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食っちゃ寝、食っちゃ寝が習慣になってしまった人は、不健康で長生きは望めないと一般に言われていますね。健康のために運動をしましょう。ウォーキングがお奨めです。私も日ごろからよく言われているのですが・・・。これが昆虫の世界となると、歩けば歩くほど不健康になるというのですが、これを実験で証明した先生がいらっしゃいます。一番よく歩いたオスメス各10匹(L群)と、一番歩かなかったオスメス各10匹(S群)を選抜して、世代交代を24世代繰り返したら、その昆虫はどうなっているか?ウエブトピックスより、たくさん歩くメスは損をする 岡山大、昆虫を使って研究研究の対象としたのは、コクヌストモドキという体長4ミリ程度の昆虫。約1か月半で世代交代をすることから、交配を重ねる研究に使用されるのだとか。24世代も経つと、L群は30分に平均2337・7ミリ歩き、これに対してS群は平均204・8ミリしか歩かないという結果になったというから驚くではありませんか。メスに限っていえば、L群・S群には卵の数こそ差がなかったが、大きさについては明らかにL群が小さかった。さらにL群はエサがない環境に置かれたときの寿命も短く、飢えに弱いことも判明したというのです。・・・確かにたくさん歩くメスは損をするな。(笑!じゃあ、オスはどうなんだというと、より歩かないオスのほうがメスをめぐる競争に勝つという研究報告が、同じ岡山大学の研究者によってなされています。しかも、よく歩くオスに比べ、歩かないオスは脚の長さが長く進化するという結果が得られたというのですから、生殖に有利なばかりか、体形もスマートになれるというのなら、オスたるもの日長一日だらだらと過ごすに越したことはない。昆虫の世界でも「急いてはことを仕損じる」、「果報は寝て待て」ということですかね。ヒトに直接当てはまるものではないという断り書きがあるのが残念ではありますが。(笑!とはいうものの、ヒトが30歳で子供をなし、その子供がやはり30歳で子をもうけたというように考えていくと、24世代というのは、720年ということになります。私は祖父のことまでは覚えていますが、720年前のご先祖様となると、1300年ということになりますから、鎌倉時代後期ということになりますね。いったいどのような人間だったのか想像もつきません。もしかしたら、今話題の"鎌倉殿の13人"の御家人の中の一人だったりして・・・。それよりこれから先の未来のこと。私の遺伝子が子から孫へ、さらにその子から孫へと途切れずに720年受け継がれていったとしたら、そこにはどんなヒトが生を育んでいるのだろうか?はたして、コクヌストモドキのように偏りがみられるということがあるのでしょうか?足がすらりと長くて、モテモテで子だくさんの男がいるかもしれませんね。(笑!ところでこの研究報告と全く無関係ですが、どう考えても「コクヌストモドキ」って「穀盗人擬き」と書くのでしょう。可哀そうな名前だな。(爆笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月26日
私らが子どものころは、お盆が過ぎれば風が変わり、一日ごとに涼しくなっていくのが感じられたものでしたが、近年の「猛暑」はどうしたことだろう。当地北陸富山では、ひと夏で最高気温が35℃以上を観測したいわゆる猛暑日の日数の最高記録を更新したとか。どうしても水分を多く摂ってしまいますので、食傷気味。そんなときには冷たい麺類に限ります。昨日食べた自家製ざるラーメン。細目の生ラーメンを少々固めにゆでます。ゆで上がったら冷水でしっかり芯まで冷します。よく水を切って器に盛ったら、刻みのりをかけて出来上がり。あとは少々濃い目の和風だしつゆにつけてズルズルッといっきにすするだけ。手っ取り早く言えば、ざるそばのラーメンバージョンですね。(笑!市販の和風ノンオイルドレッシングがあったので、だしつゆに数滴たらしてみたところ、かすかにシソの風味がして、ざるそばでもなし、冷し中華でもなし、まさしく"ざるそばのラーメンバージョン"としか表現のしようのない冷しラーメンが楽しめました♪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月25日
みなさん、「スーパーふん便」なる言葉お聞きになったことおありでしょうか?ウエブトピックスより、健康な人の「スーパーふん便」移植 難病に光明肝臓移植や心臓移植は、移植が必要な臓器の難病に苦しむ患者にとって残された最後の切り札であることは、素人にも簡単に想像つきますが、健康な人の「ふん便」を腸の難病の患者に移植する「ふん便微生物移植」が脚光を浴びているという話題。移植手術といっても、これは素人目にも臓器移植のように死をも覚悟して望まなければならない手術ほどのことでもないように見受けられますが、「スーパーふん便」と言うがごとく、移植する"もの"の良し悪しを見極めるのが極めて難しいということのようです。移植手術には拒否反応のことを常に考えておかなければならないというのは理解できます。しかし、それは肝臓や心臓といった臓器移植の場合でしょ。こちらの移植の場合でもドナーの提供者を2親等以内の親族に限るって、何か特別な理由があるのだろうか?2親等といったら親子か兄弟ということになります。血はできるだけ濃くというのはわかりますが、「便」にも濃い薄いがあろうとはとても思えませんが。ものが"もの"だけに、赤の他人の"もの"は憚られるだろうからというのでしょうか?私は自分の"もの"であっても憚られますが・・・。(笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月24日
今は電気冷蔵庫のない家庭はないと言っても過言でありませんが、私らが子どもの頃には木製で、上部に氷を入れてその冷気で貯蔵品を冷すという仕組みの冷蔵庫でした。街には製氷屋さんが必ずあって、氷を籾殻の木箱に入れて、それを自転車の荷台に積んで配達していたのを覚えています。(その氷屋さんは当時どうやって氷を作っていたのだろう?)その氷を小さなブロックに切って、手回しの機械で削ってかき氷にするのですが、子どもの力ではなかなか機械のハンドルが回せず、かき氷を食べる前にひと汗もふた汗もかかなければなりませんでしたね。あの頃は当然のことながらエアコンなんてなかったし、扇風機のある家庭でさえ少なかった。どうやって夏の暑さをしのいでいたのだろうと、今思えば不思議なくらいです。ランニングに半ズボン、麦わら帽子姿で一日中戸外を駆け回っていましたが、当時「日射病」という言葉こそありましたが、「熱中症」などという言葉はなかったように思います。ただ、今思い起こせば暑いといっても最高気温がせいぜい32~33℃になる日が、ひと夏に数日ある程度で、今年のように35℃以上の日が連日続くというようなことはありませんでしたね。こうやって思えば、確かに我われが住む地球は暑くなっているようです・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月23日
「情けは人のためならず」とは、「情けは人のためではなく、いずれは巡って自分に返ってくるのであるから、誰にでも親切にしておいた方が良い」という意味ですが、人の心の奥底にある思いやりの情をいかにも打算的に天秤棒にかけるようなニュアンスがして、あまり好きな諺ではありません。このほど大阪大学の研究チームが、他人に親切な人は、自分も他人から親切にされることを、5、6歳児の行動観察で確認し、米科学誌に発表したという話題が報じられています。ウエブトピックスより情けはボクのためになる…幼児で親切の効用実証トピックスは「情けはボクのためになる」とヘッドラインに書いていますが、そもそも観察の対称となった幼児たちが示した親切行動は、素直な直感的な気持ちから行動しているのであって、自分も後から親切を受けようと期待して行ったものではないはずです。いわば「情けはボクの自然の現れです」が正しいのではないか?親切行動をした幼児は、それを目撃した他の幼児から、好意的に接してもらえるというのは、親切行動をした幼児には端から打算など欠けらもなく、目撃した他の幼児も無意識のうちにそれを感じ取っているからでしょう。選挙が近づいて来るとやたらに愛想がよくなるセンセイ方がいらっしゃいますね。「投票は握手をした回数に比例する」と豪語した与党の幹事長もいらっしゃいました。さしずめ「愛想笑いは人のためならず」といったところか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月22日
旧暦のお盆が過ぎても連日の猛暑は緩む兆しを見せません。しかし、日の出の時間をみる限り、確実に夏は足早に通り過ぎつつあることが実感できます。夏至のころには朝4時には薄明るくなっていたものが、今は4時30分を過ぎても真っ暗。今朝4時35分に携帯のカメラ機能を使って撮りました。最近の携帯のカメラは性能がいいですね。夜景モードにして撮ると、肉眼では薄ぼんやりとしか見えない山の稜線も、くっきりと捉えることが出来きています。ただ、近場の水田の様子は用水路がかすかに白く写っているだけ。光量が十分足りていないことが分かります。当地北陸富山では、太陽が昇って来る東の方向には3000メートル級の北アルプス立山連峰が屏風のようにそびえる立っているので、当地の実際の日の出時間は、私の観測によれば、暦の日の出時間より約30分遅れということになります。ですから、今日の実際の日の出は5時30分ころ。4時30分では真っ暗なわけです。携帯のカメラ機能の夜景モードだけが、本日8月18日の夜明け前を知っているということになりますね。日本の近代文学を代表するといわれる大作「夜明け前」で、島崎藤村は「木曾路は すべて山の中である」と書き始めています。信州中山道の馬籠生まれの藤村は、やはりこのような夜明け前を目にしていたのでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月21日
今年のお盆休暇は、おりからの台風17号、18号の襲来による交通機関の混乱から大きくスケジューが狂い、散々な目に遭ったという方が多くいらっしゃったようです。そんな方も明日の月曜から本格的に仕事に復帰されるのではないでしょうか。私らが子どものころは、残された夏休みの日数の少なさと手つかずの宿題の多さを現実の問題として受け入れざるを得なくなるのが、お盆の8月15日と決まったものでした。ところで「晩夏」を辞書で調べると、「夏の終わり。夏の末」とあります。言葉の意味としては至極当然のことですが、「バンカ」の響きがなぜか人の心をもの寂しいものにさせるのは、もしかしたら少年期に私のような夏休みの過ごし方をした日本人が多くいるからではないかと思ったりしています。・・・そんなことないか?(笑!私らの父や母の世代、さらには祖父母の世代にとっては、ようやくに終戦にこぎ着けることができた日という人も多くおられましょう。78年の歳月といえば、終戦時20歳の人なら今98歳ということになります。中村草田男は降りしきる雪の日に明治をふり返ったのでしたが、昭和は夏に、お盆の8月15日に晩夏の響きとともに思い起こすことになるのかも知れません。暦の上ではすでに立秋を過ぎても日差しに衰えはなく、残暑という言葉を使うにもはばかられるような毎日が続きます。しかしまさしく8月の折り返しの15日を過ぎて20日を迎えようとするころになると、私にとっては晩夏の響きとともに夏が急速に萎えていくような気がするのです。それにつれ私の体からも精気が失われていくように感じられて、この日を境に毎年8月後半は何をするにしても力が入らないのです。・・・これを夏バテというのでしょうかね?(笑!皆さんはどのような8月15日を迎えられましたか?どのように晩夏をお過ごしでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月20日
欧米人が毛嫌いしてしまう日本食といえば、納豆がダントツの1位というのが相場のようです。いわく日本人は腐った大豆まで喜んで食べていると。言っておきますがね、腐っているのではありませんよ、納豆菌により発酵しているのですよ。納豆菌といえば土壌菌で土壌や藁の中にいるものとばかり思っていましたが、はるか中国大陸奥地の広漠とした大地から巻き上がる砂塵とともに飛来する菌もあるというのですから、驚きますね。黄砂を研究する近畿大学の研究チームが、黄砂といっしょに納豆菌に似た人体に無害なバチルス菌も飛来し能登半島上空に漂っていることを発見したということです。これに目をつけたのが石川県白山市の納豆メーカーで、黄砂からとったバチルス菌で納豆を作ってみたら、これが大人気だということです。当地富山県高岡市は富山県の西側に位置する町。石川県白山市へは車で1時間たらずで行けます。実はその納豆メーカーさんの名前も存じ上げていますが、残念ながらまだ口にしていませんね。ぜひ一度たべてみたいものです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月19日
もっぱらその道その道で使われる、いわゆる専門用語、科学技術系の最先端で使われるカタカナ文字は別としても、漢字で書かれていれば大体見当がつくものです。私もそのように思っていたのですが、恥ずかしながら「筆界」なる言葉、始めて目にしました。新聞の新刊の広告欄に載っていた「筆界特定事例集」なる新刊の案内。一瞬書道の流派による文字の書き方の違いについて表わした本のことかと思いましたが、「東京法務局不動産登記部門地図整備・筆界特定室編著」とあるので、「おや?」と首をひねることになったのです。・・・これは、どうも不動産の登記に関係する用語らしい。辞書で調べると、「筆界」は「ひっかい」と読み、「不動産登記法に基づき、地番を付けられた一筆の土地と隣接する土地との境。公法上の土地の境。土地所有権の境と異なることがある」とあります。そもそも、私のPCでは「ひっかい」と打つと、「筆禍意」と変換されてしまいますから、PCのソフトの頭もご主人様並みだということですね。ちなみに「ひつかい」で打つと「非使い」、「ふでかい」だと「筆会」になります。(笑!・・・なになに、公法上の土地の境?とにかく境界のことのようですが、わが家と隣の家との境の塀が「筆界」かというと、「土地所有権の境と異なることがある」そうだから、どうもそうでもないらしい。日本の法律用語だから、日本だけに通用する言葉に違いないのだろうけれど、漢字の本家本元、中国にも「筆界」っていう言葉あるのだろうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月18日
幸いなことに親からいただいた五体満足な体をこの歳まで維持している私には、経験のないことですが、不幸にして手足などを失ったという方の中に、失ってすでにないはずの足が痛むということを訴える人がいるそうですね。素人ながら、失った足へ続いていく神経が切断されている末端から、何らかの痛みの信号が送り出されるのかなと思ったりするのですが、現代の医学でもはっきりとした原因が分からないということです。ウエブトピックスより「失った脚が痛む」、四肢失った人々の苦痛を「鏡」が救う記事を読むかぎり、手足を失ったことにより脳に強い混乱とストレスがかかり、脳が自ら痛みを作ってしまっているということになるのでしょうか。いわば幻覚のようなものなのかもしれません。それを鏡に写った動いている手足を見ることによって、あたかも健常な手足が体についているかのように、脳の錯覚を誘うというこの理学療法、よい成績を納めているということですから、人間の頭脳って緻密なようで意外に大雑把なところもあるのだなと興味深く記事を読みました。Dreams come true.強く念ずれば願いは叶うとよく言われますが、なるほどこのような脳の仕組みを利用しているのかも知れませんね。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月17日
日本列島を襲った台風6号と7号は、沖縄、九州・四国、近畿・中国地方におおきな災害をもたらしました。当地北陸富山では、台風7号の予想進路上にあり15日深夜から16日未明にかけて厳重な注意が必要と報じられていましたが、幸いなことに台風は西寄りの進路をとったのでしょう。今朝起きてみれば雨もまったく降っていませんし、風もよそとさえ吹いておらず不気味なくらい。ただ湿った南風の影響でしょうか、朝から異常に蒸し暑い。当地では8月に入ってから雨らしい雨は降っておらず、連日最高気温が35℃以上の日が続いています。台風の雲がもたらす雨に期待していたところもあったのですが、当てが外れましたね。まあ、大雨による河川の氾濫や土砂崩れで、甚大な被害を受けられた地方のことを思えば、台風におしめりを期待するなどはばからねばなりませんね。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月16日
時間があって金にも十分余裕があれば、ゆっくり体と心をを休めたいものだと思ったとしても、別段お叱りを受けるものではないでしょう。ところが実際は、日々の生活に追われ汲々とした毎日を過ごさざるをえないのは、時間も金もないということを裏付ける以外の何ものでもありません。(涙!コロナ禍の3年の間掲載されることのなかった各旅行代理店のツアー広告が、最近になって何社も掲載されるようになったのは、実に喜ばしいことです。・・・何もかも忘れて放浪の旅に出られたら、どんなにかいいだろう。かといって今の仕事や生活や、もしかしたら家族も投げ捨てて、放浪の旅に出る勇気も無謀さも私は持ち合わせてはいないのですが、これはこれで凡人の幸せというものかも知れないと思ったりしています。そんな極め付きの凡人と言える私が、度々本棚より取り出して開く一冊。【送料無料】世界一周ひとりメシ [ イシコ ]価格:630円(税込、送料別)世界33の都市を訪れ、その地で"ひとりメシ"を食おうという「イシコ」(筆者、ペンネームか?)なる人物こそ、誰もが一度は憧れるにちがいない放浪者。私も「イシコ」とともに世界一周一人メシの旅に出ることにしました。今私は、南米ウルグアイの主都モンテビデオからトラブル続きの飛行機便を乗り継ぎ、ロサンゼルス国際空港に着いたばかり、空港内のカウンターバーで早朝からカクテル(ブラッディマリー)を飲んでいます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月15日
所変われば品変わると言いますが、とりわけ食物はその土地々々の風土、風習が反映するものだけに、他の地域に住む人にとっては、とても口にできそうもない食べ物がありますね。ウエブトピックスより、米フォーブス誌が選んだ「世界の気色悪い食べ物トップ10」フォーブス誌は毎年の世界長者番付を載せることで有名ですが、今回は気色悪い食べ物を載せたということですね。(笑!そのトップ10をそのまま抜粋すると1、馬乳酒・・・馬の乳を原料とした酒、モンゴルなど中央アジアの遊牧民の間で飲まれる2、ハカール・・・サメ肉を数カ月間発酵させたもの、アイスランドの郷土料理3、蛇酒・・・酒に蛇を漬け込んだもの、アジアでは滋養強壮に効くと人気が高い4、バロット―孵化直前のアヒルの卵を加熱したゆで卵、フィリピンなど東南アジアで食べられる5、シベット・コーヒー・・・ジャコウネコ科の動物「シベット」の糞からとれるコーヒー豆、インドネシアが発祥6、醉蝦・・・生きたままのエビを酒に漬けて酔わせてから食べる、通称「酔っ払いエビ」7、ツバメの巣・・・言わずと知れた中華料理の最高食材だが、西洋人にとっては「鼻水みたいな食感」8、ピータン・・・熟成させたアヒルの卵、中国ではごく日常的に食べられているのだが。9、カース・マルツ・・・イタリアのウジ虫入りチーズ10、スマルヴ・・・羊の頭の燻製、そのまま食卓に上がる、ノルウェー料理唯一9番目に、自らと同じ民族の嗜好品を上げていることだけを思えば、ゲルマン系西欧人の民族的偏見に満ちた視点から選択したものだと反発したくなります。ただ、この中に納豆や梅干が入ってなかったのは、良かったと思いますがね。。。(笑!このトップ10を私的にどうしても食べたくない順に並べ替えますと、1、ウジ虫入りチーズ2、そのまま食卓に上がる羊の頭の燻製3、孵化直前のアヒルのゆで卵4、サメ肉を数カ月間発酵させたもの5、蛇酒6、ピータンまあ、5)と6)なら少しぐらいは口をつけることは出来るかもしれませんが、上位4つは固くお断りしたいです。選にもれた残りの4品は、へっちゃらに食べられますね。別段気持ち悪くもなんでもない。魚介類の生食になれた日本人になら、エビの踊り食いならお手のものという人多いのではないでしょうか。ツバメの巣は中国料理の超高食材。違った意味で口にしにくい食べ物ですよね。正直未だかって口にしたことはありません。(苦笑!シベット・コーヒーは、超高級コーヒー豆として有名ですが、コーヒーにしてしまえば普通にコーヒーとして飲めるでしょう。ただこれもツバメの巣と同じ理由で、今だかって口にしたことがないのは、残念なことです。馬乳酒も日本ではめったにお眼にかかれませんから、飲んだことはありませんが、カルピスをもう少し酸っぱくした薄い酒といったものじゃないかと想像します。西欧人は牛乳以外のミルクは、毛嫌いするからきっと飲めないのでしょうね。余談になりますが、3カ月間アメリカ人を自宅で寝泊りさせたことのある友人から、こんなことを聞いたことがありますので、ご紹介したいと思います。その家庭ではアメリカ人に気遣いして、けっこう肉料理を中心とした夕食を用意していたつもりだったいうことですが、そのアメリカ人が帰国するときにこう言ったというのです。「正直なところ日本人の食生活には違和感を持った。何度も血のしたたるようなレアステーキを食べようとしている夢をみた」と。・・・なるほど、所変われば品変わる。私なんぞに言わせれば、今の季節なら鮎の塩焼きをタデ酢で、仕上げによく冷えた手打ちのそばなんぞをずるずるとすすりたいものですがね。。。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月14日
突然ですが、貴方は歩くのが早い方、遅い方?ウエブのブログ記事から、これはお医者様のブログのようです。速く歩く人ほど長生き…米医師が65歳以上調査米ピッツバーグ大学の医師らの研究チームが、65歳以上の男女計3万4485人の歩行速度を記録した過去のデータを解析しところ、歩くのが速い高齢者ほど長生きする傾向があるという結果がえられたと発表したというもの。ならばと、いつもより速足で歩いてみてふと思ったのですが、・・・これって、速く歩くから長生きできるのではなく、長生きできる人は当然のことながら普段より元気だから、速く歩けるだけのことじゃないか?「速く歩くには強い心肺機能や筋力が必要で、歩行速度が健康度の目安になったと考えられる」と研究チーム自らコメントしているように、3万人もの人を調査しなくても隣の家の元気な爺さんの歩く姿を見れば分かりそうなものでしょ。(笑!私が中学生のころですから、ずいぶん昔のことになりますが、亡くなった私の祖父(明治31年生まれだったと思う)が、やはり明治生まれの茶のみ友達と、「明治の人間は、大正や昭和生まれよりみな長生きしておる・・・」と話をしていたのに横槍を入れたことを思い出しました。「それって、当たり前じゃん。大正や昭和生まれが、明治生まれより長生きなわけないじゃん」とあげ足を取ってしまってから、子供心にも年寄りの会話の腰を折ってしまって申し訳ないことをしたなと気づき、気まずい思いを味わったのでした。私を大変かわいがってくれたその祖父も、83歳で亡くなったのでしたが、亡くなる直前まで足腰もしっかりしていて、歩くのも結構速かったと記憶しています。まぁ、長生きできるできないは持って生まれた星の下の定め、年を重ねたとしてもせいぜい速く歩き続けたいものだと思ったことです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月13日
もし自分の年齢を知らなかったら、あなたは今の自分を何歳だと思いますか?確か日経のスポーツ欄でコラム「チェンジャップ」を投稿されていたプロ野球評論家豊田泰光さんが、書いておられました。「もし自分の年齢を知らなかったら、今の自分を何歳だと思うかね?」アメリカ大リーグで59歳までプレーしたという伝説の黒人投手サチェル・ペイジの言葉だそうです。「人間五十年、下天の内をくらぶれば・・・」と、幸若舞を舞って自裁した信長の享年がまさしく49歳であったごとく、当時の日本では人の一生は50歳。それよりさらに10年生きながらえて60歳までいられようものなら、それこそ恩の字としたものでした。現代に戻って、男性の平均寿命は80歳といいますが、私的には人の一生70年、10年生きながらえて80歳まで健康でいられようものなら恩の字というのが偽らざる心境です。信長の時代と現代の節目の年齢を除算してみると、50÷70=0.71 60÷80=0.75 となりますね。そこで冒頭の問いに戻りますが、実年齢×0.75 で答えられた人は、健康で気力も充実していると言っていいかもしれません。60歳なら45歳、50歳なら38歳、40歳なら30歳・・・というように。まあ、経済的な理由は別にして(涙!)、いつまでも健康で働き続けたいものだと願っております。しかし、健康で気力も充実しているから、65歳まで働いてリタイヤするかなどと言っていたら、実年齢は87歳(65÷0.75=87)ということになりますぞ。(笑!じゃ~、そういうお前はどうなんだ?・・・まあ、せいぜい健康に注意して仕事に励みたいものだと言っておきましょう。(苦笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月12日
わが故郷北陸富山は、南側には北アルプスの3000m級の山々が屏風のようにそびえ立ち、そこを源とする川が中央の平野部を流れ、富山湾に注いでいます。私は富山県西部の商業都市高岡市の在住。仕事の関係で県都富山市へはよく出かけますが、この行き来には、富山平野を流れる二つの大河を渡ることになります。まず高岡から富山方面へは、出発してすぐに庄川を渡らなければなりません。それから車を走らすことおおよそ30分。富山市中心街へ入る直前には、神通川を渡ることになりますね。昨日も所用で富山まで出かけたのですが、2本の大河を渡っていると、何れの川でも川の流れの中に胸まで浸かって竿を繰り出している多くの釣り人を見かけました。・・・おおっ、これは鮎釣りだな。釣果はどうかな?鮎釣りといえば、20代のころ、これに熱中したことがありました。鮎といえば友釣りが有名ですが、私が凝ったのはドブ釣り。毛針釣です。ここでその鮎釣りの変わった経験談を一つご披露したいと思います。朝から釣果に恵まれ、ホクホク顔で竿を操っていると、いつにない大きな引き。釣り上げた鮎を見ると、鼻には鼻管が、尻ヒレには逆さ針が打ってあり、鼻管からはてぐすが長く延びていました。ナント友釣りの囮から逃れた鮎を釣ってしまったのです。囮になるだけに良型の鮎、25~6センチはあったでしょうか。さすがにおとり針は切れて引きずってはいませんでしたが・・・。いかに生きていくためには餌を捕食しなければならないとはいえ、どこまで人間にいたぶられれば気がすむのか、この鮎がかわいそうになり、鼻管と逆さ針を外して、川に逃がしてやりました。それからどうしたというのでしょう、ピタリと釣れなくなって、早々に竿を収めたことが思い出されます。きっと逃がした鮎が、今日は虫に喰らいつかないほうがいいと、仲間の鮎に言いふらしたのだと釣仲間から冷やかされましたが・・・。(苦笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月11日
連日暑い日が続きます。最近ではニュースでも必ず「熱中症にご注意ください。こまめに水分補給をすることを忘れずに」というコメントをするようになりましたが・・・。ところが、ただ水分を取ればいいというものではないそうですね。「過ぎたるはなお及ばざるが如し」とはけだし名言、熱中症同様に低ナトリウム血症にも十分注意が必要だという話題。ウエブトピックスより正しい給水方法は?低ナトリウム血症にご用心高血圧の人は塩分の取りすぎに注意しなければならないというし、水分を摂り過ぎて血液中の塩分濃度(ナトリウム濃度)が低くなっても厄介とは、人の体とはなかなか繊細なものだと思いますね。文字どおり塩梅が大切ということでしょうか。私らが中学生のころは、運動中に水分を摂るのは体が鈍ってよくないと厳しく指導されたものでした。部活の練習の合間に流水で顔を洗い、口をすすぐことは許されても絶対に水を飲んではいけないと、先輩が水飲み場の蛇口の横で監視していたものです。うがいをした後の水をほんの少しばかり口中に残して、先輩の目を盗んでそれを飲み込んだときの水の美味しさったら、半世紀以上経った今でもはっきり思い出すことが出来ますね。同様に今ではかえって足腰の筋肉に悪影響を及ぼすことが分かり、まったく取り入れることがなくなった「うさぎ跳び」も、私らは盛んにやらされた口でした。これも先輩が後ろからついてきて、しっかり腰を落として胸を張って跳ぶことを強要されたものでした。今思えば、これらは精神の鍛錬のためには確かに有効な手法ではあったでしょうね。足腰を震わせ、のどをカラカラにして、目を泳がせるようにして先輩を恨めしく見つめたものでしたそれでも誰一人として熱中症で倒れたり、足を痙攣させたりしなかったのは不思議と言えば不思議。きっと私がそうであったように、先輩の目を盗んで上手に水を飲んだり、膝を深く折らずにぴょんぴょん跳んでいる振りをしていたのでしょう。(笑!・・・肉体ばかりか精神の鍛錬も免れた結果、今日の自堕落な私があるというわけですな。(苦笑!さて血中の塩分濃度もさることながら、糖分濃度にも十分気をつけなければならぬ自堕落な中高年に育った私としては、今後水分補給には十分気をつけたいものだと思ったことでした。・・・蛇足ながら、アルコール補給についても同様であります。(大爆笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月10日
連日暑い日が続きます。皆さんはどのような暑さ対策をなさっていますか?私はといえば、ありきたりといえばありきたり、ヤケクソといえばヤケクソともいえるかもしれません。暑いときには熱いものをと思って、食べたラーメン。とんこつ醤油ラーメン。税込み950円。豚ばら肉の叉焼が1枚というのはさみしいですが、炒めたたっぷりのモヤシと刻みネギがどっさりというのはうれしいですね。薬味には白ネギが一般的な当地では、青ネギというのは珍しい。モヤシ炒めと青ネギ、それにこってりと舌にまとわりつく熱々の豚骨スープ。汗を拭き拭きふうふういって麺をすする。いかにも夏バテ防止に効きそうな気がしてきます。・・・夏の暑さなんかに負けないぞと。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月09日
「夏休み」と聞いて連想することを一つ上げよと問われれば、朝のラジオ体操と答えたい。私らが子どものころは、ラジオ体操は雨天の日を除く夏休みの全期間、小学生は全員参加と決まっていたものですが、近頃では夏休みが始まってから1週間~10日程度とか、ラジオ体操は学校から義務付けられていないというところがあると聞き驚いています。眠たい目を擦りながら、出席カードを首から紐でぶら下げ、会場まで毎日出かけたものでした。出席の証としてその出席カードに地域の児童会長(地域の最上級生の中から選ばれた)の押印をしてもらって、帰るのでしたね。確かそのカードは、夏休み明けに夏休みの宿題と一緒に学校に提出しなければならなかったはずです。宿題は先生の視線をかわすように俯いて出しても、朱に染まったラジオ体操の出席カードは胸を張って出せたものです。(笑!・・・昭和も遠くなりにけり。感慨深いものがありますな。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月08日
若者の間で人気のある「青春18きっぷ」。いかにも旅情を煽るネーミングが憎いですね。日々の生活に追われ、余裕のない中年オジサンにとっては、これほど甘酸っぱい郷愁を誘う言葉はありますまい。「青春18きっぷ」片手に、普通列車に飛び乗り、一日でどれだけ遠くまで行けるかというようなことをやれるのは、やはり若者の特権といえるでしょう。・・・できるものならあの日に帰りたい。一日11850円で乗り放題というこのキップ、1枚の有効使用期間が1日だから、1日かけて遠くへ行けるだけ行ったなら、帰りは2枚目を購入して戻って来なければならない。ところが、行きと帰りの普通列車の運行や時間が違うので、必ずしも2日で帰って来られるとは限らない。そこがこういった旅のおもしろさでもありますね。時間がたっぷりあっても金はない若者には、うってつけの「青春18きっぷ」ですが、時間のないオジサン(・・・意外や時間ばかりでなく金にも余裕のないオジサンも多いんですが)だって、そういう旅がしてみたいです。そんなオジサンにおすすめなのは、「青春18きっぷ」を買ったつもりで、そして若きあのころに帰ったつもり(ここが一番肝心なところです)で、さらに隠れたベストセラーブックJR時刻表を1冊買い求めてきて、乗り継ぎ列車のダイヤを調べる「中年仮想18なりきりきっぷ」の旅。・・・ということで私も時刻表を買ってきて、喜々として「中年仮想18なりきりきっぷ」の旅に挑戦してみたのでしたが。ダイヤを繰ろうと時刻表を覗けば、あまりに文字がぎっしりと細かく書かれているので、近眼のメガネを外してもなかなか読み取りにくいというあまりに冷酷な現実に、オジサンはただただ愕然とするばかりなのでした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月07日
人間とて生き物ですから、エネルギー源を摂らなければならない。食べなければ生きていけないのは自然の摂理。そして同じ食べるにしても、美味しく食べたいと思うのも人の性というものですが。20XX年、人類は食事において味覚と栄養を分離するようになった。口内での咀嚼(そしゃく)すらせず、美味は脳感覚で堪能し、栄養素は錠剤で必要な分だけ摂取する。減塩や糖質制限など気にすることなく好きなだけ味わえ、資源の枯渇を気にすることもない――。電気刺激で味覚を作り出すことが出来るデバイスが開発されたという話題です。ウエブトピックスより、フォーク変えたら唐揚げの味が濃い 電気刺激で味覚操作私の父が生前にこんなことを言っていたのを思い出しました。カレーライスを食べるときも箸を使うのを常としていた父でしたが、なぜスプーンを使わないのかと質すと、金属製のスプーンを使うと、歯の詰め物にスプーンが触れたとき悪寒が走しり、カレーが何ともいえずまずくなるというのです。その時は訳のわからぬことを言う父だと気にもとめずにいたのですが、2種類の金属を重ねるとその間に電圧が生じて電気が流れると、高校の化学の時間に習ったとき、ハタと膝を打ちました。私は未だかってそのような経験はありませんが、父は歯の詰め物の金属とスプーンが触れた時に発生する微弱な電流を感じ取って、それを悪寒が走ると言っていたのだなと。・・・なるほど、電気信号によって人の味覚を変えられるというのなら、この原理を応用すれば、塩分や糖質を制限しなければならない人に、仮想の塩味や甘味を利かせた食事を提供することが出来ますね。生きていく上の必要な栄養素は錠剤で必要な分だけ摂取し、美味は脳感覚で好きなだけ堪能する。そしたら、中高年のオジサン族が抱える新三高(高血圧、高血糖、高コレステロール)もオサラバだな。(笑!あぁ~、喰った喰った。今日の肉じゃがはひと際砂糖が効いていて甘かったな。味噌汁の味噌は、何味噌だ?ずいぶん塩っ辛いじゃないか。・・・なんていうことになるのでしょうか?・・・待てよ。塩味や甘味は百歩(百万歩)譲ったとしても、アルコールも電気信号で補われてはたまりませんな。このボタンを数秒押してください。仮装ビールを味わえます。5秒でコップ1杯分のビールをお楽しみいただけます。こちらは同様に日本酒になります。10秒で一合換算のお酒になります。ただし、連続してボタンを押し続けることは、お避け下さい。はたして電気信号で酔っ払って、気持ちいいものだろうか?(爆笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月06日
自然界には毒を持つ植物や生物は多くいることが知られていますが、毒を持つ鳥の存在はあまり聞いたことがありません。ところが鳥類においても例外ではなく、ニューギニアの固有種であるモズヒタキ科の3種類のモリモズの仲間には、羽毛や皮膚に神経毒が含まれているということです。書店でふと手にした本「へんな毒すごい毒」に書かれていました。【楽天ブックスならいつでも送料無料】へんな毒すごい毒 [ 田中真知 ]価格:1,706円(税込、送料込)この毒のおかげでモリモズは鷹やヘビのような天敵に襲われることをまぬがれているそうです。次のページには我々素人でも知っているヤドクガエルが紹介されています。ヤドクガエルの毒は自分自身が作り出すのではなく、餌とするアリ、ヤスデ、テントウムシ、ダニなどが持つ毒に由来するということですが、ヤドクガエルはどうしてその毒に当らないのか不思議です。ヤドクガエルの毒成分は数百種類にも及ぶアルカロイド形の神経毒で、主成分のバトラコトキシンは先にあげたモリモズの毒素ホモバトラコトキシンと同類であることから、モリモズの毒もヤドクガエル同様に餌としている昆虫類に由来しているのではないかと書いてありました。そこで俄か生物学者( ← 私のことです )が考えたこと。モリモズの天敵である鷹やヘビは、どうしてモリモズには毒があることがわかるのでしょう?毒があることに気づいた時は、すでに手遅れ。天敵にとっては命日になるわけですから。モリモズはヤドクガエルよりはるかに大きい体をしていますから、その体を維持していくには、ヤドクガエルよりもっと効率的に餌を捕る必要があるはずです。アリ、ヤスデ、テントウムシ、ダニなどを捕食するより、いっそのことヤドクガエルを捕食する方が、ずっと効率が上がるというものでしょう。ひょっとしたら鳥類でも毒を持つという珍しい鳥モリモズは、ヤドクガエルを餌としているのではないかなど考えたりしています。そうだとすれば、モリモズに聞いてみたいものですな。ヤドクガエル1匹で体重50キロの人間20人を殺せるという猛毒の味は、渋いか、苦いか、はたまた酸っぱいか?まさか甘いということはないと思うのですが・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月05日
昨日の昼食は国道沿いの中華レストランで。炒め定食。中華料理の特徴は、言わずと知れた高温の火力で手早くさっと炒める「炒(チャア)」にあります。火の通りにくい食材は、予め油通しをして火の通りを良くするという下準備をしますね。これによって食材の形を崩さずに芯までよく火を通すことができます。野菜炒めこそ「炒(チャア)」という調理法がぴったりの料理だと思いませんか。健康に注意しなければならない中年族にとっても、ぴったりというわけです。日本料理には湯通しという調理法こそありますが、油通しということはあまり聞きません。それは煮る、炊くという調理法が主で炒めるという調理法には馴染みがなかったからかもしれません。同じ野菜を使ったとしても、日本料理なら土鍋でしんなりと煮て、味噌で味付けして食べるということになるのでしょう。仏教しかり、漢字しかり、律令制度しかり。歴史をひも解くまでもなく、古来より日本人は大陸の文化を積極的に取り入れて来たはずなのに、どうして「炒(チャア)」という料理法は取り入れようとしなかったのだろう。中国料理が今日のように広く普及したのは、戦後になってからのこと。わずか70年足らずですから、そうすれば日本人は2000年の長きにわたって、中国料理の代表とも言える「野菜炒め」を食べそこねてきたと言えるかも知れません。!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月04日
蛾などの昆虫の一部の種類では、羽の表面に大きな目のような紋様をしたものがいることは知っていましたが、これは鳥などの捕食者が近づいたときパッと羽を広げることで驚かせ、そのすきに逃げるためだといわれていますね。魚などでも頭部と離れた尾部に近いところに、やはり目の紋様を持っている種類がいます。これは捕食者の攻撃を致命的な頭部からそらそうとしていると理解されています。おそらくこれがヒントになったのではないでしょうか。こんな実験を試みた研究者がオーストラリアにいました。ウエブトピックスより、牛のお尻に目の模様を描くと肉食獣から守れる同時に配信されている写真を見てください。中央になんとも見たことのない大きな動物がいますが、なんかヘンです。よく目を凝らすと、これは大きな牛がこちらに尻を向けて立っているだけのことです。まあ、なんとも珍妙。しっぽが長い鼻のようにも見えてきますね。そのたたずまいからは肉食獣から狙われているの緊張感など微塵も感じられません。私にはまったくふざけたようにしか見えませんが・・・。(笑!アフリカのサバンナでは、まさに食うか食われるか。食われる方も食う方も命がけですから、捕食者のライオンからすれば、そろ~り、そろりと背後から近づいていったら、なんともヘンな奴がこちらをじっと凝視している。空腹より不安の方が大きくなって、襲うことをためらってしまうのだという研究者の説明は、素人にもとてもわかりやすいですね。ところがにわか動物行動学者( ← 私のことです。・・・笑!)の説は、ちょっと違います。息をひそめて近づいてきたライオンが、間抜け面をした牛の顔(実際は間抜け面の尻)に直面して、おもわず噴出してしまい、その気配で牛が逃げてしまう。そんなライオンが一匹ぐらいいてもよさそうに思のですがね?・・・ダメか?(爆笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月03日
連日暑い日が続きます。日中できるだけ日の当たる場所への外出は控えましょう。こまめに水分の補給をしましょう。室内でもエアコンを使用し、室内温度を適切に保つよう心がけましょう。今日ではお馴染みとなった感すらする熱中症対策ですね。私は時の宰相がもはや戦後ではないと言い、この国が高度経済成長の坂をいっきに駆け上がろうとしていたころに小学校に通った世代ですが、あの頃は当然のことながらエアコンなんてなかったし、扇風機のある家庭ですら少なかった。どうやって夏の暑さをしのいでいたのだろうと、今思えば不思議なくらいです。ランニングに半ズボン、麦わら帽子姿で、一日中戸外を駆け回っていましたね。当時確かに「熱射病」「日射病」という言葉はありましたが、「熱中症」などという言葉はなかったように思います。今はそれに「コロナ」ですからね。ウエブで配信されている涼しげな画像を見つけました。夏の暑さを吹き飛ばす、2022年ビジュアル&新感覚かき氷ですって。・・・確かにビジュアルですね。新感覚というのもわかります。今は電気冷蔵庫のない家庭はないと言っても過言でありませんが、私らが子どもの頃には木製で、上部に氷を入れてその冷気で貯蔵品を冷すという冷蔵庫でした。街には製氷屋さんが必ずあって、氷を籾殻の敷いてある木箱に入れて、それを自転車の荷台に積んで配達していたのを覚えています。(その氷屋さんは当時どうやって氷を作っていたのだろう・・・?)その氷を小さなブロックに切って、手回しの機械で削ってかき氷にするのですが、子どもの力ではなかなか機械のハンドルが回せず、かき氷を食べる前にひと汗もふた汗もかかなければなりませんでしたね。どぎついほどに真っ赤なシロップが、イチゴ。同じく緑がメロン、黄色がレモン。確かチクロとかいった合成甘味料と合成着色料で作られたシロップは、色は違っても同じ味だったと記憶しています。まあ、こちらの方もビジュアルといえばビジュアルといえるかもしれませんね。まるで信号機みたい。(笑!・・・そんな古き懐かしい昭和30年代を思い出させてくれた「ビジュアルで新感覚」のかき氷でした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月02日
昨日の昼食は外出先で中華レストランで。2時過ぎに入ったにも関わらず店内は結構込み合っていた。メニューにはランチサービスは2時までと書いてあるので、オーダーできるか聞いてみたら、材料が切れたのでメニュー通りというわけにはいきません。主菜は何がよろしいですかと店員。中華料理の主菜と聞かれれば、思いつくのはせいぜい酢豚か八宝菜。まあ、ちょっと考えて、青椒肉絲もあげることができますが。(笑!そもそも材料が切れたというのは、どんな材料が切れたのだろうの疑問はあったものの、思いつくままに「酢豚」と口にしたら・・・。ご飯に卵スープ、メインの酢豚は厚切りの豚肉が持て余すほどたっぷり。野菜サラダに揚げギョーザとパイナップル、漬物のザー采が付いています。はたしてどんな材料が切れたというのだろう?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月01日
お奨めの一冊、「病が語る日本史」(酒井シズ著 講談社)本棚から何度も手に取っては読み返しています。【送料無料】病が語る日本史 [ 酒井シヅ ]価格:1,103円(税込、送料込)著者の酒井氏の経歴をみると、三重県立大学医学部卒業、東京大学大学院終了とあります。医学部のご出身なのだから医師免許をお持ちなのだろうと想像しますが、専攻が「医史学」ということですから、大学院に進まれてからは「医史学」に興味を持たれて、医者でありながら歴史学者の道を歩まれたのでしょう。現在日本医史学会の理事長を務められていると紹介されています。今も昔もこの世に生まれてきた人が避けて通れぬ道は、老・病・死。誰しも避けて通りたいと願いながら、宿命に従うしかなかった・・・。その時代時代を生きた人は「病」をどのように捉え、どう対処してきたのか?著者の酒井氏もそこに強い興味を持たれたのに相違ありません。まさに「病が語る日本史」、「医者の目から見た日本史」。歴史好きにはたまらない一冊と言えましょう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月31日
天下分け目の関ケ原といえば、日本人なら知らぬ人はいませんね。関ケ原は、今を遡ること420年余り、天下の趨勢を決した戦いの地ばかりでなく、さまざまな文化の「境界線」でもあるようです。以前、そばやうどんにつきものの出汁の取り方、ネギ、醤油の違いについて、考察したことがありましたが、いなり寿司の境界線も関ケ原で天下を分けているとは、知りませんでした。ウエブトピックスより、なぜ四角と三角?「いなり寿司」の形が東西で違う理由 その“境界線”は 記事によれば、形状は「西の三角、東の俵型」で、中身はというと「関東は、いわゆる『甘じょっぱい』いなり寿司が主流で、具材も酢飯だけが基本。対して関西は、だしの味とお揚げの味を生かし、酢飯には、ニンジンやシイタケなど多彩な具、いわゆる『五目』が入るのが基本」とあります。・・・はて?子どものころ母親が作ってくれたいなり寿司は、三角だったように記憶していますが、最近もっぱらコンビニの弁当売り場で買い求めるいなり寿司は、三角であったり、四角であったりまちまちのような気がします。コンビニの系列によって違うのかも知れません。中身のご飯はというと、母親の作るいなり寿司は白い酢飯だったですが、最近のコンビニのいなり寿司は、五目御飯であったり、ひじきが入っていたり色とりどりですね。するとわが家のいなり寿司は、「形状は関西、中身は関東」ということになりますが、これはやはりうどんやそばの出汁やネギのときもそうであったように、地理的に中間に位置するからでしょうか。当地北陸富山(富山県高岡市)は日本列島のやや北に位置するものの、東西でいえばほぼ中間地点。東京へも京都・大阪へもJRでほぼ3時間あまりで行けますからね。西でもあり東でもあると言えそうです。天下分け目の関ケ原で東西を分けれたとしても、それは太平洋側のこと。日本海側は西と東が複雑に入り組んで、天下をすっきり分けるということは難しいようです。そういえば関ヶ原の合戦の折も、当地北陸(加賀・越中・能登)に勢力を張っていた戦国の雄前田利長は、旗幟を鮮明にしようとしなかった。もしかしたら、そんな風土が、いなり寿司の形状にも影響しているのかも知れないと思ったりしています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月30日
体の部位で普段よりあまり意識しないところといえば、まつ毛。皆さんはまつ毛を意識したことがありますか?たまにまつ毛が抜けたり折れ曲がたりして眼球の中に入って、往生することがありますが、そもそもまつ毛は何のために目の淵に生えているのだろう。目にごみが入らないようにするためでしょうか?女性の場合は、まつ毛をカールさせたりマスカラを塗ったりして目をパッチリ強調させるってことはあるようですけど、基本的にまつ毛などなくても人間は生きていけると思えなくもありません。ところが世にはまつ毛の本数が少ない、短いと悩んでいる人が結構いらっしゃるそうで、このたびそんな人のための薬が開発されたという話題。ウエブトピックスより、まつ毛フサフサ?国内初の薬緑内障の治療薬を使っている人は、まつ毛がフサフサしているという「副作用」に注目して開発されたということだそうです。瓢箪から駒などといいますが、何とも驚きですね。この薬を1日1回、寝る前にまつ毛の生え際に塗ること4カ月、約8割の人が「長さ」「太さ」「濃さ」などの印象度が改善したということです。そこで俄か医者( ← 私のことです)が考えたこと。まつ毛も髪の毛も体毛に変わりはないだろう?まつ毛がフサフサになるのなら、頭髪だってフサフサになっておかしくはない。まつ毛が1日1回なら頭髪は部位が広いから1日2回か?症状の進み具合によっては、3回~4回塗ってみてください。・・・どうです?試してみたくなりませんか?(笑!ちなみに今のところ私は、まつ毛も頭髪もそのような薬を必要としていませんので、その効果は自ら確認したわけではありません。頭皮に塗ってみようという方は、あくまで自己責任でお願いします。(爆笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月29日
昨日たまたま人の睡眠の仕組みについて、テレビでやっていました。人は寝入り端に、体温が急激に1℃あまり下がるのだそうです。逆に体温が下がらないと眠りにつきにくいというような内容だっと思います。夏の夜、暑くて寝苦しいというのは、体温が下がりにくいからだという説明でした。よい睡眠を得るには、寝る前に軽いストレッチ体操などを行うか、ぬる目の風呂にゆっくり浸かるなどして、体温を上げておくのが効果的だという話でした。そうすることにより、室温が29~30℃であっても、体温が比較的下がりやすく、寝つきがよくなるというということでした。そこで、昨晩はぬる目の風呂にいつもより長めに浸るようにしてみた。湯上りのビールは、じっと我慢。麦茶を一杯。エアコンはつけずに扇風機を首振りにして、タイマー2時間設定。風を受けながら、布団の上で足と股関節のストレッチを3分ほど。そうしてから、ごろんと横になった・・・。何もせず布団の上に横になっているだけで、じっとり汗が出てくる寝苦しい夜も、それ以降の記憶がないところをみると、す~っと寝つけたのだと思います。なるほど暑いからといって水を浴びたり、エアコンを強めに入れたりしなくても上手に寝られるなと。・・・本当はビールを我慢したのが一番効いたのじゃないかと思ったりもするのですがね。(爆笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月28日
政府の減反政策が浸透し、米どころ当地富山でも米のかわりに麦や大豆が作付けされるようになって久しいです。大豆は普段豆腐をよく食べますのでお馴染みではありますが、これからの季節は何といっても枝豆とビール。(笑!枝豆は大豆の実入りがまだ若いうちに収穫した豆であるってことご存じでしたか?そこで大豆の実の入りはどうか、かねてより目をつけていた大豆畑へ行って様子を見てきました。背丈はようやく10センチほどですね。花どころか蕾もできていませんから、豆のサヤが出きているわけもありません。やはり、枝豆はとうぶん先のことになります。・・・て、勝手に人の大豆畑を枝豆で収穫するものと決めてしまっていますね。(笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月27日
日本列島は残っていた九州北部地方も梅雨が明け、夏真っ盛り。連日最高気温が35℃以上を記録する暑さが続いています。「危険な暑さ」ということばがテレビのニュースなどで使われるようになったのは、昨年あたりからでしょうか。つい一週間ほど前には、「線上降雨帯」ということばが頻繁に使われていましたね。大雨による河川の氾濫による浸水や土砂崩など大きな災害が頻発しました。人知を超えた自然災害の前には、人はなすすべもなく首をすくめてその災いが通り過ぎるのを待しか手段がないのでしょうか。昔より「地震、雷、火事、親父」といいます。昔も今も台風の恐ろしさに変わりあろうはずがないのに、台風や大雨という言葉が入っていないのはどうしたことだろう。調べてみると、一番最後の「親父」は、「おやじ」ではなく、「大山風(おおやまじ)」すなわち「台風」のことを指すということです。「おやじ」の権威云々は別にして、言葉の面白さという面からすれば、「おやじ」説の方が「おおやまじ」よりはるかに勝っていることは明らかですね。人知を超えた自然に対する畏敬があるとはいえ、言葉としては同種のものを4つ並べただけですから、「大根、人参、セリ、かぶら」のようなものか。まったく何の意味合いもないのですが、言葉遊びとしては「大根、人参、セリ、カツラ」の方が、健康をイメージさせる野菜と不健康なおやじのはげ頭を連想させるカツラを対比できて面白いのと同じです。それにしても近年の「線上降雨帯」がもたらす豪雨は、その昔家長として威張り散らしていた「親父」の類いではありませんね。親父には表には出しはしないけど心根に優しさがありました。大切な人の命まで一瞬のうちに奪い去ってしまう昨今の「大山風(おおやまじ)」が恨めしく思われます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月26日
連日続く蒸し暑さについつい水を飲み過ぎるせいもあるのでしょうか、少々食傷気味です。こんな時は、さっぱりとした冷やしそばが食欲を後押ししてくれます。昨日食べた"なめこおろしそば"。なめこと大根おろしに刻みネギと具材はごくシンプルに、つゆはかけそば用のつゆをそのまま冷たく冷やしたものをたっぷりとかけるのがいいですね。今年の夏も冷やしそばのお世話にならずには、乗り越せそうもありません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月25日
わが国の古典文学を代表する作品といえば、「源氏物語」を誰しも思い浮かべるでしょう。私が「源氏物語」に出合ったのは、高校3年生のちょうど今頃ではなかったか。夏休みの古文の補習授業で読まされましたね。ずいぶん難義をしたものです。(苦笑!・・・正直に申し上げます。いつの日か機会があれば、また「源氏物語」をじっくり読んでみたいなどとは決して思いませんでした。(笑!ところが現在鹿児島で開業医をなさっている医師鹿島友義さんの源氏物語へのこだわりは、並々ならぬものがあった。63歳のときに日本を代表する古典「源氏物語」に挑戦することを決意されたそうです。鹿島先生は医者の道に進まれたのですから、大学進学のときには理科系の教科を選択されたのでしょうけれど、何といっても国語は医学部であろうとも必須科目。現代文の他に古文や漢文の設問も必ず出題されましたから、やはり私と同様に高校3年の夏休みに「源氏物語」を読まされた口に違いありません。しかし、鹿島先生の場合はまた読みたいと思われた。・・・スゴイですね。お忙しい本業のお医者様の仕事の合間をみて、原文を読み進めたというのですから、ただただ恐れ入るばかり。それで自ら著したのが、『 医者が診つめた「源氏物語」』(燦葉出版社)【中古】 医者が診つめた「源氏物語」 /鹿島友義【著】 【中古】afb価格:200円(税込、送料別) (2020/7/26時点)楽天で購入鹿島先生の強じんな意志とご努力もさることながら、私が強く興味を持ったのは、登場人物の「病気」を専門の医学的見地から考察しようとされた工夫。たとえば、有名な「いづれの御時にか、女御・更衣あまたさぶらひたまひける中に・・・」で始まる最初の章にに登場する桐壺の更衣。この主人公光源氏の母親は、「はかなき心地にわずらひて」とあるように、現代流に言えばストレスが原因の心身症。もののけのせいで難産になった源氏の正妻葵の上は、物語のモデルとなった一条天皇の中宮彰子とすれば、糖尿病とされた藤原道長の血をひく娘であることを考慮すると、糖尿病前の状態で胎児が通常より大きく育ったためではないか。源氏の親友の長男柏木は、「まことに心地もいとなやまし」なのは、きちょうめんでまじめな性格の人にしばしば診られるうつ病が疑われる・・・など。平安貴族が病気にかかったときのプライマリーケア(初期治療)が、加持祈祷であったというのも面白い。その風習は科学・医学が進歩した現代においても、わが国に依然として根付いており、現下各地で神社仏閣にコロナ禍退散の祈願が催されているではありませんか。こうした源氏物語読解の成果をこのたび本にまとめ上げられた鹿島先生にあっぱれ! 拍手喝采を送ります。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月24日
「冬虫夏草」って耳にしたことはありましたが、朝鮮人参とかいった類の高価な漢方薬の名前の一種だとばかり思っていました。それにしても冬の虫と夏の草とは不思議な名前をつけたものだと思いませんか?その冬虫夏草ですが、アリなどのもっぱら地を這う昆虫に寄生する菌類であったということを知り驚いています。モウセンゴケやハエトリソウのような食虫植物がいることは知っていましたが、昆虫に寄生する菌類がいたとは知りませんでした。・・・「夏草冬濤」なら井上靖の小説の名前ですから、こちらの方はよく知っていますがね。「冬虫夏草」、名前から想像するに、冬の間はアリであったはずが、夏になったら草(菌類)に化けたということなのでしょう。よくよく考えると恐ろしい名前ではありませんか。これは人間で言えば水虫のようなものか?(笑!人間ならかゆいのを我慢すればいいだけのことかもしれませんが、生きながらにして体が菌類の一部になってしまうなんて、この菌類にとりつかれたアリの最後こそ凄まじいの一言につきます。もっともそれを自然の山野から探し出してきて、百薬の長として高値で売り買いする人間も、凄まじさでは劣らぬ生き物に違いはないのでしょうけれど・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月23日
突然ですが、「カロリス」ってご存知ですか?一方通行を「一通」、ゲームセンターを「ゲーセン」、就職活動を「就活」、挙句の果てには「終活」なんていう言葉も生まれるご時世。何でも省略して短く表現することが流行っていますでしょ。カロリーリストラクション、略して「カロリス」というのだそうです。リストラクションは「リストラ」で一世を風靡しましたから、想像がつくと思いますが、「カロリス」とは「カロリーをリストラ」すること、すなわちカロリー摂取量を減らすこと。「長寿遺伝子を鍛える」(坪田一男著 新潮社)によればUSED【送料無料】長寿遺伝子を鍛える (新潮文庫) 一男, 坪田価格:300円(税込、送料無料) (2020/7/23時点)楽天で購入カロリーを70%に減らす「カロリス」だけで、長寿遺伝子のスイッチを入れることができ、アンチエイジングの効果が期待できるそうです。なるほど「腹八分目」とは、珠玉の輝きを発する先人の教えでありますが、そのカロリスとやらが有効に働くには70%に減らす必要とのことですから、珠玉の格言よりさらに一分目控えなければならないということになりますね。この教え、私の場合は頭では理解できても、胃袋が理解しようとしないという大きな弱点があることを指摘しておかなければなりません。・・・どうです。皆さんはカロリス70%に挑戦しようと思われますか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月22日
昨日の昼に食べた冷しラーメン。ラーメンは食べたいけれど、これだけ暑い日が続けばちょっとためらわれますね。そこで普通の温かいラーメンのスープを冷し、冷たく冷した麺にかけます。スープを冷すと油が固まって浮いてくるので、あっさり系のスープをいったんお湯で溶いてから、流水で冷して使います。ちょっと手間隙かかるのが難といえば難ですが・・・。焼豚3枚、卵、ネギ、ブラックペッパーと、具材も温かいラーメンと同じです。暑い日にお奨めです。あっさり、さっぱりと食べられます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月21日
お隣の国、今や経済でも軍事力でも自他ともに認める大国であることは間違いありません。しかし、国を作る国民のレベルとなると、大国にふさわしいとはお世辞にも言えないと思うのは私だけでしょうか。このようなウエブトピックスを見るにつけ、中国ファンの一人としてひじょうに残念なことです。「億万長者との結婚方法教えます」、北京で花嫁養成学校が人気2万元(約24万円)の受講料となれば、日本でもちょっとためらう金額ですよね。それをいとも簡単に申し込むというのは、経済力がついた証と言えるかもしれませんが、どうも申し込む側のうら若き女性に下心が見え隠れしていますね。講義の内容は、女性のことだから化粧の仕方、エチケットは分かりますが、エレガントに見えるお茶の注ぎ方も教えるって、そもそもエレガントって内面から自然に漂うもので、それを無理やり外面だけでそのように見せようとしても、すぐにメッキは剥がれてしまうものです。私個人としては、このような女性と結婚したいと思う気には到底なれませんがね。(・・・その前によくよく考えてみると、私は億万長者ではなかったという現実を直視しなければなりませんでした。。。苦笑!)貧乏人のひがみと言われそうですが、国を構成する国民のレベルがこのような状況では、中国の明日は容易ならざるものがあると言わざるをえません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月20日
農作物の話。皆さんは大豆はよくご存知ですよね。小麦も同様に知らない人はいないでしょう。米どころ当地北陸でも、米の転作が奨励され、大豆や大麦、小麦がずいぶん栽培されるようになって来ました。大麦・小麦は、すでに刈り取られてから一月以上も経ちますから、今目にすることができるのは、青々とした稲と背丈が小さめの大豆。大豆も小麦も違った作物ですから、作付けの時期も違うでしょうし、至極当然のことながら別々の畑に作付けするのが当たり前ですよね。ところが大豆と小麦を同じ畑に一度に種をまいてしまう農法が開発されたというので、目を丸くしています。ウエブトピックスより大豆栽培、雑草を抑制 福井県立大教授ら新種の小麦開発実は大豆を小麦の力を利用して栽培しようというもの。あくまでも収穫するのは大豆で、小麦は収穫されないのです。ではなぜ小麦を大豆と一緒にまくか?雑草の繁殖を小麦によってほぼ完璧に抑えるというところが、福井県立大学の村井耕二教授らの優れた研究開発。北陸のナンブコムギと九州のニシカゼコムギを交配して得た約100種類の品種から選んだ「LM12」という小麦。食用にはまったく適さないが、大豆と一緒にまくと、地面を這うように広がって大豆の根元を覆い隠してしまうので、光を遮られた雑草は成長ができない。「LM12」は生育が遅いため、同時にまいた大豆より背丈が大きくなることがない。大豆が一定の丈まで伸びるころには「LM12」は枯れるために、大豆と地中の栄養分を取り合うこともない。除草剤を使わなくてもよい。真夏の炎天下の除草作業が不要。従来の農法と比べても同等以上の収量が期待できる。素晴らしい画期的な農法ではありませんか。それ以上になんとけなげな小麦「LM12」ではありませんか。このような優れた農法を開発した福井県立大学の村井先生に、拍手喝采!座布団10枚!ところで村井先生のお名前をよくよく見ると、「耕二」ではありませんか。この研究、ご自分の名前をヒントに思いつかれたのではありませんか?(そんなことないか?・・・笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月19日
九州地方に豪雨による大災害をもたらした梅雨前線は、徐々に北に押しやられて、先週の木曜日(7月13日)には北陸地方に停滞し、当地富山でもいわゆる線上降雨帯が次々にやって来て、今までに経験したことのない大雨に見舞われました。真夜中に私どもの地域にも緊急避難指示が出されたようです。スマートフォンのけたたましいアラーム音で目が覚めました。真っ暗な中で避難場所を確認すると、なんとわが家の道一本隔てた向かいにある小学校の体育館。窓から小学校の様子をうかがうと、すでに体育館は煌々と明かりが灯り、警察や消防の車両が出入りしている。避難場所の向いに住まいがあるのだから、避難するには及ばないだろうと思いなおし、また床についたのでしたが、すぐ近くで床下浸水した家が出たことを朝のニュースでしり、少なからず驚いた次第です。そういえば体育館は鉄筋コンクリート2階建になっており、1階がピロティーで、体育館のフロアーは2階にあるから、避難場所としては最適というわけなのでしょう。緊急避難指示なんてよそのこと、わが家には関係ないと思っていたのですが・・・。それでも向いの小学校が避難場所とは。わざわざ向いに避難するって、ちょっとためらわれます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月18日
今日は国民の祝日「海の日」。海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願うという趣旨のもと制定された祝日だそうです。もともと7月20日だったものが、いわゆるハッピーマンデー法案で7月の第3月曜日に変更になった。7月13、14、15日と3連休を利用して小旅行を予定しておられる方多くいらっしゃるのではないでしょうか。海に感謝するのなら、山にも感謝しよう。8月11日に「山の日」が制定されて、祝日がなかった8月にも祝日ができた。しかし、こちらは8月11日に固定されています。・・・海は動けど山は動かず、というわけですな。(笑!今年の8月11日は金曜日ですから、土曜日の12日をはさんで3連休。14日~16日をお盆休みということになれば、6連休になりますね。ところで「海の日」があって「山の日」があるなら、「川の日」があったっていいだろう。祝日がいまだにない6月にでも設けたらどうかと思われた方、貴方はよほどの休みたがりだ。(笑!貴方はどんな「海の日」を過ごされますか?どんな「山の日」を過ごす予定ですか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月17日
動物のなかで人間の発する声は、小さい方であるといったら、皆さん驚かれるのではないでしょうか?ものの本で読んだ受け売りですが、動物の声の大きさは、音量をその動物の体積比で測ったなら、断トツ1位はセミであろうということです。かの昆虫記を記したファーブルは、セミが鳴く下で大砲を放ってセミの反応を観察したところ、セミは少しも動ずることなく鳴きやまなかったと言っています。「セミが大声なのは耳が遠いから」と断じたというのですが。・・・はて、?ほんとうにそうだろうか?セミは鳴くのはオスだけのはず。オスのセミは己の存在をメスに知らせようと鳴いているのではなかったか。さらには、そもそもセミには耳(聴覚)があるのだろうか?夏、皆さんは"セミの鳴声相撲"をお聞きになった経験はありませんか?当地北陸富山では、セミといえばほとんどがアブラゼミ。夏の終わりごろにツクツクホウシが現れて、名前のごとく鳴き出すのですが、数が少なくなったアブラゼミと、ツクツクホウシの間で行われるのが、この"セミの鳴声相撲"。ツクツクホウシが「ホウシツクツク、ホウシツクツク・・・」と鳴き始めて、最後の声色を変えるところに来ると、アブラゼミが一斉に「ジー、ジー」と声を張り上げはじめる。するとツクツクホウシは上手に最後の声色を変えることが出来ずに、「ホウシツクツク、ウニィ、ウニィ、ジ、ジィー・・・」と不本意そうに声をすぼめてしまう。これはアブラゼミもツクツクホウシも仲間の声どころか、違った種類のセミの声まで認識していることを表していると言えませんか?号砲の音はアブラゼミの比ではないはずですから、ツクツクホウシは一発で鳴き止むと思われるのですが、ファーブルの観察が間違いなくその通りだとすれば、セミはセミの鳴き声は認識するが、号砲は認識できないということになります。まさか、号砲にメスをとられてなるものかとセミのオスは鳴き止まなかったということはないと思うのですが・・・。(笑!もしかしたら、号砲は聞き取れる音域(周波数)の外であったということでしょうか?ファーブルに問うてみたいです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月16日
これはキキョウでしょうか?天正10年6月2日(1582年6月2日)信長が宿泊する本能寺は、光秀の軍勢によって二重三重に取り囲まれた。その軍勢が掲げる幟旗には、この花をモチーフにした紋が刷られていた。「何ものか」「土岐桔梗の旗印にございます」「・・・是非もなし」本能寺の変を扱うドラマには必ず出てくる信長と蘭丸の問答。清和源氏の流れをくむ名門の家柄を表す桔梗紋は、平氏の出である信長も光秀を討った秀吉にとっても羨ましい存在であったのかもしれません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月15日
人類の歴史はある意味ウイルスとの共生とも戦いの歴史とも言えるかもしれません。ウイルスの存在が発見されたのは20世紀に入ってからのことです。現代に生きる我々は、ワクチンの力により有史以来猛威をふるって来たウイルスによる伝染病の脅威から、逃れることができるようになったというものの、新型コロナウィルスのことを思えば、人類は絶えず新型のウイルスの脅威にさらされているといえましょう。さて昔のことで恐縮ですが、予防接種を受けた小学生の頃を思い出してみると、数々の予防注射の中でも一番痛かったのが日本脳炎のワクチン注射でしたね。ウイルスを持ったコガタアカイエカに刺されることによって感染し、突然高熱を発し脳炎を併発して死に至る恐ろしい病気と教えられていたので、子供ながらにも必死で痛みをこらえつつ、日本にはどうしてこんな厄介な伝染病があるのだろうと理不尽に思ったものです。実を言えば名前の頭に「日本」がついているので、つい日本固有の風土病かと今の今まで思っていたら、そうではなかった。中国、朝鮮、インドネシアからインドに至る東南アジア全域で猛威をふるっている伝染病ということです。お隣の友好国・韓国でも「日本脳炎警報」なるものが毎年発令されていると聞き、少なからず驚いています。韓国の国民は、この発令をどう捉えているのだろうと思ったのです。いつもわが国(韓国のこと)の禍は、「日本」からもたらされると思ったりするのではないか?それとも、プライドの高い民族のことです。「"日本"脳炎」とは何ごとか!そもそも韓国にあったものが日本に伝播したものだ。「한국뇌염(韓国脳炎)」と表記すべきだと言い出しはしないか?あるいは「"日本"脳炎」は、過去何十年にもわたって韓国国民を苦しめて来た歴史がある。日本はこの歴史認識に背を向けることなく、韓国に謝罪と補償をすべきだなどと言い出しはしないか?まあ、そんな悩ましいことで頭を煩わせるより、コガタアカイエカに刺されないように気を付けた方が良いに決まっていますね。・・・それにしてもどうして「日本脳炎」という名前がついたのだろう?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月14日
今朝自宅の庭先に咲いていた一株の野草の写真ですが、何という名の花でしょう?星方の五弁の花びらからすれば、キキョウのようにも見えますが、キキョウは秋の七草でもありますから、梅雨の最中に咲く花ではないように思います。長い筒状の花弁からすれば、夏に咲くユリのようにも見えてきます。しかし、ユリの特徴でもある強い香りは、鼻を近づけても一向にしないところをみれば、どうも違うような気がします。この花の名前を調べようといつもの調子でパソコンを起動したのですが、そこでハタと指が止まってしまった。名前が分からんから、入力の仕様がないではありませんか。これは、やはり図書館へ行って植物図鑑をめくるよりないのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月13日
7月の第3月曜日は国民の祝日、「海の日」。以前は7月20日と日が決まっていたと記憶していますが、ハッピーマンデー法というやつでしたかね、第3月曜日にすることで日・月と連休にした。海の恩恵に感謝するとともに、海洋国家日本の繁栄を願うという主旨が、国民の祝日に関する法律に明記されているということです。・・・夏は海で健康的に遊ぼうという主旨の休日かと思っていました。。。(汗!まぁ~、冗談はさておき、四方を海に囲まれた我が国ならではの発想は、大切に受け継いでいきたいものです。ところでその「海の日」ですが、海のない奈良県では、7月の第3月曜日を「奈良県山の日・川の日」とすると条例で定めていることをご存じでしたか。いわく「海に面していない奈良県では、山と川が身近な自然であり、歴史と文化の源です」と。故郷の自然に愛着を持ち、美しい山と川を次の世代に引き継いでいこうと「山の日・川の日」を定めた海のない奈良県に、あっぱれ!拍手喝采を送りたいと思います。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月12日
皆さんは、我々のいる宇宙がなぜ3次元なのか考えたことおありでしょうか?トピックスより宇宙はなぜ3次元 超ひも理論で解明、高エネ研など 「超弦(超ひも)理論」によれば、ビックバン直後の宇宙は「空間9次元・時間1次元」であったというのですから、時間の1次元は分かった素振りが出来るにしても、空間が9次元というのは、首をどの方向にどう傾げようとも私の脳みその空間の中に収まりません。素粒子を点ではなく1次元的な広がりを持つ「ひも」と考えるこの理論の根本からして、イメージできますか?粒子は3次元の球体ではなく、1次元の線(ひも)のようなものであると。さて私はどう見ても縦横高さに広がりを持つ存在ですが、この存在はいったいどんな時空にあるというのでしょう?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月11日
最近気になってしょうがないもの。テレビで盛んにやっている健康食品の無料お試し案内のコマーシャル「えっ、これ無料なんですか?1箱?えっ2箱、2箱も!」「そうなんです。今ならお試しで約10日分2箱が無料。しかも送料無料でお届けします」画面が変わると、それを服用した人が颯爽と通勤している光景が映し出され、「おかげで朝の早いうちからすっきりとしています」とかいうアレ。そりゃあ、私だって朝の早いうちからすっきりできるのなら、何をおいてもすっきりしたいです。(笑!きっと画面の隅の方に、小さい字で「絶対の効能を保証するものではありません。あくまで個人の感想です」とか書かれているのでしょうけれど、画面が目まぐるしく変わるので、はっきりと読み取れない。高額なテレビ宣伝をして商品を全国に無料でまき散らして、どうしてこの健康食品販売会社はやっていけるのだろう?この一点がどうしても"すっきり"しないので、フリーダイヤルをかける手が止まってしまうのです。ウエブトニューススより、健康食品「お試し価格」に要注意 1回だけのつもりが冒頭にあげた健康食品会社が必ずしもそうなのかどうか、私は一度も試したことがないので、あるいは本当にお試し品を無料で送ってくれる善意に満ちた会社なのかもしれないことをことわっておかなければなりません。私は今日も"すっきり"しないままこの食品販売会社のCMを見てしまうことになるのでしょうか。願わくば私を朝から"すっきり"させる前に、私が抱くこの健康食品販売会社の経営がどうして成り立つのかの疑念を"すっきり"させて欲しいものだと。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月10日
天下分け目の関ケ原といえば、日本人なら知らぬ人はいませんね。関ケ原は、今を遡ること420年余り、天下の趨勢を決した戦いの地ばかりでなく、さまざまな文化の「境界線」でもあるようです。以前、そばやうどんにつきものの出汁の取り方、ネギ、醤油の違いについて、考察したことがありましたが、いなり寿司の境界線も関ケ原で天下を分けているとは、知りませんでした。ウエブトピックスより、なぜ四角と三角?「いなり寿司」の形が東西で違う理由 その“境界線”は 記事によれば、形状は「西の三角、東の俵型」で、中身はというと「関東は、いわゆる『甘じょっぱい』いなり寿司が主流で、具材も酢飯だけが基本。対して関西は、だしの味とお揚げの味を生かし、酢飯には、ニンジンやシイタケなど多彩な具、いわゆる『五目』が入るのが基本」とあります。・・・はて?子どものころ母親が作ってくれたいなり寿司は、三角だったように記憶していますが、最近もっぱらコンビニの弁当売り場で買い求めるいなり寿司は、三角であったり、四角であったりまちまちのような気がします。コンビニの系列によって違うのかも知れません。中身のご飯はというと、母親の作るいなり寿司は白い酢飯だったですが、最近のコンビニのいなり寿司は、五目御飯であったり、ひじきが入っていたり色とりどりですね。するとわが家のいなり寿司は、「形状は関西、中身は関東」ということになりますが、これはやはりうどんやそばの出汁やネギのときもそうであったように、地理的に中間に位置するからでしょうか。当地北陸富山(富山県高岡市)は日本列島のやや北に位置するものの、東西でいえばほぼ中間地点。東京へも京都・大阪へもJRでほぼ3時間あまりで行けますからね。西でもあり東でもあると言えそうです。天下分け目の関ケ原で東西を分けれたとしても、それは太平洋側のこと。日本海側は西と東が複雑に入り組んで、天下をすっきり分けるということは難しいようです。そういえば関ヶ原の合戦の折も、当地北陸(加賀・越中・能登)に勢力を張っていた戦国の雄前田利長は、旗幟を鮮明にしようとしなかった。もしかしたら、そんな風土が、いなり寿司の形状にも影響しているのかも知れないと思ったりしています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月09日
ウエブトピックスより、ひと目ぼれのメカニズム解明に光? 早大がウズラで実験男性なら誰でも見目麗しい女性に出会ったとき、ドキリと心臓が高鳴った経験をお持ちでしょう。そのとき貴方の脳内では、激しい感情を抱いた時に出る神経伝達物質の分泌が増え、特定の脳ホルモンが増加し、血液中の男性ホルモンの濃度が瞬時に下がっていたに違いありません。早稲田大の研究チームによって、異性の存在が性ホルモンの分泌を瞬時に変化させる新しい仕組みが、ニホンウズラを使った実験で解明されたということです。ほぉ~、ウズラの雄ってなかなにお盛んなんですね。・・・羨ましい。( ← イエローカード! 笑!異性の存在が性ホルモンの分泌を瞬時に変化させる仕組み、これがひと目ぼれのメカニズムだと言われてもねぇ~。全身が雷鳴に打たれたかのようにシビれて、胸の奥が押しつぶされるようで、・・・ただただ、切なくて、切なくて。いくらなんでもそんな繊細な人間様の色恋を、雌を見るとすぐその気になってしまうというウズラの雄と同列にしてほしくありません。(苦笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年07月08日
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