詩;ナイフ



だらだらとゆるやかに・・・

私はナイフを落とした・・・

痛かった・・・だけど・・・心の痛みよりましだった・・・

あの言葉が私の胸に槍をさしたの・・・

あの言葉さえ聞かなければよかった・・・

心の傷をささえきれなかった私

だから心よりも体に痛さを感じた・・・

そう・・・心の痛みをまぎらわせようとしていたんだ・・・

うでを切る・・・

血がたれる・・・

だけど・・・残酷だけど・・・気持ちが良かった・・・

なにかにこの気持ち・・・ぶつけてみたかった・・・

私の・・・ナイフのようにつめたい・・・残酷な心

血が私のうでから床へぽつっと落ちる・・・

その上に・・・目からの水が流れた・・・

どうしてこんな人生を歩まなければいけない・・・?

もうちょっとましな運命だったらよかったのに・・・

よりによって・・・私なんて・・・

私の下の床が血と涙の海になる・・・

だけど・・・この痛さ・・・心の痛みとはまるでちがう・・・

やってみたけど・・・まぎれない・・・

いつになったら心の痛みは去るの・・・?

それとも・・・ずっとこのまま残ってしまうの・・・?

血を見つめながら自分に聞く・・・

このナイフ・・・誰でも殺せるナイフ・・・

私も今・・・ナイフになりかけなのかもしれない・・・

あの残酷な・・・冷たい・・・ナイフに・・・

この痛みは・・・この気持ちは・・・一生忘れないと思う・・・

だけど・・・ナイフになれば・・・楽しいのかな・・・?


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