ベルサイユ宮殿とマリーアントワネット
誰もいない静かな日曜日、思い出に浸っています。
2年前のベルサイユ宮殿での一日です。
マリーアントワネットの離宮「プチ トリアノン」を訪れたことや
宮廷バロック音楽の流れる闇の中で繰り広げられた音と光のショーも忘れられません。
ベルサイユはパリから22キロの郊外なので
パリのモンパルナス駅から約1時間でベルサイユ・シャンティエ駅に着きます。
駅を降りて一日券を買い、キッシュやサンドイッチ、それにワインも買って宮殿に向かいました。

ひとたび門の中に入れば時間を超えた別世界に紛れ込んだようです。
ベルサイユ宮殿はルイ14世が建て、1682年には政府と王宮をそこに移しました。
1774年に国王となったルイ16世もマリーアントワネットと共に
この宮殿に住んでいました。
鏡の回廊、大理石の中庭、礼拝堂などその荘厳さには息をのみます。

夜の噴水ショーがある土曜日には
「王のセレナーデ」
というイベントがあります。
きらびやかな衣装をまとって
貴族や貴婦人に扮した男女が
鏡の回廊でバロック劇団が奏でる
宮廷音楽に合わせワルツを踊るのです。
王や王妃の寝室も豪華です。
目覚めても夢の中にいると
思ってしまいそうです。
それよりそこに横になっても
眠れないかもしれません。

宮殿の中を見たら庭園も
楽しみたいです。
宮殿を背にして見ると
庭はこの写真のように
広がっています。
一番奥、池の向こうに
ひときわ大きな噴水があります。
噴水ショーの後
23時頃からはその奥より
花火があがるのです。
樹木もたくさん植えられていて、
迷路もあり歩いていても飽きません。
人々は池のほとりや噴水のそばで
くつろぎ
夜の噴水ショーを待っていました。
庭園にはたくさんの噴水があり、一つ一つに物語があるようです。
噴水の周りはそれぞれに合わせて花や生垣が設えられています。

グラン トリアノン、隣のプチ トリアノンまでは
宮殿から歩くとかなりの距離があります。
園内を回っているプチ・トランというミニ列車には乗らずに
庭園の様子を楽しみながら行きました。
プチトリアノンはベルサイユ宮殿の離宮の一つで、
もともとルイ15世が寵愛したポンパドール夫人のために
建てられました。
しかしポンパドール夫人は完成を待たずに亡くなり、
後にルイ16世がマリーアントワネットに与えたのだそうです。
マリーは窮屈な宮廷生活を嫌い、堅苦しいフランス式の庭もイギリス式に変えてしまいました。

マリーアントワネットはスウェーデン貴族のフェルセン伯爵と恋に落ち、
庭にある「愛の殿堂」で密会を重ねていたとか..
コリント式の円柱に囲まれた中央のキューピッドの像が
二人の愛の橋渡しをしていたのかもしれません。
プチトリアノンの近く、農村に見立てて造られた「王妃の村里」も
宮廷生活を離れてのびのびと暮らしたいマリーアントワネットの希望であったといいます。
農場や納屋、家畜もいて水車小屋まであります。
王妃の家もありマリーと客人は田園生活を模して楽しんでいたようです。
そうこうしているうちに夕暮れが近づいてきました。
帰りはプチ・トランに乗って宮殿前まで帰り、水と音楽の競演の開始を待ちました。
空が暗くなってくると庭園のあちこちでライトアップが始まり
太陽神アポロンの噴水の辺りで一つ二つ花火が上がりました。
それを合図にバロック音楽が流れ始めます。
さあ、池や泉を巡りながら噴水の趣向を楽しむ園遊会の始まりです。

木立の間からドライアイスの冷気が霧の様に漂ってきたり、
彫刻がライトアップされ浮かびあがる周りに煙幕を張りレザー光線を当てたりする演出も。
庭のあちこちに配された池や噴水を楽しみ、中央のグランカナル(細長い池)を一回りして
夢のようなひと時を過しました。
アポロンの泉からラトーヌの泉まで
戻ってくる頃はもう夜半に近く
ちょうど満月だった月も昇っています。
いよいよ花火の上がる時間です。
花火は庭園の奥であげられるので
宮殿の前、庭より高くなっている所で
観ることにしました。
まだ人々がそぞろ歩いているうちに階段を上り見やすい場所を確保しました。
まもなく風もなく雲も見えない空に次々と色とりどりの美しい花火が上がり
ベルサイユでの夜の最後を美しく飾ってくれました。
またの機会があったらその時も噴水ショーのある日に訪れたいと思います。
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