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FamilyやFriendなどのFで始まる言葉をテーマにした短編集で、直木賞受賞作。中年のおじさんと今時のひねくれた若者が事件をきっかけに関係を修復するという内容。よく言えば世代や世相を反映した心温まる物語で、構成もすっきりとまとまっている。しかし文学的な技術を評価すると、オヤジ狩りなどの現代語を多用して現代を描きながらも、リアリズムではないというご都合主義的な展開は白けてしまう。この小説を読んで勇気が出るという人は、現実でたいした困難を抱えていないのだろう。現実はもっと過酷で救いようがない。★★★☆☆
2007.11.19
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若い女性が老人と同居する話。おとなしい老人に金をたかるという人間の卑しさをリアルに描いている点は昨今の小説の中ではましなほうだ。しかし脇役の個性が強すぎて、主人公の印象が薄い。一人称なのに、主人公が状況を説明するだけで自分の内面は考察せず、描写にも文彩がないので、物語に盛り上がりがなくうすっぺらい仕上がりになっている。★★★☆☆
2007.11.19
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恋人が自殺未遂をするという話。青春小説で定型のパターンで、標準的主人公+変な友人+病気(もしくは精神病)の女性の3人の物語。主人公の青年はやたらと哲学者を引用していて若気の至り感を出しているものの、それがかえって物語のテーマを浅く感じさせる。主人公の考察がところどころに入り、エピソードとエピソードが断裂しているのも読みにくい。タイトルのモビイ・ディックも物語全体の比喩になっておらず、とってつけた感じになり、題名とラストシーンを関連付けるという古典的技法も失敗している。★★☆☆☆
2007.11.19
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芥川賞受賞作。同期の友人のどちらかが死んだら残ったほうがお互いのハードディスクの中身を消すという内容。主人公による一人称のナラティブで、読みやすく共感しやすいものの、その分第三者の視点からの描写や考察がなく純文学としての芸術性は乏しい。見所があるとすればハードディスクの記録と人生を重ね合わせるというクライマックスの部分だが、人生を記録としてとらえる小説は前からあるので特に目新しさはない。★★★☆☆
2007.11.19
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