Planetarium

小説2-1


『ピピピピピピピピピピピ・・・・・』
朝。カーテンの隙間から太陽の日差しが入り込む中、目覚まし時計が鳴った。
カチッ。時計のてっぺんについているスイッチを止めた、というか叩いた。鳴り響くのをやめる時計。
「う~~ん・・・あと5分~。」
さっきからずっとこの調子だ。ちなみにこの時計は1度止めても時計の裏側にある本当のスイッチを止めない限り5分おきに鳴るという小器用な時計だった。そして最初この時計は6時30分にセットされていた。
もう7時はとっくに過ぎていた。
そして何度目かの目を覚ますための音。
「う~ん。・・・ふああぁぁぁぁ。あ~よく寝た~。んっと・・・。」
やっとベッドから降りて酷使された目覚まし時計を見る。
「・・・しし、7時30分だとぉぉぉぉ!!?母さん起こしてよ・・・って今いないんだった!!」
今この少年の親は2人とも出張中だった。そのため遅れそうになっても起こしてもらう事もなくぐっすりと眠っていたというわけだ。
「と、とにかく学校遅れちまう!!!」
そう言うとすごい速さで制服に着替え、カバンを掴み、玄関へ猛ダッシュする。
ちなみにこの少年の家から学校までは走っても20分はかかる。校門が閉じられるのは8時15分。今の時間は7時40分。ギリギリだ。
「だあぁぁぁ!間に合えぇぇぇぇ!!!」
叫びながら家を飛び出した。そしてまたも猛ダッシュで歩道をひた走る。
この少年の名前は神風 リュウ。中学2年生になったばかり。髪色は黒に近い茶色。大雑把で大抵学校に行くのもギリギリ。
走り出して10分ほどたった。流石に疲れがきていた。しかし学校まではあと半分以上もある。
「もう・・・あきらめよっかな・・・」
そう思いながら道路の向こう側の河川敷に渡る。
こちらのほうが景色がよくランニングにいい。
・・・今のリュウの状態から言うと猛ダッシュからランニングになったことで間に合う確率はほぼ0になったのだが。
まぁもうリュウは半ばあきらめていた。このまま授業が始まるまでに学校に到着すればいいと思っていた。
・・・もう到着することはないことにも気付かず。
リュウのランニングの前方にまばゆい光を放つ柱が現れた。
「・・・?」
初めは目の錯覚かと思った。しかしそれは本当にあった。
「・・・何だ、これ・・・?」
その柱に触れようとすると中から腕が出てきて、リュウの手を引っ張った。
「! うわっ!!」
いきなりだったためリュウは柱の中に引き込まれてしまった。
そして柱の中には黄色の髪の女の子がいた。
そしてその子は唐突に言った。
「助けて。」
「・・・え?」
「いいから助けて。」
「いやわけわかんねぇし・・・ってうお!?」
いつのまにかリュウは透明なエレベーターに乗っていたかのように上に上がっていた。
「とにかく私たちの村へ来て。」
「いやなんで・・・」
「いいから!」
その子の言葉には妙な気迫がり、リュウは気圧され、何も言い返すことはできなくなってしまった。
・・・というよりいきなり睡魔が襲った。
「あ、れ・・・?なんかねむ・・・い・・・」
そしてリュウは気を失っってしまった。

-----第1話 完-----

以前書いたやつを加筆・修正加えました。
まぁとりあえずこんなんで・・・。


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