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2019.01.12
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ZOZOTOWNの前澤社長がお年玉としてツイッターのフォロワーに100人に100万円づつ合計1億円を配ったけれど、この行為に賛否両論あるようなので私も考えてみることにした。

●他人に金をあげることの是非

前澤(以下敬称略)の1億円のお年玉キャンペーンは、金持ちが金を使うのは良いことだ、夢があっていい、という好意的な意見が多いようだけれど、そもそも金をあげたりもらったりすることは良いことなのかということから考えてみる。
アメリカだと寄付で節税できるうえに、ノブレスオブリーシュとして地位相応の義務を果たさないと名士として実業界の紳士淑女の仲間入りできないので、金持ちが慈善団体に寄付するのが一般的なようである。
日本だと昔は寺が孤児院や貧民院を兼ねていて福祉を担っていたので、寺への寄進が治世にもつながって、浄財が良いこととされて仏教が勢力を伸ばした。しかし今では宗教心が薄れているし、福祉は寺でなく行政がやるようになったし、宗教法人は税制が優遇されているし、信者が多い宗教は政治団体にもなっていて、宗教法人への寄付を良いこととも呼べなくなっている。特定の宗教団体に多額の寄付をしたら、下手したら善行をしたというより宗教に入れ込んでいる人扱いされて距離を置かれかねない。
援助交際やパパ活は金持ちのおっさんが貧乏なお姉さんにお金をあげる活動だけれど、しばしば当事者でない女性から批判されるし、私たちは買われたと当事者でさえ批判する。
親がニートの子供に金をあげることは合法であるにもかかわらず、企業は人手不足なんだから働かせて自立させろと無関係の第三者から批判されるし、親のすねをかじれるなんて夢があっていいねと肯定する人はあまりいない。
つまりは金をあげることが無条件で良いことになるわけではなく、誰が何の目的で誰に対していくら金をあげるのかという諸要素のうち、どれか一つの要素でもおかしかったら、他人に金をあげることは良いこととは言えなくなる。

1億円のお年玉の是非を考える時に、前澤が何の目的で、誰に対して、いくら金をあげたのかということが問題になる。私がよくわからないのが前澤がお年玉を配る目的である。「ZOZOTOWN新春セールが史上最速で取扱高100億円を先ほど突破!!日頃の感謝を込め、僕個人から100名様に100万円【総額1億円のお年玉】を現金でプレゼントします。」ということなので、ツイートを読む限りでは日頃の感謝が目的のようである。しかしその目的ならZOZOで買い物をした客限定で現金プレゼントの対象にするのが筋で、なんで日頃の感謝の対象にならないようなZOZOの客や従業員や取引先でない前澤個人のフォロワーがプレゼントの対象になるのか分からない。例えばZOZOで買い物した領収書をアップした人を抽選対象にするとかの方法なら顧客満足度が高まってZOZOの売り上げも上がると思うけれど、客でもない人に金を配って前澤が何をしたいのか意味が分からない。
前澤は途中で感謝する目的から夢を応援する目的に変わったようで、意識高い系の何かをやりたい人を恣意的に選んで金だけ配ってその後の夢の成否をフォローするわけでもなくて、エンジェル投資家とは呼べないずさんなやり方になっている。人によっては100万円をもらうことよりも前澤に経営のアドバイスをもらったり人を紹介してもらったりするほうが夢の実現につながるだろうに、金を配るだけというのは本当に夢の実現につながっているのか疑問である。
ということは日頃の感謝や夢を応援するのが目的でなくて、ツイッターのフォロワー数を増やして宣伝したいというのが本当の目的なんじゃないかと思う。600万ページビュー分のコンテンツにユーザーが興味があるかどうかわからない広告を載せるよりも、前澤に興味をもっている600万人のフォロワーに直接情報を発信するほうが宣伝効果が高いわけである。最終的に自分に1億円以上の利益をもたらすための宣伝が目的なら、そのために1億円を使うのは普通の営利活動で、別に良いことでもない。

●経営者の行動としての是非

ZOZOの株価は2018年の7月から半年で60%減っている。成長率が鈍化したり、ZOZOスーツが急に仕様変更してださくなってあまり流行らなかったり、オンワードがZOZOの割引を嫌って条件が合わなくてZOZOから撤退したりしたのもあって株が売られているようである。前澤が剛力と付き合って月に行くと言い出したりしたあたりから本業以外の話題で前澤個人のメディアの露出が多くなって、1億円のお年玉もZOZOのキャンペーンでなく前澤個人のイベントになっている。社長個人の評判を上げるのでなくて、会社の業績を上げて株価上げるために行動しろというのは投資家にとってはまっとうな批判である。
前澤の金の使い方への批判に対して、他人がどうこう言うことではないという意見もある。自分の金をどう使おうが個々人の自由なのは当然だけれど、金の使い方に経営者としての思想が問われるという点が個人と経営者では異なるわけで、金の使い方を他人がどうこう言うなという意見には私は納得しない。例えばカジノにはまって会社の金に手を付けた大王製紙前会長の井川意高とか、金遣いが荒くて何十億の報酬をもらっても満足しなくて日産からもっと金を引き出そうとして特別背任に問われているカルロス・ゴーンとかがいるし、経営者の権限が強いほど経営者の金遣いの荒さが企業の信用を損ねかねないわけで、特に上場企業の場合は広義での公人として経営者の金の使い方が批判の対象になるものだと思う。高須クリニックの高須克弥院長はサッカーのナイジェリア代表に支援金を出したりして面白い金の使い方をするけれど、金の使い方を他人からとやかく言われないのは非上場企業の経営者だからじゃないかと思う。

●マーケティングとしての是非

前澤の1億円お年玉キャンペーンは有名人がリツイートしてメディアにも取り上げられて1億円以上の宣伝効果があったと好意的にとらえる人がいる一方で、金でフォロワーを買っている、バイラルマーケティングだ、と批判的にとらえる人もいるようである。ツイッターの規約上は問題ないようだし、個人間の贈与なら景品表示法に違反しないようだし、バイラルマーケティングは一部の国では違法でも日本では合法なので、法的な問題はないようである。となると、金でフォロワーを買うことの倫理的な問題になる。
ツイッターは2018年の7月にフォロワー売買業者がフォロワー水増し用に作った偽アカウントを数千万個も削除して、芸能人のフォロワーが急に減って芸能人が金でフォロワーを買って人気者のふりをしていたことがばれた。業者からフォロワーを買うのがだめで、直接金を配ってフォロワーを買うのはよいのかと考えると、業者からフォロワーを買って影響力が大きい人のふりをするのは他のユーザーを騙す行為なので倫理的にだめである。直接金を配ってフォロワーを買うのは、フォロワー自身が条件に同意してフォローしたのだから倫理的な問題はないはずである。しかし平等な抽選だと思ったのに前澤にアピールして気に入られた人がもらえるなんて聞いてないぞ、と当選しなかった人が騙されたと感じて怒っているようである。マーケティングとしての瑕疵は前澤が当選者の選び方を明記していなかったことだろう。
今回は金持ちが1億円を配ったことで話題になったけれど、もっと規模が小さいのだとYouTuberがゲーム機のプレゼントを餌にして子供を釣ってチャンネル登録者を増やしたりしている。企業がSNSで懸賞キャンペーンをしてフォロワーを増やすのもよくあることで、企業は宣伝できるし、当選した人はうれしいし、外れた人も損するわけでもないし、ウィンウィンである。SNSで懸賞を使うマーケティングは規模の大小に関わらず今後も続くだろうと思う。
メーカーはよく商品プレゼントのキャンペーンをやっていて私も懸賞に当たったことがあるけれど、出版業界はそういうのをやらないのでもっとやってほしい。ろくに本屋に並ばないまま裁断される本もあるようだけれど、廃棄するくらいならキャンペーンとして配ればいいのにと思う。

●私が1億円お年玉キャンペーンに参加しなかった理由

合理的に考えれば、フォローしてリツイートするだけのわずかな労力で100万円をもらえる可能性があるのだからお年玉キャンペーンに参加ほうが得することになるけれど、私は参加しなかった。理由はいろいろある。

・私は貧乏なのでZOZOで買い物をしたことがないし、これからもZOZOを使うつもりはないので、私は前澤からお年玉をもらう筋合いがない。
・前澤が100万円を100人に配る目的が理解できない。私は自分が納得できないキャンペーンには参加したくない。
・私は逆張りするのが好きなので、話題に乗って他の人と一緒に祭りに参加したりするのが嫌いである。PayPayの100億円還元キャンペーンもソフトバンク絡みならうさんくさいと思って参加しなかった。
・私の夢は100万円でどうにかなるものではないし、夢の実現のために面識のない他人を頼る気もない。

というわけで、私は個人や企業が金を配って宣伝するのは営利活動として法律に則って好きにやればいいんじゃないのと思うけれど、他人に金をあげることが必ずしも良いことや夢があることだとは思わない。金をばらまく人や企業はうさんくさくて何か裏があるんじゃないかと警戒したほうがいいと個人的には思う。





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最終更新日  2019.01.12 12:50:37
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