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2021年06月30日

映画ジオストーム。結局裏切り者がせっかくのシステムをぶち壊してしまうの件。

テーマ：今日の出来事(293220)

カテゴリ：生活

　日本ではあまり裏切り者というのは出て来ません。だが欧米は違う。獅子身中の虫だらけです。こいつが裏切り者だったのか、という展開が多い。疲れます。

　このジオストーム、気象コントロール衛星によって管理された地球が舞台です。温暖化などの環境破壊をアメリカ人らしい力技で解決しました。で、これが暴走し世界に壊滅的な被害を与えるのです。制御プログラムに巧妙なコンピュータウイルスが仕込まれるのです。

　巨大な竜巻、異常な気温上昇、異常な気温低下、熱レーザー、多数の雷、超巨大津波、東京には、どデカい雹（ひょう）が降ってきて観光バスがグチャッと潰されていました。その映像は迫力がありました。それと凍結した飛行機が墜落してくるのには驚きました。これらの映像を作っている時は楽しかったでしょうね。

　さてコンピュータウイルスは勝手に生まれたのではありません。裏切り者によって仕込まれたのです。ステーションの機能がおかしくなって当たり前で、謎がわかった途端にテンションが下がりました。私ならそもそも気象コントロールというシステムそのものに重大な見落としがあったという方がよかったと思います。軽い誤動作を狙った程度のウイルスがとんでもない異常動作を引き起こしたという方がドラマになったでしょう。裏切り者さえ予想できなかった展開をもたらしたわけです。

　完璧な気象予報ができたらそれだけで億万長者になれます。経済の動向が完璧に読めるからです。現実ではよく外れます。なぜか。私はカオス理論で考えています。つまり予報が出た段階で人々の行動が変化するわけです。雨が降ると予報が出たら車に乗る人が増えたり予想気温が高いと出たらエアコンをつける人々が増える、こうして気象情報の影響を受けた行動が放出される熱エネルギーの量の変化をもたらす。当然気流の具合が変わることになります。一人ひとりの変化は僅かでもそれらが積み重なって思わぬ力を発揮する訳です。気象変化の原因に人類の活動が坐視できないくらい関わって来ています。

　その上に気象をコントロールするシステムを重ねてしまったらもっと複雑怪奇になるでしょう。事故が起きて当然です。この映画での裏切り者たちの戦略は稚拙でした。つまるところ情報の独占を狙って世界を支配しようとしたのです。とんでもない虐殺となりました。特にコンピュータウイルスを仕込んだエンジニアは自分の給与の低さと待遇の不公平に怒っていました。その不満、紋切りすぎます。もっと彼なりの正義感が欲しかったですね。専門家なのですよ、一流の。

　アメリカでは裏切りというのが日常茶飯事らしい。奇跡的に成功した気象コントロールシステムすら破壊しました。映画では再建中ということですが、無邪気な話です。裏切り者をやっつけてはい終わりです。反省はないのでしょうか。映画自体はテスト・スクリーニングでの評判が著しく悪かったため巨費を投じて再撮影となっています。評判のどこがどう悪かったのかはわかりません。仮に私のような気象コントロールシステムそのものの欠陥がテーマではアメリカ人には受けないかもしれません。日本人の基本は時代劇ですが彼らのそれは西部劇ですから。