三角猫の巣窟
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大学生がテニスしたり恋愛したりする話。三人称の主人公視点。三人称なのに主人公の視点にしてしまったせいで話の広がりが乏しい。そのうえ主人公のアクチュアリティがないことが構造上の失敗になっている。普段の生活の様子が省かれ、実家から大学に通ってるのか、下宿で貧乏暮らししてるのかも描かれていないし、大学の授業風景もほとんど省かれていて、主人公は文学部らしいのだけれど何のテーマを専攻しているのかもわからない。途中で教授の葬式やらの場面が出てくるものの、授業風景が省かれてるので教授と学生たちとのかかわりがわかりにくく、関係ないエピソードが挟まっているような印象になる。視点を主人公に固定しても、その主人公にリアリティがなく共感できないのなら物語の大部分は失敗している。小説の焦点はテニスと恋愛なのだけれど、テニスの話題で小説を構成するほどの魅力はなく、脇役の駆け落ちやら会社の倒産やらをはさんで話をつないでいるという印象。恋愛にしても金持ちのお嬢さんというヒロイン像がステレオタイプでつまらない。セックス描写を省くのもよくない。終盤で結婚した元テニス部員の女性と主人公が不倫するのだけれど、ベッドに入ったと思ったら次の行では事後になっている。これもよく批判されるやり方だけれど、カマトトぶって山場をはしょるくらいなら最初から書かなきゃいいのにと思う。三人称の視点を主人公に固定しておきながら、青春群像っぽくいろいろな人物を描いたことで人物の掘り下げが浅くステレオタイプになり、伏線らしい伏線もなく、すべてが中途半端になっている。これぞ青春だ、というテーマをとりあげただけの素人だましの文章。★★★☆☆【送料無料】青が散る(上)新装版価格:540円(税込、送料別)
2012.06.28
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