦点が当てられる
     → 精神分析学者のフロイトやフロムに影響を与える

   その後 人格心理学や社会心理学が出てくる

   ┌オルポート(人格心理学者) 『個人と宗教』(1950年)
   |  「人格の成熟に伴って、成熟した宗教情操が形成される」
   | ★ピアジェ(心理学者) 『児童の世界観』『児童の道徳判断の発達』
 ┌┤   幼少期の宗教についての観察を行った
 ||
 |└エリクソン 『自我同一性』(1959年)
 |   「健全な人格の形成には、乳児期の母親への信頼感がきわめて重要であり、
 |    それが宗教的態度の形成にも深い関わりをもっている」
 |
 └─ヴント(社会心理学者) 『民族心理学』(1912年)
     「未開民族の個人的な宗教心理は、
      その民族や社会集団のしくみとの関係においてはじめて理解される」

   グレンステッド 『宗教の心理学』(1952年)
      成人の行動様式の心理面を考察することによって、
      幼児期の宗教性の萌芽を明らかにしうる

   アーガイル 『宗教的行動』(1958年)
      親の宗教的な態度や行動と子供のそれとの密接な関係を論じた。



「宗教の起源」の問題

※宗教の起源については、ニワトリが先か、卵が先かの
 堂々巡りの議論になってしまうので、
 今日の宗教学では問題とされません・・・。
  (要するに、誰も判らないということらしいです・・・)

  ヒューム(哲学者)の説 『The Natural History of Religion』より
     宗教とは「人間精神を動かす不断の希望や恐怖から発生した」
       (実学的・科学的研究ではなかったが・・・)


  ド・ブロス(思想家)の説 『呪物神の崇拝』より
     西アフリカの黒人が歯・爪・貝殻などを呪物として
     神聖視するのと似たようなことが
     古代エジプトなどでもあったことと比較
      → 宗教の起源は 呪物崇拝(fetishism)


  マックス・ミュラー(宗教学の祖)の説
     『リグ・ヴェーダ』(古代インドの聖典)の分析および、
     ギリシア・ローマ神話との比較研究をし、
     賛歌の対象が自然現象を神格化したものであった
      → 宗教の起源は 自然崇拝(naturism)


  スペンサー(哲学者)の説 『社会学原論』より
     宗教の起源は、死者の霊魂観念に求めるべきものだ
     =  死霊崇拝(manism)


  タイラー(宗教人類学の祖)の説 『原始文化』より
   |
   | 生きているものには霊魂(soul、sprit)が宿っていて、
   | それは本体から離れて自由に活動することができるとともに、
   | 本体が死滅したあとも独立して存在しうる、霊的存在の観念が、
   | 宗教の原始形態である。
   |   =  宗教の起源は「アニミズム」 (animism・有霊観)
   |
   |     霊魂(soul) → 精霊(sprit) → 霊鬼(demon)
   |      → 神祇(deities) → 神(god)
   |     へと進化発展する。
   |        ※神祇(じんぎ) = 天つ神と国つ神、又は「神々」。
   |     = 「アニミズム」 → 「多神教」 → 「一神教」
   |
   |
   ├ マレット(タイラーの弟子)の説 『宗教と呪術』より
   |
   |  アニミズムよりも原始的な観念がある
   |   └→ 「プレアニミズム」 =  「マナイズム」 (manaism)
   |        ≒ 「アニマティズム」(有生観)
   | 固有の、 人格的 、独立した
   | 「霊的存在」の観念(アニミズム)より前の段階の観念として、
   | 超自然的・神秘的な、 非人格的な力 の作用(マナ)を考える。
   |   超自然的な力が、ある事物に転移・付着・伝染することによって、
   |   異常な作用を発揮する観念。
   | マナイズムでは霊魂の存在を想定しないで、
   | 事物そのものが直接「生きている」とみなす、
   | 直接的生命観である → 「アニマティズム」(animatism・有生観)
   |
   |
 (反対)
   |
   └ ラング(タイラーのもう一人の弟子)の説
     |  未開民族の間にも高神(high god)
     |  ないしは最高存在(supreme being)の観念がある
     |  = アニミズムは宗教の原始形態ではない
   (受け継ぐ)
     |
    シュミット 『神観念の起源──史実に基づく批判的、実証的研究──』
「原始一神観」
      タイラーらの逆で、
          「一神教」 → 「多神教」 → 「アニミズム」

  フレーザー 『金枝篇──呪術と宗教との研究──』より
   | 宗教は呪術から発生したという 「呪術先行論」
   |
   | 呪術は原始時代の科学(疑似科学)であり、
   | 呪術と今日の科学とは姉妹関係にある。
   |  = 呪術・科学と宗教との間には明確な一線が引かれる。
   |
  (反対)
   |
   |  デュルケムの理論(「宗教社会学」の創設者の一人)
   |    |  トーテミズム説 (totemism) (←元祖はスミス)
   |    |    オーストラリア原住民の間に見られるトーテム信仰を
   |    |    宗教の最も原始的な形態であるとする。
   |   (影響)
   |    |   「宗教とは、聖なるもの、換言すれば、
   |    |    禁忌され隔離された事物に対する信念と行事との
   |    |    体系である」
   |    |     (宗教の起源が宗教の本質である的考え方)
   |    ↓
   └ マリノフスキー 論文『原始心理学としての神話』
       呪術と宗教とが同類(ともに「聖」の領域に関わる)
       科学は「俗」なる領域
        呪術は目的のための手段、宗教はそれ自体が目的である


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