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日曜日、だからと言って何もない。一回忌ー…どうしよう?『胸を張ればいい。』そう言ってくれた修二の言葉が耳から離れない。まだ、認めたくない。二人が亡くなったこと。向き合う勇気がないんだよ。本当の事実だって認めたくない。あたしは本当に悪くないの?わからないよ。前なんて向けない。進めない。明日なんか見えない。あの楽しかった日々を今でも鮮明に覚えているよ。==========================「梨花、今度の野球の試合行こうね。」「ヒロも平太も出るよね。」「うん、ヒロは初めての試合だよ。応援しなくちゃ。」「今から楽しみ!」「あたしたちまでウキウキしてる。」==========================もう、あの日々は戻ってこないの?懐かしくて、愛おしくて、そんな日々があたしにとっては宝物だった。勿論、今でも。==========================「こらー!平太と翔、素振りばっかりやってないで掃除して!」「俺はこの中学のエースだぜ。練習、練習。」「何がエースよ!まだまだなくせに…。」「言ったなー。いつかエースになってやる。」「でも、平太上手になったと思うよ。」「さすが、美優はわかってくれるな。」「小学校のころに比べてね…。」「そんな小さいころと比べるなよー。」「美優、俺は?」「翔は…たいして?」「おい!」==========================何気ない会話も今ではすることができない。どうして、こんな平凡な日常が壊れてしまったの?平太はあたしの彼氏だよね?美優はあたしの親友だよね?裏切られたのは、あたし。あたしは大切な人を同時に二人もなくしたんだ。乗り越える?そんなこと、できないよ。もう、こんな悲しい思いはしたくない。だから誰とも関わりたくない。人と関わらなければ失う悲しさを味わうことはもうない。これで…いいよね?「梨花、」ふと智歩の声が聞こえた。「梨花、」今度は修二の声が聞こえた。「梨花ちゃん、」三人はあたしのことをいつも見ててくれた。一緒にいてくれた。あたしがいくら避けても傷つけても。どうして?こんなあたしの傍にいてくれるの?本当は…あたしも未来を生きたい。誰かと一緒に。一人でなんて乗り越えられない。前を向いて生きたい。明日を信じたい。希望だって持ちたい。まずは、二人に向き合わなきゃ。梨花はゆかりに電話をした。「ゆかり…あたし、二人の一回忌、行くよ。」「梨花ちゃん…ありがとう。待ってるね。」ゆかりは嬉しくてこのことをすぐさま翔に伝えた。≪お姉ちゃん、梨花ちゃんが来てくれるって。≫次の日、「修二、あたしね、二人の一回忌に行くことにした。ずっと考えて出した。ありがとね、修二には本当に感謝してます。」「そっか!よかった。お礼なんていいよ。」「それとね、あたしの口からちゃんと説明したくて。智歩と逸気君にも。」「うん、」もし、あたしにも明日があるなら今日を一生懸命生きたい。今は一人じゃないよね…。あたしに信じる力をくれてありがとう。
2007.11.30
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「もしもし…俺…」「うん、どうかしたの?」「莉花に…何があったのかがわかった…。」「えっ…何があったの?」「うん…智歩と逸希にもちゃんと話す…。けど、電話で簡単に話せるようなそんな…ことじゃないんだ…。それに、先に莉花と会って話したいし…。」「わかった。莉花と会ってからでいいよ。その後、ちゃんと聞かせて。逸希にもそう言っておく。」「ありがとう。」修二の声は途切れ途切れだった。《一体、莉花には何があったの?電話で話せるような簡単なことじゃないって…。莉花…。》智歩は逸希にもそのことを伝えた。「修二…大丈夫だったか?何があったのかは知らないけど…。」「わかんない…。大丈夫なのかなぁ…。」修二は莉花に電話した。「もしもし…莉花…俺…」「修二…何?」「今から会えないか?」「今から?」「東公園にいるんだ。」《東公園?すぐ近くの…平太の家の近く…》「え…何の話し?」「会ってから話したい…。今から来てくれないか?」「え…」《どうしよう…?でも、断る理由がない…。》「わかった。東公園だね。今から行く。」修二…どうして東公園を知ってるの?だって修二の住んでるところ…もっと遠いのに…。どうして?莉花は自転車を走らせた。五分ぐらいで着いた。「莉花…」今日の天気は曇り。風が冷たかった。「話しって何?」「……俺…馬鹿だから遠回しに聞くとかできない。だからそのまま聞く。……莉花…平太と付き合ってたんだよな?」「え…」《どうして…?》「俺…平太のこと知ってるんだ。小さい頃、この辺に住んでたから。平太とここでよく遊んでた。でも、小三の時に今住んでるところに引っ越して…。それでもたまに平太とは会ってた。野球したりして遊んでた。それで、急に平太が亡くなったって聞いて…。」莉花はうつむきながら聞いていた。「昨日…平太の家に行った。そしたら…いろんなもの見つけて…。莉花との写真とか…。不思議に思ったことがあったからおばさんに聞いたら…。平太と莉花が付き合ってるって…。それから…平太が…」「もう、話さないで。お願い…。」「莉花…ごめん。気になったんだ。莉花に何があったのか…すごく…。」「もう、あたしに何があったのか知ってるんでしょ?だったら言わないで…。」「ごめん…。」「何で?あたしの過去をそんなに知りたかったの?それで馬鹿にしたかった?」「違う!そんなつもりじゃない。知りたかった…。莉花に何があったのか…。それで…」「あたし…嫌なの。もう、人と関わりたくない。あたしは人を傷つける。それに…平太と美優は…」「莉花は悪くない。」「…そうなの?本当にそうなの?あたしは知らなかった。気付きもしなかった。気付いていれば、二人は…」「何で、そうやって自分を責めるの?俺からしてみれば二人が悪い。莉花に黙って…。死んで…。死んだからって生きていたときのことが水に流されるわけじゃない。だから莉花は自分を責めなくてもいい…。」「修二って平太の友達でしょ?悪く言っていいの?」「いや…俺は悪いことは悪いって言う。友達でもな。」「そう…。」「おばさんがすごく心配してた。莉花のこと気にかけてたよ。」「平太のお母さん…」《いっつも優しくしてくれた…。温かい人。》「一回忌行くのか?」「行かない…」「どうして?」「まだ駄目…。」「莉花は二人に背を向ける必要なんてないよ。莉花は何も悪くないから。胸を張ればいい。そして、二人に会えばいい…。俺も行くから。」修二の言葉が莉花の心に響いた。《あたし…悪くないの?あたしは…いいの?》「考えさせて…。」「わかった。でも、行った方がいい。逃げてても何もならないよ。偉そうなことを言える立場じゃないけど、行ったら乗り越えれるかもしれない…。」「うん…。わかった。ありがとう。修二。」《修二と一緒なら大丈夫かもしれない…》莉花はふとそう思った。「まだ時間あるから…ゆっくり考えて…。」
2007.11.30
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「莉花、おはよう。」「おはよう…」莉花はそう言うとすぐに智歩のもとを離れた。≪智歩…ごめんね。でも、あたしにはこうするしかないよ。他にどうしていいのかわからないから…。≫「なあ、お前ら最近なんかあったのか?」「…逸希、」「莉花ちゃん元気ないみたいだし、会ってもなんか避けられてる気がして…。」≪莉花はやっぱり逸希のことが好きなの?≫「わかんない。莉花のこと理解したいのに全然わからない。」「智歩…、」「逸希には何か話してなかった?」「いや、何にも。」「莉花、逸希には何か話してると思った。仲良かったから。」「無理には聞き出したくない。でも、莉花ちゃんには深刻な問題があるのはわかる。」「聞き出してよ!逸希になら莉花だって…。」「どうしたんだよ、何怒ってんの?」智歩はいつのまにか逸希に怒鳴りつけていた。「あっ…、ごめん。」「焦るなよ。智歩らしくない。」≪わかった。あたし…悔しかったんだ。あたしは莉花と入学当初から仲良かったのに、莉花のこと知らないことでたくさんだった。逸希にだったら莉花はいろんなこと話しそうで。焦ってた。あたしは逸希のこと好きだよ。でも、そんなことじゃなかった。逸希に莉花をとられるのが怖かったんだ。≫≪友達だから、理解してあげったかった。≫「あたし、莉花のことわかってあげたい、知りたいよ…。」「お前、本当に莉花ちゃんのこと好きだな。」「勿論だよ。」≪たとえ、莉花が逸希のこと好きでもいい。莉花だけは離れてほしくない。≫「修二が莉花ちゃんと同じ中学だった人の家に行ったって言ってた。そこで、何かわかってるかもしれない。「うん…。」莉花には人を引き付けるものがあるのかもしれない。どんなに離れようとしてもみな、莉花のことを心配している。そして、好きになっている。本人は気付いてないみたいだが…。
2007.11.30
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「莉花ちゃん。」「逸希くん」「修二と仲直りしたみたいだね。よかった。」「うん…。……逸希くんは優しいね。」「えっ!?」「いつも友達のこと見てる。…あたしもちゃんと見とけばよかった。」「…俺、優しくないよ。いっつも人より自分のことばっかり考えてるよ。いい人ぶってるだけ…。それに…俺、世の中には優しい人なんていないと思う。みんな人より自分のことしか考えてないよ。簡単に人を裏切ることだってできる。」「…」「ごめん。なんか全てわかってるような言い方して…。」「逸希くん」《逸希くんならわかってくれる?ねぇ、》「ん?」「ううん。何でもない。ごめんね。」《あたし…逸希くんに話そうとした。あの時のこと。わかってくれる?》莉花は逸希に惹かれていくのを感じた。それから、逸希と莉花はよく話すようになっていった。「逸希…」「智歩!何してんの?」智歩は二人が話している様子を遠くから眺めていた。「修二!びっくりした。」「莉花…」修二も二人の様子に勘づいた。「ちょっと!声聞こえる…。向こう行こ、」「あいつら…最近仲良いよな…。」「うん…」「莉花…もしかして…」「………」「ごめん…智歩。」「なんで謝るの?」「いや…」智歩は何も言わず、去っていった。「ねえ、莉花…。莉花ってそのぉ―」「…?」「最近、逸希とよく話してるよね?」「うん…」「ごめん…。やっぱなんでもない。」《聞けないよ…》「桜井さん、!あのさぁ…二組の飯島逸希くんと仲良いらしいね。好きなの?」「えっ…」「飯島くんはだめだよ。だって智歩の好きな人だもん!知ってた?」「え…」《知らなかった。智歩は逸希くんのこと…》「だからね、飯島くんとは…」「わかった…。もう話さない…」《またあたしは同じことを繰り返そうとしてたの??今度は智歩を…?もう…人を好きになったりしたらだめだね。決意したのに…。誰も傷つけたくない。失いたくないよ。》莉花は逸希に会わないようにした。見掛けても決して話しかけようとしなかった。「莉花、」《智歩は…逸希くんのことが好き…》「あのね…あたし…逸希のことが好きなんだ。」またも…同じことを言われた。《知ってるよ。》「だからね…」「近付かないよ…」「え?」「もう、逸希くんとは話さない!!」莉花は走り去った。《莉花??どうしたの?》その日から莉花は智歩のことまで避けるようになった。「桜井さん…ちゃんと智歩に気を使ってるね。」「え?雅、それどういうこと?」「あたし、言ったの。智歩が飯島くんのことが好きだからって。そしたら…もう話さないって…」《だから、莉花…あの時…》「雅はね、智歩がうまくいってほしかったの。智歩と飯島くんが付き合ったりすればいいなって…。」「雅…嬉しいけど…それじゃぁ莉花は…」「雅、智歩にいけないことしてた!?あたしは…」「もういいよ。いけないことじゃないから…。」「智歩、雅にできることがあったら何でも言ってね。智歩に協力するから!」《ありがとう。でも、ちょっとやり過ぎだよ…。》智歩は桜井さんと友達でしょ?なら何で智歩の好きな人をとるの?とるとかそういうことじゃないよ。莉花はあたしが逸希のことが好きって知らないし…《友達なら好きな人を知ってもらった方がいいの?あたしは莉花に知ってほしい…あたしのこと…それに、莉花のことも知りたい。》
2007.11.30
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