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阿刀田高「ホメロスを楽しむために」 先週、エイベックスの総会の待ち時間に読んだ 阿刀田高さんの「新トロイア物語」が大変面白かったので、 阿刀田高「新トロイア物語」・・・「イリアス」「オデュッセイア」「アエネーイス」のエッセンス 「ホメロスを楽しむために」を手に取る。 ホメロスの生まれた年・・・ 西暦前1159年から西暦前686年までを両極端として、この500年の間に諸説あり。 現在では、西暦900年から800年くらいと考えるのが通例。 ホメロスの生まれた場所・・・ 8ヶ所ぐらいが候補地になっているが、 阿刀田さんによると、「イズミールが本命、キオスが対抗、イタキが大穴」 「イリアス」「オデュッセイア」の世界・・・ 「トロイア戦争は、ホメロスの物語では人間同士の戦いであるというより、 神々の内輪もめのようなところがある。」 オリンポスの十二神・・・ 男神・・ゼウス、ポセイドン、アレス、ヘパイストス、アポロン、ヘルメス 女神・・ヘラ、デメテル、ヘスティア、アテネ、アルテミス、アフロディテ この神々が、ギリシア側とトロイア側に二分して、各々を応援する。 ギリシア側:ヘラ、アテネ、ポセイドン、ヘルメス、ヘパイストス トロイア側:アポロン、アレス、アルテミス、アフロディテ ホメロスの「イリアス」「オデュッセイア」には、 有名な「トロイの木馬」の話は出てきません。 それでは、「トロイの木馬」はどこから出てきたのか?「答えは簡単。」 ホメロスのトロイア戦争を謳って活躍した同時期、「他の詩人もトロイア戦争とその周辺を唱っているのだ。 こうした作品群を叙事詩の環(わ)と呼んでいる。」 「キュプリア」・・・キプロス島出身のスタシノス作 戦争の原因や戦争に突入するまでの出来事を細かく記す 「イリアス」 「アイティオピス」・・・ミレトス島出身のアルクティノス作 ヘクトルの葬儀の後の戦い、アキレウスの死を描く 「小イリアス」・・・レスボス島出身のレスケス作 アキレウスの死後、アキレウスの武具を巡って争った オデュッセウスと大アイアスの争いで、後者が敗れ凶器に陥ることを描く。 「イリオスの陥落」・・・ミレトス島出身のアルクティノス作 トロイの木馬の登場、トロイア城の陥落と惨劇。 「オデュッセイア」 「帰国物語」・・・アギアス作 オデュッセウスを除く、他の武将たちの帰国物語。 「テレゴニア」・・・エウガモン作 「オデュッセイア」の後日談。 これ以外に、「ホメロスの諸神賛歌」という作品が残っている。 本書、ホメロスの足跡を、阿刀田さんがフィールドワークする旅行記の側面もあります。 オデュッセウスの故郷、イタケ島の様子を読みながら、 とっても行ってみたくなりました。「ギリシャに生れた盲目の吟遊詩人ホメロスの世界が、阿刀田魔術で生き生きと目前に広がります。イリアス、オデュッセウス、ポセイドン、トロイア戦争―著者の名解説を聞きながらのギリシャ周遊パック旅行のような、至れり尽せりの入門書。今までは読みたくても手が出せなかった西洋文学古典中の古典のエキスが、苦もなく手に入る大好評シリーズ第6弾。楽しいイラストも増量しました。」<目次>第1話 先生の石第2話 アキレウスの怒り第3話 黒い死第4話 大神の秤第5話 馬の予言第6話 トロイアの環第7話 オデュッセウスの故郷第8話 ナウシカ慕情第9話 怪物うじゃうじゃ第10話 女を信じるな第11話 寝台のミステリー第12話 終り良ければ
2007.06.30
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アリストテレス「ニコマコス倫理学(下)」 「ニコマコス倫理学」の下巻、 全10巻中、第7巻~第10巻まで。 上巻から語られる、「徳」についての整理の続きです。 アリストテレス「ニコマコス倫理学(上)」 第7巻は、抑制と無抑制。 無抑制、悪徳(放埓)、獣的状態、我慢のなさ と 抑制、我慢強さ・・知慮 との対比 ・・特に、「快楽」を巡って 第8章と第9章のテーマは、「愛」。 「愛というものは、 愛されることによりも、むしろ愛することに存すると考えられる。」 愛の原因は、大きく3つ。 ・「快」 ・「有用」 ・「人となり」 その人といることによって「快」「快感」を得られるか。 その人が自分にとって役に立つか。 この場合、「快」や「有用」がなくなれば、「愛」もなくなる。 どちらもなくても「愛」があるのは、「人となり」に魅かれているから。 最後の第10章は、「快楽」。 「快楽を欲しないひとはないといえよう。 何びとも生きることを希求しているのだからである。 「生きる」とは或る活動であり、各人はその最も愛するところのものに関して、 その最も愛する方面の機能を働かせて (たとえば音楽的なひとは聴覚によって音律に関して、 学を愛するひとは知性によってその観照の諸対象に関して等々) 活動するが、快楽はしかるにこの活動を究極的に完璧たらしめ、 したがってまた各人の追求しつつある「生」を完璧たらしめる。・・・ 活動なくして快楽は生じないし、 他面また、あらゆる活動を究極的に完璧たらしめるのは快楽なのであるから。」 「幸福な生活とは、・・・ 卓越性に即しての生活であると考えられる。 かかる生活は真剣であり、遊びではない。 真剣なことがらは滑稽な遊びめいたことがらよりもよりよきものなのであるし、 また、魂のよりよき部分とか、よりよき人間とか、 いずれにしてもよりよきものの活動こそ、よりよき活動なのであるとわれわれは考える。」 ・・このような生活態度が「観照的な活動」であり、その結果として「幸福」があること。 そして、社会的な人間としてのベースは、「国制」にあることを示して終わります。
2007.06.30
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アリストテレス「ニコマコス倫理学(上)」訳は、高田三郎。 アリストテレスの本丸というと、 やっぱり「形而上学」なんだと思いますが、 ちょっと敷居が高いので、 「ニコ倫」こと、 「ニコマコス倫理学」を手に取る。 ニコマコス・・・、アリストテレスの息子です。 アリストテレスの講義録をまとめたかたちになります。 すべての人間活動は、 すべて何らかの善(アガトン)を希求している。 「幸福(エウダイモニア)」は、 「われわれの達成しうる善のうち最上のもの」 それでは、 幸福とは何か? すぐれた人間の機能を満たすこと。 幸福な人とは、よく生きている人、よくやっている人。 人間善・最高善の目的とする活動は、 「政治的」な活動である。 そして、 幸福とは、究極的な卓越性(アレテー)に即しての魂のある活動。 では、徳=倫理的な卓越性とは、どういうものか? 個別の徳を論ずる前に、 徳は、「状態」によってあらわれされる。 どのような徳も、過超の状態も、不足の状態も望ましいものではない。 「中」「中庸」を選択すべきである、ということを 徳を一つ一つ具体的に取り上げます。 以下、各論として、 ・勇敢 ・節制 ・財貨に関する徳 ・寛厚 ・豪華 ・名誉に関する徳 ・矜持 ・怒りに関する徳 ・穏和 ・人間の接触に関する徳 ・親愛 ・真実 ・機知 ・正義 一番、分量をとって論じているのがこの「正義」。 説明の中に、 幾何学的比例に基づく「配分的正義」や 算術的比例に基づく「矯正的正義」・・ この説明って、プラトンの「国家」の線分の説明と同じ方法論ですね。 法・裁判が、「不正」を正すためにあること、 正と不正のバランスをとるために、算術的に懲罰を課すことなど、 プラトン、アリストテレスが整理した考え、現代にも地続きでした。 ソクラテスやプラトンの議論ではでてこない、 網羅性、より分析的な考え方、そして演繹法、垣間見ました。
2007.06.27
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マイケル・ドリス「朝の少女」を手にとる。 児童画のようなラブリーな表紙で、 訳が、灰谷健次郎さん。 手元に届いてから、 「なぜ読もうと思ったのか?」 と、はたと悩みました。 でもとっても薄いので、まあ読んでみればよいか・・ と一読。 「朝の少女」と呼ばれる少女と、 「星の子」と呼ばれる少女の弟。 「朝の少女」「星の子」という名づけは、 映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のインディアンの世界の中で、 各人に名づけられたのと同じ。 ポリネシアなどの先住民族の世界を描いているように思います。 ここにおいても、思春期の子供たちが、 姉弟との関係、両親との関係で、さまざまな葛藤があります。 ・・・唐突な衝撃のラスト・シーン! ちょっとびっくり。 あっ、サイードさんやレヴィ=ストロースさん等読んでいた時に、 紹介されたから読む気になったんだ、と最後の最後に気づいたのでした。 ギリシア時代から現代まで連綿と続く先進国と途上国の問題、 文明人側の横暴さが圧倒的でした。PS 本書、絶版なのが残念!!
2007.06.26
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阿刀田高「新トロイア物語」 トロイア戦争を描いたホメロスの「イリアス」「オデュッセイア」に加え、 ヴェルギリウスの「アエネーイス」をベースとして、 トロイア陥落後の地中海地域全体に拡がっている伝承などを丹念に渉猟し、 トロイアからギリシアを経て、ローマ帝国建国へ至る道を語る 贅沢で壮大な物語。 主要3作品の行間を埋めた阿刀田高さんのストーリーテリングの素晴らしさに 感嘆です! ソクラテスの活躍したギリシア全盛の時代からさかのぼること700年。 現在から3000年前の世界。 ホメロスやヘシオドスの作品においては、 登場人物の一挙手一投足は神々が乗り移って所業をなした、というイメージが ありますが、この作品は、各々の登場人物が神々から生まれたというルーツを 持つことを前提としながら、 日々の行言動は、まぎれもない人間でした。 1冊で、6冊分のエッセンスが楽しめた気分です。 読後の感動に浸りながら、 この後は、阿刀田さんのアプローチを参考にして、 少しずつ原典を辿っていければ、と思うのでした。 気分は、星5つ・・★★★★★
2007.06.24
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エイベックスの株主総会&エイベックス・シークレット・ライブに行ってきました。 今年で3回目です。 株主総会開始は11時からですが、 入場は9時半頃から。 にもかかわらず、9時45分頃、おっとり刀でかけつけてみると、 既にぞろぞろと入場途中。 ところで、今年の出席者は、9000人でした。 株主総会&シークレット・ライブは、ホールAで行われましたが、 ホールAの収容人数は5012名。 残りの4000名の方は、ホールCで、巨大スクリーンの前での鑑賞になりました。 あと10分遅れていたら、ホールCだった・・と思うと、 とってもついてました!! って、来年は1時間早く行く必要がありますね~。 今年は、役員改選のはざまでもあり、低調な総会だったように思います。 みなの関心は、経営方針よりは、株価の方にあるようでしたが、 その株価は、乱高下の1年でした。 一昨年1500円、昨年2700年(一時期4000円近く)、 そして現在1575円・・・あれっ、もとに戻ってしまいました。 質問タイムにて、 大塚愛のファンの方が、「1000株買って70万損した」と叫んで 受けていましたが、 「ちょっと買いすぎ!、100株にしとけ!」と、つっこみ入れたくなりました。 お目当てのシークレット・ライブ。 1.JONTE(EXILEの新メンバー・オーディションのファイナリスト)1曲 2.高杉さと美(「旅人」・・映画「西遊記」主題歌) 1曲 3.倖田來未 3曲 4.SEAMO(ヒップホップ系) 2曲 5.MEGARYU(レゲエ系) 2曲 6.TRF 4曲 7.浜崎あゆみ 2曲 大塚愛・・登場せず、残念! でも、倖田來未のトークに、少し大塚愛入ってました。 MEGARYU、なかなか良かったです。 TRFが結成15周年。 バブル崩壊から18年ですが、TRFを聴いていると、なんだか最近バブルなのかもな~、 とちょっと複雑な気持ちになったのでした。昨年の様子はこちら。2006年 エイベックス・シークレット・ライブ in 東京国際フォーラム7860 エイベックス・グループHD(株) 権利確定月 3月末日 100株以上 株主限定オリジナルグッズ 300株以上 株主限定オリジナルグッズ+株主限定CD 500株以上 株主限定オリジナルグッズ+株主限定DVD 1,000株以上 株主限定オリジナルグッズ+株主限定CD+株主限定DVD
2007.06.24
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先日、アスラポート・ダイニングから、優待券が8000円分到着。 手持ちの優待を調べてみたら、 6月末で有効期限が切れるアスラポート・ダイニングの優待券を発見?! 今日、近くの「牛角」さんで使いました。 接客も良く、食事も美味しくいただきました。 ところが、支払い終わって帰宅途中、領収証を見て?? 「牛角カード」を提示して、2週間以内に再利用したのに10%引きとなっておらず。 当然引かれていると思って安心していたら、引かれていませんでした。 前回も、デザート注文前に、一品届いていないように思って訊いてみたら、 忘れていたことが判明したり。 ・・て、後から気づく自分もダメダメだと反省するものの、 ちょっと事務系のシステムに問題ありでは、と思います。 食後のアンケートでも、感謝の気持ちを書いてお渡ししたのですが、 次回はちょっと要注意かな。 ・・でも、客にチェックさせるのは、いかがなものか。 アルバイトの店員の方は一生懸命されている姿がよく見えるので、 管理部門の方、努力が必要ですね。 ・・・IE/QCやシステム化、もっとすべきでは!3069 (株)アスラポート・ダイニング 権利確定月 3月末日・9月末日 1株以上 1,000円分の食事券(1,000円券 1枚) 2株以上 2,000円分の食事券(1,000円券 2枚) 3株以上 3,000円分の食事券(1,000円券 3枚) 4株以上 4,000円分の食事券(1,000円券 4枚) 5株以上 8,000円分の食事券(1,000円券 8枚) ※飲食代金のお支払いとして、優待券のみまたは現金と併用してご利用いただけます。 【利用可能店舗】・「炭火焼肉酒家 牛角」「串焼きと釜飯 とりでん」「居酒屋 土間土間」・「居酒屋 おだいどこ」の全国の店舗 他
2007.06.24
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ユニマットライフさんから、優待品到着しました。 ・コーヒー豆 キャラバンレギュラーコーヒー 160g 1缶 ・紅茶のティーバッグ ニナスの紅茶 1箱 ・マルチビタミン 60粒入り 1個 のセット。 優待いただいたのはありがたいのですが、今後の保有は検討中。 先週の爆発事故を起した渋谷のスパの経営はユニマットビューティアンドスパ が子会社だったこと。 その後の対応も決して良くない様子。 そして本業のオフィスのコーヒー・サービス・・狙いはとても良いのですが、 もう一段高級路線を志向しては、と思っています。7560 ユニマットライフ 権利確定月 3月末日 100株以上 オリジナル商品詰め合わせ(2,000円相当) 1,000株以上 オリジナル商品詰め合わせ(10,000円相当)
2007.06.24
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クロップスさんから、優待品到着しました。 今回は、名古屋きしめんセット。 みそ煮込みうどんやきしめんがぎっしり入ってました。 株価も先週末時点、417円。一時の高値は期待できそうにありませんが、42000円ほどで買えるし、名古屋の会社らしく?!ここ一年で有利子負債も減ってるので、なかなか良いのでは、と思います。9428 (株)クロップス 権利確定月 3月末日 100株以上 東海地区の名産品(3,000円相当の品物)
2007.06.24
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F.M.コーンフォード「ソクラテス以前以後」訳は、山田道夫。 今から75年前の1932年に、 イギリスの古典学者、F.M.コーンフォード(1874―1943)が行った ギリシア哲学の連続講演記録。 2時間弱で読める イオニア哲学からソクラテス・プラトン・アリストテレスを一気に語った欲張りな本! コンフォードさん、 ソクラテス登場以前、ヘーシオドスやホメロスが語った「神々の世界」から、 ソクラテス誕生のベースとなったイオニア哲学と、 ソクラテスが起した哲学上の革命について明確に語ります。 そしてソクラテスの「希求切望の哲学」の精神が、 その後、プラトン、アリストテレスに引き継がれ、いったんの完成を見たのだ、と。 イオニア哲学が画期的であった点は、 1.「超自然(呪術)」から、「自然」へ ・・・「自然」の発見 2.「行動」と「思考」の分離 「・・・対象を主管から完全に切り離し、それを行動上の利害関心を払拭した思考 によって思索しうるような精神態度の成立」 3.「神々の世界」から、科学的説明の始まりへ ソクラテス・・ ソクラテスが最高に偉大な哲学者のうちに数えられるべきなのは、 「魂の完成」・・われわれ各人の内にあって、それの完成こそが 人生の真の終極目的であるところの自己ないし魂の認識、と 精神の希求にもとづく道徳とをかれが発見し、それまで行われいた 社会的強制と道徳にとってかわらせたということによるのである。 「初期対話篇を皮相にしか読まない読者は、時として、 ソクラテスが対話相手を罠にかけたり、ただ相手を負かすために議論している ような印象を懐いて離れ去ることがある。 だがプラトン自身がこのようなエリスティケー(問答競技)の行使、 つまり真実を顧慮しない言葉だけの論争を弾劾している以上、 それをソクラテスの特徴として描出しようなどと意図したはずはない」・・・ と、皮相的に読んでしまうと身につまされます。 「ソクラテスの発見というのは、 真の自己とは身体ではなく魂だということだった。」 プラトンの哲学が、 ソクラテスの「希求切望の哲学」の継承とともに、 ピュタゴラスの哲学の圧倒的影響を受けていたこと。 アリストテレス・・・ 「・・人生の終極目的はわれわれの自然本性に本来的に備わっている最高の機能を 完全に行使することである。」・・・「神的な理知的自己」 「・・魂は身体の形相であって、質料たる身体とは不可分であり、 したがってそれ自身死すべきものだからである。」 「アリストテレスの体系は、生物学の分野をこえて自然学と形而上学の 全領域を包括するに及んで、理知主義の巨大な記念碑、 あらゆる問題への解答を備えた、緊密ですべてを包括する構築物になる。 そのような記念碑的業績の運命は、精神にとっての恒久的な避難所になること ではなく、まさに記念碑となることである。」 ・・・いつになることやら・・・と思いつつ、 アリストテレスにもつきあってみようかな、と思う今日この頃です。<目次>序文第一章 ソクラテス以前のイオニア自然学第二章 ソクラテス第三章 プラトン第四章 アリストテレス
2007.06.22
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クセノフォーン/クセノポン「ソークラテースの思い出」・・・素顔のソクラテス 訳は、佐々木 理。 クセノフォーン/クセノポンが見聞きしたソクラテスの姿。 ソクラテス「自身は、いつも人間のことを問題とし、 敬神とは何か、 思慮とは何か、 不敬とは何か、 美とは何か、 醜とは何か、 正とは何か、 不正とは何か、 思慮とは何か、 狂とは何か、 勇とは何か、 怯懦とは何か、 国家とは何か、 為政者とは何か、 政府とは何か、 統治者とは何か、 その他こうした題目を論じ、そして、これらを知る者は「君子人」であり、 知らぬ者はまさに奴隷者と呼ばれても致し方ないものと考えた。」 ソクラテスが告発される原因となった クリティアスとアルキビアデスの二人について、クセノフォーンはこう言います。 彼ら二人は、名誉欲が強く、当時有名人であったソクラテスに近づいた。 そこで、本来の徳や思慮を学ぶべきところであるが、弁論術のテクニックだけは身につけ、 同輩に抜きん出ることがわかった途端、さっさと政治の世界へ転身してしまったのだ。 以降、三十人政権とその主要人物であったクリティアスを批判こそすれ、 彼ら二人の片棒を担いだことはない、と。 本書、クセノフォーン自身が体験した話だけでなく、 生前のソクラテスを知っている人から聞き書きしたエピソードが満載です。 たとえば、クロトブーロスという青年が、アルキビアデスの息子に接吻したという話を聞いて、 ソクラテスはこういいます。 「可哀そうなことだ。 美少年に接吻したらどんな目に逢うと思う。 自由の人間がたちまち奴隷となり、多くの資産を損な快楽に蕩尽し、 高尚有益なことに用いる多大の時間を失い、気狂いさえ問題としないような事柄に 熱中しなくてはならなくなるではないか。」 サソリであれば、噛まれない限り、苦痛を生じることはないが、 接吻はもちろんのこと、「美貌芳齢」という動物は、触れることなく 一目見ただけで遠くからでも何かを発射して、たやすく気を狂わせる恐ろしいものなのだ、と。 プラトンのように、対話法を通してのアポリアー(行きづまり)を楽しむといった ところはあまりないため、・・人によっては深みがない、という受け取り方をすることも あるかと思いますが、その分、素顔のソクラテスがわかる気がします。 ソクラテスの刑死の意味を、クセノフォーンはこう言います。「・・死の宣告を無比の温容と雄雄しさをもって耐え、 偉大な精神力を満天下に示して不朽の名声を獲得したのであることを、 考えてもらいたい。 ・・これほど美しく大死に耐えた人はほかにないと言われている。」 死刑判決後、1ヶ月の猶予があったが、その間、獄中での友人との語らいに、 以前と何の変化もなかった。 また、ソクラテス自身もこう語った。「私もまた人々の心に残り、たええいま死んでも、 私を殺した人々の受けるのとは異なる心づくしを注いで貰えるのを知っている。 なんとなれば、世人は私が世界中のいかなる人にも、 ただ一度として不正を加えたことがなく、堕落させたこともなく、 自分と交わる人々をますます良い人物にすることをつねにつとめて来たことを、 私のために永遠に証明してくれるであろうと知っているがゆえである。」
2007.06.19
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アルキビアデス・アルシバイアディース 鶴見祐輔訳「プルターク英雄伝 2」 トゥーキュディデース「戦史」、 クセノポン「ギリシア史」を通して、 一番印象に残った人物といえば、 なんといっても「アルキビアデス」。 三国志でいうなら、曹操を評した「乱世の姦雄」という言葉がぴったり。 前々から評判だけ聞いていた 名訳との誉れ高い、鶴見祐輔さん訳の「プルターク英雄伝」を手に取る。 といっても、絶版中なので、図書館でお借りしたもの。 この訳とっても良いのですが、 たまに傷なのは、人物名・地名が、英語読みになっているところ。 鶴見訳 アルシバイアディース アルキビアデス タイサファーニーズ ティッサペルネス エージス王 アーギス王 ファーナバザス パルナバゾス ライサンダー リュサンドロス アゼンス人 アテナイ人 ザークシーズ クセルクセス アータザークシーズ アルタクセルクセス 割り切って鶴見訳で読めばそれはそれで良いのでしょうが、 頭の中で、どうしても右側に読み替えようとするので、スピードが落ちます。 青年期のアルキビアデス、ソクラテスとの関係は外せません。「ソクラティーズが彼(アルキビアデス)にたいしていだいた愛情は、 ソクラティーズがこの少年の容姿の美のうちもしくは蔭に発見した、 幾多の天稟の高尚なる素質と善良なる傾向との一の大なる証拠であった。」 アルキビアデス自身も、このソクラテスの気持ちに応え、お追従をいう人々を遠ざけ、 ソクラテスの親切を喜び、 「食事も運動もソクラティーズとともにし、同一の幕舎に起臥し」た。 ソクラテスの愛情と言葉は、「往々にして、アルシバイアディースをして涙を流させ、 彼の精神をかき乱すほどに彼を感動せしめた。 ・・彼は他のすべての人を軽蔑し、ソクラティーズ以外の何人にも尊敬もしくは畏服を もたなかった。」 戦場においても、お互いに相手を守りあった様子が描かれています。 そんなアルキビアデスですが、アテナイのみならず、スパルタやギリシアを股にかけて 千変万化します。「即座に他人の風俗習慣に順応し、実際にこれを採用しこれと同化し、 カミーリオンとかげよりもはやく変化するという、人心収攬にたいする特殊の材能と 技巧とをもっていた。・・ スパルタにおける彼は体育訓練に献身し、倹約にして抑損であった。 アイオニアでは、贅沢、快活にして遊しつであり、 スレースではつねには盃中の客、 セッサリーでは終始馬上の人であった。 そうしてペルシアのタイサファーニーズの客となってからは、 豪奢盛飾、ペルシア人それ自身をして、顔色なからしめた。」 その中で、スパルタにおいて、「エージス王が軍を率いて出征したるまに、 アルシバイアディースは、王妃タイミーアを誘惑して一子をあげた。」 トゥーキュディデースやクセノポンと違い、 プルタークは、もしアルキビアデスが指揮を執っていれば、 シケリア遠征も失敗しなかったかもしれない、というアテナイ人の心情に近く、 「もし世に自己の栄光のために破滅した者があったとすれば、 アルシバイアディースはまさにその人であった」と評価します。 この鶴見祐輔訳「プルターク英雄伝」シリーズ、 潮出版社さん、ぜひ復刊していただきたいです。
2007.06.17
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今日はいい天気。気持ちの良い一日でしたね~。ギリシア・パルテノン神殿見ました!もうちょっと近づいてみると、なかなか上手くできていますね~。実物大25分の1.東武ワールドスクエア、出来た頃から、一度行ってみたいと思っていましたが、開園15周年でした。2時間でまわる世界一周旅行でした。マイブーム続いているうちに、ギリシアに行ってみたい、と思いを新たにしました。
2007.06.17
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ハウスオブローゼさんから、優待品届きました。1.ハンドウォッシュ2.ボディソープ3.ボディパウダー4.バスソルト5.ファンファンバス今回も、くまのプーさんでした。7506 (株)ハウス オブ ローゼ 権利確定月 3月末日 自社商品 100株以上 3,000円相当 1,000株以上 10,000円相当
2007.06.17
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東洋合成さんから、優待品届きました。今回の千葉の特産品は、・多古米 2キロ・佐倉のお味噌 500グラム×2個・やまと芋でした。多古米いいですね!いただいていながら何ですが、個人的には、お味噌かやまと芋の代わりに、お米5キロが希望です。 4970 東洋合成工業(株) 権利確定月 3月末日・9月末日 100株以上 2,000円相当の千葉県特産品(年2回) 昨年11月の優待は、こちら。 東洋合成工業・・多古米と落花生到着
2007.06.17
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クセノポン「ギリシア史 2(ヘレニカ)」・・・仕事師アゲシラオス、ギリシア世界の戦後 訳は、根本 英世。 ペロポネソス戦争において一敗地にまみれたアテナイですが、 三十人僭主政治を倒した後は、少し小粒になってしまいます。 ギリシア世界において、スパルタのラケダイモンが覇権を握ったはずなのですが、 全権掌握まではいたらず、テバイが力をつけ、 アルカディアやエリスといった国々も独自の路線を打ち出し、 ラケダイモンとアテナイの同盟等を軸にした再編が模索されます。 かつてのギリシア対ペルシア戦や、 ペロポネソス戦争のような対立軸が明確な戦いではなくなります。 この巻、全体を通して無数の戦闘がありますが、 読んでいて印象に残ったのが、スパルタの王「アゲシラオス」。 スパルタ、ラケダイモンも無敵ではないのですが、 アゲシラオスが登場する場面では、敵対勢力の勢いを止めて、 きっちりいい仕事しているように思います。 いつの時代も、どんな局面でも、やるべきことをやっている人がいるんだな~、 と意を強くした瞬間でした。 ちなみに、このアゲシラオス、父親のアギスの子としては弟になるのですが、 兄のレオテュキダスは、アギスが出征中に、あのアルキビアデスと王妃との間に 出来た子供であったため、10ヶ月以上経って帰還したアギスが自分の子供と 認めなかったためにスパルタ王になれた、とのこと。 ・・・アルキビアデス、亡命先でも自由奔放でした。 延々と続いた戦争の結果、 クセノポンはこう結びます。「・・各陣営は自軍の勝利を主張したものの、 領土の点でも、ポリスに冠しても、支配についても、 いずれの陣営とも戦前より広大になることがなかったのは明らかである。 ギリシアの混乱と騒乱は、 戦前より戦後のほうが、ずっと大きくなった。」と。
2007.06.17
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クセノポン「ギリシア史 1(ヘレニカ)」・・・アルギヌサイ事件・アテナイの敗北・三十人僭主政治 訳は、根本 英世。 書き出しはこうです。 「その後幾日も経たぬうちにアテナイからテュモカレスが僅かな艦船を 率いてやってきた。」と。 ・・トゥーキュディデース「戦史」を引き継いだもの・・・だとは厳密にはいえないのだそうですが、 まるで、そのままの続きです。 アルキビアデス・・ このジェットコースターのような人生を歩むアルキビアデスは、 ついに、アテナイの最高司令官に復帰します。 しか~し! 復帰前の事前の根回しとして、熱狂的なシンパが反対派を暗殺するなど、 あまりに生臭い。 また海戦の敗北の責任が問われそうになると、さっさと亡命します。 なぜこのアルキビアデスが、ソクラテスの弟子だったのか? そして、ペロポネソス戦争においてアテナイが最後に勝利した アルギヌサイの海戦と、その結果、「アルギヌサイ事件」が起こります。 この海戦、アテナイが勝利しますが、嵐の中であったためか、 海に投げ出された味方を救済しなかったという廉で、 将軍たちは処刑されます。 このロクに審議もされない人民裁判の中、「ソプロニスコスの息子ソクラテスのみは別であった。 彼は何事も法律に則っておこなうべきだと主張したのである。」 この反対弁論、当時の状況において、命がけであった様子がわかります。 最後の頼みの綱であったアテナイ海軍が、 アイゴス・ポタモイの海戦で、ラケダイモンのリュサンドロスの艦隊に 殲滅させられます。 ・・この時のアテナイ人のため息が、本から伝わってきました。 あまりに胸が痛い。 アテナイの敗北の後、 ラケダイモンの肝いりで、 「三十人支配」・・・のちに「三十人僭主政治」と呼ばれる 最悪の政権が発足します。 法律の制定を故意に遅らせ、恣意的な判断で反対者を次々に死刑や国外追放で駆逐します。 この「三十人支配」の主犯格は、ソクラテスの弟子といわれるクリティアス。 でも、ソクラテス自身は、この政権に大変批判的でしたが、 後日、アルキビアデスとクリティアスの責任を問われることになりました。 田中美知太郎「ソクラテス」 ところが、1年も経たないうちに、 テバイへ亡命していた民主派のトラシュブロスが決起し、「三十人支配」を倒します。 以降、どの国もどんぐりの背比べ状態で、 小規模な戦争・小競り合いがあり、 また、クセノポンが出征した「アナバシス」もありました。 クセノポン「アナバシス ― 敵中横断6000キロ」 本書、当時のギリシアの地図が2枚、付録についていて 眺めているだけで楽しい。
2007.06.15
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トゥーキュディデース「戦史 下」・・・シケリア遠征とアルキビアデースのワンマンショー 訳は、久保 正彰。 この下巻、27年間続いたペロポネソス戦争の 16年目から21年目までを描きます。 ペロポネソス戦争、10年目にして、双方疲弊した結果、 ラケダイモンとアテナイ間で、50年平和条約が結ばれましたが、 それ以降も、直接の武力対決はないものの、 双方とも周辺諸国への出兵がつづいており、ギリシア世界全体すべてが 平和であったときは、ひとときもありません。 16年目、休戦状態に飽きたアテナイにおいて、 主戦論者のアルキビアデースが、シケリア島への攻撃を声高に語ります。 シケリアを手に入れ、その勢いでカルケドーンを押さえてしまえば、 孤立したペロポネソスは自然とアテナイのものとなる。 そうすれば、ギリシア世界はすべてアテナイのものとなる。 でも、この時点で、アルキビアデースもそれを熱狂的に支持したアテナイ民衆とも、 このシケリアが・・・スパルタを含むペロポネソスとアテナイを合わせた ほどの面積と人口を持つ・・・という基本的な知識さえなかったこと。 シケリアへの開戦行為は、ペロポネソスの平和条約破棄という両面の敵と戦うことに なること。 なんだかこの場面、 昭和初期の日本軍が、陸軍の仮想敵国がソビエトで、海軍の仮想敵国をアメリカとして、 己に正義があれば、両方とも戦っても勝てると信じているのと同じように映りました。 シケリア遠征の将軍には、慎重派のニーキアスと急進派のアルキビアデースが選ばれます。 ニーキアスが最低5000名の部隊で臨まないと難しい・・・言外に止めておいた方がよい と匂わせますが・・躁状態の民衆は、この大遠征をあっさり承認します。 このニーキアスは、プラトン「ラケス」の正義を巡る議論にもでてきます。 プラトン「ラケス 勇気について」 それで、問題なのが、アルキビアデース・・・尋常じゃない!!! ちなみに、ソクラテスの元・愛する少年ですが、その当時の様子は、プラトンにもたびたび登場します。 プラトン「饗宴 一名、愛論、倫理篇」 プラトン「アルキビアデス I 人間の本性について」 プラトン「アルキビアデス II 祈願について」 シケリア遠征の途中で、アルキビアデースに本国召還の命令が下ります。 表向きは情況確認ですが、本当の理由は、政敵からの告発です。 このまま帰国すると死刑になってしまうので、アルキビアデースはあっさりラケダイモン(スパルタ)に 亡命します。 そして、ラケダイモンの立場で、アテナイの攻略法を入れ知恵します。 なんという変節漢?! 一方、シケリア遠征のニーキアスには、大変な苦難が待ち受けています。 辺境のバルバロイを退治しにきたつもりでいたら、自分たちと同じ民主制の国家で、 人口も同程度・・・当然、軍隊も同程度。 結果は、追加の遠征軍を呼び寄せるも、アテナイ軍は大惨敗。 ギリシア史上、最大最悪の失敗プロジェクト。 ペロポネソス戦争、19年目の出来事でした。 しかも、得意の海戦でも、バルチック艦隊さながら遠距離からやってボロボロになっている アテナイの海軍は、シューラクサイとペロポネソス海軍に惨敗。 海軍を失ったアテナイの本国へ、シューラクサイとペロポネソス海軍が襲撃するという 最悪の結果へ。 崩壊寸前のアテナイの足元を見て、周辺の小国が次々と離反しようとしはじめます。 ところが、ここで再びアルキビアデース。 ラケダイモンの代理的な立場で、ペルシアとの折衝にあたっていたのですが、 巧妙にペルシアの行動が、アテナイ側の利益になるように誘導します。 しかも、これを土産に、アテナイへの復帰を画策します。 このあたりを描いたのが、 ローズマリ・サトクリフの「英雄アルキビアデスの物語」 のようですが、「英雄」という言葉に・・、思わず目が点(・_・;)です。 トゥーキュディデースが、アテナイ側の立場に思い入れがあるので、 アテナイの敗戦に次ぐ敗戦の記述が、読んでいてちょっとつらくなります。 でも、もう駄目かもと思ってからが長い・・・まだまだ戦争は続きます。 開戦に先立っての、名演説の数々・・・ ここまで読み進むと、「もういい加減にせいよ」と思います。 そして、 最後にちょっぴりアテナイが元気を取り戻したところで、 この「戦史」は、ペロポネソス戦争、21年目で終わります。 ・・・未完。 続きは、 クセノポンの「ギリシア史」へ。
2007.06.14
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トゥーキュディデース「戦史 中」・・・内戦の悲惨から平和条約締結へ 訳は、久保 正彰。 この中巻、27年間続いたペロポネソス戦争の 4年目から14年目までを描きます。 ラケダイモン(スパルタ)の攻勢とアテナイの攻防・・・ 周辺諸国を巻き込んで一進一退が続きます。 ここで、各国家の中で、親ラケダイモン派と親アテナイ派にわかれて、 この大戦を機に、自派の勢力を伸張するため、外圧を利用としはじめます。 その分裂が最悪の悲劇のかたちをとったのが、 ケルキューラにおける貴族派対民衆派の対立。 貴族派がラケダイモンと結託し、 民衆派がアテナイと結託し、 双方の憎悪が最高潮に達した時点で、対立派閥に対する虐殺行為が始まります。 長期にわたる戦時下で、権謀術策・弱肉強食が正とされる中において、 中庸を守るものも、両極端の者たちから不協力を咎められ、なし崩しに潰滅していった、 という記述など痛ましい。 でも、不思議なことに、 「最後まで生き残った者たちは、権謀術策に劣っていた者たちが多い。」と。 理由は、権謀術家が策士策に溺れる愚を犯すことが多かったのに対し、 常に警戒を怠らず隙をみせなかったから。 ペロポネソス戦争、10年目にして、 ラケダイモンとアテナイ双方のタカ派が、期せずして討ち死にしたことを期に、 厭戦ムードが漂い、ついに休戦となります。 ラケダイモンとアテナイ間で、50年平和条約が結ばれます。 ・・・しかし、あとから見て、この休戦期間中、本当に休戦していたかは大いに疑問。 小競り合いは絶えることなし。 ところで、ここで新しい展開が生じます。 ラケダイモンとアテナイ間の10年間にわたる戦争で、 双方が消耗していたのに対し、漁夫の利として無傷であった国が、 「アルゴス」です。 このアルゴスが、ラケダイモンとアテナイ双方から離脱した国家と連携し、 第三極になろうとします。 10年目から14年目にかけてひとまずの休戦期間を経過する中で、 ラケダイモンとアテナイ双方の内部において、 またぞろ主戦派が力を得てきます。 アテナイにおいてその主戦論者は、 ソクラテスの稚児であったアルキビアデスでした。 15年目以降、再び戦争が再開される予感を示して終わります。
2007.06.13
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ちょっと気分転換に・・遅塚忠躬「フランス革命―歴史における劇薬」 岩波ジュニア新書の中の名著の一冊。 フランス革命礼賛ではなく、かといって一時期ブームだった?「反革命」研究でもなく。 「理想を掲げた革命が、一方でデモクラシーを後世に残しながら、 他方で多くの悲惨な犠牲者を生んだのはなぜ」か? この疑問を考える。 フランス革命が、偉大であると同時に悲惨である理由・・・ その仮説には大きく2つある。 一つ目の仮説は、「革命ニ分説」。 フランス革命を前半と後半に分け、はじめは良かったが、のちに悪くなったというもの。 前半の「人権宣言」を称え、後半の「恐怖政治」を否定する。 もう一つ目の仮説は、「ブロック説・劇薬説」。 「フランス革命は一つのブロック(かたまり)」であり、 革命の偉大と悲惨は、そのブロックの二つの側面である。 それは作用の激しい劇薬であったのだ、と。 以降の議論を「劇薬説」ではなかったか、 と丁寧に説明しています。 まず、フランス革命の構造を明らかにするにあたって、 ルフェーブルの「複合革命説」に依拠し、 フランス革命が、貴族・ブルジョワ・民衆・農民の担う4つの革命の複合体であったこと。 さらに、各々の階層においても分化しており、 その階層間の連帯の形態により改革~革命の指向度合いが異なる。 貴族 保守的貴族 ・・・ 反革命 自由主義貴族 + ・・・ 妥協的改革 ブルジョワ 保守派 急進派 + ・・・ 徹底的革命 民衆・農民 穏健派 (=大衆) 急進派 ・・・ 反資本主義 このフランス革命の構造から、ブルジョワが自由主義貴族と手を組んだ ソフトランディングな路線を進むか、 それとも、大衆と連帯したハードランディングな路線を進むか、 という選択肢が生まれる。そして、現実は、その間を往復する中で、 反対勢力が粛清されるという悲惨が生じたことがわかります。 革命初期においては、自由主義貴族とブルジョワによってリードされた 「妥協的改革」に沿って進んでいたが、 王侯・保守的貴族が、外国勢力と手を組んで「反革命」を目指すにあたって、 ブルジョワは大衆と手を組まざるを得なくなる。 また、大衆を放置することは、彼ら独自の要求から、自由原理より平等原理を追求する 「反資本主義」への運動となる、 そのため、ブルジョワは大衆と手を組んだ結果、「徹底的革命」を追求することとなる。 しかし、ブルジョワにとって行過ぎた革命は、王侯・保守的貴族や外国勢力の減退の中で、 再び、大衆と手を切ることになった、と。 このフランス革命の構造と路線の説明、とても明快です。 また、イギリスのピューリタン革命、日本の明治維新との対比も、 簡潔に説明されています。 フランス革命が、ブルジョワ革命~市民革命 「大衆」が主役・・キャスティングボード を握っていたため、「自由」原理より「平等」原理に傾きがちだったのに対し、 イギリスの革命においては、産業革命が進行していた結果、「大衆」は脇役であったため、 恐怖政治のないリベラルな革命であったこと。 また、日本の明治維新においては、ブルジョワが革命の担い手になるだけ成熟しておらず 維新の担い手になったのは、武士であり、武士自身の手により幕藩体制を葬り去った 「士民革命」であったこと・・・ でも、このエイヤーによる整理は、定説ではないと、 遅塚さん、あくまで仮説であるとしての抑制した語り口ですが、そこがまた良いのです。<目次>第1章 革命の偉大と悲惨第2章 フランスではなぜ劇薬が用いられたのか第3章 劇薬はどんな効果をあげたのか第4章 劇薬の痛みについて考える第5章 人間の偉大と悲惨
2007.06.11
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トゥーキュディデース「戦史 上」・・・ペリクレースの名演説 訳は、久保 正彰。 ヘロドトス「歴史」で語られた、ペルシア対ギリシアの戦いが終わり、 戦後復興で急速に国力を増す海洋国家アテナイ。 一方、ペロポネソス半島を支配する陸軍国家のスパルタ(ラケダイモン)。 ペルシア戦後の50年の間、アテナイの伸張を放置したスパルタだったが、 スパルタの盟友のコリントスが、ケルキュラとの小競り合いでアテナイの肩入れで 既得権益が侵害されるを見て、対アテナイ戦を決意。 ここに以降、30年にわたるスパルタ連合軍(ペロポネソス軍)対 アテナイ連合軍の戦いが始まります。 戦いにつぐ戦いの記録を読みながら、 農耕民族ではなくて、当時のギリシア人にとって、 戦争も狩猟活動の一種だったんだな、と思えてきました。 冒頭、トゥーキュディデースは、こう語ります。「筆者は開戦劈頭いらい、この戦乱が史上特筆大事件に展開することを予想して、 ただちに記述をはじめた。」 いまから2400年前の出来事ですが、当然のことながら、 トゥーキュディデース自身にとっては現代史です。 トゥーキュディデースにとって、さらに400年前の「イリアス」「オデュセイア」の時代にことは「かのトロイア遠征については、これは当時として前代未聞の大戦争であったとすべきである。 しかし今日の戦争に比べればはるかに小規模であったと考えて良い。」 その理由は、「人口不足ではなく、物資不足」・・「糧食輸送の道がないため、 現地で戦闘をつづけながら食糧補給ができる程度の、比較的少数の軍勢」でしか戦うことができなかったから。 それに対して、今回の大戦は、スパルタ側もアテナイ側も、準備万端で臨んだ未曾有の 当時のギリシア世界にとっての大戦であったことになります。 スパルタ(ラケダイモン)側 全ペロポネソス半島の中で、アルゴス人とアカイア人を除くすべての国。 メガラ人、ボイオーティア人、ロクリス人、ポーキス人、アムプラキア人、 レウカス人、アナクトリオン人 コリントス人、シキュオーン人、ペレーネー人、エーリス人 アテナイ側 キオス人、レスボス人、プラタイア人、ナウパクトスのメッセーニア人 一部を除くアカルナーニア人、ケルキューラ人、ザキュントス人、 カーリア人諸市、ドーリス人植民地、イオーニア人諸市、ヘレースポントス地域の諸都市、 トラーキア地方の諸都市、ペロポネーソスからクレータをむすぶ東方洋上の諸島嶼・・ つまりメーロスとテーラ両島を除くキュクラデス群島の全部 以降、1年毎の戦史が続きます。 この作品、戦争の経過の記録については、 ことこまかな地名や人種の説明など、ちょっとうんざりする気もするのですが、 節目節目に出てくる「演説」シーンが出色です。 どの国家の指導者の演説も素晴らしいのですが、 この上巻では、なんといっても、アテナイの将軍、ペリクレースです。 たとえば、戦死者の追悼演説における発言においてのペリクレースの言葉。「われわれの政体は他国の制度を追従するものではない。 ひとの理想を追うのではなく、ひとをしてわが範を習わしめるものである。 その名は、少数者の独占を排し多数者の公平を守ることを旨として、 民主制と呼ばれる。・・」 「われらは質朴なる美を愛し、柔弱に堕することなき知を愛する。 われらは富を行動の礎とするが、いたずらに富を誇らない。 また身の貧しさを認めることを恥とはしないが、貧困を克服する努力を怠るのを 深く恥じる。・・・ ・・・幸福たらんとすれば自由を、 自由ならんとすれば勇者たるの道あるのみと悟って、 戦の危険にたじろいではならぬ。・・・」 また、アテナイの市内が、スパルタ軍によって蹂躙され、 浮き足出す市民に対してのペリクレースの言葉。「もとより、事なくして平和と幸福の道をえらべる立場にあれば、 戦するほど愚かな考えはない。 しかし、屈してただちに他国に隷属するか、危険を賭して勝利を得るか、 この二者択一を余儀なくされたとき、危険を逃げる者はこれを耐えるものに劣る。 この考えに私は終始一貫し、今日もこれを変える意志はない。」とキッパリ。 民主制アテナイの市民が右往左往するところを リードするペリクレースを、トゥーキュディデースはこう評します。「・・その名は民主主義と呼ばれたにせよ、 実質は秀逸無二の一市民による支配が行われていた。」 このペリクレースの政治が悪かったのではなく、 むしろ、ペリクレース以後の政治家たちは どんぐりの背比べであったために、「民衆に媚び、政策の指導権を民衆の恣意にゆだね」 政治的な大失敗を繰り返すことになった、といいます。PS ・・・この演説・・常識的に見ると、とても立派だと思います。 同じ働くのであれば、このような指導者の下で働ければ・・とも思います。 でも、ソクラテス・プラトンさんが、既に揶揄していることを知っている身としては、手放しで感銘できないのでした。 プラトン「メネクセノス 戦死者のための追悼演説」
2007.06.10
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ヤクルトさんから、3月優待の到着。 年2回の優待ですが、 3月優待は、 ・きになる野菜 ・ソーピード ・基礎化粧品「リベシィ」 から、一つを選択。 「きになる野菜」を選びました。 ついでに、9月優待でいただいていた 神宮球場でのヤクルト戦を観戦できる「株主優待証」をチェックしてみたら、 あら! 年二回見れるのですが、 6月末までに1試合と、シーズン終了までに1試合見ることができます。 って、6月末までの休日の試合は、 10日(日) ヤクルト 対 楽天戦 23日(土) ヤクルト 対 ロッテ戦 24日(土) ヤクルト 対 ロッテ戦 の3試合を残すのみ。 23・24日は、株主総会やセミナーが、既に複数ブッキングしている状態なので、 残るは10日・・今日ではないですか! 16時から試合開始なので、思い立ったがなんとか、と思ったものの ただいま激しい雨・・・午後から晴れてもグランドは大丈夫・・・じゃないでしょうね~ ところで、 5月の「製品再納品問題」以来、株価の方はジリ貧。 「不二家」事件は、教訓になっていなかったんだと思うと、 本業の方、しっかりお願いしたいと思います。2267 (株)ヤクルト本社 権利確定月 3月末日・9月末日 3月末株主 100株以上 自社「化粧品」と「ジュース詰め合わせ」のいずれかを選択※1,000株以上の株主とは商品内容が異なります。 9月末株主神宮球場の東京ヤクルトスワローズ野球観戦「株主優待証(外野自由席)の提供」※1試合につき外野自由席の入場券2枚まで引換可 100株以上 年間2試合まで(4~6月で1試合+7月以降で1試合)。 1,000株以上 対戦するセ・リーグ5チームにつき2試合ずつ計10試合、プラス交流試合2試合で計12試合まで。 PS 結局、神宮球場に行ってきました! 試合は、ヤクルト5対楽天4、 最終回は、ヤクルト高津投手より、楽天の鉄平選手と山崎選手がホームランを打つも一歩及ばず、接戦でした。 風が気持ち良かったです。
2007.06.10
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ハウス食品さんから、優待品が到着しました。 1000円相当ですが、とっても充実してます。 ・プライムジャワカレー 中辛 ・カリー屋特製ハヤシカレー ・フルーチェCの果実 キウイ&アセロラ ・ナチュラルブラウン 豆乳バナナサンド ・ウコンの力 ウコンエキスドリンク ・C1000レモンウォーター なかなかカラフルで楽しい詰め合わせでした。2810 ハウス食品(株) 権利確定月 3月末日 100株以上 1,000円相当の自社製品 1,000株以上 3,000円相当の自社製品
2007.06.10
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ヘロドトス「歴史」下巻・・・テルモピュライ、サラミスそしてプラタイア訳は、松平千秋。 ヘロドトス「歴史」上巻・・・事実は小説より ヘロドトス「歴史」中巻・・・自由の強さ巻7 ポリュムニアの巻 マラトンの戦いで、ギリシアに対してペルシア軍が敗れた報を聞いたダレイオス。 ギリシア進攻を決意します。 しかし、怒り心頭に発したせいか、ダレイオスは急死します。 後を継いだのは、クセルクセス。 このクセルクセス、当初、父王の遺志のギリシア討ちに対して興味がありません。 しかし、遠征を延ばし延ばしにしていると、毎夜、先祖の霊より「ギリシアを討て」 との恫喝が続きついに観念して出撃します。 編成された部隊の一つが、「不死部隊(アタナトイ)」。 ペルシア軍の精鋭一万人によって成り立つ。 「不死部隊」と呼ばれた理由は、「隊員が死亡とか病気などの止むを得ざる事情で欠ければ、 代わりの者が選ばれて補充され、隊員の数は決して一万を越えもせず欠けもしなかった からである」 ・・・隊員一人一人が「不死」なわけではありませんでした。 この後、ペルシア側の陸軍と海軍を指揮した人物の名前が延々と述べられるのですが、 その中で、出色なのは、「アルテミシア」。ハリカルナッソス出身のただ一人の女性指揮官です。 「この女性は夫の死後自ら独裁権を握り、すでに青年期に達した息子もあり、 また万止むを得ぬ事情があったというのでもなかったのに、もって生まれた豪気勇武の気象 から遠征に加わったのであった。・・・ 全艦隊を通じ、シドンの船についてはアルテミシアの出した船が最も評判が高かったし、 また同盟諸国の全将領の中で最もすぐれた意見を陳べたのも彼女であった」と ヘロドトスもべた褒めです。 勢揃いしたペルシア軍の陣容に満足したクセスクセスは、 スパルタからの亡命者であるデマラトスに対し、このペルシア軍を前にしたら スパルタを含むギリシア軍は戦う前に降参するのではないか、と問います。 この時のデラマトスの返答は、「300」の評で紹介したとおりです。 映画「300(スリー・ハンドレッド)」・・・ギリシア対ペルシア、テルモピュライの戦い 一方、ギリシア側は、アテナイに、テミストクレスが登場したり、 シュラクサイの僭主ゲロンへ協力を要請するも、 ゲロンが統帥権を譲れば協力するといったことに対して、 陸軍はスパルタ、海軍はアテナイ以外に考えられない、として突っぱねたりします。 峡谷のテルモピュライに陣取り、ペルシア軍を迎え撃つのは、 スパルタのレオニダスが跡継ぎのある戦士のみで編成した「三百人隊」を核とする ギリシア軍4000人。 これに対するペルシア軍は、戦闘員だけで、264万1610名。 他に食糧の調達などを担当する輜重兵などを加えると、倍の528万3220名以上。 戦闘の経過と結果は、映画を見てのお楽しみ?! ペルシア軍の大部隊を、3日間も釘づけにした レオニダスの「三百人隊」とギリシアは、途中撤退した部隊を除き、全滅。 一方、ペルシア側も、死者二万人にのぼる。 この地に残る墓碑にはこう刻まれる。 「旅人よ、スパルタびとに伝えてよ、ここに彼らが おきてのままに、果てしわれらの眠りてあると。」 巻8 ウラニアの巻 陸地でのテルモピュライの戦いに続いては、 海上での「サラミス」の戦いです。 この戦いの様子は、佐藤哲也「サラミス」で実況中継されています。 特に、戦闘に先立ってのテミストクレスは、感銘するものであったこと、 この書には書かれていませんが、ヘロドトスも賞賛しています。 佐藤哲也「サラミス」・・・そのときに何者であったかが、その後に何者として見られるかを定める巻9 カリオペの巻 サラミスの海戦で敗れたクセルクセスは、 徹底抗戦を主張するマルドニオスに兵を30万人残し、 自身は、子供も引き連れて引き上げてしまいます。 このマルドニオスのペルシア軍とギリシア軍の決戦が、 「プラタイアの戦い」です。 ・・映画「300」の最後のシーンでした。 ペルシア軍30万 対 ギリシア軍10万。 ・・・結果は、ギリシアの圧勝。 勲一等の手柄を立てたのは、テルモピュライのただ一人の生き残りアリストダモス でしたが、死に場所を求めて戦った奴は評価に値しない、 として恩賞からは外されてしまいました。 ひとまずペルシアからの脅威を追い払ったところで物語は終わります。 ・・この後は、ギリシア内部の内紛ともいうべき スパルタ対アテナイのペロポネソス戦争を描いた トゥーキュディデース「戦史」になるのでしょうか?!
2007.06.09
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JALUXさんから、優待券とカタログが届きました。 この優待券とカタログ・・別々に届いたのですが、 カタログが同じなので、なぜ? って思いましたが、家族の名義が違っていました(ちょっともったいない)。 昨秋、優待券をいただいた時は、 JALUXの微妙な優待?! でしたが、今回は、記念優待として、プラス3000円分。 トータル5000円分なので、いろいろ選べそうです。 しかし、 この春、JAL不振のあおりを受けて、 JALUXの株30%が、双日に譲渡されましたが、 その後、どうなってるんでしょうか?2729 (株)JALUX権利確定月 3月末日・9月末日 JALUX商品券 【ご利用方法】 JALUX通販カタログ「JAL World Shopping Club」及び下記の店舗で1枚1,000円の商品券として利用可。 【ご利用店舗】 ・空港店舗「BLUE SKY」・空港免税店「JAL-DFS」・ギフトショップ「PLAZA WIEN JALUX」 100株以上 3月 商品券 2枚 + 記念優待商品券 3枚 9月 商品券 2枚 合計 7000円分
2007.06.09
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吉田秋生「海街diary1 蝉時雨のやむ頃」 久しぶりに吉田秋生さんの新刊、 手に取りました。 海街・・・海の見える街・・鎌倉が舞台です。 3姉妹と、異母妹を加えた4姉妹が主人公の物語。 落ちついたいい作品ですね~。 以前、鎌倉から20分ぐらいのところに住んでいたので、 週末、建長寺のカラス天狗の横を通っていく天園の遊歩道や、 天空の城ラピュタばりの「樹ガーデン(天空テラス樹)」を 散策したことを思い出しました。 また行ってみたいな~。
2007.06.08
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ヘロドトス「歴史」中巻訳は、松平千秋。 ヘロドトス「歴史」上巻・・・事実は小説より巻4 メルポメネの巻 3巻にて、ペルシア王になったダレイオス、 最初に行ったのは、スキュタイ人遠征。 スキュタイ人の住むスキュティアは、現在の南ウクライナ。 ダレイオスは、エーゲ海からインダス川におよぶペルシア帝国の最盛期の王となったのですが、 このスキュティアでは、スキュタイ人の焦土作戦の前に、根負けして撤退します。 こうしてみると、 大兵力での戦いを常套手段とするペルシアの王様、 キュロスも、カンビュセスも、そしてダレイオスも、華々しい失敗をしています。 でも、それを上回る勝利を収めていることがわかります。 リスクをとって、思い切ったリターンを得る、ということでしょうか。巻5 テルプシコレの巻 第5巻で、ついに、ギリシア・・・スパルタとアテナイが登場します。 アテナイは独裁者ペイシストラトスによって支配されていたが、 スパルタによって解放され自由の民となる。 ところが、このスパルタの行動は、アテナイ人によるスパルタの巫女の買収による ご託宣によったこと。 ・・・さまざまな機会に行われる神託、結構、敵対勢力からの買収が行われていることがわかります。 でも、反論できないのですね~。 スパルタによって自由となったアテナイに対するヘロドトスの評。「かくてアテナイは強大となったのであるが、自由平等ということが、 単に一つの点のみならずあらゆる点において、いかに重要なものであるか、 ということを実証したのであった。 というのも、アテナイが独裁下にあったときは、近隣のどの国をも戦力で凌ぐことが できなかったが、独裁者から解放されるや、断然他を圧して最強国となったからである。 これによって見るに、圧政下にあったときは、独裁者のために働くのだというので、 故意に卑怯な振舞いしていたのであるが、自由になってからは、 各人がそれぞれ自分自身のために働く意欲を燃やしたことが明らかだからである。」 この考えはひとりアテナイだけの考えではなく、 巫女の買収を知ったスパルタが、再度アテナイに独裁者を樹てるべく連合軍を作ろうと したが、コリントスらの小国から大反対の声で潰れます。 一方、ペルシアにおいては、 ダレイオス王のお膝元に、ミレトス人のヒスティアイオスがいます。 このヒスティアイオス、大王に気に入られたことはよいものの、自由がないのがつまらない。 腹心のアリスタゴラスに、ギリシア側に、ペルシアに対する反乱を起すように指示します。 もし反乱が起こったら、その討伐軍の大将になって、あわよくばギリシアの僭主になろうというつもりです。 ヒスティアイオスとアリスタゴラスが、 ギリシアとペルシアの間のマッチポンプの役目を果たします。巻6 エラトの巻 その後50年余にわたるギリシアとペルシアの緒戦、 マラトンの戦いでは、ギリシア側が勝利します。 このことに怒ったダレイオスは、ギリシアを征服する決意を固めます。 いよいよ、テルモピュライやサラミスの戦いへ、続きます。 ヘロドトス「歴史」下巻・・・テルモピュライ、サラミスそしてプラタイア 映画「300(スリー・ハンドレッド)」・・・ギリシア対ペルシア、テルモピュライの戦い
2007.06.08
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ヘロドトス「歴史」上巻訳は、松平千秋。 映画「300(スリー・ハンドレッド)」見たので、 映画「300(スリー・ハンドレッド)」・・・ギリシア対ペルシア、テルモピュライの戦い せっかくだから原作を読もう・・ということで、 ヘロドトス「歴史」です。 といっても、映画の舞台のテルモピュライの戦いやサラミスの海戦が出てくるのは、 下巻なので、まだまだ先です。 ヘロドトスは、ハリカルナッソスの出身。 ギリシア側か、ペルシア側か・・というと、ヘロドトスの立場は、ギリシア側です。 ギリシアとペルシアとの、長い長い戦いの歴史・・・遺恨試合はどこからきたのか? 話はそこから始まります。 ペルシアやギリシアの言い伝えでは、 お互いの国の王女を掠奪、拉致しあったこと。そして、業を煮やしたギリシア側が軍隊を 派遣したことでエスカレーションしたことにある。 しかし、そんなことではなくて、 ギリシアとペルシアとの対立の根本原因・・・元凶を私は知っている、と、ヘロドトスが語ります。 スタートは、ギリシアでもペルシアでもなく、 リュディア人クロイソスに端を発するのだ。 第1巻は、リュディア人の国が、クロイソスの手になり、 史上初めて、ギリシア人の国々であったイオニア地方を攻めたこと。 そして、そのクロイソスが、ペルシアのキュロスに滅ぼされる。 そのキュロスも、マッサゲタイの女王に討たれるところまで。 ・・・って、なんてショートカット! 第2巻は、キュロスの息子、カンビュセスが後を継いだところから。 このカンビュセスはエジプトへ遠征します。 ここからは、「エジプト」話がテンコ盛り。 ギリシアの神々の大半が、エジプトに由来すること。 ミイラの作り方。ミイラの調製にはお金がかかるため、金額によって、松・竹・梅の3種類があること。 ピラミッドの建設の仕方。 当時のエジプトが不況であった時、父親の遺体の「ミイラ」を担保にして借金ができる法律ができたこと?! 第3巻は、エジプト遠征の成功に気を良くしたカンビュセスは、 次にエチオピアに遠征します。 このエチオピア遠征・・カンビュセス軍は砂漠に苦しめられます。 結果は、史上最悪の行軍とも言われる「カンビュセスの籤(くじ)」の話となります。 「・・兵士たちは地上に草の生えている限りは、これを食って生き延びたが、 いよいよ砂漠地帯に入ると、彼らの内で戦慄すべき行為に出るものが現れた。 十人一組で籤をひき、籤に当たった者を一人ずつ食ったのである。」 このことを知ったカンビュセスは、ついに撤退を決意し、退却します。 そして、カンビュセスはペルシアの帰国途上、エジプトで発狂。 このカンビュセスの跡目争いがあったのですが、 ダレイオスが即位します。 各地の習俗・慣習のことこまかな説明を読みながら、 半端な想像や常識よりも、現実の方が驚きに満ちていることを思い知らされました。 ヘロドトス「歴史」中巻・・・自由の強さ
2007.06.05
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ジョージ・オーウェル「オーウェル評論集」編・訳は、小野寺 健。 なぜ手にとったのか、自分でもきっかけを忘れてしまったのですが、 「動物農場」や「1984」のジョージ・オーウェルの評論集。 どの評論も、とっても鋭い! 「象を撃つ」 イギリスの植民地だったビルマの警官となった作者。 ある日、象が人を殺して逃げてしまいます。 この象を退治すべく後をつけた作者の後ろには、2000人ものビルマ人の野次馬。 この情況下で、もし象を撃たなければ、帝国主義の木っ端役人は腰抜けなる。 でも、象はおとなしくなっている。 「わたしという白人は銃を手に、何の武器も持っていない原住民の群集の前に立っていた。 一見したところはいかにも劇の主役である。 だが現実には、後についてきた黄色い顔の意のままに動かされている 愚かなあやつり人形にすぎないのだった。 この瞬間に、わたしは悟ったのだ。 暴君と化したとき、白人は自分自身の自由を失うのだということを。」 こういう自己批判の視点、大切だと思います。 で、オーウェルは、このおとなしい象を撃ってしまう。 「英国におけるユダヤ人差別」や「ナショナリズムについて」における 全体主義、人種差別への徹底した批判は、痛烈です。 ナショナリズムには、ことは国家だけに限らず、様々な△△主義も含まれること。 そういった運動や風潮の中で、誰もが自分だけは善意の第三者・・例外と思っていること、 その虚構を指弾します。 特に、インテリほどこの勘違い、自己欺瞞にあること。 たとえばユダヤ人差別の場合は、 自分はユダヤ人を「差別」していない、ただこういうユダヤ人が「嫌い」なのだ、と 語ること。その「嫌い」な理由は、歴史的経済的にごまんとあるのだ、と。 それは他の「○○嫌い」も同じであること。 でも、「これは根本的に理性とは無関係のものなので、議論で納得させることはできない。」 「○○差別」という病気を根治させるためには、 その前に、「もっと大きなナショナリズムという病気をなおさな」ければならない、と。 「愛国心」は、特定の場所と特定の生活様式に対する献身的愛情であって、 その場所や生活様式こそ世界一だと信じてはいるが、それを他人にまで押しつけよう とは考えないもの・・・「防御的」なものであること。 これに対して、 「ナショナリズム」は、権力志向とかたく結びついている。 ナショナリストは、「自分より大きなものに殉じているという意識があるために - 自分はぜったい正しいという不動の信念を持」っており、 どんな不誠実な行為もやってのけるのだ。 これは1930年代の英国の情況ですが、 いまでも、どの国で読んでも通用するお話だと思います。【目次】なぜ書くか絞首刑象を撃つチャールズ・ディケンズ鯨の腹の中で──ヘンリー・ミラーと現代の小説書評──アドルフ・ヒットラー著『わが闘争』思いつくままにラフルズとミス・ブランディシュ──探偵小説と現代文化英国におけるユダヤ人差別P・G・ウドハウス弁護ナショナリズムについて出版の自由──『動物農場』序文
2007.06.04
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PMI東京より、 6月30日(土)、PMPのためのセミナーのお知らせがきました。 テーマは、 「ポートフォリオマネジメント、プログラムマネジメント、プロジェクトマネジメントの考察」 1プロジェクトの遂行にも苦慮されていること多いかもしれませんが、 失敗プロジェクト、赤字プロジェクトが1件発生すると、 そのプロジェクトを救うため、上手くいっているプロジェクトからの人出しし、 救援部隊を結成することがよくあります。 もちろん、プロジェクトに紐つけられていないメンバーだけで、火消しができれば よいのでしょうが、火消しは、ある意味、ゼロからやるよりも剛腕が必要になるため、 いわゆるよくできる人をアサインしない以上、小手先では通用しません。 しかし、その結果起こるのが、上手く行っていたはずのプロジェクトも玉突きで 変調をきたしてしまう・・。 といったことは、現象の一つかもしれませんが、 複数のプロジェクトの円滑な推進、 適切な要員・体制の配置、 そして、プロジェクト・ポートフォリオを最適に組んだ上でのビジネス戦略の達成 についても、 計画、監視・コントロールする方法が大切になるのだと思います。以下、引用です。さて、6月30日(土)開催のプロジェクトマネジメント・セミナーのご案内です。月例セミナーの拡大版として、土曜日に4時間のセミナーを開催します。今回は、「ポートフォリオマネジメント、プログラムマネジメント、プロジェクトマネジメントの考察」をテーマに3講演を行います。本セミナーは「PM教育受講証明(4PDU相当分)」、および「PMP受験のための35時間の公式な学習(4時間相当分)」となります。多くの皆様のご参加をお待ちしております。【 詳細・申込はこちら 】http://pmi-tokyo.org/03/prosemi_0706.html
2007.06.04
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6月24日(日)10時からのアニメ開始に先立ち、CSファミリー劇場で、 特別番組「祝!アニメ化 鉄子の旅 出発進行スペシャル」がありました。 横見浩彦氏、豊岡真澄さん、神村さんが出ていました。 とっても残念なのが、菊池直恵さんの顔が隠されていたこと! ・・でも、そこが良いのかもしれません。 先週の飲み会で、プロジェクトの若い衆に、 鉄道マニア・・・ならぬ、「鉄道ファン」がいたので、 ちょっといじって・・・といっても、質問していました。 時刻表マニアや秘境駅マニアや何万キロ乗ったりするわけではないのですが?! 「鉄道ファン」でした。 ちょっとこだわりどころがわからなかったのが、残念! また話をしてみよう?、と思っています。 最寄の書店で、記念セールしていました。
2007.06.03
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昨年いただいたマルシェの株主優待券の期限が、 6月末に迫っているので、 2駅ほど散歩して、「居心伝」に行く。 17時半すぎに入りましたが、一番目?! お店はきれいで、他の居酒屋さんに比べて3割ほど安めの価格設定、 お店の皆さん、どの方もとても親切でしたが、 お客さんが少なすぎ・・・大丈夫か、マルシェ! 頑張れ、マルシェ! と思ってしまいました。7524 マルシェ(株)権利確定月 3月末日・9月末日 優待券および自社製品等を贈呈(年間の贈呈枚数) 100株以上 6,000円(1,000円券 6枚)の優待券 500株以上 30,000円(1,000円券 30枚)の優待券 1,000株以上 50,000円(1,000円券 50枚)の優待券
2007.06.03
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半年に一度なので、あっという間な気がしますが、カゴメさんから優待が届きました。カゴメ商品詰め合わせ「ハーブソーセージのポトフ風リゾット」「洋食屋さんの炒めるケチャップ」「六条麦茶100ml 3パック」「野菜生活100 紫の野菜」「カラダが求める30品目」「朝のフルーツこれ一本飲むゼリー」今回は、飲み物が多いですね。昨年後半13万人を突破した株主は、あれから半年たってどこまで増えているのだろうか?2811 カゴメ(株) 権利確定月 3月末日・9月末日 100株以上 1,000円相当の自社商品 1,000株以上 3,000円相当の自社商品 前回2006年11月時のカゴメ優待
2007.06.03
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アルデプロさんから、優待品が到着。 1月優待なので、・・・半年かかりました?! 昨冬、宇宙毛布を買って妙に嬉しかったので、 今回届いたサバイバルグッズも、なかなか楽しいです。 ここの優待、不思議なことに、 50株以上だと、サバイバルグッズは貰えないようです・・なぜ?!8925 (株)アルデプロ 権利確定月 1月末日 1株以上 サバイバルグッズ(定価2,400円相当) 25株以上 サバイバルグッズ(定価2,400円相当)、リフォーム割引券(20,000円) 50株以上 収益物件(利回り約6%)の10%ディスカウント購入券
2007.06.03
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不二製油さんから、 今年も、豆乳とチョコレートが届きました。 豆乳4種類×2本の計8本と、 特製棒チョコレートは、豆乳の種類が1種類違っているだけで、 去年とほぼ同じでした。2607 不二製油(株)権利確定月 3月末日 100株以上 1,500円相当 1,000株以上 3,000円相当 5,000株以上 4,000円相当 PBRは0.92倍と割安なのですが、ここ数年、借金が増え、収益が漸減傾向にあるので株価はさっぱりです。 商品の大豆ペプチドに期待しています。
2007.06.03
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日経平均、一瞬でしたが18000円突破しましたね~。 でも、保有株は新興市場中心なので、年初来から微減状態・・・株価的にはちょっと冴えない日々です。 今週、五月雨で株主優待の品が到着しているので、紹介します。 まずはコーヒー編。ユニカフェさん。箱がこれまでに比べて、小さくなってました。実質的な優待改悪か?!と思いましたが、環境にやさしくと、箱をコンパクトにしたエコ対応でした。・TRAVEL CAFE 200g・ブレンド 200g・カップ用スペシャルブレンド・レインボーマウンテンと、昨夏の水出しコーヒーも良かったので、別途買ってもよいかもと思っています。・・が、ユニカフェさん、どこに卸してるんだろう~。2597 (株)ユニカフェ権利確定月 9月末日・3月末日 100株以上 2,000円相当の自社製品 そして、キーコーヒーさん。・アイスコーヒー ドリップオン5杯分・オリジナルテイスト 220g・和風スウィーツと愉しみたい ドリップオン6杯分・コーヒーシュガー・・う~む、コーヒーシュガーが微妙?!2594 キーコーヒー(株)権利確定月 3月末日・9月末日 100株以上 1,000円相当 300株以上 3,000円相当 1,000株以上 5,000円相当 コーヒー豆が高騰しているので、厳しくなってるんでしょうか。でも、年二回かかさずに送ってくださるので、感謝・感謝ですね。
2007.06.03
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ヘーシオドス「仕事と日 農事暦と日の吉凶」訳は、松平千秋。 ヘーシオドスは、ホメーロスに並ぶ古代ギリシアの叙事詩人。 紀元前8世紀から7世紀頃に活躍。 父親が農業に専念し遺産を残したが、この遺産・・・土地を巡ってヘーシオドスは 弟から訴えられる。 怠惰な弟は、地元の領主に賄賂を贈る等の不正な手段により、不当な配分を得るが すぐに蕩尽し、ふたたび係争をしようとする。 この弟に向けて、勤労の必要性を説いたのが、この「仕事と日」だという。 ・・ことを知らずに、手に取ったら、叙事詩・・だったので、 ちょっととまどう。 でも、パンドラの匣の話が出てきたりして、とても馴染みやすい。 エリスという女神には2種類あり、一人は「争い」の女神ですが、 もう一人は、仕事の女神。 このエリスにかかると、「根性なき男をも目覚めさせて仕事に向かわせる。 仕事を怠るなまけ者も、他人が孜々(しし)として耕し、植え、 見事に家をととのえるのを見れば、働く気を起す。」と。 パンドラの匣の物語では・・ 「それまでは地上に住む人間の種族は、 あらゆるわざわいを免れ、苦しい労働もなく、 人間に死をもたらす病苦も知らず暮らしておった。・・ ところが女はその手で甕の大蓋をあけて、 甕の中身をまき散らし、人間にさまざまな苦難を招いてしまった。 そこにはひとりエルピス(希望)のみが、堅牢無比の住居の中、 甕の縁の下側に残って、外には飛び出なかった。・・・」 労働の尊さについて・・ 「悪しきことはいくらでも、しかもたやすく手に入る。 それに通ずる道は平らかであり、しかもすぐ身近に住む。 だが不死の神々は、優れて善きことの前に汗をお据えなされた、 それに達する道は遠くかつ急な坂で、 始めはことに凹凸がはなはだしいが、頂上に到れば、 後は歩きやすくなる--始めこそ歩きがたい道ではあるが。」 「人間は労働によって家畜もふえ、裕福にもなる。 また働くことでいっそう神々に愛されもする。・・ 労働は決して恥ではない、働かぬことこそ恥なのだ。」 「お前の胸の内に、富を望む心があるならば、 これからわしの説くようにせよ、 労働につぐ労働をもってして、弛みなく働くのだ。」 後半は、「農事暦」・・・ 良き農夫として、春夏秋冬をどう過ごすべきか、を説いたものとして 最古のもののようです。 また、「人生訓さまざま」では、 年頃になったら結婚せよとか、相手の女性の条件だとか、 なんだか「8時だよ全員集合」のエンディングが加藤ちゃんが「歯磨けよ~」 なんていっているのと同じでした。 付録として、「ホメーロスとヘーシオドスの歌競べ」も収められています。
2007.06.02
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アリストテレス「心とは何か」訳は、桑子敏雄。 アリストテレスによる「心とは何か」 いったいどういう説明をしているんだろう、と興味津々。 原題は、「プシューケーについて」。 プラトンの本なら、「魂について」か「霊魂について」となるはずで、 実際、これまでの訳書では、「霊魂論」「霊魂について」となっています。 しかし、読んでみると、 「霊魂について」よりは、「心について」の訳の方が良いし、 もっと言えば「生命について」という題の方がふさわしい。 プラトンが二元論者だったいうことはないと思いますが、 魂と肉体は別のもので、肉体は滅びても魂は不死であることが語られています。 一方、アリストテレスだと、 そもそも心は身体から独立した存在ではないことを前提として議論を進めます。 身体は生きている。 そして、「身体」と「生きている」をつなぐ原因を「心」ではないか? だから、「心」とは、 「それによって私たちが生き、感覚し、運動し、思考する能力」であること。 つまり、その能力は、栄養摂取能力、感覚能力、欲求能力、場所的に運動する能力、思考能力 から成り立っている・・・ という説明が続きます。 この議論の立て方、読み終わってみると、アリストテレスの作った「三段論法」に なっているですね~。 事前に期待した、ソクラテスやプラトンの「魂」の議論は、一切否定されており、 いい意味で裏切られました。 アリストテレスの他の著作に「自然学」「動物誌」があり、動物学的な視点も踏まえた 心の定義になっており、これで、自然科学への道を開いたんだ、と思いました。 ○アリストテレスによる定義 「心とは身体がある一定の能力をもった状態である」 心とは「可能的に生命をもつ自然的物体のいわば形相」 心とは「生命をもつ自然的物体の第一の終局態」 心の能力・・ ・栄養摂取能力 ・感覚能力 ・視覚 ・聴覚 ・嗅覚 ・味覚 ・触覚 ・欲求能力 ・場所的に運動する能力 ・思考能力 ちょっと不思議な文章あり。「ヒトは動物のなかでもっとも賢い。 その証拠に、人類に賢愚のあることは、この器官によるのであって、それ以外によるのではない。 というのは、硬い肉のひとは思考力の点で暗愚で、柔らかい肉のひとが賢いからである。」って?!○アリストテレスの術語・・心 :プシューケー。「精神」「魂」「霊魂」質料 :ヒューレー。事物を構成する材料。事物の素材。形相 :エイドス。事物がもつ機能。「本質」とも。可能態:ディミナス。「能力」「可能性」が実際に備わっている状態。実現態:エネルゲイア。能力が発揮されている状態。終局態:エンテレケイア。「終わり」「終局」「目的」理性 :ヌース。直感的理性。 「質料は可能態であり、 形相は終局態であ」る。 「形而上学」できちんと理解してからもう一度読み直す必要ありますね~。○人工生命 この本読みながら、「人工生命」の議論が常に頭にありました。 スティーブン・レビー「人工生命」・・・生命とは何か
2007.06.02
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ITプロジェクトの「見える化」 上流工程編 昨年でた「下流工程編」は、 システム開発のライフサイクルの下流部分にあたる「システムテスト」「運用テスト」に 焦点をあてた「見える化」でしたが、 今年の「上流工程編」は、「要件定義」と「システム設計」工程の「見える化」です。 ITプロジェクトの「見える化」 下流工程編 の内容紹介はこちら 下流工程編が、システム開発のシステムテスト工程以降を 医療の現場をアナロジーにして、 健康状態・病気の診断、対症療法で説明したのに対して、 上流工程編は、 飛行機のフライトにおける目標値設定と飛行計画に例えています。 内容的には、 プロジェクトにおける「定性的見える化アプローチ」を、 まず「自己評価シート」に基づくセルフチェックと、 アセッサーによる「ヒアリングシート」におるアセスメントの実施で把握。 ・・・このExcelシート、IPAさんのHPにあるそうなので、 探して試してみようと思います。 次に、 「定量的見える化アプローチ」 測定尺度・・・CMMIの「測定プロセス」の指標そのものになるか、と思いますが、 この指標項目を見ているだけで、しばし考えさせられます。 ・・・PMOの立場からだと全部欲しいのでしょうが、 PMの立場だと必要最小限で効果のある項目は何か、という視点で見てしまうので・・・ と書きつつ、最近、大手SIベンダーやユーザー部門だと、 どこも報告必須項目になっているので、いまさらオーバーヘッドでもないのかもしれません。 「曖昧性と不確実性のマネジメント」は、 ズバリ、リスク管理。 そのリスクも踏まえた上での「見切り」をどうするか。 「良い見切り」と「悪い見切り」を考えます。 具体例として、 失敗工学・・・にならって、失敗プロジェクト事例が58も載っています。 → 「プロジェクトにおける問題事象と対策の事例集」 これだけでも、一読の価値あり、と思います。<目次>【第1章】 「見える化」の目標【第2章】 上流工程における「見える化」の全体像【第3章】 定性的見える化アプローチ【第4章】 定量的見える化アプローチ【第5章】 統合的見える化アプローチ【第6章】 曖昧性と不確実性のマネジメント【第7章】 見切りながらのプロジェクト推進【第8章】 プロジェクトを取り巻く環境変化と課題の俯瞰【付録】 見える化のツールと関連資料 1. 自己評価シート 2. ヒアリングシート 3. プロジェクトにおける問題事象と対策の事例集 4. リスク分類表
2007.06.01
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2007年6月号の「日経SYSTEMS」より。 「熟練エンジニアに学ぶ 部下・後輩の叱り方」の特集記事あり。 「叱り方の鉄則6カ条」 1.1対1になれる場で叱る 2.叱るポイントを絞り込む 3.本気で叱る 4.結果よりもプロセスを叱る 5.人格や存在を否定しない 6.叱りっぱなしにしない 1.1対1になれる場で叱る 同僚などのいる場で、部下のプライドまで傷つけない。 2.叱るポイントを絞り込む 単刀直入。一度に沢山のことを叱らない・・・人格否定につながる。 3.本気で叱る 4.結果よりもプロセスを叱る 原因や防止策まで考えさせる 5.人格や存在を否定しない パワ・ハラ 6.叱りっぱなしにしない 必ずフォローする。 「パラハラのチェックシート」 暴力を伴う<態度>面は、言語道断なので割愛し、 <言葉>面 □「だからお前はダメなんだ」「このバカ」「辞めちまえ」 :人格否定 □「お前のせいだ」「お前が自分でなんとかしろ」「オレは知らない」:責任転嫁 □「お前の意見なんか聞いてない」「言われた通りやればいいんだ」 :思考剥奪 □「やっぱり二流大学出身はダメだな」「大学を出てないお前には分からないか」:学歴差別 □「もう寝る暇なんてあると思うなよ」「よく飯を食ってる暇があるな」:健康阻害 いまどき、こんな発言する人・・・「邪悪な人」には、近寄らないことですね。
2007.06.01
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