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隣に引っ越してきた年上の令嬢に初恋をする話。いまでいうツンデレ嬢に振り回されたあげく父親が恋敵だったという救いようのない物語で、見所といえば初恋にのぼせあがった主人公の痛々しさくらい。みんなで初恋の話しようぜ→話すのいやだから手帳に書くことにするという冒頭の場面は展開が不自然な気がするし、その後のフォローもないのはどうかと思う。★★★☆☆
2008.12.24
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ニーチェの著作からアフォリズムめいた文章を抜き出した本。断片的すぎて何を言いたいのかよくわからず、普通にニーチェの本を読んだほうがまし。★★★☆☆
2008.12.24
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国連で働く女性の話の表題作のほか5編の短編集。ストーリーテラーとしては完成度が高く、行動描写は簡潔でわかりやすいし、時間の処理もスムーズで基礎技術ができている点はよい。各短編の結末をいい話としてまとめている点も大衆作家としては実力を評価できるけれど、設定ありきのフィクションめいたリアリティのなさが興ざめする。この小説を芸術としてみた場合はデッサンにちょっと色づけした段階でしかなく、テーマや技術のオリジナリティもないので評価できる点は少ない。他の女流作家にも言えることだけれど、どう文章を表現するのか、どういう世界観なのかという作者の個性が見えない。★★★☆☆
2008.12.24
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在日の高校生が喧嘩したり恋愛したりする話。敵対視しているグループの女性が喧嘩が強い主人公に惚れるという展開は戦時中のプロパガンダに使われる手法で、ヒロインが一方的に主人公に惚れるあたりがうさんくさい。主人公は自分を在日と呼ぶ日本人を殺したいというくせに在日利権には触れておらず、始終主人公に都合のよい展開しかないところはできの悪いプロパガンダにしか見えない。さらに主人公の一人称で読者を意識して呼びかけたりする文体がプロパガンダ臭さに拍車をかけている。ラストシーンでは他人が在日をどう言おうが自分は自分だという実存主義的な結論に至るものの、この主人公はただ自分を客観視しないまま自分はかっこいいぞという自己肯定を吹聴しているだけのように見える。★★★☆☆
2008.12.24
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ロリコン写真家が離婚して田舎に帰って少女の劇の監督をする話。センセーショナルなテーマだけれど、テーマそのものよりも文体と構成に根本的な欠陥がある。物語における現在はどこか、というと物語っている主人公自身だけがリアルタイムで、物語自体は既に起きたこととして語られ、なおかつ比喩ではぐらかすように描写しているので臨場感がない。また小説が2部構成で、1部でロリコンを非難され、2部で自殺するかもしれないほど友人との別れを思いつめている少女を助けようとする。1部の最後で主人公は知人からロリコンで死んだ子供がいると非難されて、2部では反省したように見せかけているが、既に出来事が終わった後で主人公は物語っているということは、この物語は主人公がロリコンを反省して立ち直る過程を書いているのではなく、ぜんぜん反省していないまま自己正当化しながらうだうだと読者に物語っていることになる。この一人称の文体が物語全体に胡散臭さをかもし出していて、物語をつまらなくしている。★★★☆☆
2008.12.17
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不倫をする男が不倫相手と結婚する話。二組の夫婦が中心的登場人物で、展開が限られているためにプロットとしての面白みはなく、そのぶん心理描写しか見所がないのだけれど、男性も女性もうだうだするだけでうんざりしてしまう。会話が中心で無駄に一つ一つの場面が長くて飽きるし、長い割には登場人物たちの魅力的な点が描ききれていない感じがする。主人公の心の中の対話のカタカナの羅列も読みにくいし、描写の比喩もいかにもアメリカ的な誇張じみたものでストーリーと調和していない。★★★☆☆
2008.12.16
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恋人に送った絵葉書の冗談のせいで共産党を追放された男とその友人や恋人の話。登場人物が交互に一人称で語る文体で、いかにもクンデラらしく章立てがよく構成されているものの、序盤にいきなり別の登場人物の話になるのは筋がわかりにくい。後半になってそれぞれの登場人物の過去やその後の人生が明らかになって、登場人物同士のつながりがはっきりして面白みが増すものの、プロットの収束が遅く、読者の理解を補足するような作者のフォローも少ないので読みにくい。個人と社会、愛と憎しみというテーマが豊富なエピソードで存分に描写されているのはよい。★★★★☆
2008.12.15
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親戚の老婆の家に居候するフリーターの話。一人称で時系列順に物語が進行する文体で、章立ての構成がゆるく無駄が多い。主人公は恋愛にこだわるくせにセックスの描写はセックスしたというだけで具体的なことは何も書いていないなど、書くべき描写と書く必要のない描写の取捨選択がアンバランス。母子家庭なのに父親について言及されていないというのも不自然。たしか島本理生の『リトル・バイ・リトル』も母子家庭だったけれど、それと似ていて男性や父性という観念が抜けおちている印象。社会、家族、個人を考察した末に母子家庭の主人公を描いたというより、母子家庭のほうが書きやすいから、あるいは中年男性が書きにくいからそういう設定にしているだけなのではないかと思ってしまう。恋愛にしても物語に彩をつけるアクセサリー程度の扱いでしかなく、世界観が偏っている。その偏りは登場人物のリアリティというよりも単に作者の技量不足によるものだろう。★★★☆☆
2008.12.15
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主人公アニェスと妹と夫の愛や死の物話をゲーテとヘミングウェイの不滅についての挿話をまぜつつ展開する小説。作者が小説の中の登場人物と会話したり小説の構成を語ったりすることによって、フィクションと現実の垣根が取り払われた独特の存在感がよい。プールサイドの女性のしぐさからアニェスという人物が作り出され、徐々にアニェスの立場が妹と逆転していき、自殺をほのめかす妹が死なずにアニェスが死に、最後にまたプールサイドにいる妹の場面が描かれるというねじれた円環構造みたいなのも現代文学ならではの面白さ。物語展開の手練手管もみごとで、短い段落の一つ一つに印象的なエピソードや登場人物の思考が効果的にちりばめられていて飽きずに読み進められる。★★★★★
2008.12.03
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美大の学生が教授と共に前衛芸術の展示会に行く話。最後に作者はこれは小説ではなく芸術作品だと言っているので、小説として評価するべきではないのだろう。タイトルがなんとも前衛的。★★★☆☆
2008.12.03
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エッセイ集。のらくろやソビエト文学など、話題が豊富で読みやすい。★★★☆☆
2008.12.03
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太ったゲイとその友人たちがキャンプを計画する話。美容師がオカマであることが明らかになるのがナラトロジー的な山場になっているけれど、使い古された手法をあえて使う意味が不明。最後に急に視点がそれてしまい、それまで積み重ねてきた主人公の印象を薄くしてしまう。エンタメとしてはこういう読者だましが評価されるけれど、純文学としては逆効果。不必要な小細工をしないで初めから美容師がオカマだと明らかにした上でマイノリティが社会と折衝する姿を書くほうがテーマを表現できると思う。★★★☆☆
2008.12.03
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田舎で育った純朴な青年詩人が都会で恋をしたりしてまた田舎に帰る話。牧歌的な主人公の失恋や友情のリアリティはよい。しかし過去形で時系列順に淡々と語るオーソドックスな文体はストーリーの起伏が少なく、視点は主人公に固定されていて脇役のプロットが乏しく退屈。★★★☆☆
2008.12.03
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