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喫茶店に住み込みで働く女性の話。一人称による文体。見る・見られるという構図で女性の羨望を書いているのはよい。しかし一人称がぎこちなく、なぜこの主人公は読者に向かって語るのかという一人称の問題点も考慮されていない。★★★☆☆
2009.11.30
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短編集。どの短編も三人称で女性が主人公。一昔前のオーソドックスな文体で、最後に思わせぶりな風景描写をしたりするあたりは古い手法だと思う。プロットありきで物語が進行していてリアリティに欠け、そのプロットにしても目新しさがなく、一話完結の昼ドラのような印象。いかにも小説的な展開だけれど、小説好きとしては小手先のプロット展開よりもリアリティを追求してほしいところだ。★★★☆☆
2009.11.30
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短編集。どの短編も女性が主人公で、一人称と三人称の差もたいしてない。筆致は安定しているものの技術的にはいまいちで、「流星」は取材したデータをそのまま列挙したような書き方が興ざめする。人の死を物語の中心にしているけれど、主人公は死の傍観者として存在しているだけで死そのものに肉薄しておらず、ただ死を感傷の装置として利用するだけで死生観が描かれてない。★★★☆☆
2009.11.30
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難聴の女優の自伝。年代順に耳が聞こえずに育った人間の考え方、感じ方を生き生きと表現していて、彼女の感情がよく伝わってくる。手話を禁じたフランス政府への反抗も道理が通っている。★★★★☆
2009.11.30
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50年代に芸術について講義した話をまとめた本。象徴主義による詩の考察が充実していてよい。★★★★☆
2009.11.30
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天才の病気について考察した本。古い本なのでしょうがないけれど、日本の論文にありがちな海外の研究紹介がメインになっていて独自の考察がなく目新しさがないのが難。天才についてもサンプル数が少なく、小説家の話に偏っているのも難。天才といわれた作家の波乱の生涯の小ネタとしては面白いけれど、研究書としてはいまひとつ。★★★☆☆
2009.11.30
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将棋の勝負どころや大局観などを語った本。将棋の話は興味深いけれど、ビジネスでも~というとってつけたようなビジネス話は蛇足。★★★☆☆
2009.11.30
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高校生がバンドをしたりテストをしたりする日常を書いた話。三人称で、主人公の視点を中心にした文章。アザミとチユキの視点がごちゃごちゃしているうえに名前がカタカナで誰が誰やらわからない。ストーリーに抑揚がなく冗漫になっていて途中で飽きた。歯の矯正の輪ゴムの色を変えたりするディティールはよいものの、プロットに生かせていない印象。オビで最高傑作と謳っているけれど、これが最高ならこの作家はこれ以上読む価値がない。作者が下手だというわけではなく、最高を安売りした出版社に失望した。★★★☆☆
2009.11.26
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結婚式や葬式によばれてどたばたする話。どたばたした、だから何なんだと思う。漫画でさんざんやっているようなことをいまさら小説でやったところで面白くもなく、コメディをやるならそれなりの文彩がないと小説で表現する必然性はない。表題作として読むほどの魅力はない。★★☆☆☆
2009.11.26
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平凡な主婦が隣の外国人に興味をもつ話。主婦の一人称による文体。主婦の自由や孤独を表現するなら三人称よりは一人称のほうが向いているかもしれないけれど、なぜこの主婦は一人称で語るのかという問題が考慮されていないので文体にリアリティがない。終盤になって急に話し言葉から比喩的な書き言葉へと変わるのも不自然で、それまで築いてきた展開が失速した感じがする。★★☆☆☆
2009.11.26
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音楽好きの女子高校生が30代になるまでにどんどん失恋していく話。一人称による文体で、章ごとに年齢を重ねていくストーリー展開。ストーリー展開の描写に無駄がなく、エンタメとしては完成度が高く、ドラッグや海外放浪などの末にはっちゃけて失恋している感じがよい。ところどころ引き合いに出る音楽も付け焼刃になっておらず、主人公の特徴として印象付けられている。しかしエンタメとしては十分でも、誇張のぶんだけリアリティが欠けている。人間は恋愛以外にも考えることはあるはずだけれど、それが十分に描かれずに恋愛の顛末に焦点が当たっているので、主人公の人間像がよく見えない。最後の落ちも予想がつく展開で、コメディなのか悲劇なのか中途半端で尻すぼみになってしまった。★★★☆☆
2009.11.26
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1960年代にユダヤ系アメリカ人のベンが領事館から家出して新宿をうろつく話。三人称の文体で、英語や日本語の考察が物語の合間に入る展開。家族から理解されず、日本人から見た画一的外人観によって日本人からも疎外される青年の心情はよく書けているけれど、物語の時系列がごちゃごちゃしていて整理されてなく、青春小説にありがちなひとりよがりな描写が多くなってしまっているのが残念。★★★☆☆
2009.11.21
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世界各地の人がどういう生活で何を食べているのかを書いたエッセイ。単なる食べ物のレポートで終わらず、政治経済歴史を踏まえて現地で知り合った人の生活を考察しているのがよい。★★★★☆
2009.11.21
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セックスの「行く」「死ぬ」という動詞を考察したエッセイとその他の短編小説。着眼点とユーモアはよいけれど、内容は軽い。「文体同窓会」「口の増減」などの文体の擬人化は面白かったけれど、セックス関連の短編はもう見慣れた感じがある。★★★☆☆
2009.11.21
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奴隷として拉致されたアフリカ人たちが船を乗っ取るもののアメリカに流れ着いて法廷で所有権が争われる話。三人称による外面描写中心の文体。特に文彩があるわけではないものの、映画のノベライゼーションとしてはまともな仕上がり。史実のインパクトがあり、さらに船上の反乱から法廷闘争へと自由を求めて戦い続けるストーリーの演出もよい。ただしアフリカ人の一人がキリスト教に改宗するくだりは蛇足で、アフリカ人の物語ではなく結局はアメリカ人の価値観が中心の話という印象。★★★★☆
2009.11.21
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年俸制による士気低下や民間人校長の自殺やIT系の過労死やうつ病や女性の職場などを取り上げた本。テーマが多岐にわたるのはよいけれど、肝心の原因究明や対処のための考察がやや足りない印象。★★★☆☆
2009.11.17
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30代の就職氷河期の人が昭和的価値観をどう乗り越えて生活しているかを具体例をあげていく内容。他の著作と関連付けたい意図はわかるけれど、タイトルと中身が合ってない。平成の時代に昭和的価値観が合っていないのは自明のことだし、昭和といっても64年間もあり戦前戦後の世代で価値観も違うので、昭和とひとくくりにせずに丁寧な考察がほしいところ。★★★☆☆
2009.11.17
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女性作家がアメーバのように分裂していく感じになる話。一人称で改行しないで書き連ねる文体。言葉を重ねたからといって小説の内容が豊かになるわけでもなく、無駄な文章が多く一層内容が希薄になっている。編集者との浮気も食事をとらないこともプロットとして展開せず、配水管に自分の死体があるというギミックも不発。主人公がただ錯乱しているだけでその先の思想もみえず、錯乱自体にリアリティもなく、だから何なんだといいたくなる。モダニズムまがいとしても薬やらエログロやらは今更という感じがあって新しさがない。★★☆☆☆
2009.11.17
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浮浪者に殺されかけて生き残った青年が自分は死んだことにして旅に出る表題作と他の短編。一人称でなかなか改行しない長い描写の文体。表題作はストーリー展開が外部環境任せで行き当たりばったり感があり、純文学というより二時間ドラマのサスペンスのような完成度。主人公が本気で自由を求めて逃げようと思っているならわざわざスラム街にいってめんどくさい連中に関わってないでさっさと他の町に行けばいいじゃんと思う。★★★☆☆
2009.11.17
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女性が会員制ホテルのフロント係をする話。一人称で主語を省略した文体。地下のホテルを異化することが物語の面白みとなっていてよいけれど、ホテルに勤めるまでの前置きが長い割りに落ちがしっくりこない。妹と義弟と姪の話が中心で、主人公かつ語り手の姉がどうしたいのかが見えてこない。★★★☆☆
2009.11.17
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三年間身籠っている女性の話。三人称によって姉の冬子と妹の緑子が交互に書かれる構成。三人称とはいえ、描写が一人称よりで冬子=私と置き換えてもなりたつような似非三人称。姉と妹の個性を分けてはいるものの、描写レベルで書き分けてはいないのが難点。半分は妹の視点なのに、妹の存在感が薄く蛇足に見えてしまう。文彩としてはオノマトペが目立つが、地の文が主人公よりのゆるい描写なので、頻度が多すぎて表現がいっそう幼稚に見えてしまい、うまく使いこなしているようには見えない。また冬子の父親が不在なことについて言及しないのは疑問。女系家族に男児が生まれたことが革命だとして物語に落ちをつけているが、父親についてはほったらかしになっている。なぜ夫は家族としてみなされず、男児は家族として受け入れられたのか、その辺がよくわからない。妹と浮気した徹の性器を切り落とそうとしたり、海くんを女装させたり、男性を女性化させるモチーフが出てくるものの、女性側の視点からしか描かれないため対話にもならず止揚もなく、フェミニズム小説としても家族小説としても消化不良な印象。妊娠中の浮気、遅産による母体の危機というのは普通の妊娠でもあることで、三年身籠るという主題をいかしきれていない。★★★☆☆
2009.11.10
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カメラマンと付き合う専属モデルの話。モデルの一人称で時系列順に語られる構成。特に文彩はなく平凡な恋愛エンタメどまりの内容。フェティッシュの対象としてのモデルというテーマをもっと追求できそうなものだけれど、一人称にしてしまったことで物語の視野が狭まり、個人のアイデンティティの問題として小さくまとまっている。結局は男頼みで主人公ならではの思想もなく、物語としての魅力は少ない。★★★☆☆
2009.11.09
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祖母の所に4人の孫が遊びに行く話。孫のうちの一人の視点の三人称で、時系列順の物語展開。ボケ落ちとでもいうような終わり方は落ちとして何度も使える技ではないけれど、この小説では実の親が違うかもしれないというシリアスさがぼけによってうまくはぐらかされている点で他の出生の問題を扱った小説との差異化に成功している。他の短編は少年の一人称がやや下手な印象。それでも正攻法による小説の仕上げ方をしていて、独りよがりにならない簡潔な描写、落ちを引き伸ばさずに余韻を残した終わり方など、短編として全体のバランスがよい。★★★★☆
2009.11.07
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食人事件の犯人と手紙をやり取りする話。作者の一人称で手紙のやり取りで進行していく形式。小説というよりは犯人の取材記で、特に文彩もない。当時は事件の真っ只中だったのでこれで十分興味を引いたのだろうが、今となってはフィクションとしてもノンフィクションとしても物語としての面白さがなく中途半端。カニバリズムへの洞察が浅く、人間的テーマとしてこの事件をとりあげたというよりも事件の尻馬にのって自作映画を宣伝しているようにみえる。★★☆☆☆
2009.11.07
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風俗嬢が主人公の短編集。一人称「あたし」で句点なしにべらべらと語る文体。物語にオチがなく、SMや変態のプレイを描いたデッサン止まりの内容。あとがきには風俗嬢たちは思想を探しているのだと書いてあるが、思想もなんにもない。★★★☆☆
2009.11.02
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北海道南西沖地震の遺児「花」が親戚の男に引き取られて親近相姦する話。各章ごとに登場人物の一人称で語られ、章ごとに時間をさかのぼっていく構成。しかしタイトルにある「私の男」の私を「花」だとすると、他の登場人物に一人称で語らせるのは悪手。しかもその一人称が下手で、特に美郎の章に下手さが際立っている。『僕、尾崎美郎は今年で二十五歳になる。幼稚舎からの一貫教育で大学まで出て、父の勧めでこの会社に入って、まだ三年目だ。』というくだりのように、章の始めのところで延々と自己紹介しないと気がすまないのはエンタメ作家に共通する悪い癖で、いかにも設定ありきの人物像という感じ。それをリアリティを壊さないように物語に入れ込むのが作家の腕だろうに、登場人物が読者に面と向かって独白してどうすんだとあきれてしまった。誰が誰に対してなぜ語るのか、という一人称の根本的な問題をまるで考えておらず、リアリティがない。全体を「花」の一人称にするか、三人称で書くべきだろう。津波やら親近相姦やらをテーマにするには作者の技術不足。小文字の「ぁ」や「ぉ」を使って会話文に特徴を出そうとしているのかもしれないけれど、それに頼りすぎてうざったくなっているし、他に文飾もなく技術的な見所はない。★★★☆☆
2009.11.02
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全26件 (26件中 1-26件目)
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