よんきゅ部屋

よんきゅ部屋

Jan 19, 2005
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
私は通勤途中に本を読んで過ごすことが多い。最近読んで考えさせられているのは、日本の組織(企業、役所などなど)のあり方についてである。

最近、大企業を中心に「チャンスを公平に与えて頑張ったかどうかをきっちりと評価して、成功した人に報いる」という考え方(成果主義という)が広がっているということを新聞・雑誌などでもよく見るようになった。一見、このやり方は魅力的に見える。特に年功序列に染まった組織を窮屈だと思う人にはそうだろう。成果主義の良さを説く本が書店にも多く並ぶ。

しかし、それに反論する本が多く見られるようになった。それらによれば、実は、成果主義の考え方は正しいとしても、それを組織で適用しようとすると、本来意図したことに反する行動が次々と見られるようになり、成果主義自体が成果をあげられていないという、しゃれにもならない現実があるのだという。本来は個人のやる気を高めるために始めたことが、いつの間にかやる気を削ぐものに変わり、組織の成果もどんどん低くなっていくという悪循環になっている例が挙げられている。

原因はどこにあるのか、それにはいろいろな意見があるだろうが、私は「それに賛成する人がちゃんと考えていない」ことにあると思う。成果主義は考え方次第で「単なる人件費削減の手段」にもなりかねない。経営者にとっては魅力的に映ることもあろう。しかし、負の側面もあり得るわけだから、そのシナリオも考慮する必要がある。考えてみて、それでもやっぱりやるべきだと思うのならば思い切って実行し、相応の責任をとる必要がある。

日本の組織の問題としてよく言われるのは、問題の先送り、誰も責任をとらない無責任体制といったことだろう。しかし、だからといって、最近の日本の組織の行動は極端であるような気がする。先送りは最悪だが、考えずにやるのは無謀なだけである。責任の所在を明らかにするのはいいことだが、責任のなすり合いが横行する状況は最悪だ。それに責任のとらせ方も、責任者をひたすら追い込んでいくようになると誰も責任をとらないように...そう、元の木阿弥になる。

すべては現在の日本の置かれた状況に起因する余裕のなさからくることのような気がするのだが、それを言い訳にして何も考えずに、従来と逆のことをしようとか、ひたすら目先を変えようとする行動は、健全なものまで悪くしてしまう可能性がある。「ぬるま湯」と「果てしないデスマッチ」との間のどこに軸足をおくべきか、選択肢は無数にあるのだから、それぞれの組織が自分の置かれた状況に合わせてしっかりと考えるべきだろう。誰かのマネをするにしても、しっかりと考えたという裏付けがなければならないように思う。

そして、問題は組織のトップである。トップがどこまでそのことを自覚しているかが問題である。いい情報にしか耳を貸さない、失敗したら責任を部下にかぶせて逃げてしまう、などというようでは、組織はうまく回らない。こういったテーマについて多くの人が考えるようになれば、少しはいい方向に向くのかなと思う。

そんなことを考えるのには理由がある。少子化の流れをうけて、大学はまさに変化への選択を迫られている。私はそこに身を置いているので、上の話は他人事ではないと思うのだ(大学の組織は他のそれと異質のように思われるかもしれないが、意思決定の仕方やメンバーの行動の仕方、組織のまとめかたについては企業とそう大差はないような気がするというのが実感)。

環境が変化したのだからそれに適応していかなければ生き残れないのは当たり前だろう。それはカリキュラムの組み方といったものから、各教員の授業の内容に至るまですべて関わってくる。大学にとっては「いかによいお客さん(学生)を集められるか(それは最初から成績がいいということだけではなくて、学ぶ姿勢を持つようになる可能性があるという意味も含めて)」ということが重要である。そのためには「ライバルに引き離されないようにする」という短期的な対応(例えば営業活動)が必要である。しかし、ともすると見落とされがちなのは、お客さんの評価が固まり、広がっていくのには時間がかかるということ、そして日頃のサービス(授業や事務的なことも含めて)の地道な積み重ねが必要だということだ。これを忘れてしまうと、組織にとってはボディブローのように効いてくる。だからこそ、逆に怖いと思う。

私はまだ大学の中ではこういったことについて発言する立場にない。しかし、こうした議論がしっかり行われているかどうかは気になる。なぜならば、そのことがわれわれの世代の将来を決める可能性を多分に持っているからである。自分の職場でもいい議論が交わされることを期待したい。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Jan 19, 2005 11:51:45 PM
コメント(0) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Favorite Blog

ようやく一安心⁈ 魔神8888さん

第364回定期演奏会 すららさん

本番:ドイツレクイ… ピカルディの三度THさん

黄 金 時 代 ショスタコーヴィチさん
クラシック音楽は素… 会長0804さん

Comments

новое русское порно бесплатно@ Hot and Beauty naked Girls Respect to post author, some fantast…

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: