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自身の価値観を貫いてわざと競争に負けた長距離走者の話のほか、底辺の人間が主人公の短編集。底辺でいじけている人間の世界観をよく表現しているのはよい。しかしストーリーテリングや描写技法は月並みで、表題作のほかは見所が少ない。★★★☆☆
2009.02.26
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家族と喧嘩して家出して木の上で生活するようになった男爵の話。弟が兄の木登り男爵から聞いた話を書き記したという形式の文体で、半信半疑なリアリティがあるのがよい。しかしその文体ゆえに外面描写中心になって内面描写が少ないのは物足りない。木の上で暮らすというユニークさと、盗賊や海賊との冒険譚が面白いものの、男爵の恋が終わってからはストーリーが散発的になり、尻つぼみに話が終わるのが残念なところ。最後にもう一工夫ほしい。★★★★☆
2009.02.26
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ドイツ軍の捕虜になったアメリカ人が四次元の視野をもつ宇宙人にさらわれて時間の旅をする話。未来を予見して死を「そういうものだ」として受け入れつつ断章的に物語が進むことによって、戦争小説にありがちな悲観的描写になりすぎず、主人公のとぼけた振る舞いのおかげでユーモアのある文体になっている。★★★★☆
2009.02.26
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探偵に間違われた推理小説家が依頼を引き受けて男を監視する話。この手の話はたいてい精神病がオチになるけれど、小説の面白さよりもただ精神病患者の話に付き合わされたという徒労感が残る。ストーリーそのものはたいしたことはないけれど、ミステリーを新機軸でとらえた点は評価できる。★★★☆☆
2009.02.26
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娼婦を愛人にする青年と、ジャズバンドをしている弟の話。性を露骨に表現する方法論はよいとしても、時代、青年という強調が露骨すぎてあざとい。冒頭のねちっこい文体や天皇云々という話が続くようなら読むのを辞めようかと思ったけれど、後半になってようやくストーリーとテーマが絡みだして読みやすくなる。★★★☆☆
2009.02.26
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野外露出して捕まった女教師の話。全知の作者が教師の過去を掘り下げつつ考察していく文体で、その文体ゆえに場面が途切れ途切れになって臨場感がまったくなく、登場人物に感情移入もできない。ノンフィクションでもないのにユーモアもペーソスもなく、かといって論考でもなく、面白い点がまったくない。ただ顔のない裸体たちっていう言葉を言いたかっただけなんじゃないかと思う。★★★☆☆
2009.02.26
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神童としてテレビに出て、後に俳優になった兄と妹の話。兄のゾーイーは聡明であるがゆえに周囲と相容れない妹フラニーの思春期の心の動きを理解していて、ジョークをまじえつつ愛情ある表現で妹をなだめているのがよい。★★★★★
2009.02.13
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円朝の幻の芝居噺の速記が見つかるという話。別の小説の登場人物が実在する人として書かれたり、現実とフィクションの境目がない独自のリアリティがよい。表紙のデザインも凝っている。★★★★☆
2009.02.13
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ガリヴァが小人の国や巨人の国に漂流したりする旅行記。読者の想像力を刺激する詳細な描写や、排泄などの下ネタのユーモアが面白い。童話でよく知られている小人国よりも、後半のヤフーの記述にこそスウィフトの皮肉がよく発揮されている。本を通じて現実の見方さえも変えてしまう魅力がある。★★★★☆
2009.02.13
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仕事をクビになったことを逆恨みする知人に付きまとわれる話。後半になってから徐々に面白くなっていくものの、ストーリーの本筋とは絡まない無駄な場面が多い印象。弟夫婦との諍いも主人公にとっては悩みの種ではあるものの、伏線として機能していない。★★★☆☆
2009.02.13
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野球選手などをテーマにした短編集。登場人物のユニークさは面白いものの、内容も技法も短編どまりで深みが足りない。荒くれ者のボクサーを描いた「チャンピオン」は短編にせずにせめて中篇くらいで仕上げればもっといい小説になっただろう。★★★☆☆
2009.02.13
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騎士グリュウがマノンに惚れて駆け落ちする話。グリュウの語った話を作者がそのまま書いたという体裁でグリュウの一人称で物語が語られるけれど、それは設定に無理があるように思う。貧乏な友人の金を踏み倒したり、詐欺をしたり、マノンの不貞の話というよりも語り手のグリュウのだめ男っぷりがひどすぎる。★★★☆☆
2009.02.13
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映画館で偶然出会った男女が恋愛の末に心中しようとする話。モノトーンの映画の場面から現実世界へと写り、同じ出来事を男側、女側それぞれから書いていく多元焦点化の手法で偶然の出会いを演出するのは見事な描写技術。ストーリーを追ううちに爆弾テロの犯人に行き着くというミステリ的面白さもあるけれど、借りた金を踏み倒したり妊娠させた女を見捨てたりする男のダメっぷりがひどい。そのひどさがまた悲しみをそそる。★★★★☆
2009.02.13
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