さくさく堂のシナプスな存在

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2015年02月26日
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カテゴリ: よしなしごと
映画『KANO 1931海の向こうの甲子園』鑑賞。


『海角七号』(2008年)、『セデック・バレ』(2011年)と
日本統治時代の台湾を描いてきた魏徳聖が制作・脚本で再度日本統治時代を描く。

1931年に嘉義農林学校が台湾代表として甲子園に出て
準優勝したというのは実話。
「嘉義農林といえば甲子園」というのは
ある程度の年齢層には今でも話題になる話ですが、
台湾の若い世代にはどの程度有名な話なのでしょうか。

何も下調べをしないで観に行ったのですが、
始まったらいきなり日本語が出てきてびっくりしました。
考えてみたら当たり前なのですけれど、
日本統治時代の日本国内の話なのですよね。
大人への日本語教育は徹底できなかったでしょうから、大人たちは非日本語。
だけど、小学1年からばっちり日本語教育を受けて
10年くらいたっている中学生たちは日本語ペラペラなわけです。

台湾の公用語が日本語という時代があった、というのは知識としては知っていることですが、
映像で見せられて軽くカルチャーショックを受けました。

野球部の少年たちは、この映画のために日本語を詰め込んだそうです。
台湾訛りの日本語が当時を彷彿とさせます。
大人がしゃべる非日本語は国民党が来る前ですから、
北京語ではなく台湾語(ビンナン語)。
本屋さんのおじさんは客家語だったらしいです。
どのシーンだかわからないけど、アミ語もあったとか。

日本の植民地経営のあり方とか、差別がどうのとか、
登場人物のそれぞれの事情などシリアスな話はほとんどなし。
手に汗握る青春熱血さわやか野球映画でした。

それでも、嘉南大圳(ダムと用水路による農水施設)、嘉義市内のモダンな街並み、円形の噴水の建設といったことにちらっちらっと植民地経営の様子が描かれています。

嘉南大圳の建設者の八田與一(大沢たけお)が出てきてびっくりしましたが、
幕末の映画に意味もなくちょい役で坂本龍馬が出てくるみたいなものですかね。
映画のストーリーとしてはおまけで、
その分を生徒たちの内面やサイドストーリーを膨らませるほうに費やしてもよかったんじゃないかとも思いますが、
同時代に同じところに八田與一がいたら
出さないほうが不自然というぐらいの大物だということでしょう。
用水路に水が流れ出すシーンは、胸に迫るものがあります。

広大にひろがる水田風景が美しかった。
治水施設である嘉南大圳の建設と同じ時期に米の品種改良も進み、
台湾の稲作が劇的に近代化していく時代です。
日本政府は台湾を米の供給場所として開発していたということでしょうか。

映画のために作った設定じゃないかと思うぐらい出来過ぎなのは、
少年たちの出自がばらばらなこと。

漢人(福建2・客家1)
蕃人(原住民)(アミ族2・プユマ族1)
日本人3

当時の台湾の中学校は日本人ばかり、台湾人ばかりという学校のほうが多いです。
こういう混成チームは台湾の中にあってもかなり珍しかったはずです。
途中で嘉義中の生徒と揉めるシーンがありますが、
彼らのほとんどは日本人だと思います。
日本人のエリート中学だから、
中堅校の寄せ集め野球部を馬鹿にしたのです。

でも、チーム内での人種間でのいさかいや行き違いは全く描きませんでしたね。
ちょっとなさ過ぎるんじゃないかと思うくらいですが、
実際のところはどうだったのでしょうか。
監督(永瀬正敏)も平等主義。というか、実力主義。
足の速い蕃人、打撃力のある漢人、守備のうまい日本人が揃えば強いチームになると言い、その言葉どおりに快進撃を続けます。


この野球シーンが熱い。

スポーツの描き方は日本とはちょっと違いますね。
無名のチームを全国準優勝までにするわけですから、相当な鬼監督だったはず。
日本だったら「過酷な反復練習→脱落する選手→選手同士の友情で復活」
なんてのがテンプレですが、そんな鬱屈したものはなし。
なんか明るい。
なんか明るいです、終始。
のほほんとして、楽しそうに野球をやっている。
少年たちは精悍ではありますが、
同時に穏やかで優しく素朴で、本当に心から応援したくなります。

ま、敵も味方もデザインされていない真っ白のユニフォーム、
整備されていない泥んこのグラウンド、坊主頭ということで、
途中はほとんど見分けがつきませんけれど。(笑)


3時間と長尺ですが、
時間をたっぷり使った試合シーンは中だるみすることもなく圧巻です。
人間ドラマがあっさりしているので、全体のバランスは少し悪いかもしれませんね。

台湾人は野球大好きだし、野球シーンにはカタルシスもある。
ハンカチ必須の映画です。
植民地時代に本国の野球大会において、多人種の混成チームが準優勝という史実そのものが
アイデンティティに響く話だと思いますし、
少年たちが格好よくて、さわやか。
ラストの、選手たちのその後のエピソードもぐっと来ます。
これが空前の大ヒットというのはうなずけます。





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最終更新日  2015年02月26日 11時16分25秒
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