MATRIX7

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2010.06.20
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カテゴリ: サッカー
 スナイデルは苦労人だろう。レアル・マドリードを追放されて、インテル・ミラノに移籍してきた。この段階では、落ち武者の扱いを受けていた。マドリードはサッカー選手にとって頂点であり、オランダを離れて戦ってきたスナイデルにとって晴れの舞台だった。しかし、新戦力の補強によって、スナイデルは無用の存在になった。体制変革による移籍は、つらいものだったに違いない。Cロナウドやカカなどのスター選手を大金で集めて、世界を制するという方針に未練はないけれど、腹が立ったことは間違いない。
 ミラノに移籍した当時のインテルは、とても名門と呼べるような戦力を有してはいなかった。戦力不足の原因は、イタリアサッカー界の貧しさにある。資金不足に陥って、カカを売却せざるを得ないACミランの苦しさをイタリア中が共有していた。王者インテルも補強資金が不足していた。モウリーニョの求める戦力を集めるには、唯一の金になるイブラヒモビッチを売却して、移籍金稼ぎをするしかない。バルセロナがエトーとイブラヒモビッチの交換を申し込んできたことは幸いだったろう。数十億円の補強資金を手にすることができた。
 インテルの戦力補強は地味なものに終始した。バルセロナを追放されたFWエトーと安かったFWミリート、資金稼ぎのために売却されたMFスナイデルとバイエルンからやってきたDFルシオ、どこに所属していたかも知らなかったモッタとムンタリが呼び寄せられた。このメンバーを見たとき、インテルが欧州を制覇することを予見できた人間はいなかっただろう。地味で格安の選手たちが活躍できるかは、まさにモウリーニョの鑑識眼にかかっていた。
 最初の難関は、CL予選リーグのバルセロナだった。この試合に、スナイデルは10番をつけて出場している。しかし、バルセロナのパスサッカーに翻弄されて、全く抵抗できなかった。それどころか、予選落ちの可能性すらあった。幸運が味方して、予選リーグを乗り切ったインテルを待っていたのが強豪チェルシーだった。チェルシーはFWドログバ、アネルカ、カルー、MFバラック、ミケル、ランパード、DFテリー、マルダ、カルヴァーリョ、イヴァノビッチという豪華メンバーが並んでいる。
 インテルの守備陣は変動していない。DFルシオだけが新参であり、サネッテイ、マイコン、サムエルが守備に就く。MFスタンコビッチ、カンビアッソ、モッタが中盤を構成する。FWはエトーとミリートにスナイデルが加わって3トップになる。チェルシーとの戦力の落差にがくぜんとしたものだったが、双方の違いはスナイデルの存在にある。モウリーニョの戦術をピッチの上で再現する役割がスナイデルの本領であり、ピッチ上の知恵袋だった。チェルシーの良さを消し、弱点を突くには、スナイデルのような戦術家が必要になる。。
 チェルシーとCSKAモスクワを倒したインテルの前に、再びバルセロナが登場する。誰もが予選リーグの再現を予感していた。メッシを中心とするバルセロナは全盛期にあり、FWイブラヒモビッチさえもいる。そこで、演じられたのが後世に残る守備戦術だった。メッシの動きを止めることは難しい。そこで、パスコースを消して、メッシの進入路をふさぐ作戦に徹した。
 メッシを封殺すれば、失点の可能性が減る。バルセロナの戦い方を分析して、それを封じる戦法を研究してから戦かうしかない。FWの二人が最終ラインに入って、DFを補強するなどは、バルセロナ相手でないと思いつかないだろう。この段階では、スナイデルは世界有数のMFとして認知されていた。スナイデルから眼を離した日本代表が一発くらったのは仕方ない。勝利への執念が違う。デンマークのFWベントナーを止められるかにかかってくるけれど、すでにオランダは成功していることがヒントになってくる。





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Last updated  2010.06.20 14:38:18
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