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牛肉と馬鈴薯のどっちを食いたいかで理想を論じる男たちの話とその他の短編集。厭世自殺などの重いテーマを扱っているものの、登場人物についての説明不足と描写不足で物語性が弱く、登場人物間の人間関係もよくわからないままひとつの場面が展開して、オチもなく唐突に物語が終わってしまって読み応えが乏しい短編が多い。とはいえ、自然主義の先駆者としての才能は感じられる。物語の構成や描写手法はたいして面白くないものの、テーマの着眼点はよく、喜怒哀楽の人間の一面を描写しているところは自然主義らしくてよい。「酒中日記」は小学校の教師が金をたかってくる屑な母親に寄付金を盗まれる話で、他の短編よりは物語性があって面白い。「空知川の岸辺」は物語性は乏しいものの、北海道に自由な新天地を見出す明治時代の人の感動が表現されていてよい。他にも恋愛談(ラブだん)のようなへんてこな振り仮名があるのも地味に面白い。★★★★☆【送料無料】牛肉と馬鈴薯/酒中日記改版 [ 国木田独歩 ]価格:540円(税込、送料込)
2013.01.25
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「サド侯爵夫人」は母親の反対にもめげずに獄中のサド侯爵に首ったけの夫人を書いた話で、「わが友ヒットラー」はヒットラーが大統領になるために邪魔だった友人のレームを処刑した話。三島由紀夫らしい華美な言葉遣いは面白いものの、やりすぎな感じがリアリティを損ねているようで白けてしまう。有名人を題材にした劇なので目新しさや意外性もない。自作解題で作品を書いた動機や構成を語っているので、あとで読むとふうん、と思う。★★★☆☆【送料無料】サド侯爵夫人/わが友ヒットラー改版 [ 三島由紀夫 ]価格:452円(税込、送料込)
2013.01.25
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武夫が学校の倉庫に閉じ込められて外に出ると、町の人が緑色のあかなめのような宇宙人に乗っ取られていて、宇宙人につかまったけど白川青年と協力して宇宙船を壊した話。きちがいを連呼したり、クラスメートの名前が岩波、早川、河出だったりして、ところどころで作者が遊んでいるけれど、プロットが豊かになるたぐいの遊び方ではなく、ストーリー自体はとくに目新しくもない。前半でクラスメートや家族が自分のことを覚えていないというサスペンスを演出したのはよいものの、いざ宇宙人がでてくる後半のSFの部分になると、宇宙人がべらべらと侵略の目的を話したりして、物語が安易な方向へ失速してしまった。宇宙人が武夫に日本語で話しているのに最後に捕獲されて動物園にいるときは日本語を話せなくなっていたり、プロットの整合性もきちんとしていない。ジュブナイルということで手を抜いてるように見える。★★★☆☆【送料無料】緑魔の町 [ 筒井康隆 ]価格:651円(税込、送料別)
2013.01.18
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酒と食事と釣りと海外旅行についてのエッセイ。シモネタまじりでユーモラスに書いていて、作者が自分の好きなものについて書いている楽しさや作者の人柄が伝わってくる。楽しそうに話している人の話を聞くのは楽しいものである。昭和40-50年代に書かれたもので、東南アジアに比べて日本はラーメンやワンタンがまずいと言っているものの、この人が生きていたら現代のラーメンをどう評価したのか読んでみたいものだ。★★★★☆【送料無料】地球はグラスのふちを回る改版 [ 開高健 ]価格:578円(税込、送料別)
2013.01.18
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理系の大学教授の光介の大学に昔恋人だった氷見子が勤務することになって再会して、娘の事故をきっかけにして不倫する話。三人称。これから恋愛小説を書きますよという感じの説明的なひねりのない文体で、なおかつプロットも単調で、主人公とヒロインのどちらも内奥を書けていない。いかにも取材しましたという感じで理系の話題がちょこっと出てくるものの、プロットに絡むわけでもなく、登場人物の理系的思想が物語に反映されるわけでもない。作家の魂がこもってないでっちあげの恋愛話で、見所のない凡作。「マダム」に連載されたようだけれど、文芸誌でない雑誌に連載された小説ならこんなもんかという程度の出来栄えで、文庫で読むほどの価値もない。★★★☆☆【送料無料】氷炎 [ 高樹のぶ子 ]価格:560円(税込、送料別)
2013.01.04
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