システムエンジニアの晴耕雨読

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2015.08.26
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カテゴリ: 書評・読書メモ

【楽天ブックスならいつでも送料無料】世界でいちばん大切にしたい会社 [ ジョン・マッキー ]

世界でいちばん大切にしたい会社 コンシャス・カンパニー (Harvard Business School Press)

ジョン・マッキー、ラジェンドラ・シソーディア

訳 野田 稔、鈴木 立哉

2014年刊

翔泳社




 著者のジョン・マッキーは、ホールフーズ・マーケットの創業者。

 冒頭のエピソード・・

 創業してしばらく後、オースチンは70年ぶりの大洪水に見舞われ、

 店は2メートル以上の床上浸水となり、店内の装備と在庫品が何もかも失う。

 貯金も保険もなく、在庫もゼロ・・茫然自失の中、

 何十人ものお客様や近所の人々がお店に集まってきた。

「さあさあ、仕事に取りかかろう。まずはきれいに片付けて再建しようじゃないか。

 この店をつぶしてたまるかい。落ち込むのはこの辺にして掃除を始めよう!」

 ホールフーズがここになかったら、オースチンに住みたいと思わない、とまで

言う人もいた、といいます。





 企業は、「だれかが得をすると損をする者が必ずいる」というトレードオフ的な

者の考え方がある。

≪自社の存在目的や世の中への影響について経営者の意識が低いと、

 トレードオフ的な発想に傾いてしまい、意図していなかった数多くの有害な結果を招く。≫


 しかし、

≪ビジネスは搾取や無理強いに基づくものではなく、

 協力と自発的な交換に基づくものだ・・


 人々は互いの利益のために自発的に取引をするのであって、

 強制されて物を買ったり売ったりするものはいない。≫


 また、「ビジネスの究極の目的は、常に投資家にとっての利益を最大化すること」

という考え方もある。

≪しかし、ほとんど例外なく、成功した企業家は利益の最大化を目指してビジネスを始めた

 わけではない。≫ もちろん、金を稼ぎたい。

≪しかし成功者の多くをビジネスにかき立てているのは金儲けではない。

 社会から求められている何かを成し遂げようという意欲に支えられているのだ。

 自由競争資本主義は、自分の夢と情熱を糧として、

 顧客、社員、サプライヤー、社会、そして投資家に驚くほどの価値を生み出す企業家たちの

 英雄物語なのだ。≫



「ビジネスとはできるだけ多くの金を稼ぐことではない。

 ステークホルダーのために価値を生み出すことだ。

 この点を明言し、ビジネスに携わる人々がその物語を演じられるようになることが重要だ。」

(エド・フリーマン)





 本書の目的は、

「意識の高い企業」の誕生を促すこと。

 コンシャス・カンパニーとは、

 1.主要ステークホルダー全員と同じ立場に立ち、

   全員の利益のために奉仕するという高い志に駆り立てられ、

 2.自社の目的、関わる人々、そして地球に奉仕するために存在する意識の高い

   リーダーを頂き、

 3.そこで働くことが大きな喜びや達成感の源となるような活発で思いやりのある

   文化の根ざしている会社ののことだ。



≪コンシャス・キャピタリズムとは、

 あらゆるステークホルダーにとっての幸福と、金銭、知性、物質、環境、社会、

 情緒、道徳、あるいは精神的な意味でのあらゆる種類の価値を同時に創り出すような、

 進化を続けるビジネスパラダイムのことだ。≫

 1.自社の存在目的

  ・自社はなぜ存在しているのか?

   なぜ存在する必要があるのか?

  ・どのようなコアバリューが企業を活性化させ、すべてのステークホルダーを一体化するのか?


 2.ステークホルダーの統合

   コンシャス・カンパニーのステークホルダーは、

   ウィン-ウィン-ウィン-ウィン-ウィン-ウィン「ウィンの六乗」の解決法を

   乗り越え、互いに依存しあうステークホルダー間の利害の調整を図る。


 3.コンシャス・リーダーシップ

   コンシャス・カンパニーは、意識の高いリーダーなしでは成功しない。


 4.コンシャス・カルチャーとコンシャス・マネジメント

   コンシャス・カンパニーは、自社のカルチャーを大切に守りつつ、

   機能の分散化、権限移譲、協力をベースとする手法で経営される。



≪ある意味で、すべてのコンシャス・カンパニーが

 最終的に目指すべきは高潔な(heroic)目的だ。≫





<目次>
第1部 第一の柱―存在目的
(存在目的―企業にとっての意味を追求する
存在目的を発見し、育てる)
第2部 第二の柱―ステークホルダーの統合
(忠誠心が高く、信頼を寄せてくれる顧客
情熱を持った、意欲的な社員 ほか)
第3部 第三の柱―コンシャス・リーダーシップ
(コンシャス・リーダーの資質
コンシャス・リーダーになるには)
第4部 第四の柱―コンシャス・カルチャーとコンシャス・マネジメント
(コンシャス・カルチャー
コンシャス・マネジメント ほか)





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最終更新日  2015.08.26 23:18:15
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