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莉花と翔は話し終わり、再び平太の家へと戻った。「莉花ちゃん、翔ちゃん、やっと戻ってきたー」ゆかりが二人に駆け寄った。「今日まだ時間ある?もしよかったらご飯でも食べに行かない?せっかくこうやって久しぶりに会えたんだもん」「俺はいいよ、莉花は?どうする?」「えっと…どうしよう…」莉花は修二の方を見た。「よかったら…修二、さんも一緒に!」「誘ってくれて悪いんだけどこの後ちょっと…」「そうなんですか…」「ごめんね、莉花また学校で」「修二、今日は本当にありがとう。また、」莉花たちは軽く挨拶をし平太の家をあとにした。「莉花ちゃん、また来てね」平太の母は優しくそう莉花にほほ笑んだ。《またここに来ることなんてあるのだろうか…?》「莉花ちゃん、翔ちゃん、今日はありがとう。お姉ちゃんも二人に会えてうれしかったと思う。」「ゆかり、お前だいぶしっかりしたよな」「前からだよ」「小さい時は美優にひっついてばっかだったのに」「もう、小さくないもん!!…でね、今日は私からも二人にちゃんと話しておきたいことがあったの…いいかな…?」そう言ってゆかりはかばんの中から一冊のノートを取り出した。「これなんだけど…お姉ちゃんの…日記」莉花と翔はまじまじとそれを見つめた。「私もまだ詳しく中は読んでないんだ。毎日ではないんだけど、中学に入ってから死ぬ前日まで書いてたみたい…」《美優の日記…これを見れば美優のことが少しでもわかる…?》「つい最近なんだけどね、お姉ちゃんの部屋誰も触ってなくて、整理しなきゃと思って掃除してたらこれが出てきたの。二人に話そうか迷った。でも、このままじゃいけない気もしてた。これを見ても何も変わらないかもしれない。けど、ほんの少しでもいい方向に向かえるならその可能性にかけてみたいとも思った。」「ゆかり…」「怖いよ、お姉ちゃんがしてきたことはみんなを裏切ったことに変わりはない。でも信じたくて。お姉ちゃんだから、信じたくて…」莉花はゆっくりその日記帳を手にした。そして、開いた。「私も信じたい。知りたい、美優のこと。知らなきゃいけない気がする。向き合わなきゃ。ずっとこのまま二人から背を向けて生きていくのはもうやめる。」「莉花ちゃん…」「俺も知りたい、理解したい、それがどんな結果になるかわからないけど、全部含めて受け止めたい、」「ありがとう…、ありがとう…」《こんな素敵な友達残してお姉ちゃんはなんで死んじゃったの?裏切るようなまねしたの?》今思えば美優はあまり自分のことを話さなかった。いつも聞いてくれてた。相談にのってくれてた。私は美優の何を知ってたの…?本当に理解してあげてたの…?「莉花…?」「あ、ごめん、」ゆっくりページをめくって目を走らせた。莉花は美優の字が懐かしく思えた。=====================================今日は中学の入学式、少し緊張した。今日からいつまで続くかわかんないけど、日記を書いてみようと思う。二年生になった。莉花、平太、翔とまさか一緒になるなんて!!よかった、本当に嬉しかった。でも、平太と別れてちょっとだけ気まずい…たぶん平太はあんま気にしてないよね。やっぱまだ好きなのかな?それもわかんないよ…一緒なのは嬉しかったけど、複雑…今日、莉花に言われた。平太が好きだって、最近仲いいもんね。大丈夫、応援できる…大丈夫、がんばれ!美優!もうすぐ夏休み、きっと部活ばっかだよなー、平太と莉花付き合うことになったみたい。おめでとうだね…よかった、よかった…=====================================《美優は平太のことほんとはどこかでまだ好きだったんだ、でも気持ちを閉じ込めてた。そんなこと一言も…》
2011.03.08
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またあの公園に来た。よく五人で遊んだよね…。「俺、大学県外にしようと思うんだ。まあ、あと二年以上先の話だけどな。」「そっちで暮らすってことだよね…?」「うん、とりあえず勉強頑張らなきゃだ。莉花は学校どう?楽しい?」《翔はいつもそうだ、お母さんみたいに心配してくれる。本当に優しい。》「楽しいよ。」「そっか…よかった…。影から心配してたって何も莉花の力にはなれてなかったよな。ほんと今までいろいろ黙っててごめん…」「翔は何も悪くない、自分を責める必要なんてない、私が早く気付いてればよかった。」「違うんだ…!」「え、」「俺、知ってた。…知ってたんだ。二人が莉花に内緒で付き合ってたこと、平太が浮気してたこと、知ってて何もできなかったんだ。」もう二度とあの頃には戻れない。時間はどんどん進んでいくことしかしない…。================================いつからなのだろう…、確信を持ち始めたのは、好きな人をずっと見てればその人が誰を思っているかぐらいはだいたいわかってきてしまった。俺は美優が好きで、美優が平太のことを心のどこかでまだ想っていることぐらい気付いていた。でも、俺だって信じたかった。親友のことを…おかしいと思ったのは莉花が委員会かなにかで学校に残るとき、美優と平太はこの公園で待ち合わせして一緒に帰っていた。お互いの家にも遊びに行っていたはず。昔から平太と美優は仲が良かった。少しの期間だけだったけど付き合っていたこともあった。両親も周りもそんな疑うこともなかった。莉花とも順調に付き合っていたから…。でも、その回数がどんどん増えて、手をつないだり抱き合っているところも見てしまった。ショックとともに俺と莉花を裏切ってることが許せなかった。「平太、今日時間あるか?」「ああ、」「どういうことだよ」「何が」「お前、美優と付き合ってんのかよ」この言葉に平太も顔色を変えた。否定してくれた方がよかったのかもしれない。でも、「あ、ああ」「莉花は知ってんのかよ」「知ってるわけないだろ」「黙っててか…?美優もそれでいいのか…?」「美優が黙っててほしいって、莉花との関係もそのままでいてほしいって言われた。」「なんだよ、それ、そんなん誰も嬉しくねえだろ!!」「わかってる、でもどっちも大切なんだ」「大切??ふざけんな、誰が傷ついてると思ってるんだよ!莉花だろ!大切な莉花を傷つけてるのはお前だぞ、平太!!!それに、美優だって…こんなことして幸せなわけないだろ、…なんで言ってくれなかったんだ、俺が美優のこと好きなの知ってただろ、平太が美優のこと好きになって付き合うのはいい、でもこんな形では許せない…なんでだよ…平太…俺たちって何なんだよ…」「ごめん…翔…ごめん…。」平太は謝ることしかしなかった。わかってくれたと思っていた。なのに、まだ二人はずるずると関係を保ち続けていた。================================「俺も、何を信じていいのかわからなくなったよ。わかってくれたと思った。平太はそんなやつじゃないって、なのに…わかんなくなった。もう、二人がわかんねえ…」そう言いながら翔は涙を流していた。《私だけじゃない、翔も知ってた分辛かったことがたくさんあったんだね、こんなにまで周りを傷つけてそこまでしても二人は一緒にいったかったの?友情なんてもうなかったのかもね…》「翔…」「莉花に話そうかと思った。でも、二人が考え直してくれたらって、知らないことも大事だって思っていた。けど、あんなことになるなら早く言っておけばよかった。そしたら、二人が死ぬこともなかったかもしれないし、莉花もこんなに傷つくことはなかった。俺があの時…」「翔、翔のせいじゃないよ。もう、やめよう、自分を責めるの、私もずっと自分のせいだって思ってた、今でも思ってる。でも、もういやだよ。何より翔がそうやって自分を責めてるのを見るのは辛い…。裏切られて死なれるほど辛いことってないね…いつまで私たち二人に縛られ続けなきゃいけないんだろう…好きな人にも親友にも裏切られて何を信じていいのかわからなくなっちゃった…」《あの日々がすべて偽りに思えてきてしまった。本当に親友だったの…?ねえ、美優》====================================「平太って本当に莉花のこと好きだよね。」「え?」「私と付き合ってた時そんな優しくなかったもん、」「どうして別れたの…?」「莉花のこと好きになったからでしょー?その前にもう友達だったんだよね。付き合っても前の関係のままだったから、友達に戻ろうって。」「そうなんだ…」「莉花はずっと続く限り頑張ってよ!!」「ありがとう」====================================あれも嘘だった?心の底から思ってなかった?もう、何が本当なのか嘘なのかわからない。人の気持ちに永遠なんてない。わかってる、わかってる、でも信じたい。これだけ裏切られてもまだ信じたいって思う、これまでつくりあげてきた関係を嘘にするのが怖かった。
2011.03.07
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きっともう二度と行くことなんてないと思っていた。逃げてるって思われてもいい。二人がいないことを実感したくなかった。また、行くことが怖くなった。でも、そんな時は修二の言葉を思い出す。電話がかかった。「もしもし、」「久しぶり!莉花、俺、翔」「か、翔!?うそ、久しぶり、びっくりした」「ゆかりから聞いたんだ、一回忌行くんだろ。」「う、うん…。」「今まで何度も莉花に会おうと思った。でも、会えなかった。本当は言わなきゃならないことがたくさんあったんだよ…。なのに、俺、莉花からも逃げてた…。ほんとごめんな、莉花に言話したいことがある。」「ううん、翔が謝ることなんて何もないよ。私もずっと逃げてきた。翔はそばにいてくれてたのに翔からも逃げてた…少しずつだけでもいいから成長したくて、二人に向き合いたくて…まだ怖いんだけどね。」「うん、俺もずっとこのままじゃいけないと思う。時間はかかるかもしれないけど、少しずつ変わっていきたい。」翔と話して心の中が少しだけ晴れた。二人がなくなってから一年―心の中はまだあのときのままだ。「莉花、」でも、今私のことを大切に思ってくれてる人がそばにいる。そのことは大切にしたい。「行こうか。」「うん、」久しぶりにこの道を歩く。よく一緒に帰った。自然と足取りが重くなっていた。「莉花?」修二が心配そうに莉花の顔を覗き込んだ。「大丈夫、うん、大丈夫」莉花は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。《ここまで来た、もう後戻りしたくない。前に進みたい。》平太の家に着いた。美優と二人同時に行うことになっていた。「り、莉花ちゃ…ん?」平太の母親が驚き、今にも泣きそうな顔で莉花を見た。「お久しぶりです。長い間こちらに伺うことができなくて本当にすみません。」「いいのよ、平太も喜ぶわ。修二くんもわざわざありがとう。」平太の母に奥の部屋を案内された。遠くからでもそこに平太の仏壇があるのがわかった。修二は先に行き、線香をあげた。莉花は仏壇のある部屋になかなか入れずにいた。「莉花、ゆっくりでいいから、平太にあいさつしよう。」とても優しく修二はそう言った。莉花はうなずきゆっくり部屋に入り腰を下ろした。写真の平太は優しい笑顔で写っていた。《平太、久しぶり。》莉花は何を平太に言えばいいかわからずそのまま立ちあがった。そのあと、美優の両親、ゆかり、翔、親戚の方がぞろぞろと部屋に入った。莉花と修二は部屋の片隅に座った。一年経っても平太の家の香りを覚えていた。《ああ、この香りだいすきだった…安心してた。》平太がそばにいる気がした。一通り終わったみたいで、人が動き出した。翔とゆかりが莉花のもとに来た。「久しぶり、莉花」「久しぶり」「もう、終わったみたいだ、今日、まだ時間あるか?」「大丈夫だよ。」「外で話さないか」翔の言葉に莉花は安堵した。この平太の匂いが強いこの場所に居続けるのはまだ莉花にとってはつらかった。翔は隣にいる修二に目を向けた。「雪村翔です。」「あ、北本修二です。莉花とは高校が同じで…平太とは昔…」「知ってます。平太に聞いたことあります。いいライバルがいたって。まさか莉花と同じ高校でこんな風に会うなんて」「平太が俺のこと…」「またゆっくり話そう、莉花、行こっか」「うん…」
2011.03.03
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