システムエンジニアの晴耕雨読

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2007.06.19
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ソークラテースの思い出


クセノフォーン/クセノポン「ソークラテースの思い出」・・・素顔のソクラテス

 訳は、佐々木 理。


 クセノフォーン/クセノポンが見聞きしたソクラテスの姿。


 ソクラテス「自身は、いつも人間のことを問題とし、

 敬神とは何か、

 思慮とは何か、

 不敬とは何か、

 美とは何か、

 醜とは何か、

 正とは何か、

 不正とは何か、

 思慮とは何か、

 狂とは何か、

 勇とは何か、

 怯懦とは何か、

 国家とは何か、

 為政者とは何か、

 政府とは何か、

 統治者とは何か、

 その他こうした題目を論じ、そして、これらを知る者は「君子人」であり、

 知らぬ者はまさに奴隷者と呼ばれても致し方ないものと考えた。」


 ソクラテスが告発される原因となった

 クリティアスとアルキビアデスの二人について、クセノフォーンはこう言います。

 彼ら二人は、名誉欲が強く、当時有名人であったソクラテスに近づいた。

 そこで、本来の徳や思慮を学ぶべきところであるが、弁論術のテクニックだけは身につけ、

 同輩に抜きん出ることがわかった途端、さっさと政治の世界へ転身してしまったのだ。

 以降、三十人政権とその主要人物であったクリティアスを批判こそすれ、

 彼ら二人の片棒を担いだことはない、と。


 本書、クセノフォーン自身が体験した話だけでなく、

 生前のソクラテスを知っている人から聞き書きしたエピソードが満載です。


 たとえば、クロトブーロスという青年が、アルキビアデスの息子に接吻したという話を聞いて、

 ソクラテスはこういいます。

 「可哀そうなことだ。

  美少年に接吻したらどんな目に逢うと思う。

  自由の人間がたちまち奴隷となり、多くの資産を損な快楽に蕩尽し、

  高尚有益なことに用いる多大の時間を失い、気狂いさえ問題としないような事柄に

  熱中しなくてはならなくなるではないか。」

  サソリであれば、噛まれない限り、苦痛を生じることはないが、

  接吻はもちろんのこと、「美貌芳齢」という動物は、触れることなく

  一目見ただけで遠くからでも何かを発射して、たやすく気を狂わせる恐ろしいものなのだ、と。



 プラトンのように、対話法を通してのアポリアー(行きづまり)を楽しむといった

 ところはあまりないため、・・人によっては深みがない、という受け取り方をすることも

 あるかと思いますが、その分、素顔のソクラテスがわかる気がします。


 ソクラテスの刑死の意味を、クセノフォーンはこう言います。

「・・死の宣告を無比の温容と雄雄しさをもって耐え、

 偉大な精神力を満天下に示して不朽の名声を獲得したのであることを、

 考えてもらいたい。

  ・・これほど美しく大死に耐えた人はほかにないと言われている。」

 死刑判決後、1ヶ月の猶予があったが、その間、獄中での友人との語らいに、

 以前と何の変化もなかった。

 また、ソクラテス自身もこう語った。

「私もまた人々の心に残り、たええいま死んでも、

 私を殺した人々の受けるのとは異なる心づくしを注いで貰えるのを知っている。

 なんとなれば、世人は私が世界中のいかなる人にも、

 ただ一度として不正を加えたことがなく、堕落させたこともなく、

 自分と交わる人々をますます良い人物にすることをつねにつとめて来たことを、

 私のために永遠に証明してくれるであろうと知っているがゆえである。」





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最終更新日  2007.06.19 21:42:15
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