三角猫の巣窟
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ナチからかくまってくれた使用人の田舎娘ヤドヴィーガと結婚してアメリカに亡命したユダヤ人のハーマンが人妻のマーシャと不倫していたら、死んだと思っていた妻のタマラが現れてごたごたする話。三人称。ハーマンが嘘をつきながら三人の女の間を行き来するので物語自体は慌しいものの、文体は~だった、~した、という過去形の連続で、抑揚がなく単調でつまらない。神を信じられなくなって生きる指針がないハーマンの死んでもいないがまっとうに生きてもいないという破綻寸前の生活を書くことによって間接的にアウシュビッツの悲惨さや精神的後遺症を仄めかすようなやり方で、そのやり方自体はよいものの、女性たちがハーマンのような薄情な嘘つきに執着する理由がよくわからないし、ハーマンが神を信じていないくせにユダヤ教の戒律に執着する理由もよくわからない。アウシュビッツの体験のトラウマで傷ついたもの同士で慰めあう感じなのかもしれないけれども、ご都合主義に見えてしまう。終盤で関係ない第三者がいきなり出てきて重婚の秘密をばらしてしまう点や、エピローグでいつの間にかマーシャが死んだことになっている点はごちゃごちゃになった物語を終結させるご都合主義的な力技で、プロットが不自然で心理描写も物足りない。男女それぞれの破滅ぶりが同情を誘うものの、小説としては面白くなかった。★★★☆☆【送料無料】敵、ある愛の物語 [ アイザク・バシェヴィス・シンガ- ]価格:530円(税込、送料込)
2013.02.09
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