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夜間飛行事業を進める男の話。危険な夜間飛行を実現するために私情をなくして事業を進める支配人の苦悩と、支配人の信頼にこたえて夜間飛行を決行するパイロットの勇気をよく表現している。作者がパイロットというだけあって、嵐に巻き込まれたパイロットの恐怖や勇気には抜群のリアリティがある。吹雪を灰色の炎と表現するなど、比ゆの感性も秀逸。処女作の「南方郵便機」は頻繁に段落が変わり、長い割りに見所が少なくストーリーの構成が甘い。★★★★☆
2008.08.24
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へらへらしたエッセイ。文体こそ日常とは異なる言葉遣いをしているものの、目新しい視点があるわけでもなく、へらへらしている作者の日常と人間性に飽きてくる。後半になると文学や音楽について芸術観が垣間見えて、その部分だけはよかった。★★★☆☆
2008.08.24
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袋小路に住んでいる男に恋する女の物語。小説家を目指しているだらしない男を世話をする女の心情をうまく描いているものの、だからといって感動する要素があるかというとそうでもなくて、よくある話の粋を出ない。無駄に感動させようとする小説よりはましだけれど、どこかにクライマックスがほしくなる。★★★☆☆
2008.08.24
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不倫の末に自殺するアンナとその周囲の人たちの物語。視点を変えて登場人物の魅力と欠点を余すところなく書き出すだけでなく、犬の思考まで書くユーモアもある。恋や失恋に起因する物語のプロットの豊富さ、登場人物の生い立ちから恋愛観・政治観までもを書き分ける描写の緻密さもよい。物語の中心となるアンナの恋はいつの時代に読んでも共感と反感を呼ぶ普遍的テーマとして魅力がある。リョーヴィンの思考の中にトルストイの思考が反映されていて、政治に関する議論も当時の世相をよく反映しており、リアリティがある。難点を言えば文体に変化がないので途中でだれやすいことと、女性読者にとって政治の話題はつまらないだろうという点くらい。★★★★★
2008.08.21
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インドのガンジス河への旅行ツアーの話。ツアー参加者の各々の物語を書いているものの、表現が浅薄でテーマを書ききれておらず、読みやすいけれど面白さがない。病気、輪廻転生、キリスト教、戦争はそれ自体をひとつのテーマとして追求できる素材であるにもかかわらず、各場面のハイライトだけを集めただけで終わってしまっている。また登場人物が多い割にはツアー参加者同士のつながりが無く、登場人物の多さをプロットとして活かせていなく物語がまとまっていない。タイトルの深さが内容の浅さに対するよい皮肉になっていて、なおかつディープ・リバーという副題も本のつまらなさをうまく表現していて作者の表現力に感服させられる。★★★☆☆
2008.08.21
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高校生が東大進学を諦めて、女性を守るために性に奔放な社会に対する反抗を決意する話。自分を優等生だと自認する一人称のちゃらちゃらした文体が鼻につくうえに、当時の情報を知らないとゴーゴー喫茶とかピンキラという固有名詞がまったくわからない。今となっては安田講堂が左翼学生に占拠されたときの同時代の人間が昔を懐かしむ以外は読む価値は無いだろう。★★★☆☆
2008.08.21
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さよならアメリカと書いてある袋をかぶって生活する男の話。いきなり広辞苑の袋の定義を引用するという芸の無さにあきれるだけでなく、物語のリアリティのなさ、警察に捕まって病院に収容されて全部妄想だったというプロットの貧弱さにもうんざりする。某巨大掲示板のくだりもまったく書く必要が無いし、どうせ書くならひきこもりについて真正面からちゃんと書くべきだろう。大学生の同人誌レベルの内容で、読むに耐えない。★★☆☆☆
2008.08.21
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田舎の秀才が神学校に進学し、悪友との交際を禁じられて精神病で退学して、職人になって死んでしまう話。ヘッセの人生を元にしたフィクションだけにリアリティがあるものの、懐古的な色調が強く、フィクションとしてテーマを描ききれていない印象。★★★☆☆
2008.08.12
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けちな老人が幽霊につれられて自分の未来をみて改心する話。少年少女向けとしては良いかもしれないが、結末が安易に予想できる上に道徳色が強くて面白みがない。★★★☆☆
2008.08.12
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にんじんと呼ばれる少年と家族の物語。にんじんなりに家族の役に立とうとするが母親への嫌悪が決定的になり、ついに反抗するものの、父親のにんじんに対する助言が大人になるまで我慢しろというもので、家庭の問題が解決されるわけでもないので読後感はよくない。★★★☆☆
2008.08.12
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夫のために内緒で金を借りた妻の話。妻は夫の人形であることをやめ、世間にでて自立することを決意するというラストシーンは今になってはたいして目新しい結末ではないけれど、それ以外にも見所が多いので面白い。銀行員が妻を脅すのはサスペンスになるし、妻が必死に秘密を隠しながら踊るタランテラの狂騒振りはコメディーになるし、妻と医師、妻の友人と銀行員のラブロマンスにもなる。プロットが都合がよく展開しすぎている感じはあるものの、登場人物の個性がプロットに生かされていてよい。★★★★☆
2008.08.07
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海賊が隠した宝を探しに宝島にいく話。海賊たちの悪人振りが生き生きとしていて面白く、主人公で語り手のジム少年も海賊に負けないほどの存在感があるのがよい。秘密、裏切りなどプロットの変化が充実していて、海賊たちのジャーゴンもまた冒険の彩りとなっている。★★★★☆
2008.08.07
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エッセイ集。『不意に吹く風』は30代にデビューした後の芥川賞受賞の様子、『急な青空』は50代になって老いてうつ病になり集中力が持続せず小説を書けずにエッセイを書くに至るまで、作者の小説観、人生観が素直に書いてあってよい。『急な青空』は歳をとって毒気が抜けたような印象で、老いやうつ病について自嘲的な点がくどく感じられる。★★★☆☆
2008.08.04
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