JAPANESE GIRLS&BOYS

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「少年」と「悪魔」


 「少年」と「悪魔」


君はなぜこんな檻の中に閉じ込められているんだい?

ふぅん、そうかい君は奴隷なのかい。ここの奴らに連れてこられたんだね。
……そうか、連れてこられただけでなく父親を殺されたのか。それで、母親は自分と一緒に奴隷として連れてこられたけど、どこか違うところに入れられたんだね。

それで君はここにいるのか。ここに連れてこられてどれくらいになるんだい?
……わからないか。初めの頃は日を数えてたけど、もうめんどくさくなったと。
じゃあ、教えよう。君がここに来てからもう一ヶ月になるんだよ。
なぜそんなことがわかるのかって? フフ、僕にはなんでもわかるんだよ。

ところで、お母さんに会いたいかい? ……なるほど、会いたいか。
そりゃそうだろうね。なんせ毎日毎日君のために尽くしてくれたお母さんだもんね。
君が大熱を出した時なんて、わざわざ隣町まで雨の中医者をさがしにいったこともあったぐらいだもんね。

えっ? さっきからどうして自分が一言もしゃべってないのにそんなことがわかるのかって?
それはね………僕が悪魔だからさ。

そんなに怖がらなくてもいいじゃないか。僕は君を助けに来たんだよ。
なら早くこの檻から出してくれって? 何言ってるんだ。実は檻に鍵なんてかかってなかったんだよ。そもそも、そんな檻なんて初めからないじゃないか。
ほらこの通り。

なに、魔法かって? そんなものじゃないさ。
さぁ、一緒にお母さんを捜しに行こうか。

あ……ちょっと待って!!




いやぁ、危なかったね。もう少しで見つかるところだった。
あの男たちだね。君とお母さんをここにさらってきたのは。といってもあと仲間が200人くらいいるんだけどね。
ここはね、けっこう大きな人身売買組織の本拠地なんだ。だから、君たち以外にも大勢の人たちが収容されてる。

おや? どうしたんだい?
なに、逃げたい!? 何言ってるんだ。お母さんを助けたいんじゃないのか?
さっきの男たちと僕の話で怖くなったんだね。ごめんよ。

でも、実はお母さんが収容されてるところはすぐそこなんだ。ほら見えるだろ。あの通路の奥さ。
……よし、いい子だ。さぁ、行こうか。

あ、あんまり足音は立てないように。気がつかれたら大変だ。
……そうそう、もうすぐだよ。

ほら、ついたよ。さぁ、ご覧。あれが君のお母さんさ。
男たちに弄ばれ、おもちゃのように扱われ、挙句の果てに手首の血管を歯で噛み切って死んだお母さんの姿だ。君を殺したと男たちに言われたのが自殺させる決め手になったみたいだったよ。

何、泣いてるのかい? おいおい、泣いてる暇なんてないはずだぜ。
君はこれを見て何も感じないのかい? あいつらに復讐してやろうとか考えないのか?
そう思ったならやることはひとつだろうが。
無理だと? そんなことはない。そのために俺がお前の前に現れてやったのだ。
俺がその復讐に手を貸してやろう。なに、俺の力をもってすれば……

なんだ、怖気づいたのか? なら、お前の足元に転がってるのはなんだ?
それはもうお前の母ではない。ただの「物」だ。そうしたのは誰だ。よく考えろ。


さぁ、俺と手をつなげ!!



    □   □   □



どうした、何を泣いている。これはお前が望んだ結果だ。
俺はお前が好きにできる力を与えた。そしてそれをお前は好きに使った。それがこういう結果を招いたのだ。
違うだと? じゃあ、これはなんだ?
これだけの数を殺したんだ。こいつらもなかなかの下衆野郎どもだったが、お前もそうとうの悪人だな。
本当はそんなことするきはなかった、なんて言葉は無意味だぜ。起こっちまったもんは起こっちまったんだからな。

そんな目で俺を見るな。俺はお前の願いを叶えてやっただけだ。母親の敵をとるというな。
騙したって? そもそも悪魔を信用するほうがおかしいんじゃねえか?

……へっ、それは出来ねぇな。俺はもうお前から離れることは出来ない。
なぜなら、俺はもうお前の中にいるからな。お前に俺の姿が見えるのは、心の中にいる俺の姿を見ているからだ。俺の声が聞こえるのは、俺が直接お前の心に話しかけてるからさ。

ん? 殺せるのか、お前に? 俺を殺すということは自分自身を殺すということだ。
お前の母親は自殺することが出来たが、お前にその勇気はない。
だから俺はお前を選んだ。欲望が強く、生への執着が強いやつほど、いろいろと便利だからな。

まぁ、そう怒るな悲しむな。俺とお前は契約を結んだ仲間なんだから、もうちょっと仲良くしようや。とりあえず、こんなむさくるしい所から出て、外の空気を吸おうぜ。
そうすりゃ、お前の気も変わるさ。俺の力は便利なんだぜ。欲しいものはなんでも手に入る。


さぁ、外へ出ようか。







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