今週の水曜日はいい天気、すこし寒いけどすっきり晴れてくれました。
月が変わってもう春、日差しが暖かいです。
天候がよくなると、散歩やちょっとしたハイキングにも行きたくなります。
近くの林の中に入っていくと、知らない花が咲いていたり、見慣れぬ鳥がいたり...
歩いた事のないところや道なき道を行くとワクワクするものです。
ネパールにいた時も知らない所ばかりを歩きまわったのですが、
なんといってもチトワンのジャングルツアーは
心臓の音が聞こえるんじゃないかと思うくらい緊張しました。
ジャングルウオーク:徒歩でのジャングルツアー
この前の日はカトマンズからバスで移動して、その午後にチトワンで一日中歩きまわり、
夜のカルチャーダンスまで楽しんだので夜は爆睡でした。
でも旅行となると、なぜかどこに行っても朝早く起きてしまうのです。
まだ誰も起きていません。
疲れているのになんでこんなに早く起きてしまったかというと...
誰かが窓の外につないだ牛のベルが、草をはむたびにきれいな音で鳴っていたからです。

部屋はこじんまりとしたワンルームで蚊帳がつってあります。
シャワーも使え、洋式の水洗トイレなのでまあまあでした。
このホテルは食事つきなので朝ごはんは食堂で食べることになります。


一番左の画像がレストラン、真中がミーティングプレイスです。
みんな開放的なミーティングプレイスで食事をするのが好きでした。
朝ごはんの後はその日のアクティビティについての説明もそこであります。
2日目の朝ごはんはトーストとプレーンオムレツ。
珈琲もおいしかったです。
朝食後に今日のジャングルツアーの注意がありました。
身軽にすること、飲み物を持っていくこと、大声を出さないこと、明るい色の服は着ないこと
特に象やサイに見つけられやすい黄色やピンクは...NG!
「象やサイは目が悪いから暗い色なら動かなければ見つからない。
だけど黄色やピンクの色を着ているとその人の方に突進してくるからね」
そう説明を受けみんな「OK!」「わかったよ~」と返事していたのですが...
出発時間に集まってみると明るい色の服着てる人がいたんです(;O;)。
それでも誰も注意せず、「ま、平気でしょ」みたいな感じで出かけました。
村のメインストリートを歩いていくとたくさんの象に行きあいました。
後ろからは「パッパッパッかパッか」と馬の引いた荷車も追い越していきます。
村の中にいる象はたいていはホテル所有の象かタクシーの様に使われている象だそうです。
しばらく歩くとビジターセンターへ着きました。
ここで様々なジャングルツアーや宿泊の情報を得ることができます。
「YOU ARE HERE」と書いてあるところが現在位置です。
1962年にネパール最初の野生動物保護区になり、
1973年に初の国立公園に指定されたチトワン国立公園。
南北23キロ、東西80キロにものぼるエリアはすごく広いので、
カヌーで1時間+歩いて2時間ほどのツアーではほんの入り口が覗ける位です。
ラプティ川の船着き場のはるか向こうにはマナスルがうっすら姿を見せていました。
ここから丸木舟に乗ってジャングルトレイルの入口まで行きます。

舟の後ろには竹ざおを持った船頭さんが乗り、舟を進めていきます。
舳先にはガイドさんが座ります。川を行く間にたくさんのことを話してくれました。
チトワンのこと、タルー族のこと、そして野生動物のことも。
川には肉食のカワワニと人を襲わないインドガビアルがいるそうです。
春はワニの産卵シーズンで、川岸の草むらの中で卵を産むのだということです。
中洲の近くや川岸には時折ワニの背中が見えましたが、
昼間なので陸にはほとんど上がらないとか。
船頭さんは親切にもワニがいると近寄ってくれるのですが安定の悪い丸木舟、
ワニの尾っぽの一撃でひっくり返ると聞いて縮み上がりました。
しばらく行くと水の中にサイがいました。向こうを向いて何か食べています。
舟はもう少し近くまで行こうと向きを変えすすんでいきます。すると...
「わぁ!なんて大きなサイなんだ!」と大声をあげた人がいました。そのとたん...
サイはくるっと舟のほうを向き、片耳を立ててじっとこちらを窺っているではありませんか!
「しぃ!だまって!はっきりは見えてないから、動かないで。動くと威嚇しに来るから」
みんなはじっとり汗をかいて沈黙。船頭さんはゆっくりと舟を遠ざけようとします。
サイは一瞬すばやくこちらへ向かって川の中を進んでくるように見えました。
でも少し脅かしただけで大きな体を岸の方に向けると草の中に入って行ってしまいました。
ああ、よかった。あんな大きなサイに舟腹をどつかれていたら、
船は転覆して、みんな中州や浅瀬で昼寝しているワニのエサになるところでした。
そのあとは、みんなさすがにひそひそ声になりました。
すると今度は大きな野生の象が川岸を歩いて行くのを発見。

反対側の中州にはきれいな孔雀がいたのですがみんな象に夢中です。

小さな声で「あの象どこへ行くの?」と聞くとガイドさんは
「僕たちの行くジャングルのほうに向かってるようだね」と笑いながら答えます。
象が踏んで茎がバキッと折れる音や、かきわける草の音が聞こえます。
耳をパタパタ振りながら確かにその象は私たち行こうとしている方角に向かっているようでした。
丸木舟はしばらくして接岸しました。

上陸するとガイドさんから注意がありました。
大声は絶対出さない、足音もたてないようにする、離れないで...
「明るい色の服を着ている人がいます。象やサイが突進してきたら木に登ってください」
「グループを二つに分けます。大人数だと動物はみんな逃げていきますから」
ウァンさんと同じグループになった私は、内心みんな逃げてくれていいと思ってしまったのですが
ここまで来たのですから仕方ありません。怖々ジャングルに入っていきました。

すぐに背の高さ以上あるエレファントグラスのブッシュに入りました。
さっきの象はこの近くにいるかもしれないです...
先頭にガイドさんが行き、少し後をみんなが続きました。
ガイドさんが立ち止まります。足跡です。サイの足跡がありました。
「近くにいるかもしれない、注意して静かに進んで。いたら動かないんだよ」
「ええ!動かないでいてこっちに来たらどうするの!?」
「動かなければたいていは行ってしまうけど、向かってきたらすぐに木にのぼるんですよ」
....だけど私たちのグループにはピンクのシャツ着た人がいるんですが....
クックック、...ホォーホッホ、...ケッケケケッケ...
ジャングルからは急にたくさんの鳴き声が耳に入って来るように感じました。
緊張して耳を澄ませていたせいでしょうか。
野生の声しか聞こえないジャングルを無言で歩いていきます。
武器はガイドさんの持った棍棒(杖)だけ....
草を踏みながら行く自分たちの足音も妙に大きく響いていました。
しばらく行ってガイドさんが立ち止まり「シィ!」と言いました。
みんなどきっとしてピタッと止まり、ガイドさんがゆっくりと上げる杖に注目...
その杖の先を見ると、そこには鳥のコロニーがありました。ふぅ、鳥か...

しばらく行くと木の実がたくさん落ちていました。
なんでもサイや鹿が好んで食べる木の実で、消化を助ける実だそうです。
「ていうことはこの辺にもいるのかな?」と小さな声で聞くと、木の幹を指して
「ここに傷があるでしょ?少し前に体当たりして木の実を落としたんだよ。
だけど足跡は向こうに行ってるからさんざん食べてからいなくなったみたいだね」
ジャングルという自然の環境の中で、野生のトラやサイなどの動物に会えるってすごい!
と期待して心弾ませこのウオーキングツアーに参加しました。
これまで1時間以上歩いても、まだサイにもトラにも象にも出くわしていません。
だけど本心はがっかりするどころかほっとしているのです。まだ先は続いているのですが。
こんな状況で急に大きな野生動物が現れたら、
生まれて初めての本当の恐怖を味わうことになるでしょう。
なんといっても足が速いんですから、かれら!
心の中では「どうか何にもこの先にいませんように」と願いビクビクしていました。
「まだまだジャングルは続くの?」と聞いてみると
「そうずっとず~と向こうまで、だけど僕たちはもうすぐ広い所に出るよ」
と言っているうちに360度の展望が望める所に来ました。
ジャングルの中にぽっかりと空いた見晴らしのいい野原には
動物から避難するためと休憩のために木で作られた物見台がありました。

見通しが利いて高い所に上るとなんだかほっとして急に疲れを感じました。
だけど野原の向こうにはずーっと向こうまでジャングルが続いていて
はるか先にダウラギリやアンナプルナのヒマラヤの峰々が見えるという景色は素晴らしかったです。
どこからともなくエネルギーが入ってくるようで、ゆっくりと疲れが取れていくのを感じました。
気持ちも落ち着き見回していると、近くの木の上にクジャクがいました。

その斜め下の枝にももう一匹とまっています。
「クジャクが木にいるってことは下になんかいるんだよ。トラかも」
とヴィシュヌがからかいます。
ベンガルトラは見てみたいものですが、
無防備な状況なので現れないでほしいと心から思いました。
物見台から降りたところには得体のしえれない足跡があったのですが、
もうそれがなんの足跡か聞いたりする勇気はありませんでした。
そこからまた30分ばかりジャングルの中を歩きました。
観光客を案内する徒歩のルートなので、危険なことはないと思っていたのですが
実際にサイや野生の象に丸腰で出くわす可能性も大いにあったのです。
周りに注意して心臓をドクドク言わせながら歩いていくとラプティ川に出ました。
(ホッ..)もう冒険はおしまいです(ワニはいますが)。
この後また丸木舟に乗って川を渡り、宿まで帰りました。
しかし、あんまりはっきりした記憶がありません。
きっとジャングルから出た途端、安心して頭が緩んでしまったのでしょう。
この日はほかのアクティビティにはな~んにも参加しませんでした。
村へ帰ってからはお昼を食べた後、散歩をしたり、
他のホテルに泊まっている方たちと話したりして過ごしたのです。
次の日には象に乗ってジャングルへ入っていくという計画がありました。
ですから夕食後の夜もゆっくり過ごして
ヴィシュヌやヤユイさんのトレッキングの冒険話を聞いたり、
ピンクのシャツをきた勇気あるウァンさんがどれほど私をビビらせたか
笑いながら話した後はさっさと早寝をしたのでした。
さてさて、また長話になってしまったようです。
ネパール旅行は印象に残っていることが満載だったのでこれでも書き足りない位....
最後までおつきあいくださりありがとうございました。
次の象に乗ってのジャングルツアーもよろしければお付き合いください。
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