たびの足跡

たびの足跡

荷物行方不明事件(後編)

荷物行方不明事件(後編)

まずは、昨夜のホテルに電話をして、私達より先に出発したツアーを教えてもらう。
2台口のツアーが2本と社員旅行のご一行が1台。
お客様が「2号車に乗せた」と言い切る以上、2台口のツアーのとちらかであろう。
ホテルからそれぞれのツアーの会社名、連絡先、後泊先、バス会社を教えてもらう。
時間は既に21時を過ぎている。どこまで確認取れるかな?
最初にかけたのは、近くの温泉に泊まっているツアー。
ホテルの番号を調べて、電話をかける。
ここにあってくれれば、タクシー飛ばして取りに行く事も出来る。
どうかここにあってくれと、祈りながらかけたが、無情にも相手の答えは
「そんな荷物はありませんでした」

もう1本のツアーは、ちょっと厄介。
山陽からのツアーで、今日解散するらしい。
まずは旅行会社に電話してみるが、もちろんこんな時間につながる訳は無い。
仕方がないので、ホテルから聞き出した添乗員のケータイにかけてみた。
すると、まだ解散前のバス車中ではあるが、忘れ物については確認は出来ないという。
事情を聞くと、それぞれのバスが数ヶ所でお客様を降ろす流れ解散らしい。
バス2台で添乗員が1名。それも1号車に乗っており、添乗員本人も自宅近くの
解散場所で途中下車するため、確認のしようがないとのこと。

ではせめてバス会社の連絡先を教えてもらおうと思ったが、
すぐには分からないという。どちらにしても、今晩中の確認は不可能。
翌日また連絡する事にして、電話を切った。
お客様にも、現時点では確認出来なかった事、明日以降も引き続き探す旨お話した。
ところが、納得していただけず
「明日は何に着替えたらいいの?今日と同じ服を着ろって言うの?
お化粧だって出来ないじゃない。すっぴんじゃ人前に出られないわよ」とご立腹。
『いやー本人以外は、服も顔も気にはしませんから。』
喉元まで出かかったせりふを飲み込んで説明を続ける。
「下着類はホテル内の売店で買えます。化粧品はお連れ様から借りたらいかがです?」
連れが使っている『国産化粧品』はお客様のデリケートなお肌には合わないそうなのだが、
それ以上はフォローのしようがない。
段ボールが見付かることを祈りながら眠りについた。

翌朝。
朝食前に「荷物は見つかった?」お客様から内線が入る。まだです。
出発前にも「見つかった?」まだだってば。
1ヶ所目の見学地に着いた途端「見つかった?」これから電話するんだから、
少し待っててよ。
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その後、あちらこちらに電話をかけまくり、バス会社の車庫に確認出来たのは昼近く。
お客様に荷物が見つかったとお話すると、とても安心した様子。
とりあえずよかったよかった、と思った途端
「じゃあ、今日のホテルへ届けさせてちょうだい」
そりゃ無理だって!
すぐに宅配便に出してもらっても、ホテルに届くのはチェックアウトした日の夕方。
ツアー中に取り戻すのは諦めてよ。見つかっただけでもラッキーなんだから。

~~~~~~~~~~
結局ツアー終了まで、このお客様からは感謝の言葉は聞かれませんでした。
あちこちに確認電話を入れたため、通信費の支給限度額を大幅に越えてしまい、
担当者からも絞られました。
なんかトホホなツアーでしたね。いい勉強にはなりましたが。


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