三角猫の巣窟

三角猫の巣窟

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄

コメント新着

三角猫@ Re[1]:戦争反対について考える(04/02) 四角いハムスターさんへ 四角いハムスタ…
四角いハムスター@ Re:戦争反対について考える(04/02) お久しぶりです。 コメントはしておりま…
三角猫 @ Re[1]:善本位制について考える(08/02) 四角いハムスターさんへ 善本位制がうま…
四角いハムスター@ Re:善本位制について考える(08/02) 三角猫さんへ 中国は国家安全ために自国…
三角猫 @ Re[1]:善本位制について考える(08/02) 四角いハムスターさんへ 私は宗教国家の…
2016.01.05
XML
カテゴリ: 小説
作者が少女時代にフランス領インドシナのサイゴンにいたころに男物の帽子をかぶって愛人の金持ち華僑の32歳の中国人とやりまくったことや、やさぐれた上の兄や、上の兄だけを偏愛する貧乏な母親や、死んだ下の兄のイマージュを書いた自伝的小説。
基本的に「わたし」の一人称だけれど、三人称で自分のイマージュや他人の物語を展開したりする変則的な文章。一行空きを多用して回想が飛び飛びになっていて、何歳のときの話かという年齢もばらばらで、構成がゆるい散漫な書き方。これはこれで詩的な味があって、イマージュを描くという方法としてはよいものの、翻訳のせいもあるかもしれないけれども、もったいぶってほのめかすような文体が理解しづらい。元アル中の著者が70歳のときに自分の少女時代を書いた本だというテクスト外の情報なしでは書かれている内容が十分に理解できず、そのうえ重大事件については作中で仄めかされるだけで直接は書かれていないので、初見で内容を理解できるのはマルグリット・デュラスの他の小説を読んできたファンくらいだろう。作品単体で理解できるように書かれていないという点では読者に対して不親切。解説によると描写に矛盾も含んでいるらしいけれど、矛盾云々以前にいつの出来事なのかあいまいで、時系列を把握するのに手一杯でいちいち細部にまで気を配ってられなくて矛盾にも気づかなかった。
プロット自体は愛人との出会いと別れと家族への愛憎を書いたというだけで意外性もひねりもなくて、見所は達観した(つもりの)早熟な少女の感覚が書かれてあるところ。帽子や靴といった服装へのこだわりは女性らしい感性が書かれていてよい。しかし愛憎のテーマとしては下の兄と愛人への愛情の違いが掘り下げられているわけでもなく、上の兄や母への憎しみが昇華されるわけでもなく、あまり見所がない。外人読者は植民地時代の異国情緒やノスタルジーに面白さを見出すのかもしれないものの、その点は私にとっては面白さにつながらない。女性読者なら素直にロマンチックな感傷の物語として感情移入して楽しめるかもしれないものの、私は女性読者ではないから面白くない。中国人青年が兄者に対してヘタレすぎてまったく面白くないし、処女でないと結婚できないと親父の言いなりになるようなやつが性欲を愛と呼ぶのも気に入らない。
それにナボコフの『ロリータ』はロリコン児童ポルノ小説扱いなのに、これは15歳の初体験を書いてるのに児童ポルノ扱いされないのはなんでなのかよくわからない。アジアで優遇されているけど貧乏な境遇の白人少女の性的成長を書いた貴種流離譚みたいなものとして美化されてるんだろうか。男性目線でおっさんと少女の性交を書けば変態のロリコン児童ポルノ扱いされて、女性目線で少女とおっさんの性交を書けば美しいラブロマンス扱いされるのは不公平である。巷ではやたらと評価が高いけれど、この小説を傑作扱いしている人はロリコンのおっさんの愛を肯定しているのか聞いてみたいものである。三船美佳だってあれだけテレビでのろけてたくせにロリコンの洗脳から覚めて離婚するわけだし、ロリコンの性欲を愛として美化するのはどうかとおもう。
小説版よりも先に映画版を見たのだけれど、つまらなかったのでほとんど記憶に残っていない。というわけでもう一度映画版を見てみたものの、やはりつまらない。中国人がティンコでビンタしそうなむっつりスケベ顔のくせに気弱純情キャラという、外見と性格のミスマッチが不自然な感じで始終違和感がある。映画版が人気なのは中国人と別れた後の家族の面白エピソード(上の兄が使用人のドーを犯そうとしたとか、上の兄のギャンブルの借金で家を売ったとか、母親がひよこの飼育に失敗したとか)を省いたことで時系列がめちゃくちゃな小説版のわかりにくさがなくなってラブロマンスとしてまとまっているおかげだろう。しかしイタリアの巨匠ティント・ブラス監督が制作費46億円をかけた大作ポルノ映画『カリギュラ』を見たあとでは、ちょろっと濡れ場がある程度だとぜんぜん面白くない。

「わいせつ、もしくは公序良俗に反すると判断された表現が含まれています」と書き込みできないので、この場で楽天の言葉狩りに抗議しておく。これだから楽天はいつまでも3流IT企業なんだ。ティンコがそんなにわいせつなら三木谷はティンコもいで捨ててしまえ。ヴァッファンクーロ。

★★★☆☆

愛人(ラマン) [ マルグリット・デュラス ]

愛人(ラマン) [ マルグリット・デュラス ]
価格:810円(税込、送料込)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016.01.05 21:05:41
コメント(0) | コメントを書く
[小説] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: