MAGI☆の日記

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未定



STAGE0.911 ミレイとの際会

私が初めてこの地を踏んだ時も同じ風を嗅いだ。かつて日本と呼ばれたこのエリアは春になると一面がほのかに甘い嵐に洗われる。そう、あの日もこの学び舎は柔らかな陽に見守られ、舞い散る桜色の欠片達の中にその少年は立っていた
ルルーシュだ
聞いてるわ、ランペルージ君ね。私、ミレイ・アッシュフォード。はじめまして今日はおじいさまから学園を案内するようにって…
前置きはいい、時間を有効に使いたい
その新入生はこのアッシュフォード学園理事長である祖父が以前とてもお世話になった方の子どもだという。初対面、しかも年上の女を前にして懸命に大人びようとするその表情に大丈夫、優しく教えてあげるからなんて。思えば、その時の私はまだ彼のことを何も知らなかった
緊張しなくていいのよ。学年、1個しか違わないから
中等部…?
そ、2年。高校生だと思った?発育いいでしょ。ほら、バストとか、腰から腿にかけてのラインとかも。目、逸らさなくてもいいって。見られて減るもんでもないし

風で ミレイ のスカートが捲れてしまう。
ねぇ、見えた?
減るものでもないんだろ
そ、そうなんだけど…そこまで平然とされるのも何だか…
案内するなら急いでくれないか。早く戻りたいんだ
この頃、私は自分のことを懐の広い女だと思っていた
そ、それじゃ…このアッシュフォード学園は
創立経緯、生徒数、教師の数、敷地の総面積、概要データは自分で調べられる。知りたいのは校舎の配置と施設の詳細だ
それは調べられないの…?
その手の情報はテロの格好の資料になるから非公開。何だ?学園町の孫にクセにそんなことも知らないのかい?
私は懐の広い女になりたいと思っていた
じゃ、まずはとっておきをご案内。眺め最高の屋上から
必要最低限の場所だけ教えてくれればいい。後は通学すれば覚えられる
懐が広くなくったって立派に生きている人は大勢いる
あなた、友達いないでしょ
関係ない
あ、そう。やっぱ、いないんだ
ブリタニア人にはな
え、何それ?
敷地は石畳、ところどころにギャップがあるが校舎への出入りは階段、スロープと手すりも必要か
じゃ、ご希望通りに手短に。こっちの校舎が中等部と初等部で、向こうが高等部。ファイトーの掛け声が聞こえれば体育館、美味しそうな匂いを辿ればそこが多分食堂。後、学生寮はあの辺。詳しい事は寮長さんにでも…
寮?
うん、うちの学園は全寮制よ。男子寮は左の建物、ちなみに右が女子寮
聞いてない、そんなこと
パパやママと離れて暮らすのは嫌?ダメよ、このアッシュフォード学園は自由と自立の精神を重んじる所なの
女子寮に俺が出入りする事は?
男子禁制に決まってるでしょ。男子寮に女子が入る事だって…
なぁ~んだ、クールぶってるけど結局頭の中は思春期の妄想でいっぱいなのね
…っ
ちょ…ちょっとどこに行くの?
もういい
あ、ごめん。もうからかわない
この学校には入らない
ちゃんと案内するから
こんな学園には入学しないって言ってるんだ
どういうこと!?ちょ、ちょっと待って
お前のせいじゃない。馬鹿だったのはのこのことやって来た俺の方だ
待ちなさい!!どこのお偉い貴族の坊ちゃまか知らないけど、理由くらい教えてくれたって…
アッシュフォード氏から聞いているだろ!!知っているくせに!!
分からないから、教えてくれって言ってるの
お前もそうなんだろ!?
え?
お前達まで…俺達を…
俺達?
…くっ
お兄様
ナナリー!?
車椅子…?
あ~、良かった。迷ってしまうかと思いました
ナナリー、すぐ帰るから待っていろと言っただろ
ごめんなさい、でもとってもいい香りがして。これ、桜が咲いているんですね
あなた…
アッシュフォードの方ですか?ナナリー・ランペルージです。座ったままで失礼します。足と目が不自由なものですから
そう、それで手すりとかって
分かったろ。ここではダメなんだ、俺達は
お兄様…?
ナナリー、残念だけどこの学校は…
待った!!ホントにもう、大変ね、ナナリーちゃんも。こんな意地っ張りなお兄ちゃん持っちゃって
え?
何!?
ちゃんと言ってくれればいいのにって言ってるの。素直じゃないんだな
俺達の事は…
放っとかない、放っといてなんかあげない。任せて、私が何とかする、約束する。だから…信じて
お兄様…?
もう分かった。じゃ、信じなくていい
えぇ!?
私に賭けてみてよ。損はさせないから、絶対
何を?
もしも私が負けたら、そうね…お金も地位も名誉もあげられないから
この身体で返すわ。 決まり!!行こう、ナナリーちゃん。車椅子、押してもいい?
あ、はい
向こうの庭園の所にクラブハウスがあるの。おじいさまに頼んでみる。きっとそこなら2人で…
信じていいんだな?
なぁ~に?聞こえな~い
ありがとう
ううん、こちらこそ。ようこそ、アッシュフォード学園へ

あれからこの学び舎には幾度が桜の風が舞って、彼の背丈も私を追い越した。それでも、可愛げなくて尊大で、そのくせ妹のこととなると大わらわ。少しも変わってない。だから…そう、私は見逃さなかったのよ。あなたがその言葉をくれた時、ちょっぴり頬を染めたことを。でも、ルルーシュ、あなたはきっと答えるんでしょうね。暖かな春の日差しに少し火照っただけだって











































































































































































































































































































































































































































































































































































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