よんきゅ部屋

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Jan 15, 2007
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今日、仕事の帰りに「悲愴」の第1楽章を聴きながら帰った。来月の演奏会で演奏するので、いろいろと考えるために、そして先日の合奏の復習のためにそうした。

自宅の最寄り駅まで帰れる電車に乗り換えたところで聴き始めた。いろいろと指揮者に言われたことを思い出し、またフレーズの作り方などをチェックし、どうやって弾くかというイメージをあれこれしながら電車に揺られる。

第2主題(静かなニ長調の部分)の最初の音が出た瞬間に「うるうるっ」ときた。真っ青な空のどこからともなく霧が沸いて降って、そして通り過ぎていくかのような音(ファ#ミレシラファ#ラという部分)。学生時代、紅葉の季節に上高地近くの山道をドライブしたときに見た風景そのものだった。目の前に現れては消えていくはかなさに感じ入った記憶がよみがえってきた。

2度目の第2主題(ヴァイオリンがオクターブ上がって演奏する場所)はさらにテンションが高い。「ラソファ#ファ#ミ/ソファ#ミミレ」と来た後で低音が「ブーン」と鳴らす場所がたまらない。強いけれど優しく受け止めてくれるような音(これは半分本番指揮者の受け売りだが)で、次の音を弾きたいなと頭の中をいろいろな考えがめぐっていく。

その後テンポが少し上がっておさまっていく場所は、小さい頃自分をかわいがってくれた人(もう会えない)が最後に「じゃあな」といって立ち去る姿を見送っているかのような絵がちょっとうかんだ。あくまで自分にとってはとても優しい記憶だが、それが遠ざかっていくかのような...。

そしてオケが一発不協和音をぶちかました瞬間に嵐のような世界に変わっていく展開部がやってくる。とにかく激しいのだが、すべてが激しいだけでは芸がないというのは、演奏しながらどんどん理解できるようになったことだ。強い音だけで押し切るのではなく、その中できっちりとメリハリをつけることがやはり音楽の形を見せるためには必要だ。フレーズの切り方、カウントの仕方をあれこれ頭の中で試してみる。プロの演奏を聴いてみると、このあたりは実に巧妙だ。このあたり、電車もスピードに乗っていて、現実の気分ともかなりシンクロしていた。

脱水機に放り込まれてグルグルしている状態の場所もあれば、一瞬だけ嵐の止み間になっている場所もある。そして、最後の審判を受けているかのような場所が展開部の最後には待っている。そういったところをもっと表情豊かに演奏できないか、いろいろと考えた。もちろん、これらは時間のあるときにでも実際に音を出して確認していかなければならない。展開部が終わりかけるところで電車を降りた。

今日はいい天気で、電車を降りた後の帰り道は、日没後の明るさが少し残る中を歩いて帰った。ここで第2主題の再現(ロ長調)となる終結部へ。もうずいぶん前になるがコーヒーのコマーシャルで指揮者が登場して(確か石丸寛さんだったかな)演奏されていた部分だ。本当はもう少し前の日没前の太陽の輝きを見ることができたら気分的にもシンクロしたかな...。しかし、だんだん静まっていく部分は、今日の帰り道に見た空にぴったりきた。ちょうど帰宅する直前に第1楽章終了。この間たったの20分だったが、心と頭が同時にフル回転。疲れた仕事帰りの充実した気分転換となった。





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Last updated  Jan 15, 2007 09:13:21 PM
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